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第103回 色彩形成     2004年07月30日

 私達は、蛍光灯の下でも真っ赤な夕日に照らされていても、リンゴの色を正確に認識する事ができます。白黒の映画を見ていても、そこに広がる色を認識し、想像する事ができます。色彩感覚によるものですが、従来色彩感覚は先天的なもので、生まれながらに備えられていたものと考えられてきました。ところが、実際は乳幼児期の体験によって獲得される事が、産業技術総合研究所の研究チームによって明らかにされました。

 同研究所の杉田陽一研究グループ長らの研究によると、物の濃淡しか判らない単光色の下で育てたニホンザルは、通常の育て方をしたニホンザルに比べて、白色光の下では色に対する認識は変わりませんが、光を色付きにした際、認識が極端に劣るという結果が出ています。

 その後、単色光サルに訓練を行っても、赤と赤に近い色等の区別を行う能力は、それほど向上しなかったそうです。杉田グループ長によると、「正常な色彩感覚の獲得には、幼少期の体験が重要な事が判った。単色光サルは色彩を見分ける神経回路が発達しなかったのだろう」と結論付け、この事は、人間にも当てはまり、室内にしかいない等、乳幼児期に偏った体験をすると、色彩感覚が鈍くなると指摘していました。

 私の身近なところにも、非常に優れた色彩感覚を持つ人がいて、尊敬しています。生まれ持ったものだからと、諦めていましたが、こうして見ると母親の育て方に違いがあったようで、今度母親に文句を言ってやろうか、という気になってしまいまいた。



第102回 マグネシウム     2004年07月29日

 前々回、何となく苦汁=マグネシウムが悪役のような感じになってしまいました。本来、マグネシウムは、身体に欠かす事のできない栄養素です。今回は、そんなマグネシウムの必要性について触れてみます。

 骨は、カルシウムのみで作られている訳ではなく、マグネシウムやリン、コラーゲン等の栄養素、ビタミンDやビタミンKといった補酵素が必要となります。カルシウムは、日常不足しがちなものとして、積極的に摂取するのですが、そうしたその他の栄養素が不足すると、骨が形成されないばかりでなく、身体活動を維持するために貯蔵庫である骨から溶け出して利用されます。

 骨粗鬆症にならないようにと、盛んにカルシウムばかりで、その他の栄養のバランスを欠いてしまうと、かえって骨粗鬆症になってしまうというのは、そうしたメカニズムが関係しています。また、それ以外にもマグネシウムは、重要な役割を持っている事が、最近の研究で明らかになってきています。

 痛みの感じ方には、個人差がかなり大きく、同じ衝撃を受けても痛みの訴え方のも大きな違いがあります。かつては、神経の過敏さや精神的な事と考えられてきましたが、痛がりの体質には、マグネシウムが密接に関わっています。骨折等によって手術を受けた患者を対象に調査を行ったところ、人より痛みを強く訴える患者の血液中には、マグネシウムの数値に明らかな違いが見られるそうです。痛がりの患者の血液中では、マグネシウムの濃度が低い傾向があります。これは、痛みが伝達された後、痛みを抑える酵素が活性化し、痛みを抑えますが、その際にマグネシウムが必要となると考えられます。今後の研究では、血中マグネシウムの濃度管理を行えば、これまで過敏だった方は、それほど痛みを感じずに済む事になりそうです。



第101回 旺盛進化     2004年07月28日

 ヘリコバクター・ピロリ菌は、胃潰瘍や胃ガン等の疾患の原因として、広くその名を知られています。最近では、有効な抗生物質も処方されるようになり、あまり恐れられる事もなくなってきましたが、飲み水等、幅広い感染路を持つ事から、やはり気味の悪い存在ではあります。そのピロリ菌に、感染する人の血液型に合わせ、巧みに姿形を変えて胃粘膜に住み着く、高い順応性がある事が日、米、欧の国際共同研究チームによって突き止められました。

 現在、ピロリ菌の感染者は、全世界の総人口の約半数に上ると考えられていますが、ピロリ菌に高い適応能力がある事が確認されたのは、今回の研究発表が初めてとなります。胃の粘膜細胞は、血液型によってタイプの異なる糖鎖によって覆われ、ガードされています。ピロリ菌は、この糖鎖にタンパク質の手を伸ばして取り付き、結合する事によって胃粘膜に住み着きます。

 ペルーをはじめとする南米は、非常にO型の血液型が多い土地柄ですが、採取されたピロリ菌は、O型の人に対応した特有のタンパク質を備えた「特定型」が60%を占めていたそうです。また、日本や欧米では、採取されるピロリ菌の95%が、どの血液型でも結合可能な「万能型」のタンパク質を備えていたといいます。

 ピロリ菌が、血液型によって異なる糖鎖を認識して、それに応じた結合タンパク質を変化させる事で、感染を拡大させていると考えられます。かつては、強力な酸性の胃酸で満たされている事から、胃の内部ではあらゆる細菌が生息できないと考えられていましたが、その中で見つかったピロリ菌、それなりの備えは持っているという事です。完全な悪玉と見られているピロリ菌ですが、完全に除去するとアレルギー症状が悪化するともいわれ、身体への良い働きも持っている可能性もあるそうです。



第100回 納骨     2004年07月27日

 ついにこのコラムも100回を迎えました。100回記念は何を、と言われたりはしましたが、特別にこれといった事もせず、私らしく淡々と進めてみようと思っていました。取り敢えず、今回はちょっとだけ個人的な話をしてみようと思います。

 先日、父の一周忌のために実家のある熊本市内へと戻りました。一部の親戚のみで簡単に済ませるとの事でしたので、お経を上げていただき、食事をしてお開きと思っていましたが、食事の後、納骨という話になっていたので、少し驚いてしまいました。お墓自体は、早々と立てられていたのですが、父の遺骨は未だ家にあったみたいです。

 思えば父は、家族で過ごす時間を大切にする人でした。そんな家族全員が揃うという状態を壊してしまったのは、他でもない私です。たいした意味も無く家を出て一人暮らしをはじめ、以後、あまり実家には寄り付きもしませんでした。

 元々医者嫌いの上に、同じく肝臓ガンで、あらゆる手を尽くした末に死去した知り合いの姿を見ていたためか、すべての治療を無駄として拒否し、家族と過ごせる自宅での療養生活を送っていたのも、いかにも父らしい事でした。苦痛を口にすると、一緒にいる母に心配をかけてしまう事や、病院に送られる事を懸念してか、一切苦痛は訴えなかったのですが、いかに幸運にも痛みを感じにくい部位に罹患していたとしても、末期のガンです、それなりの苦痛はあったはずです。

 結局、最後まで辛さを訴える事なく、気分の悪化を心配した母に連れられ訪れた病院で、食道静脈瘤破裂のために父は死去しました。葬儀を終えた後、和尚さんと話した母は、しばらく遺骨を手元に置く事にしていたそうです。元々、一年という期間を考えていたのか、一年という時間で踏ん切りがついたのかは、母にしか判らない事ですが、一年を自宅で過ごし、納骨された父が、寂しがっているのか、ほっとしているのか、少なくともそれが理解できるほどには、もう少しだけ父のそばに居てやれば良かったと、納骨の後、お寺でお茶をいただきながら考えてしまいました。



第九十九回 苦汁って     2004年07月26日

 物事の選択について、「苦汁の決断」という言葉があります。非常につらい状態を苦汁と表現しているのですが、この苦汁、「にがり」とも読みます。にがりは、海水を凝縮して塩分を除いた後に残るマグネシウムやカルシウムを含んだ液体ですが、単体では非常に苦い味を持ち、それこそ飲用するには、苦汁を味わう事になります。塩に少量含まれる分には、味に深みが出て、塩自体の美味しさを向上させてくれています。天然塩と精製塩の味の違いは、このにがりによる部分が大きく関係しています。

 マグネシウムやカルシウムは、塩化マグネシウムや塩化カルシウムという状態で含まれていますが、塩化マグネシウムには、吸湿性があるため、天然塩は密閉できる容器に入れておかないと、やがて湿ってしまいます。この塩化マグネシウムに、糖の吸収を遅らせる働きや脂肪の吸収を抑制する、糖質の代謝を促進するといった働きがあるとされる事から、ダイエットに有効として最近人気が出てきています。医療の分野では、塩化マグネシウムの効果としては、下剤としての働きが知られています。ダイエットとしての効果を示す文献は存在しないとの事ですが、確かに下剤であれば、一時的に体重を減少させる事は可能でしょう。痩せた訳ではありませんが...。

 にがりについては、ダイエットに関して期待した事はないのですが、マグネシウムを含むという点で、日常の食生活に取り入れたいと考えた事はあります。骨の状態を良くするには、カルシウムだけでなくマグネシウムやコラーゲン、リンなどがバランス良く必要となります。味に影響が出ない量で、毎日の料理に加えていけば、無理なくマグネシウムの摂取ができそうです。

 最近ではブームの影響もあって、小さなペットボトルに入れて販売され、手軽に購入する事ができるようになっています。そのため誤飲による事故も報告されるようになり、急性のマグネシウム中毒のために、心停止という怖い話しも出てきています。不足が懸念される栄養素でもあるので、上手に付き合っていきたいものです。



第九十八回 水溶性?     2004年07月23日

 毎日暑い日が続いています。そんな中でも秋の準備は着実に進んでいるらしく、民家の庭先に植えられた柿の木には、直径4cmほどの柿の実が見られるようになってきました。中には実の付き方に問題があったのか、自分の重みで落ちてしまっているものもあります。

 柿は古くから身近にある甘味として食されてきました。和の色調でもある朱色を、もっとも連想させる物の一つではないでしょうか。柿の実が色付き、美味しさをアピールし始めるのには、自然の賢さを感じさせる独自のシステムがあります。

 実が出来始めた当初、柿の実は葉とまったく同じ色をしていて、また、葉に隠れた目立たない場所にあります。実の本来の目的は、中に備えられた種を運搬してもらうためですが、種が未成熟な頃に実が狙われると、充分な発芽のチャンスを逃してしまいます。そのために種が未成熟な頃は、目立たない色でカモフラージュしています。その後、種が充分に成熟すると、色を目立つ朱色に変え、鳥や獣たちにその存在をアピールして、実を食す事で種の運搬を依頼する事になります。

 そうした働きは、色合いのみに限らず、味という点からも防御がかけられています。柿といえば「渋み」を思い出しますが、その渋みの素となっているのがタンニンです。タンニンは、水に溶ける性質のものと、水ではなくアルコールにしか溶けない性質のものがあります。柿の実が未成熟な頃は、水に溶ける水溶性のタンニンが、実の中に豊富に含まれていて、不用意に口に運ぼうものならざらついた渋みが、口の中いっぱいに広がってしまいます。そうしたタンニンは、実の成長に伴い徐々に性質が変化し、水に溶けないものに変化していきます。やがて種が充分に成熟し、実が朱色に色付く頃には、不溶性のタンニンに変化してしまい、唾液にも溶けず、舌に触れても渋みを感じさせる事がなくなってしまいます。そうなると、甘味だけが際立つので、秋の味覚として好まれる果物となる訳です。

 色と味覚で自らの意思表示を行っているようで、柿の実を見る度に今、タンニンはどんな状態だろうかと考えてしまいます。



第九十七回 舎利     2004年07月22日

 ご飯を炊いていて、緊張しながら待つ一瞬があります。炊飯器の液晶モニターの残り時間を知らせる表示がゼロのなり、炊き上がりを知らせるチャイムが鳴り終える前。ご飯を切るように手早く混ぜ、余分な水分を蒸気として飛ばしてしまう瞬間です。それがうまくいくかどうかで、ご飯の炊き上がりが左右されると思っています。数秒を争って行うほどの事ではないのかもしれませんが、何となくこだわってしまっています。

 いわゆる「シャリ切り」と呼ばれる調理手順ですが、これに限らずお米の事を「シャリ」と呼ぶ事があります。お寿司屋さんでご飯の事をシャリと呼んだり、白米のご飯の事を銀シャリと呼ぶ例は、よく耳にされる事と思います。お米をシャリと呼ぶ事については諸説存在し、お米を研ぐ際の音がシャリシャリと聞こえるというものから、仏教用語の「舎利」に由来するという説まで様々です。

 仏教では、火葬されたお釈迦様の骨の事を、梵語で「シャリーラ(舎利)」と呼びます。火葬された後、細かく砕かれて各地へと運ばれたお釈迦様の遺骨、「仏舎利」にお米が似ている事から、お米の事をシャリと呼ぶようになったという説と、仏舎利が非常に尊ばれる事から、大切な主食であるお米をシャリと呼んだという説があります。更に仏教の信仰上、仏舎利は輪廻して廻った後に五穀になり、人の生活を助けるという考え方がある事から、仏舎利の輪廻した姿としてお米をシャリと呼ぶようになったとする説もあります。

 農耕民族にとって主食となる穀物は、とても大切なものです。そのためかご飯に限り、盛り付けるではなく「よそう(装う)」という特別な表現が与えられ、ご飯の事を「飯(めし)」と呼ぶ事についても、神や高貴な人へ「召す」という事が語源となっています。シャリの語源一つにしても、お米をいかに大切にしてきたかを窺う事ができます。ご飯を炊く事に自信がある割りには、パン食の頻度が高い私ですが、もう少しお米にこだわってみようかと考えています。



第九十六回 体外排出後の影響     2004年07月21日

 厚生労働省は、医薬品が魚などの水生生物の生態に与える影響を評価する指針作りを始めました。医薬品の中には、生物毒性を持つものがあり、投与された医薬品の一部が尿や便を介して環境中へばら撒かれる事が考えられるため、水生生物への影響が懸念されてきたためです。

 これまで医薬品の審査対象は、人間に直接投与した場合の副作用のみであったので、生態系への影響という環境保全の視点を盛り込む事は、新たな概念となります。指針では、河川など環境中に排出される医薬品の測定濃度や、水生生物への影響評価法を定めると共に、環境濃度や生物影響の値が一定以上になる場合、医薬品の添付文書に注意を明記するなどの規制を検討するとの事です。

 現在、医薬品の水生生物への毒性は、まだほとんど研究が行われておらず、国内外で被害が明らかになったケースはないとされています。しかし、医薬品の化学構造から毒性を予測すると、使用量が多い解熱鎮痛剤や降圧剤、抗炎症剤、脳循環代謝改善薬の一部は、ミジンコやメダカなどに影響を与える可能性があり、抗不整脈剤や抗生物質の一部は分解されず、環境中に残留する性質がある事や、抗ガン剤は生物の遺伝子を傷付ける性質がある事が判明しています。

 実際に、ピルの普及によって、し尿処理場の下流では、魚類の雌雄が曖昧になっているという環境保護団体の報告や、抗生物質の飲用で、家屋の浄化槽が駄目になる話を聞かされた事があり、医薬品と環境とは、無視できない状況にあるのかもしれません。特に高齢化社会が進めば、日常生活で用いられる薬剤の量が増える事や、使用者の代謝の低下による排出量の増加も考えられ、今後の指針作りは、より重要度を増してくると思われます。



第九十五回 歯の銀行     2004年07月20日

 子供の頃、歯が抜けると上の歯は床下に、下の歯は屋根の上にと、おまじないのような事を言われた事があります。その気になって、屋根の上に歯を投げ上げた記憶はあるのですが、床下へ投げ入れた記憶はありません。抜けてないはずはないのですが...。

 自然に抜ける歯は、成長期の記憶ではないでしょうか。成人では、虫歯以外の理由で歯を抜く事は稀で、健康な状態の歯を抜くのは、親知らずいがいでは、ほとんどないと思います。その親知らずも、屋根の上や床下、または病院に残して医療廃棄物とせずに有効利用できるとしたら。最近、そうした取り組みが始められました。

 広島大大学院の丹根一夫教授(歯科矯正学)らが設立したベンチャー企業「スリーブラケッツ」は、抜歯した歯を冷凍保存し、将来の入れ歯の材料とする事業を行っています。人工の入れ歯より、自分の歯である事から馴染みがよく、違和感が少ないとの事で、評判も上々との事です。

 抜歯後に放置しておくと、歯茎との間のクッションになる「歯根膜」が死んでしまいますが、歯と歯根膜を冷凍保存し、抜歯の際に傷ついた歯根膜は培養して修復するとの事です。歯の内部には、刺激を伝えるセンサーの役割をする細胞があるため、他の素材を用いた入れ歯よりも歯ごたえをはじめとする様々な知覚も期待できるそうです。現在は医療保険の対象外ですが、歯は後の人生を左右するほどに重要な部分でもありますので、こうした新技術は大いに歓迎したいと思います。



第九十三回 処分検討     2004年07月16日

 EPAといっても青魚でお馴染みの「エイコサペンタエン酸」ではありません。米国環境保護局の事ですが、先日、このEPAより大手化学メーカーのデュポン社に対し、同社が開発したフッ素樹脂「テフロン」の製造に用いられる化学物質に健康上の問題を引き起こす「深刻なリスク」がある事を知りながら、20年以上も違法に報告を怠っていたとして、罰金等の行政処分を検討していると発表しました。デュポン社側では、「経験上人体への影響はなく、EPAの発表には法的根拠はない」として、異議申立を検討しているとの事です。

 EPAの主張としては、テフロン製造の補助剤として使われている「パーフルオロオクタン酸(PFOA)」が、動物実験の結果、肝臓の障害や発達上の問題を引き起こす可能性が確認されたとの事です。デュポン社があるウェストバージニア州工場周辺の住人たちは、「飲料水が同社より排出されるPFOAによって汚染され、健康被害が出た」として集団訴訟も起こされています。

 かねてより、テフロンを用いた調理器具は、調理開始から3〜5分程度で370度もの表面温度に達する事があり、その際に2つの発ガン物質を含む、15種類もの毒性のあるガスや化学物質を発生させるという報告がされていました。デュポン社内の文書にも、テフロンは240度に達した時点で、有毒ガスを発生させる可能性を持っている事が記されているという指摘も行われています。

 テフロンは、耐熱性や耐薬品性、絶縁性に優れ、調理器具に限らず、建材、電線被膜等、幅広い分野で使われています。フライパンや鍋という分野では、かなりの普及率で家庭に入り込んでいる素材ではないでしょうか。休日の朝、オムレツを焼く事が密かな楽しみの私にとって、テフロンのフライパンは欠く事のできない存在で、おそらく鉄のフライパンだったら、その習慣は早々になくなっている事でしょう。それくらいテフロンは一般化した素材となっています。テフロンに限らず、焦付き防止加工がされた調理器具は、高温になった際に発生するガスを吸い込むと、発熱や息切れといったインフルエンザに似た症状を起こす、ポリマー煙熱という症状がある事が知られていました。便利さと引き換えのリスクとはいえ、なかなか怖い話です。少なくともテフロンの空焚きには、注意しましょう。



第九十四回 殻剥きの苦労

 卵サラダのサンドイッチが得意で、たまに作るのですが、調理を開始した私を最も憂鬱にするもの、それがゆで卵の殻剥きです。一般的には、新しい卵を避け、少し古めの卵を使うと殻の剥けが良いといわれますが、これは卵に含まれる炭酸ガスが影響しています。卵に含まれる炭酸ガスは、ゆでる際の熱によって膨張し、卵白を薄皮(卵殻膜)に押し付けます。これによって卵白と薄皮が密着し、剥け難さが高まるという訳です。

 炭酸ガスの存在は、卵自体の味わいにも影響を与えます。加熱され、膨張した状態で白身が固まる事から、白身がザラついた状態になり、舌触りが悪くなるため、新し過ぎる卵は美味しくないとする考え方もあります。

 上手に殻を剥くポイントは、卵が茹で上がったらすぐに冷水にさらし、少しでも白身を収縮させて薄皮との密着度を下げます。薄皮の剥がれを良くするために水中で作業を行い、薄皮と白身の間に水分が入りやすい状態にします。殻の全体に細かいヒビを入れ、ゆっくりと全体の殻を剥がします。薄皮が残っても殻を剥がす事を優先し、後から薄皮のみを剥がすというやり方が、最も卵自体を損なわずに剥く方法といわれています。

 文章にすると数行程度の事ですが、サンドイッチにするために数個をその様にして剥くのは、少々億劫な感じがします。コンビニエンスストアのノウハウの中には、店頭で販売するおでんの具材である卵の仕込みもあるそうですが、コンビニの店長さんは、迅速に、しかも卵をほとんど傷付けずに剥く事ができるそうです。聞いても教えてくれないそうですが、卵を室温に戻してからゆでるのがコツだそうで...。それだけではない気が、強力にするのですが。



第九十二回 安眠妨害     2004年07月14日

 この地上でいびきをかく生物が2種類だけいます。その1種は私達人間です。それでは、もう1種は?そう問い掛けられると、いろんな動物が思い浮かんでしまうと思います。答えは、意外と簡単。百獣の王、ライオンです。いびきは熟睡する必要と、自分が熟睡している事を、他の動物に知られても良いという安心感が必要です。そうなると、食物連鎖の頂点にあり、天敵を持たない事が重要になるのですが、それが満たせるのは、人間とライオンだけという事になります。そういう風に見てみると、いびきとは食物連鎖の頂点に君臨する者のみに許された特権という事になります。優雅さは感じられませんが...。

 特権的いびきですが、傍から見ているほど熟睡している訳ではなく、実は気道が塞がれ、空気の通りが悪くなっているので、眠りは浅い状態になってしまい、寝不足の原因になります。周りも騒音で眠らせず、自らも浅い眠りによって寝不足となる訳です。

 いびきについては、局地的な騒音公害程度の認識でしたが、睡眠時無呼吸症候群が話題に上るようになってからは、いびきを矯正する様々なグッズも発売されるようになりました。それぞれ理論的な裏づけがあり、効果が期待できそうな感じですが、今のところそれで克服したという方には会っていません。

 よく言われる事で、肥満、飲酒はいびきを悪化させます。日頃から、いびきを指摘されている方は、少しのダイエットと、飲酒量の加減で、改善が見られる事があるそうです。それでも日中、耐えられないほどの眠気を感じたら、医師の診察を受けてみる事を考えた方が良いかもしれません。睡眠時無呼吸症候群は、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病といった、思わぬ弊害を発生させてしまう事があるからです。



第九十一回 朝型、夜型の決め手     2004年07月13日

 仕事上、夜が遅くなってしまう事があります。それでも習慣となっているのか、目覚まし時計が鳴る直前には目が覚めてしまいます。休日は少し遅くまで寝ていたいと思うのですが、何故か必ず目覚まし時計の設定時間には起きてしまいます。以前は、自分の事を夜型人間だと思っていたのですが、朝型に切り替えて以降、人間は本来朝型が正しいのだと思い込んでしまうようになっていました。この朝型、夜型、実は遺伝子の段階で決定されていた事をご存知ですか?

 被験者に対し面接を行い、朝型、夜型の判定を行います。両グループ共、頬の内側から細胞を採取して、遺伝子を調べてみると、Per3という遺伝子に違いがある事が判明しました。Per3は、体内時計を掌る脳内の視交差上核という部分で機能する事が知られていました。

 このPer3が長い形状の人は、朝型、短い人が夜型となるそうですが、社会的、環境的な要因も強く関係してくると思われるので、Per3の形状によってライフスタイルを確定するより、朝型が得意、夜型に向いている程度と考えた方が良いと思われます。

 睡眠を中心としたライフスタイルは、ホルモンの分泌にも影響を与えます。むやみに昼、夜を逆転させるより、どちらかに固定した生活のリズムを確定する事が、健康的な生活を送るには良い事なのだと思います。



第九十回 界面活性     2004年07月12日

 マヨラーという訳ではないのですが、マヨネーズが大好きです。だからといって、直接ご飯にかけるなんて事は絶対しませんが、使用量は多めな方だと、自信を持って答える事ができます。特に某大手メーカーのポテトサラダ用のマヨネーズが好きで、買い置き分を欠かした事はありません。

 マヨネーズは、スペインのマヨルカ島が発祥の地といわれ、世界的に愛用される調味料の一つとなっています。日本のマヨネーズは、かなりレベルが高いらしく、海外でマヨネーズに出会うと、美味しくなさや物足りなさを感じる事があります。日本国内でもメーカーによって味が異なる訳ですから、国境を越えればそれなりの違いが生じるのは、当然といえば当然なのかもしれません。

 よく言われる事にマヨネーズは、卵黄、サラダ油という非常に酸化、腐敗しやすいものを原料としているのに、何故日持ちがするのか。それは、味の決め手、塩と酢にあります。元々殺菌成分ある塩と酢の働きで、長期にわたって安定した品質を保つのですが、塩はともかく、決して混ざる事がない酢(水分)とサラダ油が何故か混ざり合い、時間をおいても分離しないでいます。卵黄−レシチンの界面活性作用のお陰です。

 私は、界面活性剤の説明をしなければならないとき、しばしばマヨネーズを例に使います。界面活性剤といえば日常生活の中では、洗剤が最も界面活性作用を発揮してくれていますが、意外と食品に結び付けるには抵抗があるのか、マヨネーズを例に上げた方がすんなりと受け入れていただけるようです。レシチンはリン脂質の一種ですが、水に馴染みが良いリンと油分である脂質が結合して出来ているので、リンが水、脂質が油分と結び付いて、本来では混じり合う事のない水と油を混ぜて、独特なとろみのある状態、乳化させてしまいます。マヨネーズについて考える時、美味しさもさる事ながら、素材の配合の絶妙さにも感動してしまい、ますますマヨネーズのファンになってしまいます。それでも、自分専用を持ち歩いたりは絶対しません。



第八十九回 ひよこ、エジプト、ガルバンゾ     2004年07月09日

 パントリーを整理していたら、奥の方から袋に入れたガルバンゾが出てきました。数種類の豆をまとめて購入した際の残りなのですが、他の豆と比べて特別気に入っていたので、それだけ多く購入していたため、こうして忘れられる事になってしまいました。調理する前の日から水につけておかなければならない面倒さと、少々粉っぽい食感はあまり好きとはいえないのですが、何といっても形の可愛らしさがお気に入りの理由となっています。そのため、私の中ではガルバンゾではなく、絶対「ひよこ豆」なのです。

 実際、豆の中心部にくちばしの様な突起があるため、ひよこ豆の名で呼ばれる事もあり、英語で表記する際も、Chick Pea(ひよこ豆)もしくはEgypt Pea(エジプト豆)となっています。最近、巷で見かけるガルバンゾの名称は、スペイン語によるもので、正式な学名もマメ科ヒヨコマメ属となっているので、私が正しいという事になります。

 このひよこ豆、原産地は西、西南アジアで、栽培の歴史は古く、約7000年前のトルコで始まったと考えられ、現在では、インド、中東で盛んに栽培されています。地中海沿岸のイタリア、スペイン、アフリカでも栽培され、その地方の料理には、よく使われる食材となっています。因みにガルバンゾとはイタリア読みで、スペインではガルバンソと呼ばれます。日本へは戦後、メキシコ経由で輸入されましたが、栽培はほとんど行われていません。

 ひよこ豆に限らず、豆類は良質なタンパク質と食物繊維を豊富に含み、「畑の肉」とも呼ばれますが、実際の肉類とは、タンパク質等の利用率において、若干の違いが生じてしまいます。その理由の一つは、アミノ酸の構成にあります。植物由来のものより、動物由来の方が、私たちの身体を構成するアミノ酸に近いため、より利用率がよいという事になります。それは、リン脂質であるレシチンにも言える事らしく、大豆レシチンよりも、卵黄レシチンの方がよく体内で利用される傾向にある様です。とにかく栄養と考える方には、動物由来、ダイエットという方には、植物由来が薦められる理由がそこにあります。



第八十八回 月曜日はご注意下さい。     2004年07月08日

 子供の頃の話ですが、“I don’t like monday.”という曲が流行っていました。当時、学校へ行く事が、どちらかと言えば楽しかった私は、題材となった学校内での銃撃事件が、どこか遠い世界の事のように感じていました。それから時は流れ、銃を持ち出すほどではありませんが、月曜日はあまり好きではなくなっています。

 日曜日には家族でレジャーを、そういう家庭も多い事と思います。家族で楽しんでいる分には、良いのですが、やはり慣れない事なので、知らず知らずのうちに疲れてしまう、そして迎える月曜の朝。そのときに感じているストレスが、思わぬ大きな疾患に繋がります。

 鳥取大学医学部の倉鋪教授によると、働き盛りの4〜50代の脳卒中の発生率は、月曜が最も高く、日曜日の1.3〜1.5倍にも跳ね上がる傾向があるそうです。

 倉鋪教授ら研究グループによると、鳥取県内で過去17年に脳卒中を起こした患者1万2千人を対象に、各年齢ごとにグループ分けし、曜日と季節ごとの発生頻度を分析したそうです。その結果、4〜50代で日曜日の発症が最も低く、男性12.6%、女性で11.4%となっているのに対し、月曜になると男性16.9%、女性が17.2%と1.5倍近くも跳ね上がるそうです。これから新たな一週間が始まるというストレスと、日曜日の疲れが影響していると考えられますが、日曜はゆっくり過ごして、気楽な気持ちで月曜を迎え、水分を多めに摂る。判ってはいても、実践できそうな事は、水分を多く...。あまり健康向きではないと自分で思ってしまいました。



第八十七回 美味しさの感覚     2004年07月07日

 好きな食べ物は何ですか? ―食べやすい形状の物。では、嫌いな食べ物は? ―食べにくい形状の物。こんな味も素っ気もない事を言っているのは、他ならぬ私です。それでも味覚には自信があり、美味しい物には敏感な方だと思っています。この「美味しさ」という感覚、一つだけの機能ではなく、様々な感覚が重なって美味しいと判断しています。

 味だけをとっても甘味、辛味、酸味、苦味、旨味とあり、それに食感、温感、や香りも関わってきます。美味しい料理も冷めてしまうと、美味しさが半減してしまったり、口に運んだ途端、予想した食感と異なり、思わず不味いと思ってしまった経験は、誰にでもある事です。そうした既に知られた味に関する感覚以外にも、美味しさを感じる事に繋がる感覚が存在する可能性は示唆されてきました。

 特に新たな感覚として有力視されてきたのが、脂肪分を美味しく感じる感覚です。カップ麺を食べる際、最後に入れる調味油を入れ忘れた味気なさを経験した事のある人なら、容易にご理解いただける事でしょう。ほとんど味も香りもない油分を少量入れただけで、美味しさが格段によくなる事は、味覚という点からは不明な部分が多く残されていました。

 機能的磁気共鳴画像装置(f−MRI)を使用して調べると、脂肪分を口に入れる事で、脳内の帯状回という領域が活性化する事が判っていました。帯状回は楽しい体験をした際に活性化する部分なので、脳が脂肪分が体内に入る事を心地よく感じている事が判ります。先日、この帯状回に刺激を伝えるタンパク質が発見されていました。舌のFATと呼ばれる器官から脳へと送られる信号に関わるタンパク質との事ですが、このタンパク質の働きや組成を研究する事で、将来的にダイエットに繋がる成分の開発が可能との、ちょっとありがたそうな話しが出ていましたが、油分のないパサパサの食物から油特有のコクがある味がするというのは、少々不気味な感じがします。



第八十六回 酔いの仕組み     2004年07月06日

 お酒を飲まない私が取り上げるのも、何となく変な話題ですが、今回は酒酔いについてです。日本人は、先進国の中で最もお酒に対し寛容な国民性を持っていると言われます。お酒を飲むと体内では、どのような変化が起こるのでしょうか。

 体内にアルコールが入ると、約3割は30分程度で胃から吸収されます。胃で吸収されなかった残りは、腸へと流れ込み、2時間程をかけて腸から吸収されます。吸収され、血液中に入ったアルコールは、肝臓で分解され、最終的に水と二酸化炭素になってしまいます。ビール1本、または日本酒1合で、約3時間ほどの時間が掛かると言われています。

 その程度でやめておけば良いのですが、度を過ぎてしまうとアルコールの分解が追いつかず、途中の産物としてアセトアルデヒドができてしまい、脳が刺激されると二日酔いの症状が起きてしまいます。また、アルコールは水を吸収する働きがあるので、血液中に分解されないアルコールが増えると、脳細胞の中の水を吸引してしまい、脳の萎縮を引き起こしてしまいます。特に脳内で意思や判断を掌る前頭葉の部分の萎縮が顕著で、萎縮した状態から回復するには、大量の水分を摂る必要があります。

 また、アルコールは加水分解されるので、そのためにも水分の確保は重要な意味を持ってきます。ウィスキーを水で割る「水割り」は、あまり度数の高いお酒に馴染みのない日本人に、ウィスキーの普及をはかる苦肉の策だったそうですが、こうして見ると水分の確保には、多少なり貢献しているとも思えます。お酒を飲む際は、水分の確保も忘れずに、上手にお付き合い下さい。



第八十五回 恐怖克服薬     2004年07月05日

 世の中には、様々な恐怖症があります。そんな中で、高所恐怖症は最も身近な恐怖症ではないでしょうか。自覚している人、自己申告の人、便利そうだからそう思わせている人、それほど、高所恐怖症を口にする人に出会う事は難しくないと思います。

 高い所に上がったとき、軽い恐怖を覚える程度であれば、それほど意識する必要はないのですが、高架橋を通過できないとか、エレベーターに乗れないなど、日常の生活に支障だ出る様であれば、医師による治療が必要となります。従来、高所恐怖症の治療は、高い場所という環境に徐々に慣らすという方法で行われてきました。一般的には、比較的気楽に参加できる山登りなどを通して治療が行われるのですが、そうした治療時に服用する事で、治療の効果を大きく上げる事ができる薬剤が発見されました。

 その薬剤の名前は、「D−サイクロセリン」。結核菌の脂肪壁を合成する働きを阻害する治療薬として用いられてきました。このD−サイクロセリンを高所恐怖症の治療時に投与する事で、治療の効果が数倍に高まる事が、アメリカの神経科学会で報告されていました。実際の結果としては、透明のエレベーターに乗って上り下りを仮想体験させる治療を行う際、投与しないグループの恐怖レベルが10%程度の低下率であったのに対し、投与されたグループの低下率は50%にもなっていたそうです。

 D−サイクロセリンは、脳内の刺激を受け取るタンパク質の機能を高める働きを持っています。このタンパク質の機能が高まると、恐怖を克服する力そのものが高まると考えられています。そのため、D−サイクロセリンによって、今後、様々な恐怖症の治療が期待されていますが、服用しただけでは結核の薬としての効能しか期待できないので、克服するためにはある程度の恐怖を味わう必要がある事は事実です。



第八十四回 アブラとタラバ     2004年07月03日

 先日、冷凍物ですがタラバガニをいただきました。ノベルティの一環のようなもので、ちょっと得した気分になりつつも、こんな高価な物が何故無料で、と不思議にもなりました。説明書にあった通りに解凍し、食べてみると、ひどい味がします。においの悪く、冷凍する前に鮮度がかなり落ちてしまっていたのか、と考えてしまうほどです。結局、気持ちの悪さに捨ててしまう事になってしまいました。

 同様の経験をされた事はないですか?多分、それはタラバガニではなく、アブラガ二だったのではないかと思います。

 アブラガニは、一応タラバガニ科ではあります。姿はかなりタラバガニに似ていて、少し慣れているくらいでは、間違ってしまう事があります。生息地域もほとんどタラバガニと同じで、良く見ると甲羅の表面に、水面に油を落としたときのような青い色が見えるため、アブラガニの名称が付けられています。市場では、タラバガニより1ランク以上低く評価されるそうですが、人によっては、値段の割りには食べれるという意見もあり、一概に否定はできないのですが、アミノ酸の組成がタラバガニとは違いますので、味は確実に落ちる事と思います。

 かつてはタラバガニと称して販売されていましたが、表示が厳しくなった事もあり、最近はちゃんとアブラガニとして販売されています。先日、某デパートで、不当表示の問題が発生していましたが、背中のトゲの数で見分けができるそうです。甲羅の中央部のトゲが、タラバガニは6本、アブラガニは4本になっています。アミノ酸の組成上、苦味を感じるかもしれませんが、好奇心を刺激された方はお試しください。



第八十三回 トロ人気     2004年07月01日

 料理の事をはじめ、いろいろな事を教えていただいた方から、マグロに関する面白い話を聞かされました。年齢は、マグロの好みに出るという事で、若いうちは脂の乗った大トロを好み、やがて落ち着いてくると中トロ、トロと好みが移り、淡白なカジキマグロへと好みが変わるのだそうです。私は、元々脂身が苦手なので、最初から大トロ、中トロは眼中にないのですが、よく考えてみると、学生時代の頃から落ち着いていると言われていた事が、こんなところにも出ているのでしょうか...。そんなはずはないですね。単に好みの問題です。

 トロというと寿司ネタの主役級の食材で、ファンもとても多い事と思います。しかし、トロが今日のように食べられ、多くの支持を得られるようになったのは、戦後の事で、意外にもそれ以前は不人気な食材であった事はご存知ですか?

 マグロ自体は、古くから食べられていたのですが、赤身の部分を塩に漬けたものが主流で、生食はほとんどされていませんでした。江戸前の寿司ネタとなった事が、トロの生食の最初と言われ、その時点でも切り身を醤油に漬けた「ヅケ」と呼ばれるもので、それ以外は加工されたり、捨てられたりしていたそうです。トロは脂身が多い事から、流通の状態がよくなるまでは、腐敗しやすく、劣化のために風味が悪かった事が不人気の原因となっていました。

 脂分が多いトロが、今日のような人気者になった背景には、冷凍技術の発展、冷蔵庫の普及や流通が整えられた事が考えられますが、合わせて、肉食の普及によって、脂っぽい食事に慣れたという事もありそうな気がしています。



 

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