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第283回 身近すぎる食中毒菌     2005年04月28日

 黄色ブドウ球菌・・・某大手乳業会社が引き起こした集団食中毒で悪名を轟かせていました。黄色い色素を出すブドウ球菌なので、その名が付けられたのですが、食品1g中に100個を超える数になるとエンテロトキシンという毒素を産出しはじめます。100℃で30分ほど加熱しても耐えられるほど熱に強く、7%の塩分濃度でも増殖できる逞しさを持っています。(7%=海水の塩分濃度が3.5%程度なので、その倍の塩分濃度です)

 毒素であるエンテロトキシンが含まれた食品を摂取してしまうと、胃や腸でエンテロトキシンが吸収され、2〜5時間、平均的には3時間ほどで、嘔吐、腹痛、下痢といった食中毒症状を引き起こします。発熱は見られず、通常は24時間以内に症状は回復します。食中毒を引き起こす毒素としては、腸炎ビブリオの耐熱性溶血毒、サルモネラ菌のエンドトキシンに次ぐ発生率を持っています。

 黄色ブドウ球菌は風通しがよく、35〜37℃くらいの温度を好みます。そのため、夏場は特に繁殖しやすく、食中毒菌としての危険度が高まります。また、夏場に限らず、風通し、温度、その両方を満たす絶好の環境があります。それは私達の皮膚です。皮膚表面には、常在菌としてさまざまな細菌が生息していますが、その中に黄色ブドウ球菌も含まれています。そのため日本では、弁当、特におにぎりからの感染例が多くなっていました。

 それだけ身近にいる食中毒菌が、なぜ日常的に食中毒を引き起こしていないかというと、宿主の免疫力との兼ね合いが大きく関係していると考えられます。免疫力があり、常在菌である黄色ブドウ球菌の数を一定以上増やさないと、毒素エンテロトキシンも産出されないためです。最近では食中毒ばかりでなく、アトピー性皮膚炎をはじめとする皮膚病や、毒素性ショック症候群などの原因とされ、耐性菌(MRSA)としても知られるようになりました。そうした黄色ブドウ球菌の被害は、抗菌グッズの氾濫で、常在菌のバランスが崩れた事も考えられます。細菌との関わりを、もう一度よく考える時期にきているのかもしれません。



第282回 骨粗鬆症の予防     2005年04月27日

 骨粗鬆症、骨の密度が低くなってしまい、スポンジ状になってしまう症状です。加齢に伴って発症する避けられない老化現象、カルシウムの摂取不足からくる生活習慣病、さまざまな考え方があります。骨粗鬆症の特徴として、男性よりも圧倒的に女性に多いという事があります。特に女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が低下した状態では、一気に骨密度が下がってしまう傾向があります。

 骨密度の低下に関しては、カルシウムの摂取不足や運動による適度な負荷が不足しているなど、一般的に原因は広く知られています。また、カルシウム以外の骨の材料となる栄養素、マグネシウムやコラーゲン、リンなどの不足も、貯蔵庫としての役割を持つ骨の取り崩し=骨密度の低下や骨の形成の阻害に繋がります。リンはカルシウムと結び付きやすく、カルシウムの吸収を邪魔する成分と考えられているので、摂取する事を避ける傾向があるのですが、極度に避ける事は、症状をさらに悪化させる可能性を持っています。

 そんな骨粗鬆症の予防には、スタート地点をより有利にしておく事、骨密度を高いレベルにしておく事が最も有効と考えられています。骨粗鬆症はそれまでに培われた骨から、徐々に骨の成分が溶け出す事で進行する事から、骨を作る力が旺盛な若いうちに骨密度を高めておけば、それだけ余裕ができるという訳です。適度な運動を行い、骨に負荷をかける事や、骨を作るカルシウムをはじめとした栄養素やビタミン、ミネラル類を含む食材を、毎日の生活に取り入れる事が大切です。

 その他の予防法としては、毎日軽い運動を欠かさない事や、魚を食べる頻度を多くする事などが、骨折の経験がない高齢者からの聞き取り調査で有効な予防法とされていますが、それ以外に適度な飲酒も有効である事が示唆されています。以前から適度なアルコールが骨密度を増やす事が知られていましたが、実際に骨粗鬆症に関しても効果がある事が確認された事になります。あくまでも適度である事が大切なので、上手に付き合わなければいけません。



第281回 美味しい効能     2005年04月26日

 亜硝酸ナトリウム(亜硝酸塩)というと、何を思い浮かべますか?食品添加物として、ハムやソーセージといった加工食品の色を良くする発色剤、腐敗を防ぐ防腐剤として添加されています。肉類を中心とした加工品に用いる事で、血色素と結合して鮮やかな赤い色を発色し、同時にボツリヌス菌をはじめとする食中毒菌の生育を阻害する事から、有効な食中毒予防手段ともなっています。

 かつて肉類を保存するために岩塩が用いられていましたが、岩塩によって保存性が向上する上に肉の色調や風味が良くなる事が知られていました。後の研究によって岩塩には硝酸塩が多く含まれ、それが肉汁の中で微生物の働きなどによって亜硝酸塩に変わる事によって、効果を発揮している事が解明されました。それ以降、亜硝酸塩は肉類の保存性、品質の改善剤として用いられてきました。

 しかし、亜硝酸塩には急性毒性があり、多量に摂取する事で赤血球が破壊され、チアノーゼのような状態に陥ったり、体内でアミンと結合する事で、強力な発ガン性を持つニトロソアミンとなってしまいます。そのため、亜硝酸塩はあまり良いイメージでは捉えられてこなかったのですが、新たな効能が発見され、少しはイメージアップの可能性が出てきました。心臓発作の後に起こる心筋壊死を防ぐ働きを持っている事が発見されたのです。

 しかし、亜硝酸塩には急性毒性があり、多量に摂取する事で赤血球が破壊され、チアノーゼのような状態に陥ったり、体内でアミンと結合する事で、強力な発ガン性を持つニトロソアミンとなってしまいます。そのため、亜硝酸塩はあまり良いイメージでは捉えられてこなかったのですが、新たな効能が発見され、少しはイメージアップの可能性が出てきました。心臓発作の後に起こる心筋壊死を防ぐ働きを持っている事が発見されたのです。



第280回 健康的な糖分     2005年04月25日

 食品を見るとき、ラベルに記載された内容成分を興味深く見てしまいます。そんな成分の中にあって、「果糖、ブドウ糖、液糖」という記載があると、いかにも加工食品という感じがしてしまいます。そのような目で見ているためか、果糖に関しては、あまり良い印象を持っていませんでした。ダイエットを行う際、果物だけという人がいますが、その際、最大の敵となるのが果物に含まれる果糖と言われます。しかし、果糖は、実際はかなり健康的な糖分と言えるものです。

 果糖は蜂蜜、果物、野菜などに含まれる天然の糖分で、自然界に存在する糖分の中では、最も甘味が強く、砂糖の1.5倍ほどの甘味を持っています。単体での結晶化は、現代になるまで不可能でしたが歴史は非常に古く、古代エジプトでは、すでに果糖を多く含む蜂蜜を甘味料として使用していました。

 正式に糖分として発見されるのは、1792年ドイツのロウィッツによるブドウ糖とは異なる甘味成分の発見が最初のものとなりますが、当時単体に分離する事ができず、分離の成功には1847年フランスの化学者、デュブランフォによる分離を待つ必要がありました。さらにその後、遺伝による避けられない病気と考えられていた糖尿病の患者にとって、果糖が身体への負担の少ない糖分という事が判り、生産技術の確立が望まれますが、1960年代まで工業的に大量生産する事は不可能となっていました。

 果糖は、砂糖と比べるとほぼ同じカロリー数を持っています。しかし、甘味が強い事から、同じ甘さを出す事に使った場合、使用量が少なめで済む事から、約30%ほどカロリーを少なくする事ができます。またブドウ糖に対する血糖値の上がりやすさを比較する「GI値」が非常に低く、ブドウ糖を100とした場合、果糖は19にすぎないと言われます。そのため、摂取しても血糖値の急激な上昇がなく、代謝にインシュリンの必要がない事も、身体に優しい糖分と言われる所以となっています。糖分との付き合い方が問われる昨今、もう少し注目されても良さそうな存在となっています。



第279回 女神のお酌     2005年04月22日

 品種によってかなりの差があり、街中には桜の花を見る事ができますが、基本的にソメイヨシノが散ってしまうと花見の声も聞かれなくなってしまいます。今年はニュース番組などで花見客のマナーの悪さが報道されていましたが、実際にこの時期、完全に酔い潰れてしまった人を見掛ける事は、それほど珍しい事ではありません。日本人はアルコールに寛容な国民と言われ、酒宴の席での失態も不問に帰される事が多いようです。

 最近では、多くの言葉が使われなくなり、死後となりつつありますが、そんな古い言い回しの中に、酔い潰れた状態を表して「へべれけ」と言うものがあります。響き自体が既に前後不覚な感じがするのですが、不思議な響きを持つこの言葉はギリシア語に由来しています。

 ギリシア神話の中で最も重要な主神ゼウスの娘、英雄ヘラクレスの妻として「へーベー」という名の女神がいます。このへーベーは青春の女神でもあるのですが、新酒ネクタや神果アンプロシアを振舞う神でもあります。へーベーがお酌をするという事をギリシア語で、「へーベー、エリュエーケ」と言います。それが縮められて、へべれけとして伝えられたと言われています。

 後にへーベーはお酌をするという仕事をガニメデスに引き継ぐのですが、美しい女神が振舞う神の美酒に酔うという憧れを込めて、へべれけという言葉が伝えられていきます。不思議な響きの言葉ですが、由来を知ってしまうと、このまま死後となるのも寂しい気がします。言葉は文化でもあります。新しい言葉に埋もれて、味のある表現が忘れ去られる事は、できれば避けたいと思っています。



第278回 眼病予防?     2005年04月21日

 季節ごとに新色の化粧品が発売されますが、春は特に華やかな色が目を楽しませてくれます。化粧品の中で、一際色鮮やかなものというと、口紅かアイシャドーではないでしょうか。中でもアイシャドーは、色の微妙なバリエーションが多く、知らないうちにかなりの種類を持っているといく人も少なくはないと思います。

 よく言われる事なのですが、アイシャドーの起源は目の保護にあると考えられています。強い日差しの下で試合をする大リーガーの映像を見ると、目の下が黒くされ、日差しを吸収するようになっているのを見掛けます。アイシャドーの原形は古代エジプトにあり、エジプトの強烈な日差しを和らげる働きを意図して始まったと言われています。

 当時のアイシャドーは、孔雀石や硫化アンチモンといった濃い色の顔料を、目の縁や睫毛に塗っていました。実は、この孔雀石の縁取りには、別な意味も含まれています。孔雀石には炭酸銅が含まれています。炭酸銅は現在でも絵具などに使われているほど、顔料として優れた色合いを持っているのですが、同時に強力な殺菌作用や殺虫作用を備えています。エジプトにおいては、この殺虫、殺菌作用が重要でした。

 眼病を媒介するものに蝿の存在があります。蝿は動物の体液や汗を好む事から、常に分泌物が溢れる目の回りには、多くの蝿が集まってしまいます。その蝿が集まる事や、蝿によって眼病が運ばれてくる事を防ぐ働きが、孔雀石を細かく砕いて作られたアイシャドーにはあったと考えられています。この説を元に当時の絵を見ると、男性は目の回りに縁取りらしきものをしてはいますが、アイシャドーはしてない事から、眼病予防として始まったのはアイライナーであり、アイシャドーは女性のみという事から日差し避けではなく、純粋に女性の顔を立体的に美しく見せるためのものというのが真相ではないかと思います。



第277回 行者にんにくって?     2005年04月20日

 かつて修験道の行者が、滋養強壮に役立つとして食していた山菜で、自生する数が少なく、収穫してしまうと自然回復する事が遅いため、乱獲によって数が減り、幻の山菜とまで呼ばれた行者にんにくは、非常に多くの効能を持つ事から健康食材として重宝されています。それもそのはず、行者にんにく特有のにおいは、あのにんにく特有のにおいの素、アリシンによるものです。

 行者にんにくはユリ科の多年草で、別名「アイヌねぎ」とも呼ばれていました。ネギ属の中では、最も葉の面積が広く、冬場は枯れて地下に球根を残し、発芽が可能となる春の訪れを待ちます。その際の若い葉と茎の部分が食用として用いられ、食欲をそそるにんにくの風味と辛味が特徴となっています。

 主な産地は北海道ですが、近畿以北の地域にも日本海側の産地を中心に、湿気があり、日当たりも良い場所に自生しています。寒冷地になるほど平地でも見られる傾向があるのですが、平地に自生する天然物はほとんど取り尽くされて、見付ける事は困難とされています。種から育てた場合、最初の1、2年は小さな葉だけしか出ず、ねぎのような茎が出るには3年以上かかると言われます。

 実際には、食材として相応しい大きさや歯ごたえを出すには、5年以上が必要と言われ、その成長の遅さが幻の山菜と呼ばれる所以となっています。現在は栽培が行われるようになったので、幻ではなくなってきていますが、出荷までに要する時間の長さから高値が付けられてしまっています。平地での自生に関しては、スズランと似ているので間違えてしまう事があるそうですが、スズランは有毒なので、しっかりとにんにく臭を確認する必要があります。生でも食す事ができるので、手軽でヘルシーな食材となっていますが、効能のみを期待するのなら、入手困難な状況を考えるとにんにくを毎日という方が現実的なように思えます。



第276回 効いてない?     2005年04月19日

 先日、日本白内障学会で、現在日本で使われている白内障治療薬は、20年ほど前に認可されたものばかりで、今の医療水準に照らし合わせた場合、「有効性に充分な科学的根拠がない」とする情報が開示されていました。白内障に対しては、点眼薬や内服薬が用いられていますが、その有効性が疑問視されたという事になります。

 白内障は生命に関わる事はないのですが、失明という非常に怖ろしい危険性を持っています。現在でも世界の失明原因の第一位であり、80歳以上のほとんどの老人に症状が見られる一般的な眼病と言えます。高齢者に100%近い罹病率が見られるという事は、白内障が老化現象の一環である事を示し、予防という意味から、老化を防ぐとされる抗酸化作用のある成分を摂取する事が薦められています。

 眼球内の水晶体と呼ばれるレンズにあたる部分が白く濁る事が原因ですが、濁りを生じるはっきりとした原因やメカニズムは解明されていません。そのために、さまざまな治療法が行われてきたのですが、症状が軽微な場合は放置される事が多く、ある程度日常に不自由をきたしてから通院、手術に至る事はあまり多くないというのが実状です。患者の側からも、手術よりも薬剤での治療を希望する事が多い事は、容易に想像できます。

 既に諸外国では、白内障を治療する薬剤が存在しない事は広く知られています。そのため、日本のように薬剤を点眼したり、飲用する事はなく、手術による治療が主流になっています。最近では手術の技術的進歩が著しく、非常に手軽に治療ができるようになっていると言います。人は目から80%もの情報を得ています。目は、それだけ重要な感覚器官となっています。適切にケアして、大切にしたいものです。



第275回 エコノミーな予防法     2005年04月18日

 湿度が低い航空機内で、長時間狭い座席に座り続ける事によって、足の静脈に血栓ができてしまい、それが血流によって肺に辿り着き、血管を詰まらせてしまう・・・いわゆる「エコノミークラス症候群」は、予兆もなく突然訪れる致死性の高い循環障害です。症状が報告され、実態が知られるようになった1992年から2000年までの8年間、成田空港利用者だけでも受診した乗客は75名。そのうち25名の方は亡くなられています。

 航空機のエコノミークラスへの搭乗においてよく見られた事から、その名が付けられましたが、エコノミークラスに乗らなければ大丈夫かというと、そんな事は全くありません。一定の条件が整えば、場所を問わず発症してしまうという怖ろしさがあります。実際、この2年の間にエコノミークラス症候群として4件の労災認定がなされており、うち2件はタクシーの運転手によるものです。条件の揃いやすさという点では、血が固まりやすい状態にある妊娠・出産直後の人や、高脂血症の人においても発症の危険性が高いと言われています。

 現在、エコノミークラス症候群に対するさまざまな対抗策が検討され、カテーテルを用いて血管内に高圧で血栓の溶解剤を噴射するものや、溶解させた血栓を吸引して除去するといった大掛かりなものから、一定の弾性を持ったストッキングを着用し、足の外側の血管をストッキングの圧力で収縮させ、血栓が生じる深部の静脈の血流を増加させて血栓ができにくくするという比較的手軽なものも有効とされています。

 発症原因から考えていくと、血を固まりにくくするためには、水分をしっかり摂って血液の濃度を下げておく事や、血液をサラサラにする働きや血栓を溶かす働きのある食べ物を摂っておく事、一定の姿勢を長く採らない事などで防ぐ事が可能です。特に足を動かす事は重要なので、膝を片方ずつ抱き寄せるようにして、足首を回すという動きは特に有効です。退屈な機内では、足首を回して危機回避を心がけましょう。



第274回 食べ物ピラミッド     2005年04月15日

 デザイナーフーズプログラム・・・言葉はよく知られています。当然、色彩感覚を良くし、発想を柔軟にする芸術家用の食べ物の事ではありません。機能性食品の一覧を示したピラミッド型の図式でお馴染みだと思います。米国で1990年から5年の歳月、2000万ドルの予算を費やして行われた、アメリカ国立ガンセンター主催のプロジェクトが元になって、食品のガン予防に対する効能の強さを示しています。

 ガンの原因には、いまだに確定的な事がなく、諸説が存在しています。そんな中、原因の三分の一は食にあると考えられているため、食によってガンを予防しようというのが、このプロジェクトの原点となっています。ガンを発症しないためには、どのような食品を摂れば良いか、プロジェクトでは世界的な疫学調査を行い、過去10年間にガン予防効果が示唆された統計上の効果が確認されている食品を発表しました。

 発表された食品は約40種類にのぼり、野菜、果物、穀類、香辛料と多岐にわたるのですが、いずれも抗酸化作用を持っているという特徴があります。活性酸素によって遺伝子が傷付けられ、細胞が突然変異を起す事を未然に防ぐ働きが、ガン予防に繋がると考えられているからです。そうしたガン予防効果が最も強い食品を頂点にピラミッドは構成されます。

 食品の位置付けに関しては疫学調査に基いているため、今後、食品に含まれる新たな成分が発見されたり、ガン予防に関する新たな手法が確立されると、新規に加えられたり、位置付けが下げられたりと変動する事が考えられます。また、食習慣の違いから、日本独自の食品など、新たに加えるべき食品も多く存在する事が考えられます。そんな中にあって、頂点に君臨し、不動の地位を築いているのが「にんにく」です。強力な個性ゆえに強力な力を持つ、当然と言えば当然な結果なのかもしれません。



第273回 食材?建材?     2005年04月14日

 コラーゲンというと、すぐに化粧品を連想します。保湿成分として用いられている事は、広く知られています。煮凝りというと料理です。魚や肉を煮た料理に、ぷるんとした透明感のあるゼリー状の物が固まっています。膠というと建築や工作に使われる接着剤として使われています。バイオリンのネックとボディを接着しているのも膠で、強力な接着力を持っています。ゼラチンというとお菓子の材料や、薬剤の粘度調整などに使われています。

 実は、これらはすべて同じものを指しています。細胞と細胞を接合させる成分で、タンパク質の一種であるコラーゲン、これがすべての正体です。コラーゲンは動物の皮膚、腱、軟骨、骨に多く含まれています。水と一緒にそうした組織を加熱すると、ゼラチンとして溶け出してくるので、低温になって固まったものが煮凝りと呼ばれます。煮凝りと同じ方法で取り出されたコラーゲンを、更に純粋な状態に精製して乾燥させたものが膠です。

 コラーゲンの最も知られた働きは、細胞膜を形成したり、骨や筋肉を支え、組織同士を結び付けるという大切なものです。特に皮膚組織では水分を除く約70%がコラーゲンで出来ており、弾力性を保つ大切な成分となっています。水分量の保持にも関わっているので、皮膚をみずみずしく保つ事には不可欠な存在と言えます。食を通して摂取されたコラーゲンは、一旦分解され、アミノ酸として各組織に届けられます。直接組織にコラーゲンとして届けられるわけではないのですが、分解されても良質な材料として届けられるので、組織の老化防止や若さを保つ事に有効と考えられています。

 更にコラーゲンには、広く知られた働き以外の効能があります。体内の重要な細胞、免疫系統の司令官的な役割を担うマクロファージの大好物となっています。マクロファージにコラーゲンを与える事によって、マクロファージの働きは数百倍に活性化されます。怖い感染症の話しが後を絶たない昨今、煮凝り、筋煮込み、豚足、ゼリー、グミキャンディー、ソフトカプセルなど、コラーゲンたっぷりの食品を摂っておきたいものです。



第272回 適量を守りましょう     2005年04月13日

 ビタミン類、特に水溶性ビタミンは、体内で利用されなかった場合、ほとんどが排出されてしまう事から、過剰症になる危険性も少なく、日頃から多めに摂っておく事が健康の秘訣のようにも思えます。中でもビタミンCは安価なビタミンであり、身近に多く製品が存在する事からも、比較的手軽に摂取できるものとなっています。そんなビタミンCにも取り過ぎによる弊害が懸念されています。

 ビタミンCは、活性酸素を除去する抗酸化物質であると同時に、体内の組織を形成する事に欠かせないものとされています。そのため、間接の軟骨が長年の磨耗によって変形し、正常な位置からずれてしまい、神経を圧迫してしまう変形性関節症の患者においても、軟骨を再生する意味から充分量の摂取が推奨されてきました。しかし、最近行われた調査では、ビタミンCの過剰摂取が患者の増加に繋がっているのでは、という懸念が出てきています。

 モルモットに低量、中等量、高量のビタミンCを、毎日の餌に混ぜて投与したところ、膝関節炎の兆候は、低量のグループが最少で、次いで中等量、高量の順に増加していました。中等量のグループでは、僅かに低量グループより多めになる程度ですが、高量グループでは骨棘と呼ばれる骨性突出の増加も見られています。低量グループは、他のグループに比べて体重増加が顕著に少なかった事から、体重による間接への影響が考えられるため、今回の結果をもって、ビタミンCの過剰摂取と関節炎を直結するものではないとしています。

 研究の立案者である米国デューク大学医学部のヴァージニア・クラウス博士によると、ビタミンCによって活性化されたTGFベータというタンパク質が骨棘を形成し、それが関節の炎症に繋がる可能性を示唆しています。ビタミンはバランス良く摂取しないと、摂取量の少ないものに合せた量しか利用されません。利用されなかったものが、体内で思わぬ働きに回る事も考えられます。適切な量を適正に摂取する事。何事にもバランスが必要です。



第271回 謎の原料?     2005年04月12日

 昨年開かれた米国糖尿病学会(ADA)の年次総会において、2型糖尿病に有効とされる新たなタイプの薬剤「exenatide」の臨床試験成績が発表されていました。この新しい薬剤には、これまでの糖尿病治療薬のような体重増加を伴わずに血糖値をコントロールできる可能性が示唆されています。

 このexenatideは、エキセンディン−4と呼ばれるホルモンを合成したもので、エキセンディン−4は消化管で分泌され、膵臓のベータ細胞に直接作用してインシュリンの産生を促すヒトGLP−1ホルモンに酷似した作用を持つほか、インシュリンや他の経口糖尿病治療薬に見られるような治療後の低血糖を引き起こす心配がないとされます。また、別な作用として食欲を抑制する働きもあるとされ、実現化すれば安全性が高く、有効な新薬として考える事ができます。

 既に一般的な経口糖尿病治療薬メトフォルミンの最大用量でもコントロールできない2型糖尿病患者336名を対象に、30週間にわたりexenatide5mg、10mg、偽薬を投与する3グループに分けて臨床試験が行われました。その結果、両用量のexenatideの投与グループで、血糖値の降下が見られ、体重も1.5〜3kg程度の低下が見られ、ベータ細胞の機能指標も改善が確認されています。その間、確認された最も一般的な副作用は、軽度から中度の吐き気のみだったと言われます。

 製造メーカーの臨床問題責任者でもあるデニス・キム博士によると、この新薬の発売は、年内にも予定されているとの事です。現段階では、2型糖尿病による経時的なベータ細胞の消失を抑制する効果については、確認されていないとしていますが、動物実験の段階では、投与時に新たなベータ細胞の産生が報告されているだけに、今後が楽しみな新薬だと思います。この新薬の元となった「エキセンディン−4」、由来は米国南西部に生息する大型の毒トカゲ、ヒーラモンスターの唾液中に含まれていた物と言います。飽く事のない探究心には頭が下がるというか、如何なる発想の下にと不思議さが漂う新薬の開発です。



第270回 赤くなると青くなる。     2005年04月11日

 ビタミンC、食物繊維、ミネラル類が豊富で、抗酸化作用が強いリコピンが含まれ、粘膜を保護、修復する作用があるトマトは、さまざまな効能に優れ、かつて「トマトが赤くなると、医者が青くなる」と言われたのも納得がいきます。そんなトマトに、新たな薬効が発見されていました。

 糖尿病は、予備状態の方も入れると、かなりの患者数に上る生活習慣病です。自覚症状も少なく、それほど単体では怖ろしくない感じがするのですが、余病を発症しやすくなる点で非常に怖い病気とも言えます。そんな余病の一環として、血液の循環に関する症状が上げられます。糖尿病になると血小板の粘着性が高くなって、血栓を生じやすくなり、アテローム性動脈硬化症や心臓発作、脳梗塞などのリスクが高まってしまいます。

 米国医師会誌「JAMA」に掲載された研究によると、トマトジュースが2型の糖尿病患者の血液凝固能を低下させ、致死性の障害の発生を抑制する事に役立つと報告されていました。凝固障害の既往歴のない43歳から82歳までの患者、男性14人、女性6人の2型糖尿病患者を対象に、3週間にわたって250mlのトマトジュース、もしくは比較用に別な飲料を与え、血液サンプルと採取する形で比較検討を行いました。その結果、明らかにトマトジュース摂取グループに血液凝固を抑制したという状態が確認されました。

 現在のところ、トマトジュースが血液凝固を抑制するメカニズムについては、不明とされていますが、トマトの種の周辺にあるゼリー状の物質から単離された「P3」と呼ばれる物質に血液凝固抑制作用が見られているそうです。血統コントロールの依存している糖尿病患者の場合、少量でも充分とされていますので、日常を通してできるリスク管理という事で、詳細なメカニズムの解明を待ちたいと思います。



第269回 不健康になっていました。     2005年04月08日

 鶏肉は他の食肉と比べ筋肉繊維が細いので柔らかく、消化が良いという特徴があります。また、脂肪分が少なく、良質なタンパク質の供給源であるので、ダイエットに最適な食材として重宝します。そう言われ続けてきた鶏肉ですが、実は後半部分の「脂肪分が少なくタンパク質が豊富」という捉え方が怪しくなってきているそうです。

 イギリスのメトロポリタン大学脳化学・栄養学部のクロフォード教授率いる研究チームによると、1970年代と現代の鶏肉に含まれる栄養成分を比較調査した結果、現代の鶏肉は1970年代の鶏肉に比べ、3倍近い脂肪分が含まれ、タンパク質の含有量は3分の1にまで低下している事が判りました。

 鶏肉100gあたりの脂肪分は1970年代は平均8.6gだったのに対し、今日では平均で22.8gにまで増加しているそうです。タンパク質の含有量は、1970年代で平均24.3gあったものが、今日では16.5gにまで減少しています。また、比較的健康的と考えられるオーガニックチキンでも、脂肪分17.1gと、一般的な鶏肉よりはましではありますが、やはり脂肪分は増加傾向にあります。

 クロフォード教授によると、現代の鶏肉の品質低下は、養鶏の段階で鶏が運動不足になっている事。虫や野草、ハーブ、穀類など、エサの多様性が失われ、画一的で高カロリーな飼料を過剰に与え続けられる事によるもので、消費者がそうした実状を認識しておらず、鶏肉をかつてのイメージで捉え続けている事も、事態を助長していると警告しています。イメージや合理性が追求された結果、食品の質や安全性が知らず知らずのうちに低下してしまっている例は、多く見掛ける事がありますが、鶏肉はかなり身近な食材でもあります。食の安全、本当に大切にしたいと思います。



第268回 キャリア新説     2005年04月07日

 最近、種の境を越える危険なウィルスというと、話題に上るのは鳥インフルエンザではないでしょうか。その前にはSARSもありましたが、その陰に隠れてしまってエボラ出血熱の話が、かなり前の事のように思えてしまいます。エボラ出血熱は、致死性の高さやショッキングな症状から大きな話題となりましたが、その後相次いだ新種ウィルスの登場によって話題性が失せ、目立たなくなりましたが、まだ完全に終息はしていません。

 そのエボラウィルスの感染経路として、意外な生物の媒介が考えられていました。これまでエボラウィルスの媒介はチンパンジーと言われていました。エボラウィルスに感染したチンパンジーと接触する事によって、人間に感染すると考えられていたのですが、チンパンジーはエボラウィルスに感染すると、人間と同じく発症し、死に至ってしまいます。そのため、人間と同じ「終末宿主」と見るべきであって、媒介の仲介者とは考えづらいものがあります。

 エボラウィルスに感染しても発症しない生物で、人の身近にいるもの。広域のわたった感染地域に存在していて、感染者と日常接する生物で、発症例がない生物。そう考えるとかなり限られてきます。それは、私達に最も身近な存在でもある「犬」と考えられました。アフリカのガボン、メディカルリサーチセンターのリロイ博士は、犬が中間の媒介者となっているのではないかという仮説の下、ガボン国内の3つのエリアから犬の血液300匹分を採取しました。

 過去にエボラ出血熱が流行したいくつかの村、人間の感染例が報告されたメカンボ市、流行地域から充分な距離があったにも関わらず、感染例が報告されたリーブルビル、ポールジャンティールの2都市、という3つのエリアで採取された犬の血液から、エボラウィルスに接触していた事を示す抗体タンパク質量の測定を行ったところ、すべての犬がエボラウィルスに接触していた事が確認されました。また、流行地域に近いほど抗体タンパク質量は多くなる傾向にあったそうです。今回の研究で、犬が日常的にエボラウィルスの宿主となる生物と接している事が示唆され、今後更に宿主を辿る研究が進められて行く事となると思うのですが、SARSの際、ハクビシンに行われた暴挙が、犬にも行われない事を切に願っています。



第267回 紅茶の変化     2005年04月06日

 小学生のとき、化学変化を説明するために紅茶に関する変化が例として用いられていました。「紅茶に砂糖を入れると味が変わります。これは化学変化ですか?」「紅茶にレモンを入れると、色が薄くなります。これはどうでしょう?」不覚にも両方とも化学変化ではないと答えてしまい、二番目に関しては不正解をもらってしまいました。子供心にレモンの水分によって、紅茶が薄まってしまうからだと思っていたのです。

 紅茶の色は、紅茶の製造過程、発酵の途中で茶葉に含まれるタンニンが、酵素酸化によって変化し、明るいオレンジ色のテアフラビン、暗い赤色のテアルビジン、赤褐色の酸化重合物の3種類の成分に変わる事によって作り出されます。中でもテアフラビン、テアルビジンが多いものは、良く発酵された紅茶として高く評価されます。紅茶が冷めてくると白く濁ってしまう現象、クリームダウンはテアフラビンやテアルビジンがカフェインと結合し、析出するティークリームと呼ばれる成分によるもので、良い紅茶ほどティークリームは多い傾向があると言われます。

 紅茶にレモンを入れると色が薄くなるのは、テアルビジンが変化するために起こるもので、紅茶の酸性度が強くなるほど、色が薄くなるという性質があります。レモンの中には、さまざまな有機酸が含まれているので、レモンをより多く入れると色が薄くなっていきます。赤みが失せる感じで色合いが変化しますが、これはれっきとした化学変化です。

 また、紅茶に蜂蜜を入れると色が黒っぽく変化する事があります。これは、紅茶の茶葉や入れ方によっても違いが出ますが、平均的に紅茶にはタンニンが0.1%程度含まれています。蜂蜜の中には、100gあたり0.8mgの鉄分が含まれる事から、紅茶に蜂蜜を入れる事で、鉄分とタンニンが反応し、黒色のタンニン鉄ができあがってしまいます。このタンニン鉄によって紅茶の色は黒っぽく変色してしまいます。蜂蜜に含まれる鉄分は、採取した花の種類などによって違いが大きいので、変化の度合いもさまざまですが、味や香りばかりでなく、紅茶の色を変化させてみるのも子供たちには、興味深い実験となるのかもしれません。



第266回 もろみ酢の素     2005年04月05日

 先日、酒造会社の社長さんと会談する機会があり、その際おもしろい物を見せていただきました。その酒造会社では、元々は米焼酎を作っていたそうですが、このところのブームを受け、芋焼酎も生産しているとの事でした。私が見せてもらったのは、芋焼酎を蒸留した後の焼酎粕。酒粕なら食材売り場で見掛けるのですが、焼酎粕を見るのは初めてです。

 食材として売られている酒粕は、2種類の状態の物があり、水分を絞りきった板状の物と、水分量が多いペースト状の物があります。いずれもアルコール分が残り、口に含むと舌にアルコールの刺激と、口の中に広がる日本酒の香りがあります。それに対し焼酎粕は水分量が多く、アルコールは全く残っていないらしくにおいも刺激もありません。水で煮崩したサツマイモに、麹の名残りの米粒が少量見届けられる状態です。

 蒸したサツマイモに米麹を加え、発酵させる。その後、蒸留してアルコールを取り出し、焼酎は造られるのですが、絞るだけの日本酒に比べ、蒸留するため全くと言ってよいほどアルコールが焼酎粕には残っていない状態になり、日本酒の酒粕とは異なった物となってしまいます。そのため焼酎粕には、残されたアルコール以外の成分、多彩な栄養素が豊富な事から、再度発酵させる事によって別な製品として再利用する事ができます。

 伺ったところでは、この焼酎粕に黒糖を加え、黒麹で再発酵させてもろみ酢を作るとの事ですが、製品によっては、このまま絞っただけという物もあります。麹菌の種類によっては、クエン酸を多く作るものがあり、クエン酸は蒸留してもそのまま残るため、蒸留後の焼酎粕を絞ればもろみ酢を得る事ができてしまいます。そうして得られたもろみ酢は、酸味があるので酢と呼ばれていますが、酸の濃度が1%程度と低く、食酢として扱うには注意が必要です。特に糖分を加えて飲みやすくしたものは、開封する事で別な菌が侵入し、再発酵する事もありますので、開封後は要冷蔵で早めに使ってしまう方が望ましいようです。



第265回 野菜のアク抜き     2005年04月04日

 野菜の下ごしらえには、下茹でするものも少なくはありません。下茹での必要性は、熱が通りにくい素材を、より速やかに調理できるようにする以上に、素材のアクを除き、食べられる味にするという意味もあります。野菜の中には、シュウ酸を多く含み、特有のエグ味を持つものがあるからです。

 シュウ酸は、季節や品種、産地によって変動がありますが、特に煎茶、ココア、ほうれん草、たけのこ、里芋などに多く含まれています。よく茹でられていないほうれん草を食べた際、口の中にざらついた感じがあるのは、シュウ酸によるものです。味もさる事ながら、健康面への弊害も大きいとされ、過剰に摂取すると体内の蓄積度が上がり、カルシウムと結合したシュウ酸カルシウムとなって、結石に繋がると考えられていました。

 最近では、体内の結石はシュウ酸カルシウムよりコレステロール結石が主流という事が判り、シュウ酸=結石という懸念はやや低いものとなってきました。しかし、カルシウムと結び付きやすい性質を持っている事から、骨粗鬆症を助長するのではという心配は残されています。

 また、鉄分と結び付く性質も強いので、貧血の症状も悪化させる懸念もあります。そうは言っても日常の食物に含まれるくらいのレベルでは、実際に健康への弊害が生じる心配はありませんのでご安心ください。逆にそうした性質を利用して鉄分やカルシウムと一緒に摂取する事で、シュウ酸を安定した状態にし、排出を促すというやり方も可能です。下拵えは、手を抜いてはいけなそうですね。



第264回 薬品?食品?     2005年04月01日

 食と製薬に関した話をする際、よく一つの問題を出します。「天然の素材から抽出されますが、高度に精製され、飲用するとほとんど全ての人に同じ変化が生じます。それなのに薬品に指定されていない物がキッチンにあります。それは何でしょう?」天然の原料から作られる物でも、精製が進めば薬品の範疇に入れられる事があります。また、飲用した際、ほとんどの人に同じ変化が生じるというのも薬品の世界に入ります。それなのに一般食品のままで販売されている物、それは砂糖です。

 砂糖は、サトウキビまたは甜菜から精製して得られ、飲用したほとんどの人の血糖値を上昇させます。その確実さは、一般的な薬品よりもはるかに優れていると言えます。日常的に使われるのは上白糖がほとんどで、次いでグラニュー糖、白双糖、中双糖、三温唐と続きます。それぞれ風味や使い勝手に違いがあるので、料理に合せて使い分けると良いと言われますが、なかなか全てを常備する事は面倒です。

 砂糖というと肥満と直結して考えがちですが、砂糖の消費量が減り続ける中、肥満は増え続けている事を考えると、砂糖=肥満とは言えないと考える事ができます。料理の手順として「サシスセソ」と教わりますが、その筆頭のサが砂糖の事で、真っ先に加えられるだけの意味が砂糖にはあります。単に甘味を付けるというものに留まらず、食感を整えたり、色、香りを際立たせる働きを持っています。

 中でも特筆すべきは防腐作用で、砂糖を充分に加える事で、腐敗菌の活性を抑え、食べ物を腐りにくい状態にしてくれます。血糖値の上昇や肥満など、あまり良くないイメージを持たれている事や、甘味自体が昔ほど貴重ではない事から、最近では甘さ控えめの味が好まれますが、食品の安全な保存という意味からは、あまり控えない方が良いと思われます。砂糖は不健康と決めつける前に、砂糖を控えた事によって腐敗しやすくなり、腐敗させない工夫が求められる事から、防腐剤が添加される事を考えると、その方が不健康に思えます。正しく知って、正しく付き合う、全ての食に言える事ですが、砂糖に関してもそれが大切な様に思えます。



 

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