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第四十二回 来年のためにどうぞ     2004年04月30日

 春というより夏というべきな陽気になってきました。春が終わった事で、ホッとしている方もいるのではないでしょうか。今年も私の周りでは、多くの方が涙や鼻水に苦しめられていました。そんな方々に、いまさらと思われるかもしれませんが、結構時間がかかりそうなので、来年へ向けた準備として、花粉症の症状軽減の秘策をお届け致します。

 すでにご存知の様に花粉症は、体内の免疫システムが関わっています。本来、体内に入り込んでくる細菌やウィルスに対抗するためのシステムである免疫が、必要以上の働きを始める事、それがアレルギー反応です。このアレルギー反応を抑え込む働きを持つ薬剤は存在していますが、根本的な治療を行なう事は、非常に困難といわれています。しかし、対処法しだいでは症状を軽くしたり、体質を改善する事によって、症状を封じ込めたりする事ができます。

 花粉症の原因の一つに、粘膜の抵抗力が弱っている事が上げられます。花粉に含まれる程度のタンパク質では、異物として喉や鼻の粘膜で除去してしまえるのですが、花粉症の人の場合、その場での除去ができず、体内まで花粉が入り込みやすくなっています。その為、粘膜を鍛え、花粉が入り込みにくい状況を作り出せば、花粉症の症状を軽くする事ができます。

 粘膜を鍛えるための運動、今回も簡単にできて器具も場所もいらないものですが、あまり格好はよくありません。実践されるかは...。

 まず両肩を下げて、まっすぐに舌を出します。そのまま5秒、舌を保持し、ゆっくりと舌を上げ、鼻の先に届くほどにまっすぐと上げたら、そこで5秒、保持します。

 舌をゆっくりと下げ、あごに届くように下げたら、そこでまた5秒保持します。

 ゆっくりと肩を戻しながら舌を中心の最初の位置へと戻す。



第四十一回 路上被爆     2004年04月28日

 ちょっと怖いタイトルを付けてみました。でも内容は、もっと怖いかもしれません。

 02年2月の事です。福岡県の運送会社のトラックが製鉄工場に入った際、放射線反応が示されたため搬入を止められました。車体から放射能の反応があったからです。調査の結果、トラックに取り付けられた排ガスを低減させる装置の原料に、核燃料にもなるモナザイトが使われている事が放射線発生の原因である事が判りました。

 この装置は、燃料タンクとエンジンの間に取り付け、中に入っている固形物に触れる事によって軽油やガソリンの分子を分解し、燃焼効率を高める事によって排ガス中の一酸化炭素や窒素酸化物を通常の10分の1に減らすというもので、97年に実用新案登録され、すでに全国で5000台以上の車体に取り付けられているそうです。

 専門家の意見では、放射線の影響は無視できないものがあり、装置の磨耗、破損等によって粉塵となった場合は、吸引する事によって体内被曝に繋がる可能性は否定できないとしています。実際、分析を行なった専門機関ジオクロノロジージャパンでは、「固形物はモナザイトを焼成して作られ、放射性物質のトリウムが自然界の2091倍、ウランが854倍も検出され、放射能濃度は、1gあたり30ベクレルという数値を示していたそうです。

 直接排気ガスを吸引するか、装置に近いところにい続けるという事は、あまり考えられない事の様ですが、長時間運転を続けるトラックのドライバーや、装置に直接触れる可能性のある整備士の方等、一部の職種の方には危険性は否定できないものがあります。今回、特にそうした危険性が存在する事、放射性物質を含んでいる事が充分周知されていない事が、装置の危険性をより高いものにしている様に思われます。



第四十回  環境保護とハンバーガー     2004年04月27日

 鳥インフルエンザの世界各地での発症によって、輸入禁止措置のために鶏肉が不足するのでは、という話から輸入先として急激に注目された国にブラジルがあります。ブラジルというと、これまであまり食品を輸入してきたというイメージがありません。せいぜいコーヒー豆や健康食品のアガリクス・ブラゼイ(アガリクス茸)くらいでしょうか。

 ところがブラジルは、今や世界最大の食肉輸出国に成長しようとしています。広大な農業用地や安い労働コストもさる事ながら、国を挙げて農産物の輸出に力を入れ、ここ数年の穀物の豊作、地域的なBSE(狂牛病)や鳥インフルエンザの発生によるライバル国の輸出停止等の好条件も重なって、大幅に輸出量を伸ばし続けています。

 農民達も先を争うように牧場開墾を進め、特に収益性の高い肉用牛の飼育には、かなりの勢いが付いています。肉用牛を肥育するためには、肥育用地が必要になるばかりでなく、飼料となる穀物が大量に必要になります。その結果として、世界の酸素製造工場といわれるアマゾンの熱帯雨林が深刻なダメージを受けつつあります。

 毎年、アマゾンの森林減少は、四国とほぼ同じ面積である1万7千平方キロのペースで進んでいます。牛肉の輸出量が本格的に増加している2001年には、2万5千平方キロと4割にものぼる加速を見せています。牛の飼育頭数にしても、90年には2600万頭だったものが、02年には5700万頭と倍以上に増えています。

 そうした動きを懸念し、国際環境保護団体の「国際森林研究センター」は、欧米諸国での牛肉消費の実態から「ハンバーガーの人気がアマゾンの熱帯雨林の破壊に繋がっている」とした内容の報告書(表題:ハンバーガーがアマゾンを破壊する)を公表しています。ハンバーガーの普及による牛肉消費の増加のみが原因というのはあまりに極端な話ですが、実際、発展途上国の経済発展等によって食肉の世界的な需要は増加傾向にあるといわれ、それを賄うために、これからも牧用地や飼料栽培用の農地を確保するための森林伐採は、行なわれ続ける事になると予想されます。

 「風が吹けば、桶屋が儲かる」的な話の展開ですが、少なくともハンバーガーの包み紙を、エコロジーなものにしたくらいでは、許してもらえないような、そんな感じの報告に、さまざまな事が有機的に絡んで環境を構成している、細かな影響を考慮し続けなければ環境保護は語れない、そう考えさせられてしまいました。



第三十九回 ろうがい     2004年04月26日

 労咳(ろうがい)というと沖田総司や高杉晋作、伊庭八郎といった歴史上の人物を思い浮かべてしまいます。どちらかと言えば結核と言った方が、より近代的でしょうか?かつては国民病とまで言われた結核は、すでに遠い過去の病気の様に思われています。しかし、その結核が現在、増加傾向にあるとしたら、かつて特効薬として言われてきた薬剤が効かないとしたら...。

 日本だけを見ても、1950年までは結核は病気別死亡者数の第一位を占め、1940年には15万人という死亡数を数えていました。その後、患者数は順調に減少傾向を示すのですが、1980年代に入ってから減少傾向が鈍化してしまいます。そして1999年7月には、当時の厚生大臣より「結核緊急事態宣言」が出されてしまいます。それ以前、1993年にはWHO(世界保健機構)より「結核非常事態宣言」が出されています。

 先進国では、結核患者の発生は減少傾向にあるのですが、日本では僅かずつではあっても増加の傾向にあります。何故、今頃?と思われるかもしれませんが、意外な原因が潜んでいます。かつて結核が蔓延していた頃に生まれ育った世代がその当時に感染し、その後発症はしていなかったのですが高齢になり、免疫力や体力が低下してしまった事によって、発症、結核菌の拡散となっている事や、若年層でも偏食やダイエット等によって体力が低下していたり、結核菌に触れる機会がそれまでなかった為に、抵抗力が無く、感染しやすい状況である事が主な原因として考えられます。

 また結核菌自体も、薬剤への抵抗力を備えた「多剤耐性結核菌」のような突然変異したものが現れ、より強力になってきていると考えられます。結核の感染は、感染者の咳等による飛沫核感染(空気感染)で行なわれるため、都市部の様な人口過密の状態では、感染が不特定多数に及ぶ事もありえます。

 実際、先日、学習塾において講師から生徒へと感染の事例が報告されていました。空気感染という厄介な感染方法や、比較的弱毒菌であるため、初期症状が感じられにくく、症状が目立ってきた頃は、かなり進んでいるという困った感染症ではありますが、定期的な健康診断によって発見する事ができ、効果的な薬剤も多数開発されています。決め手は早期発見、初期治療を充分に行なう事です。忘れているうちに背後から忍び寄るというのは、いかにも病魔という感じがします。過去のものではなく、今そこにある脅威として意識しておく事が大切なのかもしれません。



第三十八回 特効薬にご注意     2004年04月23日

 インフルエンザの特効薬として登場し、保険適応も認められたタミフル(リン酸オセルタミビル)が、ここのところ話題になっています。

 A型とB型のインフルエンザに有効な世界初の経口薬として、発熱時間と罹病期間の短縮に有効な特効薬タミフルは、インフルエンザのウィルスが細胞内に入り込み、増殖を行なう事を妨げ、身体の免疫力と共にインフルエンザを封じ込める働きを発揮してくれます。同じく特効薬として登場したリレンザも合わせ、発売当初はインフルエンザ克服という話題と共に、大きな注目を集めました。

 そのタミフルに関する危険性を示唆するデータが、様々なところから出てきています。一応タミフルに関しては、18歳以上の成人を対象にした投与が前提とされていますが、シロップという投与しやすさの点や罹病者の年齢的分布という特徴からも、子供への投与も充分考えられます。それに関してアメリカのロッシュ・ラボラトリーズ社は、7日齢の幼ラットに投与したところ、脳内の薬剤濃度が成体と比べて約1500倍も高まったという結果を得ており、幼児への投与に否定的な態度を採っています。

 幼児、特に生後6ヶ月未満の子供は、脳への毒物等の侵入を防ぐ「血液脳関門」が未発達の状態で、その為に様々な物質が成人よりも脳へ到達しやすくなっています。タミフルの脳内濃度が急激に上昇する事は、そうした血液脳関門の発育に関わる部分が大きく、その為、タミフルを国内で販売する中外製薬も医療関係者へ向け、1歳未満児へ使用しない様、連絡を行なっています。厚生労働省のコメントとしては、ロッシュ・ラボラトリーズ社の実験だけでは投与を禁忌とする充分な根拠とならないが、危険性と効用を考慮し、保護者等の同意を得た上で慎重に投与すべきだとしています。

 また、タミフルの投与によって、体内のインフルエンザウィルスの約30%がタミフルへの耐性を持つ事が、東大医科学研究所の河岡義裕教授によって報告されています。治療前と治療後にウィルスを分離、調査したところ、調査対象の33人のうち30%にあたる9人からタミフルへの耐性を備えたウィルスが確認されたそうで、かなり高い耐性発生率になるそうなのです。

 タミフルを投与された患者の免疫力が低かった場合、かえってインフルエンザの症状を長引かせ、その患者から感染した人には、タミフルが効かないという状況になりかねない今回の報告ですが、新型のインフルエンザへのタミフルの活用が期待されていただけに、今後のインフルエンザ治療へも影響が出るものと思われます。

 ウィルスは細胞内に侵入し、その細胞を乗っ取って増殖を行うため、薬剤による治療が難しく、自己の免疫力が決めてとなりますが、今回の報告は、安易な薬剤投与の危険性と、ウィルスの適応力の大きさ、人の無力さといった点を、見せ付けられた感じがしています。



第三十七回 Rest in peace     2004年04月22日

「私の名前はティモシーです。とても歳を取っているので、私を掴み上げたりしないで下さい」そんな札を背中に貼り、城内のバラ園で静かに眠り続けていた亀が、永久の眠りにつきました。亀のティモシーがイギリス南西部のデヴォンにあるパウダーハム城に連れてこられて、すでに100年以上が経過し、城の関係者も「城の一部のようなもの」と話すほどの存在となっていました。

ティモシーは、私達ではすでに歴史の教科書でしか触れる事のない、「クリミア戦争」の最中に生まれました。生後まもなく、ヴィクトリア女王直属の海軍軍艦のマスコットとなり、世界中を旅する事となります。1854年には、クリミア戦争の山場となるセバストリポリ攻略戦の戦況を艦内から見守り、その後、東インド、中国と歴訪しています。

そんなティモシーの活躍に勲功賞が送られていますが、人前で勲章を着ける事は一度もなかったそうです。そんなティモシーの事を、海軍歴史研究家でもあるジョージ・カーデュウ艦長は、「亀ゆえのおくゆかしさ」とティモシーの人柄(?)を評しています。

その後、数十年の軍歴を経て、ティモシーは退役し、パウダーハム城の住人となりました。そして、その地で後継者を残すべく、伴侶を得たのですが、驚くべき事実が関係者に衝撃を与えています。生後70年、海軍一筋に生きてきたティモシーは、実はメスだったのです。せっかく来てくれたお嫁さんには目もくれず、バラ園の住人として余生を送る事になります。

それから約80年、激動の時代を見つめ、お酒を飲んで酔っぱらった事さえあるという波乱の人生(?)は幕を閉じられるのですが、世界を駆け巡った海軍時代とパウダーハム城のバラ園で静かに過ごした退役後の生活、後に判った性別の秘密等、人間だったら、かなりのドラマになるのではないでしょうか。

確認されている亀の寿命は、アルダブラゾウガメの152歳、カロライナハコガメの138歳、ヨーロッパヌマガメの120歳と続くそうですが、トップのアルダブラゾウガメは推定で180歳とも言われています。ティモシーもかなりの長寿となり、万年生きるという亀らしい長い歳月を、亀らしからぬ人(亀)生を生きた事になります。人間の倍の歳月を生き、人間達の営みを見守り続けたティモシーの魂が、永久に安らかであります様に願っています。



第三十六回 古い友達     2004年04月21日

フランスの国立自然史博物館の研究チームによると、地中海のキプロス島の約9500年前の遺跡から、人と共に埋葬された猫の骨が発掘されたそうです。猫の骨は全長約30センチで、生後半8ヶ月程度の幼い子猫ではないかと見られ、屠殺された痕がない事や、埋葬の状態からも親密な関係が窺われ、最古のペットではないかと考えられています。

今回の発見は、キプロス島の新石器時代の遺跡を発掘中、たくさんの石器や宝石、貝殻を埋めた墓の中に、人の骨に近い約40センチほどのところに、小さな穴に土を被せるかたちで埋葬されているものを見つけたとの事で、人と同じ西側を向けて埋葬されていたそうです。

これまで猫は、保存した穀類を狙うネズミを追い払う目的で飼育され、ペット化が進んだと考えられていましたが、今回の発見によって、より精神的な結びつきが強かった事が窺われ、猫と人との歴史を大きく遡るばかりでなく、ペットとの精神的な関わりを知る上でも大きな発見になると考えられます。

これまではエジプトの第六王朝の墳墓の壁画、4000〜5000年前の猫に首輪が描かれていた事から、最古のペットを示す事例とされてきましたが、猫との関わりは一気に倍近くも古いものと確認された事になります。日本へは、奈良時代に仏教の経典と共に入ってきたといわれ、大切な経典がネズミの被害に合わない様にする為のガードマンとしての役割を担っていたそうです。

ペットを飼っている人が増えている中、猫好きは犬好きよりも溺愛する傾向が強いといわれます。キプロス島の古代人もその一人なのでしょうか。元々キプロス島には猫はいなかったそうで、遠くから連れてこられた猫、もしくはその子孫を飼う高位の人物という事で、新たな想像をかきたてる発見でもあります。



第三十五回 天然中最強     2004年04月20日

 カビの話しが続いてしまいますが、今回はカビの怖い面を紹介します。カビはうまく付き合うと、とても役に立つ存在です。しかし、それだけでは語り尽くせない奥の深さを持っていると思います。

 アフラトキシンという言葉、聞かれた事ありますか?カビが作り出す、強力な発ガン物質です。1960年にイギリスで、10万羽以上の七面鳥が死亡するという事件が起こり、その原因物質として発見されました。アスペルギルス・フラバスというカビが発生させる事から、アスペルギルス・フラバスの毒(トキシン)という意外と単純なネーミングで、アフラトキシンと名付けられたそうです。

 その後の研究で、他の種類のカビもアフラトキシンを生成する事が判り、アフラトキシン自体もB1、B2、G1、G2、M1と、数種類がある事が発見されます。この中で、特にB1は、天然成分中では最強の発ガン物質であり、特に肝ガンを引き起こします。急性中毒を起こす毒性も持ち、インドでは1974年に106名が肝炎によって死亡するという事件が起こっています。毒としての強さは、ダイオキシンの10倍にも上るといわれるほどです。

 慢性中毒に関しても、熱帯や亜熱帯の地方を中心に、肝ガンの発生とアフラトキシンの摂取に関する密接な関連性が報告されています。アフラトキシンの構造が遺伝子の構成成分と似ている事から、遺伝情報内にアフラトキシンが入り込み、正しい遺伝情報を書き換える事によって、細胞がガン化されてしまいます。

 アスペルギルスというと、日本でお馴染みの麹カビも含まれます。アフラトキシン発見直後は、日本でもカビの毒性が懸念されましたが、日本国内で見られる麹カビは、毒物を持っていないそうです。国内へのアフラトキシンの混入は、主に輸入品のピーナツ、トウモロコシ、大豆、綿実等に付着した形で入り込んできます。輸入物の穀物で、カビが発生している物を見かけたら、絶対食べない様にした方がよさそうです。



第三十四回 品質保持?品質向上?     2004年04月19日

 前回、カビの話をしました。その中で、鰹節の話しが出たのですが、鰹節とカビとを結びつけるには、とても興味深い話が残されています。

 かつて鰹節の取引において、大阪は中心的位置付けを持っていました。カツオの本場である土佐や薩摩で加工された鰹節は、大阪に集められ、そこから全国へ向けて送り出されます。主に船便で送り込まれていたのですが、その間に問題となるのがカビの発生でした。その中で、良質(無害な)のカビを植え付けておくと、別な種類のカビが発生しない事が判り、表面にわざとカビを植えつける「節一乾」と呼ばれる鰹節が登場しました。

 大阪に集められた鰹節は、その後、江戸をはじめ様々な地方へと送られて行くのですが、当時の船便は昼のうちに陸地を見ながら航行し、夜になると港に係留、天候が悪いとその場に足止めされるという、非常に時間がかかる輸送方法を採っていた為、節一乾の様な水分がまだ充分に抜け切れていない鰹節では、潮風・波しぶきといった悪条件下では、新たなカビの発生がつきものでした。

 江戸に到着してからも、蔵で保存しているうちに、新たなカビが発生する事がある為、落としては生えるという事を繰り返していました。そうしているうちに、鰹節にある変化が起こっている事に気が付きました。魚臭さが和らぎ、鰹節独特の香りや旨味が強まり、ダシを取った際、濁りが出ないという特徴が際立っているのです。

 カビが繁殖し、菌糸を伸ばして水分を吸収する上に、鰹節の中の余計な脂肪酸を分解したり、アミノ酸を生成したりして、鰹節自体の味を良くしています。経験的に得られた事ですが、カビの発生を繰り返すという技法は、今日の本節の製造法に当たり、江戸の食文化に根付いていきました。

 関西、関東の食文化の違いは様々な点で語られていますが、カビという極めて小さな生物との関わり一つにおいても、発生を抑える為の節一乾(今日でいう荒節)、繰り返しカビ付けを行ない、品質の向上をはかる本節と、異なる系統の影響を与える事となっています。



第三十三回 数が足りない     2004年04月16日

 日本は高温多湿という特徴的気候を持っています。春先には菜種梅雨と呼ばれる雨が多い時期があり、それが明けると本格的梅雨、夏場も湿度が高く、夏の終わりを告げるのは台風という大荒れの天候です。そんな環境の中、活気付く生物といえばカビが真っ先に思いついてしまいます。

 カビは、真菌類と呼ばれる微生物の一種で、地上には数万種が存在するだろうと言われますが、正確なところは不明です。増殖のために胞子を飛ばし、その胞子がアレルゲンとなる事から、ダニなどと同様にアトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギー疾患の原因とされ、増殖を許す事は健康に悪影響を及ぼすものと考えられています。

 私達が一般的に接するカビは、コウジカビと呼ばれるアスペルギルスやアオカビと呼ばれるペニシリウム、お風呂で見かけるクロカビのクラドスポリウムあたりではないでしょうか。本来のカビの働きは、他の微生物と共に生物の死骸を分解して、環境を浄化する働きを担っています。しかし、食品や衣類もそうした働きの対象となってしまうため、カビは嫌われてしまうのですが、カビをうまく利用する事で、様々な文化を育んできたという一面もあります。

 よく知られているように、お味噌やお酒といった発酵食品の多くは、コウジカビを利用して作られています。カマンベールなどのチーズの熟成にもカビは不可欠な存在となっています。チーズの表面にペニシリウムの仲間の白カビを吹き付け、カビを繁殖させます。カビが出す酵素によって、チーズがクリーム状になり、本来は固くてもろいチーズをトロっとした独自の食感に変えてくれます。

 同じようにカビの特性を利用するものに、お馴染みの鰹節があります。カビは菌糸を伸ばし、強力に水分を吸収する事から、炊き上げ、燻製にしたカツオの切り身にカビ付けを行い、水分量の調整を行ないます。その際、カツオの中に含まれる脂肪分も分解される事から、ダシを取るのにより良い状態が作り出されます。

 また、一般的に見られる抗生物質もカビが元になって造られています。カビのコロニーの周りには、別な雑菌が繁殖していない事から、「微生物が産生する物質のうち、他の微生物の発育を阻害する化学物質」として抗生物質が発見され、ペニシリンとして多くの感染症を防いだ話しは、あまりにも有名です。パスツールの研究によると、2種類の微生物を同じ培地上で培養すると、互いに培地の栄養を奪い合い、その為の武器として抗生物質を産生するのだそうです。しかし、やられている方もそのままではいけないので、抗生物質に対抗する力、耐性を持つ様になっています。

 最近、薬剤耐性菌の発生が問題になっていますが、元々微生物には防御機能として備えられていた力が、生き残りの為に発揮されているだけで、微生物の側から見ると日常的な事なのかもしれません。それに対し、新たな成分の確保という事で、様々なカビの研究が進められていますが、そろそろカビの種類が尽きてきているといわれます。自己の免疫力さえしっかりしていれば、薬剤耐性菌はそれほど恐ろしい存在ではないそうですが、手術後や病中の衰弱した状態で感染すると、とても恐ろしい存在です。絶対に必要になるそのときまで手の内を見せない、そんな意味でも抗生物質の安易な濫用は避けたいものです。



第三十二回 選びましょう     2004年04月15日

東京医科歯科大学の川渕孝一教授と厚生労働省の研究班によると、心筋梗塞によって入院中の患者の死亡率が、病院によって少なくとも3倍近い差がある事が明らかになったと伝えられました。

心筋梗塞は、重篤な後遺症を伴う事でも知られていますが、患者の年齢や重症度を考慮に入れた上でも、得られたデータの差は埋まらず、治療内容の影響が大きいものと判断されます。発症から病院へ到着、施療開始までの時間的な違いも心筋梗塞の場合、影響するものと考えられますが、薬剤や人工心肺等の用い方の違いなど、施療技術の違いも大きく影響しているものと思われます。

また、全国の主要な病院を対象に調査を行なった朝日新聞によると、肺ガンの手術から5年後の生存率、5年生存率も病院間で大きな差が生じている事が明らかになったそうです。

調査は、日本肺癌学会と日本呼吸器外科学会が、2001年に肺ガン手術後の5年生存率を全国集計した際に対象とした302施設を対象に実施され、110施設の回答を得て集計されています。

肺ガンの手術法は様々で、肺全体を切り取るものや、半分のみ、転移の可能性があるリンパ節を含む、含まない等、諸説があります。また、体力の低下を伴う可能性のある放射線治療や、抗ガン剤投与を手術前に行なう、行なわない等も手術後に影響が出る事が考えられ、術者の技量も当然結果に反映されます。

両調査とも対象施設名といった結果の詳細な発表は行なわれていませんが、何らかの形で施設を選ぶ基準となるものが確立されれば、と思うのは私だけでしょうか?



第三十一回 深さ?時間?     2004年04月14日

睡眠の質を改善するサプリメントの発売に見られる様に、最近、睡眠に対する関心が高まっています。睡眠と一言でいっても人によって異なる部分が多く、一様に時間だけを眠れば済むというものではなく、睡眠時無呼吸症候群の様に充分な時間を摂っていても、日中眠気が消えないという事も最近ではよく聞く様になりました。

動物は、なぜ眠るのか?実は謎だといわれています。活動しない時間帯(夜間など)に身体活動を停止・低下させる事によって、エネルギーの温存や疲労の回復を行なう事が習慣付いた、という説もあります。もっともらしい感じがするのですが、今のところ定かではありません。

パソコンなどは一定時間使わないでいると、使用電力を最低限に抑え、眠っている様な状態になるものがありますが、私達の眠りは、外見ほどには休んではいません。記憶の整理やホルモンの生成、内臓のクリーニングなど、忙しく身体は働いています。

浅く、閉じた目の中で眼球の動きを伴わない「ノンレム睡眠」と、深く、眼球が激しく運動する「レム睡眠」を繰り返しながら、睡眠は成り立っています。ノンレム睡眠中はデルタ波と呼ばれる脳波になり、寝返りをうったり、いびきをかいたりします。夢は見てはいるのですが、はっきりしたものは見ていません。それに対し、レム睡眠はシータ波の脳波になり、筋肉の弛緩、心拍数の増加が見られ、記憶を整理する為の比較的はっきりとした夢を見ます。

レム睡眠、ノンレム睡眠がセットとなり、それを数回繰り返す事が毎日の睡眠ですが、1セットは約90分という時間が設定されています。90分のセット毎に睡眠が浅くなりますので、そのタイミングで目を覚ますと、すっきりした目覚めになり、セット途中だと寝起きが悪くなる為、気持ちよい目覚めの為には、時間設定も工夫の一つとなります。

人は、なぜか25時間を一日とする体内時計を持っています。その為、実際の一日、24時間に対応する為によく眠り、朝日などの明るい光を浴びて、時間のズレを補正する必要があります。規則正しい生活の必要性は、そうした毎日の補正作業の為でもあるのです。



第三十回  子孫繁栄「柏餅」     2004年04月13日

お花見の時期が一段落し、店頭から桜餅が見られなくなるのに合わせ、柏餅が並び始めます。端午の節句には無縁な私も、この柏餅が大好きで、毎年この時期の楽しみの一つとなっています。

「柏餅」・・・文字通り柏の葉で包まれた餅で、柏の葉が重要な意味を持っています。柏の由来は古く、古代まで遡るといいます。当時は食物を包んだり、食器として利用していた葉を総称して「炊葉(かしぎは)」と呼んでいたものが、「かしわ」に転じ、柏になったといわれます。また、柏手(かしわで)に表される様に、柏には神が宿ると考えられていたので、節句に食べるものとして、相応しいものだったのかもしれません。

葉で食品を包む事は特別珍しい事ではなく、様々な食品に例を見る事ができます。元々葉を食器として使う習慣がありましたので、手を汚さず、すぐ食べられるという利便性が発想の原点になった様に思われますし、包む事で葉の芳香成分が食品に移り、風味を良くするというメリットもあります。また、そうした芳香成分には、抗菌・殺菌作用がある場合が多く、食品の保存性を高める意味でも有効であったと思います。

最近、柏の葉は真空パックや乾燥させたものが流通し、全国的に季節を問わず入手する事ができます。それでも関東以西の地域では、かつて餅を包むのに適した柏の葉が入手し辛かった事から、代わりに「サルトリイバラ」の葉が使われています。サルトリイバラは、地方によっては山帰来(サンキライ)をはじめ、様々な名称で呼ばれていますが、柏に似た質感で丸い形が特徴になっています。

端午の節句に柏餅を食べる習慣は、江戸時代の武家社会から広まったといいます。当時は、今日の様な甘い小豆餡ではなく、塩餡や味噌餡が主流であったそうで、お菓子というより主食の代わりという意味合いが濃かった様に感じられます。

柏の葉は、新芽が伸びてくるまでは古い葉が落ちずに残るという事で、家系が途絶えない、子孫繁栄の縁起物という事に因んでの事だそうです。今回、このコラムも三十回目を迎え、ネタが途絶えないという縁起を担ぎ、柏という題材を選んでみました。日頃、何も考えずに形状の違う二種類の柏餅に接していたのですが、大手製菓メーカーの製品に、「がめの葉餅」と記載されているものがあり、おそらくサルトリイバラの事をそう呼んでいるのだと、改めて考えてしまいました。



第二十九回 再会の値段?     2004年04月12日

ペットを失う・・・とてもつらい事です。ペットが家族の一員として扱われる様になり、溺愛する人の事も奇異に見られない様になってから、随分と時間が経過した様に思います。それだけペットは、私達の日常の中に深く関わる存在になっています。そんなペットを失う日が来る事は、他の生物に比べ、圧倒的に長い寿命を持つ人間という存在にとって、避けられない定めなのかもしれません。

ある日、突然に訪れるその日に対して、また元気なペットが帰ってくるとしたら...。そんなサービスが米国のベンチャー企業によって始められました。

サンフランシスコにあるバイオテクノロジー企業「ジェネティック・セービングス&クローン」社によると、残された細胞を元に、ペットのクローンを行なうサービスを開始したそうです。創立者のジョン・スターリングは、テキサスA&M大学の研究者時代、愛犬「ミッシー」を失った事をきっかけに、クローン技術に傾倒し、犬よりも比較的シンプルであるという猫のクローンに成功し、それを聞きつけた人々の問い合わせの多さから会社設立に及んでいます。

現段階では、死亡直後の口の中と胃粘膜の硬貨大の体細胞が必要となり、SF小説の様に残された毛皮や愛用品等からの複製は不可能との事ですが、年内には9匹のクローン猫を作る予定だそうです。

クローン技術による複製というと、クローン羊「ドリー」を思い出します。ドリーは、クローン技術によって誕生しましたが、短命に終わってしまいました。実際、現在の技術で作り出されるクローン動物達は、平均寿命より短命に終わるといわれています。せっかく生き返らせても短命に終わってしまったら...。たとえ長生きしたとしても、一緒に過ごし、共有した記憶の蓄積がないというのは、同じ顔をしているだけに、余計つらいものがある様な、そんな感じがしています。

また、幾度か作られたクローン牛の事例では、遺伝子的には同じはずの牛達の柄が異なっていて、必ずしも同一ではないのではないかという疑念が生じています。でも、考え様によっては、良く似てはいるが微妙に違う、その方がよい様な気がします。同じ顔につらい別れを二度、三度というのも悲しすぎる事だと思うからです。

クローンという特殊な技術を用いて再生された死んだはずのペットとの再会、その為の費用、日本円にして約530万円。この事実を、貴方はどの様に考えますか?



第二十八回 潤いの素     2004年04月09日

先日、ホームセンターに出かけたところ、園芸用品売り場で、「尿素」と書かれた大きな袋を発見しました。肥料として売られているのですが、20kgほどの袋が980円という価格で山積みされています。かねてより肥料用の尿素を使い、保湿クリームを作る話しは聞かされておりましたが、高価な尿素配合クリームの素が、キロ単価49円というのは少々驚きでした。

尿素は、尿の中から発見された為、その名が付けられてしまいました。本来は、体内でタンパク質を初めとした窒素化合物が代謝された際の最終産物で、タンパク質が分解される際、その過程で生じた有害なアンモニアを無害化して作られています。

水分との結びつきが強く、皮膚の下からも水分を引き上げる働きを持つなど、強力な保湿力を持っています。また、尿素の分子は、タンパク質を構成する分子の間に割って入り、結合を壊す働きも持っている事から、皮膚表面の古くなった角質を溶かす働きがあり、かさかさ肌に潤いを与え、つるつるにしてくれます。

また、尿素は工業的にはプラスティックの原料として重要であり、木材用の接着剤の原料としても使われています。そんな知られざる身近な素材「尿素」ですが、最近、新たな素材としての可能性が出てきたそうです。

最近、欧米では1ガロン(=3.785リットル)の燃料で、100km走行できるエンジンの研究開発が盛んに行なわれ、その実現に対し有力視されているものにディーゼルエンジンがあります。ディーゼルエンジンを効率よく燃焼させ、PM(ディーゼル微粒子、ディーゼル粉塵)の排出を抑える為に、超高圧で燃料噴射を行なう技術が開発されていますが、超高圧噴射による燃焼では、有害な窒素酸化物が増えてしまう傾向があります。その窒素酸化物に対し、尿素を使った触媒を用いると、窒素酸化物を大幅に削減できるとの事です。

この技術を開発した日産自動車では、走行の一部に電動モーターを使う「ハイブリッド」車以外では、新長期排ガス規制をクリアーする最初のトラックになるのでは、と期待を寄せているそうです。

日本では大都市において、ディーゼル車の乗り入れを排除する施策が採られるなど、ディーゼルエンジンには否定的な状況が続いていますが、経済性やエコロジーの面からも、まだまだ可能性は多く秘められている様です。日常の生活の中、私達に潤いをもたらしてくれる尿素が、経済や環境、技術開発等、様々な分野に潤いをもたらしてくれるというのも、とても面白いと思ってしまいました。



第二十七回 旬は夏、名前は冬     2004年04月08日

冬の瓜と書いて「とうがん」と読みます。正式には「とうが」らしいのですが、とうがんの名で親しまれた楕円形の大きな食材です。中華料理の素材として見かける事が多い、アジアの温帯から熱帯にかけて広く栽培されているウリ科の野菜で、キュウリの親戚でもあります。

全体の約95%は水分でカロリーも低く、利尿効果が期待でき、ビタミンCも多く含んでいる事から、ダイエット効果も期待できます。夏バテにも有効な食材とされ、果肉の涼しげな感じが食欲を高めてくれます。と書くと夏場の食材...そう、冬瓜は夏が旬の夏野菜なのです。名前に冬が付く事から冬野菜と思われがちなのですが、夏場に収穫され、むくみを取る働きや体温の上昇を抑える働きがあり、清涼感がある果肉のトロっとした食感は、特に夏場の食欲のない時期に活躍してくれる食材です。

大量の水分から構成されているにも関わらず、保存性が非常に高く、冷暗所に保管する事で、長期の保存が可能になります。夏場に収穫したものは、春先まで使う事ができ、野菜類が少なくなる冬場の貴重な食料となった事から、夏生まれなのに「冬瓜」の名前が付けられてしまいました。また、表面に白い粉が付き、雪の様見える事も冬らしさを連想し、冬の名が与えられたともいわれます。

健康法の一つとして、旬のものを摂るという考え方があります。特にその時期の野菜には、気候に合わせた栄養素が豊富に含まれ、厳しい季節を乗り越える活力源となる成分を多く含んでいます。冬瓜は、夏を乗り切る食材として適した要素を多く持っていますが、同時に高い保存性を備えている事は、野菜不足になりがちな冬を越す大切な食材ともなりえます。季節を越えて役に立つ、冬瓜はとても優しい食材の様に思えます。



第二十六回 お米の違い     2004年04月07日

おかき、煎餅、あられ・・・何となく雰囲気が似たお菓子です。こたつの定番という思い込みがあるせいか、なぜだか冬場に欠かせないお菓子となっているのは私だけでしょうか。暖かくなって、こたつが仕舞われると興味は葛餅などの涼しげなものに移ってしまいます。

ところで、この3種のお菓子。どのような違いがあって名前が分かれているのでしょうか?実は、原料に違いがあります。うるち米を使っているのが煎餅、もち米を使っているのがおかき、あられと分けられるそうです。また、煎餅はお米以外にも小麦なども原料として使用され、焼き菓子の中でも干菓子に分類される事があるそうです。また以前、製造に携わられる方から聞いた話しでは、生地の水分量も違いがあるらしく、煎餅生地は10%程度の水分量なのに対し、あられ、おかきの生地は20〜30%と若干しっとりした生地が使われるとの事です。

歴史的には、お米から作る煎餅より小麦を使ったものの方が古く、「瓦せんべい」などは、かなり古い煎餅に属します。

おかき、あられについては、同じもち米を使用しますが、おかきはもち米を蒸してつき上げ、一旦お餅として完成させた後、そのお餅を欠いて乾燥させ、焼き上げたものである事に対し、あられはもち米そのものを炒って、作り上げたものが原形になっていると言われ、本来は明確な違いが両者には存在していました。

最近では、そうした製法や原材料による区別は曖昧になり、形や大きさによって呼ばれる様になってしまい、またバリエーションも増えて、どちらとも呼べないものも多く見かける様になりました。海外での評判も良く、ヘルシーフードとしても知られる様になってきています。

歴史について言えば、煎餅の歴史はかなり古く、7世紀初頭の中国の書物、「荊楚歳時記(けいそさいじき)」には、正月の7日に宮中え食べるものとして記載され、当時はお菓子ではなく、主食であった事を伺わせています。

日本では、天平9年(737年)に初めての記載が見られ、当時の煎餅は小麦粉から作られていた事を伝えています。今日のスタイルになったのが何時かは定かではないそうですが、1000年以上も前から親しまれ、今や世界のお菓子となりつつある食品。そう思ってみると、かなり奥の深いものを感じてしまいます。



第二十五回 実践します?     2004年04月06日

法、そう一言でいっても多種多様なものがあります。簡単に実践できるものもあれば、困難なものもあり、そして必ずしもカッコイイとは言えないものもあります。日々、様々な健康法に触れていますが、中には非常に有効なものがあります。今回は、そんな中から一つ。

エコノミークラス症候群は、飛行機の座席から立ち上がり、歩き出したとたんに胸が苦しくなり、倒れてしまう。場合によっては、死亡する事もある怖い病気です。エコノミークラスに限って起こる事ではないのですが、エコノミークラスの座席の窮屈さが発症の可能性を高めている事からエコノミークラスでの発症が多く、その名前が付けられています。

飛行機の中は、地上と比べ若干ですが気圧が低く、湿度も20%以下というかなり過酷な状態にあります。機内という一見快適そうに見える空間は、湿度だけで見てみればサハラ砂漠よりも乾燥しているのです。その為、1時間あたり80ミリリットル近い水分が失われ、血液の粘度が上がってしまいます。合わせて窮屈な客席で、長い時間ほとんど同じ姿勢でいる為、血液の流れが悪くなり、椅子によって圧迫される膝の裏側やふとももの付け根を中心に血流が一時的に止められてしまう事があります。

血流が滞ると血栓が生じ、着陸後に立ち上がった際、一気に血が流れはじめるので、血栓が押し流され、狭い血管が多い肺の血管を詰まらせ、症状が起こってしまいます。それまでは、まったく自覚症状がなく、発症の予測もできないので、突然、大変な状態になるという恐ろしい病気ですが、飛行機に限った事ではなく、列車やバス等でも起こる事から、最近では「旅行者血栓症」とも呼ばれる様になってきました。

このエコノミークラス症候群を予防するには、血流を盛んにして血栓ができにくくする事です。その為にできる効果的方法、それは「貧乏ゆすり」だそうです。

通常、人間の血流は心臓というポンプで作り出しています。しかし、それ以外にも、身体内の筋肉の動き等で、血流は促進されています。特に足の筋肉は、身体を支え、移動する為に強力で、足の筋肉の動きによる血流の促進には、かなり強力なものがあるといわれます。「足は第二の心臓」と言われる所以です。

貧乏ゆすりは、足の筋肉を小刻みに収縮させ、血流を促し、椅子による圧迫も断続的に緩和させるので、エコノミークラス症候群の予防に効果的です。しかも連続して行なう事で、若干体温も上がる事から末梢の血管も拡張され、血流を良好にしてくれます。場所も座った座席の範囲内で行なえ、費用も機材を必要ありません。水分を多めに摂れば、かなり発症の危険性を下げるばかりでなく、全身の疲労回復にも繋がるという優れものです。

機内に入り、席に着くなり貧乏ゆすりをはじめ、機内サービスの際、水分を多めに摂る為に幾度もお代わりをお願いする。健康の為です。実践してみませんか?

ちなみに貧乏ゆすりは、日常の生活の中でも血行促進に有効なので、目立たないところで行なえば、それなりの健康効果が期待できます。



第二十四回 マーキュリー     2004年04月05日

 マーキュリーというと、何を連想しますか? 天体、神話、自動車、ミュージシャン、いろいろと思い浮かぶ事と思います。結構良いイメージで捉えられている言葉ですが、直訳した物質名「水銀」となると、感じ方は正反対になってしまうと思います。

 特に当地熊本では、メチル水銀による大規模な中毒患者の発生が起こった「水俣病」の記憶がある為、水銀という単語に対して特に悪いイメージが持たれてしまいます。

 水銀は、常温・常圧で液体である唯一の金属元素で、銀の様な光沢を持つ事からその名が付きました。歴史的には、かなり古くから知られていたらしく、日本でも「みずかね」と呼んで、硫化した水銀「辰砂(しんしゃ)」を、朱色の顔料として使い、様々な金属と混ざり、柔らかい、加工しやすい合金となる「アマルガム」としても利用してきました。

 気化した水銀を吸入した場合や有機物と化合した際の毒性について、古い時代には認識がなかったらしく、中国では不老不死に薬「丹」の原料として考えられ、怪しげな導師が作る丹によって命を落とした有力者も多いと言われます。日本でも奈良の大仏建立の際、金メッキを施す為に「消鍍金(けしめっき)」と呼ばれる金と水銀で作った合金(金アマルガム)を、磨いた銅の表面に塗り付け、加熱して水銀だけを蒸発させて表面に金のみを残すメッキ技法を行いました。当時の奈良の都で、原因不明の奇病が相次いだのは、その際の気化した水銀の中毒ではないかと見られています。

 そうした古い時代の中毒事例や、記憶に新しい公害訴訟等、水銀の有毒性を意識させる事項は多いのですが、未だに世界中で水銀の汚染は広がっています。規模の大きさではアマゾン川上流のゴールドラッシュに起因した水銀汚染です。原始的なアマルガムの性質を利用した金の採取方法を行なった為、すでに数千トンもの水銀が環境中にばらまかれたと考えられています。身近なところでは、歯の治療に用いられる歯科修復材にも水銀が使われ、金属アレルギーや体調不良に繋がっているという説もあります。

 そんな中、米食品医薬品局(FDA)によって、魚介類の水銀汚染による健康被害の恐れが伝えられていました。リストに上げられた魚種の中には、私達の生活に馴染み深いものもあります。水銀は元素である為、環境中においても分解しようがなく、回収する事も困難です。最近では、自閉症やADHD(多動性障害)、LD(学習障害)の原因としても示唆されています。水銀に関する国際条約が検討されているそうですが、一部の国の反対によって規制が行なえない状態が続いているそうです。

 水銀は邪馬台国の頃、すでに染料としていたほど古くから馴染みのある金属だけに、一刻も早く汚染という悪いイメージを払拭してあげられたらと思います



第二十三回 こつそしょうしょう?     2004年04月02日

 骨粗鬆症(こつそしょうしょう)・・・難しい字を書きますが、かなり一般的な症状ではないでしょうか?かつて私は、周りの年寄り達が「こっそしょうしょう」と発音していたので、漢字変換時に正しい漢字が表示されず、辞書を持ち出して手書き入力させられた事があります。そんな私でも、必ずしも無縁とは言い切れない、それが骨粗鬆症です。

 読んで字のごとく、と言うにはあまりにも難しい文字が当てられていますが、ご存知の通り、骨から主成分であるカルシウムが溶け出して骨密度が下がり、軽石やスポンジの様な状態になってしまう事を指します。特に高齢者の場合は深刻で、骨折しやすくなり、寝たきりの状態に繋がる可能性を持っています。

 身体の中で、しっかりとした作りを持つ器官、「骨」が溶け出すというと、かなり違和感があるかもしれませんが、進化の過程を見てみると、生命活動に必要不可欠なカルシウムを、体内に貯蔵し始めた事が骨の原型になっていますので、やはり必要に応じてカルシウムは取り出されるものだと考えるべきなのかもしれません。それに対し、新たに骨は形成され、新陳代謝されていくのですが、栄養の偏りや吸収力の低下によっては、骨の再生化が間に合わず、骨粗鬆症となってしまいます。

 骨の再生には「骨芽細胞」が、破壊(カルシウムの取り出し)には「破骨細胞」が関わっています。骨芽細胞の活性化・・・骨形成の促進には女性ホルモンのエストロゲンやビタミンD、破骨細胞の活性化・・・骨の破壊には副甲状腺ホルモンがそれぞれ掌っていますが、それらのバランスが狂ってしまう事が、骨密度を下げる大きな要因となっています。更年期を境に、女性に骨粗鬆症が増えるのは、そうしたホルモンバランスの狂いによる部分が大きく関わっています。

 そう言ってしまうと、いかにも高齢者の病気の様な感じがしますが、最近、若年層にも骨粗鬆症は広がってきているそうです。不必要なダイエットの弊害は、常々言われていますが、ダイエットによってホルモンバランスが狂うと骨粗鬆症に陥る危険性があります。カルシウム自体は、脂肪の燃焼に必要という事で摂取する為、食事制限を行なうダイエット以外では、極端な不足になる事はないのですが、それらを身体に取り込み骨に定着させる能力が低下する為に、骨密度が下がってしまいます。

 カルシウムはそれ単体では骨とはならず、マグネシウムやリン、コラーゲン等や骨を作るビタミンD、骨を維持するビタミンKがなければ、いくらカルシウムだけを摂っても骨密度は回復しません。また、そうした栄養素が不足すると、カルシウム同様骨から取り出す為、カルシウムは充分でも骨密度は下がってしまう事もあります。何事もバランスが重要ですね。



第二十二回 再生歓迎     2004年04月01日

 先日、アルツハイマー型痴呆の画期的治療法に繋がる発表が、慶応大学医学部の岡野教授の研究グループから行なわれていました。

 アルツハイマー型痴呆は、脳内に不要なタンパク質が蓄積し、記憶や認知機能といった脳の重要な機能を掌る部分を萎縮させ、痴呆の症状を悪化させてしまいます。

 アルツハイマー型痴呆で主に侵される部位は、前脳型アセチルコリン作動性神経細胞と呼ばれる部分で、発生の初期段階で形成される神経細胞です。これまで、この神経細胞は、どの様な遺伝子が作用して作られるのかさえ不明で、一度失われると、再生されないと考えられてきました。その為、アルツハイマー型痴呆の根本的治療法を確立する事は、非常に困難と考えられてきました。

 今回の研究では、身体の様々な細胞・組織に育つ胚性幹細胞(ES細胞)から、アルツハイマー型痴呆によって失われた神経細胞から作り出したそうです。ES細胞の分化や増殖を促す条件を工夫し、発生の時点で起こる過程を再現する事によって、ES細胞を神経細胞の元になる幹細胞に分化させたそうです。更に条件を変えて培養する事によって、前脳型アセチルコリン作動性神経細胞をはじめとした、様々な神経細胞を作り分ける事に成功しました。

 これまでアルツハイマー型痴呆は、根本的治療法はおろか原因さえはっきりしない病気とされてきました。今回の治療法は、そうしたアルツハイマー型痴呆の画期的治療法となりえるだけでなく、脳という再生不可能と考えられてきた臓器の再生という、新たな可能性も持ったものとして、一日でも早い実用化を期待したいと思っています。



 

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