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第263回 鉄の温もり     2005年03月31日

 まだ寒い日があるとは思いますが、日々春めいて暖かくなってきました。今年も冬の必須アイテム、「使い捨てカイロ」を使わない冬を過ごしました。ホームセンターやディスカウントストアなどでまとめ買いすると、驚くほど安価で便利な使い捨てカイロですが、何故か家の猫が極端に嫌う事から、使わない生活が続いています。その割には、今年は使い捨てカイロに関する質問を多く受けた冬でもありました。

 使い捨てカイロは、鉄が錆びるという酸化反応の熱を使って暖かくなります。鉄は、通常の状態では不安定で、空気中の酸素と結合して酸化鉄になる事で安定します。この酸化反応を熱源とするために、鉄が酸素と触れ合う面を大きく、また酸化が起こりやすくして熱を発生しやすくする工夫が、使い捨てカイロには盛り込まれています。もともとは食品を長持ちさせるために密閉された中に入れ、酸素を吸着する脱酸素剤だったものが、酸素の吸着=酸化→発熱という点を特化して製品化されています。

 酸素との接触面を増やすために鉄は粉状にし、酸化を加速するために水分と塩分が微量加えられています。また急激な反応を抑えて温度を調節しやすいように、炭を鉄と同じくらいの大きさにした粉炭が入れられ、密閉して製品化されています。パッケージを破いて中身のカイロを取り出すと、網目状に無数の細かい穴が明けられた袋から空気が入り込み、酸化が起こりはじめます。使い始めに取り出した際、振ったり揉んだりするのは、水分によって塊になった鉄粉を解して、酸素と触れ合いやすい状態にしてやるためです。

 最近は用途に合わせ、いろんな形やサイズのバリエーションが増え、粘着シートを付けた物もありますが、今シーズン、質問が多かった物に「靴用」のカイロがありました。粘着シートが付いた小さな三角形のカイロですが、暖かくならないという物が多かったようです。発売当初、通常のカイロを縮小しただけの鉄量では、発熱量が大きくなり過ぎ、低温火傷を起すというトラブルが相次ぎました。そのため今シーズンは鉄量を少なめにしたり、炭粉を多くしたりという対策が採られたようです。その結果として熱量が不足したのが原因と考えられます。カイロ内では、酸化によって発生した熱によって、より酸化が促進されるという傾向があります。発生させる熱量が少ないと、さらに発熱が弱くなってしまうというのも原因の一環ではないでしょうか。そのように答えてはいたのですが、私と使い捨てカイロとは全く関係がありません。念のため。



第262回 赤身を赤く、いつまでも。     2005年03月30日

 牛肉の変色、「スミ」という話しを以前しましたが、同様の話しは牛肉に限った事ではなく、魚介類でもあります。マグロの赤身は、鮮度を測る指標だけではなく、食欲にも直結した要素ではないでしょうか。透明感のある鮮やかな赤い色は、鮮度の象徴のようにも見えてしまいます。実際は、最も鮮度が良い状態では、紫がかった赤い色をしています。それが空気中の酸素に触れる事によって、明るい赤色に変化し、最も美味しそうに見える状態になります。

 赤い色はその後、徐々に褐色がかってきて、あまり美味しそうには見えない色に変化してしまいます。そうした一連の色の変化は、マグロの筋肉の中に含まれるミオグロビンという色素タンパクと酸素の結合によって起こっています。最初はミオグロビンが単体で存在するため、紫がかった赤い色をしていますが、酸素との結合で明るい赤色、やがて酸素が離れてしまい、ミオグロビン自体も劣化する事から、褐色がかった赤色へと変化していきます。

 ミオグロビンが酸素と結合しやすく、離れやすい性質を持っているために、そうした変化に繋がっているのですが、より強力に結合し、離れにくいものと結合させれば、色の変化を防ぐ事が可能になります。ミオグロビンに対し酸素より強力に結合し、離れにくい物。一酸化炭素は酸素の200倍以上も強力に結合し、離れない性質を持っています。そうした性質は、人体内の類似物質、ヘモグロビンに対しても有害で、暖房器具の不完全燃焼時に発生し、人命に関わる事故を引き起こすとして危険視されるのは、その強力な結合力によるものです。

 マグロの身に対し一酸化炭素で処理を行えば、いつまでも同じ明るい赤い色を保つ事ができ、処理を行ったマグロの切り身を食べても、吸入する訳ではないので毒性はありません。しかし、視認による鮮度の確認はできなくなりますので、消費者としては安心して選ぶ事ができなくなります。既に一酸化炭素による処理は厚生省によって禁止され、検査が行われて市場に出回らないようになっています。実際に処理した切り身を食した場合でも、健康上の危険性はないのですが、食の安心・安全は確実にしたいものです。



第261回 避けたい有効治療法     2005年03月29日

 昨年、一つの安価で有効な治療法が米国食品医薬品局(FDA)によって承認されました。それ以来、治療速度が遅い難治性の脚部創傷の代替療法として、急速に広まりつつあると言われています。これまでの療法とは異なり、新療法では素早く、そして手軽で安価に創傷部を洗浄してくれるそうです。そのために用いられるもの、それは医療用と銘打ってはいますが、他でもない「蛆(ウジ)」です。

 ウジは不潔で不快な生物として、好きという人の方がはるかに少ない存在ではないでしょうか。しかし、生態系の中では、死体を分解して食物連鎖を円滑に形成する上で、欠く事のできない存在となっています。死んだ生物の体細胞を好むという点では、視点を変えれば有効に働いてくれる事が、かねてより考えられていました。

 創傷部の壊死して感染をきたした組織をウジに食べさせる事によって、迅速に創傷部の洗浄を行う事ができます。しかも、損傷していない組織は、そのまま残る事から、理想的な洗浄を行う事ができます。さらにウジは、創傷部を消毒し、健常細胞を刺激して増殖を促す働きも持っている事から、傷に対して非常に有用な働きを幾つも兼ね備えている事になります。

 実際に施療を行っているハンドラー博士の弁によると、治療において最も困難な事は、患者を納得させる事と言います。治療の受け入れには、かなりの忍耐が必要とされ、受け入れる患者と拒否する患者の比率は、今のところ同数。看護スタッフの30%も関わる事を拒否するという状況にあるそうです。しかし、一部の抗生物質のように時間の経過によって無効となる事がなく、安価で確実な療法である事から、普及に関しては楽観しされています。もともと怪我とは無縁でいたかったのですが、さらに怪我する事が怖くなる新治療の確立です。



第260回 不老不死の残り物 2     2005年03月28日

 免疫学関連誌「Immunology」3月15日号に患者の自己免疫系統を活性化して、前立腺ガンの再発を劇的に遅らせる新しいワクチンの早期臨床試験の結果が報告されていました。このワクチンは患者の樹状細胞を用いて、キラー細胞に抗原を結合させるというタイプのもので、標的とする抗体はテロメラーゼです。

 無限に細胞分裂を繰り返すためには、テロメアの再合成が必要です。テロメアは分裂の度にちぎれてしまいます。それを再生するために酵素テロメラーゼが必要となります。規定回数しか分裂しない通常細胞には、むしろテロメラーゼは必要なく、テロメラーゼが細胞内に存在する事は、普通ではない分裂を行う何らかの腫瘍などである事が推測されます。

 抗原は、ウィルスや細菌を破壊した際に出る特徴的な破片を素に構成されます。その破片によって、侵入してきた敵を識別し、攻撃を加えます。ワクチンはその抗原となる破片にテロメラーゼを用いています。ほとんどのガン細胞においてテロメラーゼが過剰に生成されている事から、テロメラーゼを抗原に組み込む事によって、免疫システムが腫瘍を攻撃するよう仕向ける事を意図して作られています。

 元々は、前立腺ガンのワクチンとして開発されていますが、ガン細胞はテロメラーゼを過剰に生成する事から、ワクチンの働きは多岐にわたり、全身のガン細胞と正常細胞を区別して攻撃する事が可能になります。今後、さらに精度を高めて、ガンの副作用のない治療薬となる事を期待したいと思っています。



第259回 不老不死の残り物 1     2005年03月25日

 かつて、あるベンチャー系製薬会社の株が突然一気に高騰し、数日を待たないうちに元の価格付近まで急落するという事がありました。原因はその製薬会社が開発した薬、不老不死に繋がるかもしれないと噂された新薬にありました。多くの体細胞は、細胞分裂を繰り返し、規定の回数の分裂を終えると、それ以上の分裂ができなくなります。そのため年齢と共に体細胞は減少してしまいますが、そうした分裂回数の制限を取り払うとされたのが、その新薬の薬効でした。

 二重螺旋構造を持つDNAは、その端の部分に二本がうまく絡み合い、螺旋を描けるようにした部分を持っています。テロメアと呼ばれるその部分は、細胞分裂毎に、二重螺旋が解ける時に端がちぎれ、短くなってしまいます。一定の短さになってしまうと、二本が絡み合う事ができなくなってしまう事から、人によって長さの違いはありますが、絡めない長さになった時が細胞分裂回数の限界とされています。

 もしテロメアがちぎれなければ、ちぎれても再生するなどして、いつまでも同じ長さを維持できれば、細胞分裂の回数制限はなくなると考えられます。そうすれば、年齢による細胞の減少、一つの老化は防ぐ事ができます。現実的にそのような事は可能なのでしょうか?実は、私達がよく知った細胞の中に、日常それを行っているものがあります。ちぎれたテロメアを再生して、いつまでも一定の長さを保ち、無限に分裂を繰り返す細胞、それはガン細胞です。

 ガン細胞は分裂によってちぎれてしまったテロメアを、独特な酵素「テロメラーゼ」を用いて再生し、テロメアの長さを常に一定に保っています。そのため、回数を気にする事なく無限に分裂を繰り返す事ができ、一方的な増殖をする事ができます。このテロメラーゼに着目し、新薬として採用した事が製薬会社の株価を急騰させる事に繋がりました。それでは、なぜ急落する事になったのでしょうか。テロメラーゼは、確かにテロメアを再生させる働きを持っています。それは、必要なDNAのテロメアに限らず、突然変異したものや、途中で切れてしまったDNAにも新たなテロメアを形成させてしまいます。そうなると、切れて不完全なDNAにテロメアが付けられて、二重螺旋を作ってしまうので、未曽有の混乱が細胞レベル起こる可能性があり、それこそ危険な状態です。すぐにその事が判明し、株価は急落、元の水準に戻されました。それから時は流れ、テロメラーゼに新たな活躍の場が与えられます...。



第258回 インシュリンの新たな一面     2005年03月24日

 インシュリン・・・ホルモンの一種で、体内の血糖値を下げる働きがあります。進化の過程で糖分が充分に食事から確保される。毎回決まったように充分な食事が摂れる。そうした恵まれた状態になかったためか、血糖値を下げる働きのホルモンはインシュリンしかありません。そんなインシュリンに関した働きが低下する、インシュリン自体の分泌が減る、インシュリンに対し身体が反応しない、といった状態になると糖尿病になる事は、よく知られた事です。

 インシュリンは膵臓のランゲルハンス島という部位で分泌されていますが、最近の研究でそれ以外の部分でも分泌され、これまで知られていた働きとは、全く違う役割を持っていた事が解明されています。米国ブラウン大学の病理学、内科のデラモンテ博士によって、インシュリンは膵臓だけでなく、脳内でも産生され、アルツハイマー患者の脳内では、その産生機能が障害されている事が明らかにされました。

 デラモンテ博士は、ラットを使った実験で脳の幾つかの領域でインシュリンが産生されているのを発見。インシュリン産生の低下によって、脳神経細胞の機能低下を認め、さらにアルツハイマー病で死亡した患者の脳組織を検討し、インシュリン産生量が著しく低下、インシュリン受容体も減少している事を発見しました。

 インシュリンは脳細胞機能の維持に極めて重要であり、不足するかインシュリン応答性が低下すると、ニューロンの機能が阻害されてニューロン死を引き起こす、とデラモンテ博士は述べると共に、今回のインシュリン欠乏症を、これまでの1型、2型とした糖尿病に対し、3型糖尿病とする事を提唱しています。デラモンテ博士の説では、アルツハイマー発症初期にインシュリンの産生障害が始まり、時間の経過と共に症状が悪化するとされています。その説によれば、インシュリンの代替物質の投与や、受容体の活性化を促す治療法が見つかれば、アルツハイマー病の克服にも繋がる可能性があり、これからの展開が楽しみな研究成果と言えます。



第257回 薄くない薄口     2005年03月23日

 知らない土地を訪れたら、現地の食に触れてみなさい。知人にそう教えられ、その気になって旅先では積極的に現地の食材、料理に触れるようにしています。そんな意識も無く現地の友人に連れられていった大阪のおでん屋さんでの一幕ですが、カウンターのみの細長い店内に、小分けされた長方形の専用鍋、何より驚いたのは、まるでお湯そのもののような澄み切った薄い出汁でした。

 そんな素材の色合いを生かす、淡い色付けの料理に欠かす事ができない調味料が薄口醤油です。薄口醤油、言葉の響きから薄められた醤油、薄味の醤油、そんな思い込みを持っていたのは、子供の頃の話です。実際には、濃口の醤油より塩分濃度が高く、味自体は濃いものになります。

 製法的には大きく異なるものではないのですが、大豆を脱脂、圧力を少なめにしたり、小麦の要り加減を調節、甘酒を加えるなど、色を薄く仕上げるために、さまざまな工夫がされています。仕込みの際の塩分を多くする事で、発酵を抑える事も色を薄く仕上げる一工夫となっていますが、その際の塩分が後の味を決める事に繋がっています。また、甘酒を加えた事に対する保存性の確保にも、この塩分量の多さは役立っています。

 本来ならば製法、原材料的に濃口醤油より傷みやすくなる可能性のある薄口醤油ですが、塩分量を増やす事で保存性が確保され、発酵の調整からより淡い色合いを出し、濃い塩味から料理に対しての使用量も少なくなり、より素材の色や風味を生かすという特長を際立たせています。塩分が嫌われる昨今ですが、これほどの謂れがあるものだけに、安易な減塩風潮に乗らないでくれればと思ってしまいます。



第256回 頑張れ、2週間     2005年03月22日

 最近の健康に関するキーワードを上げてみると、その中には必ず「血液サラサラ」が入っているのではないでしょうか。実際、食生活によって血液中の脂分が多くなったり、ストレスがかかっただけでも血液は、ベトベトした状態になると言われます。ベトベトの状態では、血液を循環させるのに大きな力が必要となり、心臓に負担をかけてしまう事や、圧力が上がって高血圧となる事、血栓ができやすくなり、それが血管の細くなった部分に詰まってしまう事で、梗塞を起す危険性があり、決して良い状態とは言えません。

 血液の状態を悪化させる要因の一つとして、喫煙が上げられる事は珍しい事ではありません。この度、久留米大学医学部第三内科の森田博彦助手によって、血栓の生成に大きく関わる血小板の状態が、2週間程度の禁煙でも、喫煙を行わない人と同じくらいのレベルにまで、充分に改善される事が発表されていました。

 今回の研究は、慢性的な喫煙者27人に対し、14人に4週間の禁煙、13人には2週間の禁煙をしてもらい、喫煙を再開。両グループの血小板の機能を比較する事で行われました。血液の固まりやすさは、禁煙前と比べて半減。血栓の生成を抑制する機能は、約3倍にも高まったといわれています。また煙草の煙に含まれる活性酸素によるストレスも半減していたと言われます。

 そうした改善効果は2週間ほどという短い禁煙でも充分ですが、喫煙を再開してしまうと2週間も経たないうちに元に戻ってしまうとの事です。そのため禁煙を行うのに遅いという事はないのですが、一旦止めたらきっぱりと禁煙する事が望ましいと言われています。かつて、「禁煙するのは簡単な事だ、私は何度もやっているから」と有名な作家が言っていましたが、簡単に入手できる物であるだけに、固い意志が必要なのかもしれません。



第255回 アレルギーの季節到来に思う 2     2005年03月18日

 前回、戦後の復興需要を見越した植林の結果、スギ花粉の量が増えてしまい、アレルギーの増加に繋がったという話しをしました。しかし、アレルギーの増加はそんな単純な事ではありません。さまざまな要因が複雑に絡み合って、今日の状態が作り出されている事が容易に想像できます。最近の研究では、スギ花粉は呼吸器よりも吸入した物が消化器に入り、腸で吸収されて免疫細胞に影響を与えている事が解明されていました。また、皮膚が弱くなっているのか、皮膚から吸収され、一気に体内蓄積量を高まらせて発症に至る若年性の花粉症の存在も知られています。

 そんな中で、直接アレルギーの増加に結び付いているとして名指しされたのが、「ディーゼル粉塵」ではないでしょうか。高度成長に伴い、インフラの整備に欠かせない重機の多くはディーゼルエンジンで稼動しています。ディーゼルエンジンの増加とアレルギー症状を発症する人の増加は、ある程度の比例関係があります。そのため、ディーゼルエンジンが排出するディーゼル粉塵、排気管から排出される黒煙の素がアレルギーを助長させるものとして、疑われる事となりました。

 ディーゼルエンジンは、一般的な自家用車に見られるガソリンエンジンとは異なり、非常に高い圧力になるまで圧縮した空気に軽油を噴射して爆発力を得ます。高い圧力での燃焼を行うため、効率が良く、エネルギーの変換率はガソリンエンジンの倍近くになる事もあります。しかし、燃焼が完璧に行われない場合、不完全燃焼の産物としてPAM(粒子状物質)と呼ばれる煤と油が混じったような、微細な物質を排出してしまいます。それがスギ花粉などのアレルゲンと共に体内に入る事で、アレルギー症状の発生が数十倍に高まると言われています。

 現在、都会を中心にディーゼルエンジンの乗り入れが制限され、徐々に国内のディーゼルエンジンは減りつつあります。しかし、日本とは逆にヨーロッパを中心とした地域では、ディーゼルエンジンの経済性や環境保護の可能性から見直されてきています。環境保護の一環として1ガロンの燃料で100kmを走る車の開発が進められていますが、実現できる可能性を持っているのは、電気モーターとガソリンエンジンを組み合わせた「ハイブリッド」車か「ディーゼル」車だけだろうと目されています。ディーゼルエンジンはパワーの出方が特異で、アクセルの踏み過ぎから燃料の過供給、燃焼不良となる事が黒煙の多量発生の原因となります。また、不完全燃焼を低減させるための添加剤の付加も行われてはいません。最近の車のような電子制御のアクセルの採用や、完全燃焼に近付けるための添加剤の開発など、まだまだ研究する余地が残されていたように思えます。国際的な流れを見れば、安易に結論付けを行い排除する前に、充分な研究を行ってほしかったように思えてしまいます。



第254回 アレルギーの季節到来に思う 1     2005年03月17日

 春本番と思っていたら、この数日積雪まで見られ、まだまだ春は遠いのかと思ってしまいます。しかし、それでも花粉はしっかり飛んでいるらしく、周りに変調を訴える人が増えてきました。ある意味、春の風物詩「花粉症」の季節到来です。今年は花粉の量が多いらしく、私も体内蓄積が一気に増えてしまいそうで、今年あたり花粉症デビューとなるのではと怖れています。

 花粉症の症状については、さまざまな植物の花粉が関係しているらしく、微妙に時期で判断する事ができるという事らしのですが、やはりスギ花粉が代表的だと思います。各地の山間部に多量に植林された杉の木から風に乗って過分がばら撒かれるのですが、何故、これほどの健康被害を出す事となってしまったのでしょうか。杉は元々自生していて、それほど特殊な存在ではなかったはずです。昔の話しを聞くと、花粉症らしい症状はほとんど見られません。これほど広く症状を持つ人が増えたのは、最近の事のように思えます。

 理由は、杉自体の量的な問題も関係していると思います。戦後、都会地は空襲で焼け野原となり、急速に進む復興の状況からも、新築家屋を中心に木材の需要が大きくなると考えられました。多くの山々でそれまでの雑木林が伐採され、代わりに成長が早く、まっすぐ伸びる事から木材としての加工もしやすい杉が植林されました。その後、安価な輸入木材が市場を占めるようになり、国内産の杉の需要は急速に縮小してしまいました。そうした傾向は現在も続き、間伐も行われない杉山も多く存在し、莫大な量の杉が花粉を放出する結果になっています。多量にアレルゲンとなる花粉が飛来する事で、体内蓄積量を容易に上げてしまう事がアレルギー発症に関与していると思われます。

 もちろんアレルギーの増加は、花粉量のみが原因ではないのですが、明らかに昔と比べ、杉に関する環境は変化しています。雑木林から杉林へと変わった事で花粉症は増え、杉林自体の保水力が低い事から洪水の懸念が大きくなったと言われますが、大きくなる速度が速い杉は二酸化炭素の吸収量が多く、ブナの2倍にもなります。日本中で杉林が増えた事は、二酸化炭素の減少には一役かっていた事になります。この時期、黄色い靄を発生させる杉林は、禍々しくさえ見えてしまいますが、環境保護には役立っていますので、少しは優しい目で見てやりたいと思ってしまいました。



第253回 コピー氾濫     2005年03月16日

 コピー品というと、すぐにCDやDVD、パソコンのソフトといった気軽な気持ちで行われる犯罪行為を思い出してしまいます。どこで調べたのか私のメールアドレスにも、英文のDVDコピーソフトの勧誘がよく届き、そうした複製行為が日常的な事なのだと思っています。とりあえず、そうした技術系の事は、このコラムの趣旨向きではありませんので、本題のコピー食品に話しを進めたいと思います。

 先日、テラピアのウロコ由来のコラーゲンが発売されていました。テラピアといえばピラニアに似た魚で、イズミダイ、チカダイの名前で食用にされています。かつては白身の淡白な味から鯛と偽って販売される事もあったのですが、加工後の廃棄物となるウロコを利用した製品作りが行えるほど普及したのかと、何となく頼もしささえ感じてしまいました。このテラピアの例は、コピー食品が独り立ちした良い例ではないかと思います。

 同様に似ている事を利用した食品では、キャビアが典型例となります。世界の高級珍味とされるキャビアが、私のような庶民でも気軽に購入できる価格で販売されています。輸入品の缶の裏面に貼られた日本語表記のラベルを見ると、「品名=キャビア(ランプフィッシュ卵)」と書かれています。キャビアは、チョウザメの卵。ランプフィッシュの卵は、形状が似ている事を利用したコピー品という事になります。このコピーキャビアは、ランプフィッシュの卵を黒く着色して、保存料を加えて作られています。

 同じ魚の卵では、イクラのコピー品は芸術の域に達していると思います。着色したサラダ油を乳酸カルシウムの溶液に落とすと、イクラそっくりのものが仕上がります。味を付けてしまえば、一見しただけでは本物と区別がつかず、人によっては生臭みが少ない事から、コピーの方を好む方もいます。熱湯に入れると、コピー品はサラダ油なのでそのままですが、本物は卵なので白く濁ってしまい、簡単に見分ける事ができます。本ワサビ使用と書かれているワサビも、原材料を見ると「西洋ワサビ」となっていますので、味が似た大根の一種「ホースラディッシュ」から作られています。このように列記してみると、お寿司屋さんが怪しい印象を受けてしまいますが、そのような意図はありませんので、ご理解いただければ幸いです。



第252回 スミを赤く?     2005年03月15日

 「スミが入る」、業界用語なので、一般的にはピンと来ない言い回しです。古くなった牛肉が黒く変色する現象を指して、こういう言い方をするそうです。肉の色は、筋肉に含まれる色素「ミオグロビン」と血液の色素「ヘモグロビン」によって、鮮やかな赤い色をしています。それが空気に触れる事によって、黒ずんだ色に変色していきます。牛肉の味には、それほど鮮度に左右される事はないので、黒くなったから食べられない、味が落ちてしまっているという事はないのですが、見た目が悪すぎるという点は否定できない事です。

 ミオグロビンとヘモグロビンは、鉄分を含んだヘム色素と呼ばれる成分で、この鉄分が長時間酸素と触れる事によって、本来紫がかった暗赤色をしている2価(Fe2+)の鉄分が酸化され、3価(Fe3+)の鉄分であるメトミオグロビンとメトヘモグロビンという暗褐色の色素に変化します。これが肉を黒く見せる素になってしまいます。

 そうした変化は、単純な酸化という化学変化なので、還元してやれば元に戻す事が可能です。一旦酸化してしまったヘム色素を、代わりに酸化する成分を一緒にしてやる事で還元させ、元に戻せば良い訳ですから、ビタミンCを使えば比較的簡単に元に戻す事ができます。ビタミンC=アスコルビン酸は比較的安価、手軽に入手する事が可能なので、それを肉に振りかけてやれば事足ります。

 以前、わざわざ選んで、鮮やかな色合いの肉を購入したのですが、トレーに形良く盛り付けられた肉の表面が鮮やかな赤色だったのに対し、重なっている、本来ならば空気の量が少なく、酸化が遅いはずの場所が黒く変色している事があり、やられたと思ってしまいました。そういう工夫によって、食材としてのロスを減らし、気軽に買える価格を維持するのかもしれませんが、食への信頼、大切にしてほしいものです。



第251回 暖かい光     2005年03月14日

 一面に積もった雪を、暖かいコタツから眺める、それなりに贅沢な感じがするのですが、長らくコタツとは無縁の生活を送っています。理由は簡単、腰を据えて座っている暇がない事と、パソコンが使い辛い事。コタツでお茶と和菓子、みかんでもというのは、寒いシーズンの憧れに留めておくだけになっています。

 子供の頃は、コタツが大好きでした。幼少の頃は、体が小さかった事もあって、コタツに入り込んで長い時間を過ごし、出てみると外の景色が青く見えてしまうという経験を持つ人は、私だけではないと思います。点いたり消えたりを繰り返しますが、コタツの中は、赤、もしくはオレンジの明かりが点いています。その色に慣れてしまう事が、外の色を青く錯覚させてしまう原因となります。

 コタツの中は、身体の中から温める働きを持つ、赤外線がヒーター部分から照射されています。そのために赤系の色の光が出ています・・・実はこれ、大きな間違いです。赤外線は赤系の波長で、人が見る事のできる可視領域の外にある、人には見る事のできない光です。そのため、コタツに潜り込んでも見る事はできません。

 では、なぜコタツの明かりは赤いのかというと、暖かさを連想してもらうためという事だそうです。明かりの色と赤外線は、別々にする事が可能なので、出たときに外の風景が青く見えないような、自然光に近い明かりにする事や、好みに合わせて青い明かりにする事も可能な事です。寒い外から帰ってきて、慌ててコタツに入ろうとしたとき、コタツの中が青い光で満たされていたら...。あまり有り難くない感じがするのは、私だけでしょうか。



第250回 対インフルエンザスポーツ     2005年03月11日

 しだいに周りの人がインフルエンザに冒されていく様子を、いつは自分の番かと恐るおそるみています。少し時期が外れ気味ですが、インフルエンザに最も罹りにくいスキー場にでも逃げ込みたいと考えています。スキー場は雪に囲まれ、当然寒い場所なのですが、何故か風邪を引く人が少ない場所でもあります。スポーツに勤しみ、健全な身体状態を作り出すからでしょうか。実は、意外にもスキー場には、風邪を引きにくくする仕組みが揃っているのです。

 風邪の原因、よく知られたウィルスですが、そのウィルスが好むもの。それは乾燥と強風です。乾燥した風に舞って人の呼吸器に侵入し、粘膜から体内へと入り込み、本来の目的である増殖を繰り返します。スキー場は山の高い所にあるお陰で、風は強いのですが、回りに雪という湿度に富んだ状態にあります。空気中の湿度が高いと、ウィルスは水分を付着させ、風を受けて舞い上がる事ができなくなってしまいます。

 さらに雪は、構造上ウィルスを捕らえやすく、捕らえて地面に広がり、高地ゆえの強い紫外線をウィルスに浴びせてくれます。それによってウィルスが無害化されるために、スキー場は寒いにも関わらず、風邪を引きにくい場所となっています。特に雪は乱反射を繰り返すので、広範囲に強力な紫外線が照射される事を可能にします。

 同じような状態で、風邪とは無縁の場所があります。地上で最も寒い場所、南極です。南極では、オゾン層の特殊な状態も手伝って、ウィルスが存在しない土地柄となっています。しかし、そんな南極にある観測基地も完全に風邪とは無縁とはなっていません。南極観測隊員が唯一風邪を引く瞬間、それは、本国からの郵便物や荷物が届くその時です。本国から運送してきた人や、荷物の中に紛れ込んでいたウィルスに感染すると、風邪を引いてしまう事となります。そうして考えてみると、風邪を引きたくなければ、南極まで逃げるよりウィルスに近付かない事ですね。



第249回 研ぐ、洗う?     2005年03月10日

 自慢するほどの事ではありませんが、ご飯を炊くという事に少し自信があります。ちょっとした事で炊き上がりに違いが出るので、うまく炊き上がった時は、すごく嬉しくなってしまいます。細かい部分にまでこだわると、人によって計り方が異なり、炊き始めの水加減に関係してきますので、お米の量を計る人と炊く人が別では良くないと思っています。また、たまに「お米を洗う」という表現を見掛けますが、お米は「研ぐ」もので、「洗う」ものではないとも思っています。

 精米は、玄米の表面の糠を剥がします。その状態では、さらに層状に肌糠、甘味層、胚乳となっているのですが、研ぐ事によって一番外側の肌糠を除去する必要があります。肌糠は、糠の臭みがあり、若干の苦味も持っています。しかも水に溶けやすいので、手早く除去してしまわないと、水に溶けてお米に吸収され、内部にまで臭みと苦味を入り込ませてしまう結果となります。そのため、たくさんの水に浸して洗うのではなく、少量の水を使って研ぐ必要があります。

 手早く、一気に肌糠を除去するには、それなりに力とスピードが要ります。力を込めすぎるとお米が割れて、炊き上がりが悪くなるので、微妙な力加減が必要となります。そうやって見ると炊飯とは、なかなか手の掛かる調理です。そんな炊飯に革命的な事が起こりました。調理行程の中で、もっとも嫌われる砥ぐ必要がない「無洗米」の登場です。瞬間的に水を加え、米同士の摩擦で肌糠を除き、乾燥させるものやブラシで磨くもの、別の肌糠を玄米に加えて、圧力をかけて吸着させる方法等によって、肌糠を除去するといういずれかの方法で肌糠が除いてあります。

 邪魔な肌糠は除かれ、その下の甘味層は残されているので、甘味がある炊き上がりになり、栄養分も多めになるという良い結果が出ている上、誰が炊いても同じ炊き上がりになるので、外食産業を中心に一気に普及していきました。開発者の言葉によると、下水に流される肌糠による環境問題を解決する事を念頭に考案したそうですが、確かに除かれた肌糠は加工され、肥料として使われてエコロジーな展開を見せています。常日頃から環境の事を考えている私ですが、どうしてもお米は研がないといけないような気がして、いまだに無洗米には抵抗があります。昔気質なのでしょうか...。



第248回 東西の違い     2005年03月09日

 関東と関西、物は同じでも微妙に違う、そんな違いと由来を見付けると、すごく興味深く思えてしまいます。関東、関西それぞれの出身の夫婦が、仲良く、「今夜はすき焼きでも」と準備をはじめ、作り方の違いで喧嘩になってしまう、そんな話を聞いた事があります。それくらいすき焼きの関東風、関西風は似ていて違う物となっています。

 すき焼きの語源は、農夫が使い古しの鋤を使って、肉や魚を焼いて食べた事が元になっていると言われています。その他にも肉を薄切りにする事から、「剥き身」が語源となったとする説もあり、実は定かではありません。657年、天武天皇によって肉食が禁止されてから、明治維新を迎えるまで、日本では牛肉は食べない習慣が続いていましたから、比較的新しい食文化の中に入ると思われます。

 良く熱した鍋底に牛脂を擦り付けて油引きをし、牛肉を焼き、砂糖としょうゆで味付けをして、後から野菜を加えていきます。煮詰まってきたら酒や水を加えて、味を調整する。それが関西風の作り方です。鋤で牛肉を焼いた名残が伺えます。それに対し関東風は、みりん、砂糖、酒、しょうゆなどで、あらかじめ調味液「割り下」を作り、鍋に入れた具材を煮込んで作ります。

 おそらく関西風のすき焼きが、鋤で肉を焼く料理から発展したのに対し、関東風が肉を煮込んで作る「牛鍋」から発展している事に両者の違いが出てきている事と思われます。もともとは、そうした別な料理だったものが一緒になったのは、関東大震災の混乱が背景にあると言われます。溶き卵に漬けて食べるというスタイルは同じなので、途中の過程のみが違う事になります。そうした違いを考慮に入れたのか、辞書で調べると、「牛や鳥肉などにネギ、焼豆腐などを添えて、鉄鍋で煮焼きしたもの」と曖昧な表現にしてあります。作り方でもめたとき、辞書で決着を着けようとしても無理なようです。



第247回 減塩の薦め?     2005年03月08日

 「健康のため、塩分の摂り過ぎには注意しましょう」、このレベルならまだ賛成できます。しかし、塩分に関しては行き過ぎたものを感じる場面も多く見かけます。現在、推奨されている摂取量は、一日あたり10g以下。小さじ2杯程度のわずかなものです。小さじとはいえ2杯分も口に含めば...と想像してしまいますが、意外と味付けに使ってみると現実的な量ではない事が判ります。

 朝食の風景として連想されるご飯にお味噌汁、鮭の切身に玉子焼き、海苔と漬物。まず鮭の切身を一切れ...。この時点で本日の摂取量は終了です。毎食ごとに梅干を...。標準的な梅干ならば3個で10gを超えます。ヘルシーフードとして海外からも注目されているお寿司も2食で、充分10gを超えてくれます。いかに10g以内という事を実現させる事が難しいか想像できてしまいます。

 そんな難しさを少しでも緩和してくれるように、巷には減塩食品が溢れています。減塩タイプの食品を選んでおけば、摂取量を低く抑えられて安心です。しかし、それほどまでに塩分を恐れ、毛嫌いする必要があるのでしょうか。本来塩分は身体に必要不可欠な物のはずです。神経の伝達に関わり、内臓を動かし、体内の水分量を調整してくれるのも塩分です。

 確かに塩分を摂り過ぎる事は、腎臓をはじめとするさまざまな臓器に負担をかけます。だからといって、極端に塩分を敬遠する事は水分代謝に悪影響を与え、老廃物の排出を妨げてしまう事にもなりかねません。健康食として知られる和食は、意外と塩分を多く含んでいますが、多くのカリウムも含んでいます。カリウムは塩分の排出を助ける働きを持ち、そのカリウムを有効に摂取できる調理方法を採っているのが和食の特徴でもあります。塩分を怖れるだけでなく、上手に接していく事が大切だという事を経験的に教えてくれているところに、伝統的な食の大切さが伺えます。



第246回 ケチャップ?     2005年03月07日

 食材関係の由来を調べると、意外と面白い事を発見します。日常接しているのに、語源を知らないのもその一つです。私の中で、ケチャップもそうした謎の言葉の一つでした。どことなく洋食っぽく、和製英語のような不自然さを感じてしまう響きだと思っていたのです。トマトをたくさん使う割りに、イタリア語らしくない発音、それでいて和食とはかけ離れた材料の配合。考えていくと、さまざまな謎が出てくる、そんな調味料がケチャップという存在です。

 ケチャップという言葉を英語表記する際、数種類の綴りがあるのをご存知でしょうか?世界的メーカーのラベルには、創業当時からのこだわりとして「Ketchup」と表記されていますいが、辞書によっては、「Catsup、Catchup、Ketchup、Kutsup」などの記載が見られると思います。これらの語源は、300年ほど前の中国にあると言われます。当時の中国で、魚に香辛料と塩を加えて作るソース「Ketsiap」が誕生しました。それがマレー半島に広まり、英国人の船乗りによって欧米へと広められました。その過程において、名称も「Kechap」や「Cetchup」などの表記が使われ、今日のように数種類が見られるようになっています。

 日本でケチャップと言えば、無条件にトマトケチャップを指しますが、中国からマレー半島、そして欧米へと伝えられていくうちに、さまざまな食材をベースとしたバリエーションが生まれ、イギリスでは、ケチャップといえばキノコを用いたマッシュルームケチャップが一般的です。イギリスからアメリカへ伝えられた際、豊富にあったトマトを用いてケチャップが作られ、それが一気に普及した事から、アメリカでもケチャップといえばトマトケチャップとなっています。

 日本のケチャップの歴史は、現在最大手メーカーとなっているカゴメ社の創業者「蟹江一太郎」が、西洋野菜として紹介されたトマトの栽培に着手した明治32年に始まります。その4年後、国産初のトマトピューレが作られ、明治39年には本格的な工場を建設し、42年にはトマトケチャップが製造を開始しています。そうした成り立ちを見ると、どことなく洋食っぽく、利用者の多さを考えるとアメリカ、発祥の地は中国、マレー半島から世界へ、ケチャップは不思議な歴史を歩んでいます。



第245回 摂取量?     2005年03月04日

 私達が日常口にする食品には、何らかのかたちで食品添加物が含まれている事も少なくはありません。単に色を良く見せるだけのものや、食感を演出するもの、製造工程を円滑にするものまで、さまざまな種類が存在しています。細かく把握したくても、イーストフードのように16種類の添加物を一括して表示できるために、その内訳まで知る事が難しい場合もあります。

 そんな中で、やはり一日にどのくらいの量の添加物を摂取してしまっているのか、気になるものがあります。一部では、一日当りの摂取量を4kgとする意見もあり、その量には驚いてしまいます。実際、私達は、一日に4kgもの添加物を摂取しているのでしょうか。この4kgという数字は、生産流通方式によって算出された数値と言われます。生産流通方式とは、添加物の製造メーカーや輸入業者が一年間に国内に流通させた添加物の量から、一日当りの使用量を割り出すというものですが、一応この数値の中には、化粧品や塗料なども含まれてしまうという欠点があります。そのため、このような莫大な数値になっています。

 何にでも入っていて、摂取量が比較的はっきりしているものとして、「食塩」がありますが、食塩の一日当りの摂取量が20g程度という実状から考えると、そのくらいの数値が妥当ではないのか、と考えられます。より現実に近い数値は、マーケットバスケット方式という手法で求められます。この方式は、平均的な食生活で用いられる250の食品を全国でランダムに購入し、それらを分析して含有量を決め、実際の食生活での摂取量を算出する方法で、より現実的な数値だと考えられます。

 そのやり方を元に算出すると、平均的な添加物の摂取量は、一日当り16gくらいとされ、グルタミン酸、クエン酸、アスコルビン酸などのように、自然界にも存在し、食材に含まれている事を考えると、さらに少ない数値になる事が考えられます。比重の問題がありますので、一概には言えませんが、ティースプーン1杯くらいでしょうか。この量、少ないと思いますか?



第244回 未来の燃料     2005年03月03日

 未来で使われる技術について、あれこれと考えるのが好きです。先日、ドライブに行った際、将来、車はどんな燃料で走るのだろうと考えてしまいました。現在、さまざまな技術が将来へ向けて技術開発を進めていますが、どれも将来を担う決め手に欠けているというのが、実状ではないかと思います。

 いかにも未来のという感じがするのが電気ではないでしょうか。電気でモーターを回して走るというのは、二酸化炭素や排気ガスの問題が無く、エンジン音も静かというメリットがあります。家庭にあるコンセントからも充電でき、ガソリンのように扱いに注意する必要が、かなり少なくてすみます。しかし、今のところ充電に時間がかかりすぎる事、バッテリーに寿命があり、大きくて重く、廃棄物となった際、処理に困る。必要な電気を生産するために、多くの二酸化炭素を排出したり、その他の環境問題も発生してしまうというデメリットも抱えています。そのため、最有力とは言えないものを感じてしまいます。

 燃料電池も含め、水素という選択肢も比較的有力なものとして考えられます。酸素と混じると引火しやすく、一旦火がつくと激しく爆縮する性質がある上、気体という扱いにくい状態にありますが、燃焼後は水しか出ないというのは非常に魅力的ではあります。イオン化した状態で、特殊な金属の中に閉じ込めて貯蔵する事ができるようになったので、保管時も安全になっています。しかし、エンジン内で水を発生させるというのは、あまり好ましい状態とは言えず、都市空間で多量の水蒸気を放出して、湿度を上げてしまう事は、カビの発生を助長する事となり、健康面ではあまり歓迎できないようにも思えます。

 私が最も現実的と感じたのが、アルコールを燃料とする事です。現行の車でもそのまま使用する事が不可能という訳ではなく、ガソリンと同じ感覚で使用する事ができます。植物由来の原料から発酵させて作り出せば、環境にも優しい事が予想され、万が一、ドライブ中に燃料切れになっても、ペットボトルで近くのスタンドに買いに行く事ができます。そう考えると、お手軽で良いように思われ、現在お酒を造っているメーカー名が、スタンドに並ぶという場面や地域特産の銘柄が存在するのも面白いと考えてしまいました。しかし、アルコールは燃焼途中で、アセトアルデヒドという物質を産出してしまいます。二日酔いの原因物質ですが、酸性のアセトアルデヒドは、車を錆びさせ、多量になると酸性雨の原因になりはしないかという懸念もあります。そのような感じで、一長一短、いまだに次の燃料は見えにくいという想像をして楽しんでいます。



第243回 ひな祭りの白     2005年03月02日

 春の足音がよりリアルに聞こえてきそうなこの時期、少し足を伸ばせば柳川市や日田市のひな祭りを見に行く事ができます。地方のニュースやフリーペーパーでは、ほぼ毎年開催や賑わいを伝えるニュースや特集記事が見られ、春の華やかな雰囲気に浸る事ができます。梅の花が咲揃う時期でもありますので、花見がてらの遠出も楽しく思えてしまいます。

 ひな祭りの定番というと、菱餅、雛あられ、白酒が連想されます。中でも白酒は、子供には口にする事のできない、特別なひな祭りアイテムという感じがしてしまいます。文字通り白いお酒なのですが、似たような物、甘酒とはどのような違いがあるのでしょうか。甘酒であれば子供でも飲む事が可能です。白く、甘味があり、若干の粘度も供えている、観察のしかたでは、非常に似ている印象が強くなってしまいます。

 甘酒は、蒸したり炊いた米に米麹を混ぜて、保温して作ります。米に含まれるデンプンを麹菌が分解して糖分に変え、独特の味わいと風味が作られていきます。充分にデンプンが分解され、糖分が作られたところで甘酒としていただく事となるのですが、その糖分を更に発酵させてアルコールへと変化させると日本酒になってしまいます。お酒となる前段階で、アルコールを含まない状態の物、それが甘酒といえます。栄養価が高く、夏場に冷やして飲み、滋養源とする事もできます。

 それに対し、白酒はアルコールを含んだ立派なお酒です。酒税法上では、蒸留酒にエキス分を加えたリキュール類に分類され、9%程度のアルコールを含む事から、ビールよりも強いお酒という事になります。蒸した米に米麹と焼酎、みりんなどを仕込み、一ヶ月ほど熟成した後、丁寧にすりつぶして作られます。ビールと日本酒の中間程度のアルコール度数なので、飲み過ぎた右大臣の顔が赤いのも納得がいきます。製造方法とアルコールの有無、甘酒と白酒は全く別物で、子供には注意が必要なのかもしれません。



第242回 認可という壁     2005年03月01日

 街中へ出かける際、某大手チェーンのドーナツショップの前を通ります。交通量の多い交差点に面しているので、その前で信号待ちになる事も多いのですが、その際、購入金額に合せて配られるポイントくじの景品などをチェックしたりしています。最近は縁がないというか、惹かれる景品がないというか、その店に限らず他の店舗にも立ち寄る事がないのですが、以前は気軽に点心が注文できる事と、ノートパソコンを広げて簡単な仕事ができる事から、利用する機会も多かったように思います。

 そんな私も利用していた点心のメニューの一つである「肉まん」から、国内では未承認の保存料が検出され、大きな話題となっていました。今日でも、担当者の処分や会社側の責任などに関してニュースが報じられていますので、この問題の波紋の大きさが伺えます。国内で承認されていない保存料が使用されている事を、担当者が知りながら放置していたという食品衛生上の事と、企業姿勢という事が問題であり、当然許されない事なのですが、食品添加物の認可という問題を内包しているようで、興味深い事例の一つともなっています。

 国内で流通する食品に用いられる添加物は、当然認可された物でなくてはいけません。輸入品に関しても、承認されていない物が含まれていない事が求められます。今回、認可されていない保存料が使われていたという事ですが、その保存料がなぜ認可されていないかというと、理由は意外と簡単で、認可を申請していないからという事になります。認可されていない添加物を使いたい場合、厚生労働省の安全性などに関する実験データを添えて申請して、認可してもらう必要があります。今回のケースでも、事前に申請して認可を得ておけば問題はなかった訳です。

 しかし、事はそれほど簡単ではなく、実験にかかる費用を含め申請には1億円近い金額が必要になると言われています。よほど付加価値が高く、莫大な利益が望めるものを除いて、新たな認可を申請する事は非常に困難であり、また、一旦認可が下りれば、申請者以外もその添加物を使う事が可能になります。特許権が取得済みで、使用権が保護されていて、その添加物が使われている事で莫大な利益が望める事、それ以外では申請を出す事は、ほとんど考えられないというのが実状のようです。使用できる食品添加物の種類が増えないというのは、歓迎できる事のようにも思えますが、今より安全性の高い物が開発されたとき、それが認可されにくいというのは、ちょっと困った状態かもしれません。



 

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