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第353回 色付き麺の謎     2005年08月18日

 暑さが本番となってくると食欲が減退気味となり、清涼感のあるメニューがありがたくなってきます。その中にあって、「素麺」「冷麦」は食欲のない夏場の定番メニューの一つではないでしょうか。茹で上げた真っ白い麺を、流水でよく洗ってぬめりを取り、冷たくひやしていただきますが、よく見ると淡いピンクと緑色の麺が含まれています。盛り付けしだいでは白一色の単調な色調に変化を与えてくれているようで、そのわずかな変化が涼しさが増してくれたようにも思えてしまうのですが、理由を問われると謎な部分があります。私の思い込みでは、素麺と冷麦を区別するためのものとなっていたのですが、両方に入っている事もあります。

 全国乾麺協同組合連合会よると、確かに素麺と冷麦を区別するために冷麦入れたのがはじまりだそうですが、今日では清涼感の演出という事で、素麺にも入れている製品もあるそうです。JASの規格によると1.3mm以下の太さのものを素麺、1.3以上1.7mm以下を冷麦と定めているそうですが、外見だけでは判別が難しく、色付き麺を入れる事で区別する事にしたとの事です。

 素麺と冷麦の違いについては、地方によっても若干の差異があります。手作業でひたすら引き伸ばして作るため、素麺となったという語源や、麦の粉を練り切り分けて作った麺を茹で、温かいダシに浸して食す「うどん」を「熱麦」と呼び、それを冷やして食べたものが原形とされる冷麦。そうした形状の違い以外に、伸ばす際に油を引くため、中心部に油を含む素麺、油を用いないため、内部に一切の油分を含まない冷麦といった違いもあります。

 今日では、ほとんど太さの違いのみが両者の差異となっているようですが、この太さの違いに色付き麺が関係しています。色付き麺は、もともと数を多く入れるものではないので、表面の目立つ位置に入れる必要があります。そのため、自動化したラインに任せる事ができず、人の手で入れる事になっています。束ね終わった冷麦の束に、数本の色付き麺を入れていくのですが、1mm以下の太さの素麺では細過ぎて折れてしまい、作業ができなくなるそうです。冷麦派の私としては、売場では少数しか見かけない冷麦を探すのに便利なので、できれば冷麦の印としておいてほしいものです。


 

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