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第439回 年越しそば異論     2005年12月28日

 習慣的に行われてきた事は、その由来や成立時期の特定が難しいものが多く、特に食に関した事は地域性や縁起などの信仰的要素なども絡んでくるので、より複雑化する事が多いのですが、その分興味は尽きないものがあります。暮も押し迫った中、年間を通し最も終りに近い慣習といえば、年越しそばではないでしょうか。この年越しそばの由来に関しても、もっともらしい説は幾つかあるのですが、どれも確たるものとはなっていません。

 年越しそばの習慣が一般的になったのは江戸時代といわれていますが、一言で江戸時代といっても300年ほどはあります。初期と幕末では、人々の暮らしや社会環境は大きく違っています。松尾芭蕉の高弟の一人、服部嵐雪の句に「蕎麦打ちて鬢髭(びんし)白し年の暮」というものがあり、年の暮、下町の蕎麦屋の慌しさを表現した句として捉える事ができるのですが、見方によっては年越しそばの準備に忙しい職人の姿のように感じられてしまいます。

 嵐雪は1707年、宝永4年に亡くなっているので、元禄(1688〜1704年)の頃には年越しそばが一般化していたように思えます。もっと古いものでは室町時代の関東三長者の一人、増渕民部が「世の中にめでたきものは蕎麦の種、花咲き実り、みかどおさまる」という句を詠んでいます。蕎麦の種はその形状から「三稜(みかど)」と呼ばれる事もあり、民部の句では帝にかけて詠む事で平和な治世の意味も持たせています。その民部は大の蕎麦好きで、大晦日には縁起を担いで家人に蕎麦をふるまったと言います。しかし、当時は蕎麦切りが無かった事から、民部の蕎麦は今で言う「蕎麦がき」であったと思われ、現在の年越しそばとは若干スタイルが異なる事が考えられます。

 江戸の初期、三代将軍家光の頃は、「慶安御触書」によって豆腐やうどんと共に蕎麦も贅沢品とされ、一般人では何か特別な日でない限りは、むやみに作る事も食べる事も禁止されていました。その事から考えると年越しそばも難しくなるような気がするのですが、正月という特別な日を前にして、その序章とも言える除夜の鐘が鳴り始めた頃であれば、一年の労をねぎらう意味でも蕎麦というささやかな御禁制の贅沢品を食す事が許された気がします。まして蕎麦は消化が良く、就寝に近い時間に食しても次の朝に影響が及びにくい食品です。正月という年に一度の晴れの日のご馳走を控えた一年の最後の贅沢、それが年越しそばの大元、江戸時代の中期、商家を中心に広まったという定説に対し、そういう考え方はいかがでしょうか?



第438回 旬間近?     2005年12月27日

 豆腐というと冷奴、湯豆腐、どちらを想像しますか?寒い時期であれば湯豆腐で暖かくというイメージを持ってしまいますが、要冷蔵な食材のために売場が寒々としている事を考えると、夏の食材であってほしい気もします。今日でこそ夏場の「涼」の演出にはうってつけの素材となっていますが、歴史的に見ると冬が本番という色合いが濃くなっています。

 豆腐が一般的な食材として庶民の間にも広まったのは、室町時代に入ってからです。それまでは殺生を禁じられた僧侶のための食料として作られていました。初めて文献に京都の豆腐売りが登場するのもこの頃からで、奈良で作られた豆腐が京都へ運ばれて京の都の路上で売られ、その様子は「七十一番職人歌合」という絵巻物にも描かれています。当時は輸送技術も未熟なため、輸送中に豆腐が悪くなる事が考えられ、そのために豆腐の販売は冬を中心として行われていました。

 製造、流通という観点から歴史的に見ると、豆腐という食材は冬のものという事になるのですが、実際はどうなのでしょう。豆腐の製造は乾燥された大豆を使い、他の原料に関してもニガリをはじめ季節感のあるものは使われていません。加工品である豆腐に旬は存在しないのでしょうか?実は豆腐にもしっかりと旬はあります。製造、流通の発達によって、ほぼ年間を通して均一な製品作りが行われてはいますが、旬の豆腐には微妙な違いがあると言われます。

 豆腐作りの中心となる素材、大豆は夏大豆、秋大豆、中間大豆という収穫時期の異なる3種類のものが存在します。この中で主に豆腐作りに使われるのは、最も収量の多い秋大豆がほとんどで、10月に収穫が行われます。10月に収穫が行われた秋大豆は、出荷に向けた加工として乾燥されて市場へ送り出されますが、豆腐に使われる「新豆」として出回るのは、年末年始を中心とした時期になります。新鮮な大豆によって作られるこの時期の豆腐は、舌触りが滑らかで風味が良いと言います。大豆も米と同じように古くなると劣化して品質が低下する事から、新豆が出回り始める12月中旬から1月中旬くらいにかけての時期を、豆腐の旬と言えるのではないでしょうか。



第437回 れいのう?     2005年12月26日

 レイノー現象、何となく見えないものが見えたり、誰もいない部屋で物音が聞こえたりという事を想像しそうな響きですが、実は医学用語です。寒くなると手足が冷たくなって、蒼白になったり、場合によっては痛みを感じてしまう事を指します。冬場になれば大なり小なり起こりえる事で、あえて現象と呼ぶ必要は無さそうに思える、そんな身体的変化の事です。

 レイノー現象は、寒さによって指先の動脈が急激に収縮して起こる血行障害が元になっています。あくまでも一時的なものなので、冷たくなった手足を温めて、血行を再度良くしてやれば症状は改善されます。また、強い緊張状態やストレスによっても起こる事があるので、その場合も冷たくなった手足を温め、緊張やストレスを和らげれば症状は速やかに改善されます。

 そうした対処法が効かない、原因が定かではない場合は注意が必要です。特に若い女性の場合、冷え性との関連もある事から、単純に冷えただけと考えられがちですが、寒さなどの原因がないレイノー現象の陰には、膠原病などの怖ろしい病気が隠れている事があります。そうした何らかの病気が原因となるレイノー現象をレイノー症候群と呼び、病気の兆候の一つとして捉えます。

 生活習慣の範疇で起こるものとしては、動脈硬化によって動脈の内径が狭くなっている事や、末梢の血管や神経が肩や首の部分で、骨や筋肉によって圧迫されている事などが考えられ、それ以外にも長期にわたる振動などによる神経への損傷や、末梢神経炎、甲状腺や膵臓の分泌腺の疾患、赤血球増多症や異常タンパクの増加などの血液の成分異常、薬物や重金属の中毒などが考えられます。特に鉛や砒素の中毒では、典型的兆候の一つとされます。日常的な事と勘違いしやすいだけに見落とさないよう、充分注意したいものです。できれば手足は冷やさない、ストレスを溜めないようにして、レイノー現象の原因を把握できるようにしておく事が大切と思います。



第436回 雅な野菜菓子     2005年12月22日

 暮も押し迫って、慌しさが募ってばかりですが、正月に向けて雅な気分に浸れるお菓子作りなどいかがでしょうか?大根を3ミリほどの輪切りにし、形を抜いたり短冊にするなど形を整えます。3%程度の塩水に15〜20分ほど浸し、米の砥ぎ汁で5分ほど煮て水洗いをします。水に丸一日浸し、水気を絞って柚子の絞り汁をふりかけて一晩寝かせます。水気を拭き取り、容器に砂糖、大根、砂糖と層状に積み重ねていきます。3日ほど寝かせ、ザルに広げて乾燥させればできあがりです。

 同じ作業をニンジンでも行い、紅白で並べると非常におめでたい風情の砂糖菓子のできあがりです。この大根を使った砂糖菓子は「祥雪」と呼ばれ、平安時代から伝えられるかなり古いお菓子です。普通に干したのでは黄色く色付いてしまう大根を白く仕上げ、透明感を持たせて仕上げるために、時間と手間がかかる事や、当時は非常に貴重だった砂糖を多く使う事からも、一般の人では食べる事のできない物であった事は、すぐに想像できてしまいます。

 砂糖が貴重ではなくなったのは極めて近代の事で、今日のように砂糖が安価に手に入る前は、砂糖を使ったお菓子はとても贅沢なものでした。砂糖は伝えられていましたが製糖技術が伝えられていなかった奈良時代には、砂糖は薬の一つとして扱われていたほどです。動物は甘い味を求めます。それは体内で必要不可欠なブドウ糖を得るためで、ブドウ糖に繋がる果糖やショ糖、砂糖に限らず、植物が蓄えるデンプンもブドウ糖の素として摂取しています。そんな甘味の素である砂糖を効率的に作り出す技術は、18世紀のドイツでサトウダイコンから結晶が抽出されるまでは、たいして発達しない状態のままでした。その後、東インドで砂糖革命と呼ばれるサトウキビを使った大量生産が行われ、砂糖はより身近な物となります。

 高度成長期を経て砂糖は大量に供給される事となりますが、溢れてくると有難味が失せてくるのか、砂糖を使ったしっかりとした甘味よりも、あまり使わないすっきりとした甘味が好まれるようになってきます。また、ブドウ糖に直結する糖分はカロリーも高めになる傾向がある事から、ダイエットへの意識の盛り上がりと共に砂糖の使用は敬遠されてしまいます。伝統的なお菓子も本来の製法より砂糖が減らされ、ヘルシーな雰囲気を持たせた物が見られるようになってきていますが、砂糖には栄養や嗜好以外にも保存性を高めるという働きがあります。糖分は高い保水力を持ち、それは回りの水分を取り上げる事にもなり、雑菌の繁殖を抑えてくれます。デンプンが変質して硬くなる事や脂質の酸化も抑える働きもある事から、食品を長期にわたって保存する事にも一役かってくれています。砂糖の使用量を減らした事で別な保存料を添加しなければならない、そんな一見ヘルシーなようでヘルシーじゃない状態だけは避けて欲しいと思っています。



第435回 ユナニって?     2005年12月21日

 最近は一段落した感じですが、インドの伝統医学アーユルヴェーダが話題になっていました。機能性食品にもアーユルヴェーダの思想が元になった製品が数多く作られ、インドというどことなく神秘的な雰囲気も相まって内容が理解されていない割には、言葉は多く聞かれるという状態が続いていたように思われます。最近、そんなアーユルヴェーダと同じような感じで聞かれるようになってきた言葉に、「ユナニ」があります。

 一説には今から約5000年前、世界の民間療法に携わる者が一同に介して医療関係の情報交換を行い、各地に散ったと言われ、中国へと伝わったものが漢方となり、インドへと伝わったものがアーユルヴェーダ、中東へと渡ったものがユナニだと言い伝えられています。しかし、ユナニの語源を見ると、ペルシャ語で、「イオニア風の」という意味の言葉が元になっているので、イオニア=ギリシアの医学が元になっていると考える方が自然かもしれません。

 医学は洋の東西に分ける形で、それぞれ東洋医学、西洋医学と大別され、基礎となる考え方も違っています。ユナニは地理的にそのちょうど中間、中東に伝承された伝統医学で、歴史的系譜を見る上ではギリシア医学がベースになっている事から西洋医学。療法の中心となるのは植物を使って苦痛を取り除くという発想なので、その点では東洋医学という色合いを感じてしまうという、やはり東西の中間の存在と言う事ができます。

 ギリシア医学は紀元前5世紀頃、ヒポクラテスから始まり、ガレノスで頂点に達したと考えられます。人体の成り立ちを4体液説に求め、粘液、血液、黄胆汁、黒胆汁といった4体液が身体を構成し、そのバランスが崩れたとき、何らかの症状が発生するという病理観を持っていました。そのギリシア医学がエジプトを経てペルシャに伝えられ、イスラム教の考え方や生活様式を加えながら、アラビアへ伝えられたものがユナニとなります。食事療法、薬草治療に加え、運動療法や泥浴などの温泉治療、解毒を目的とした瀉血といった療法が中心となり、自然治癒を前提とした現代で言う代替療法に近いものがある点では、多くの伝統医学と同じ一面を持っています。ユナニを体系化したアビセンナの著書「医学規範」から西洋医学は分化すると言われるので、東西医学の分岐点を見る事ができると思うのですが、さすがに総数1326編からなる詩篇は、なかなか手が出るものではなさそうです。



第434回 鑑定法発見     2005年12月20日

 全身に重りを付けられたようなだるさが続き、ひどい場合は起きられなくなる。何かで動くと1日以上も疲れが抜けない。いつも微熱が続き、リンパ節の腫れや関節痛を感じる。筋力や集中力、思考力の低下が起こり、頭痛が続く事もある。そのような症状が長期に続いた場合、社会生活に何らかの支障が生じる事は、容易に想像する事ができます。しかし、身体的に何ら異常を示す数値や兆候がなく、回りからは怠けているとしか見られなかったら...。そんな怖さが慢性疲労症候群にはあります。

 慢性化した疲労、慢性疲労と症状や呼び名も似ている事から、慢性疲労症候群は誤解されやすい疾患とされてきました。研究が進んでいる米国では慢性疲労免疫不全症候群という呼び名もあり、明確に区別されていますが、免疫に焦点を当てると同じ免疫系の疾患である膠原病に症状が似ているため、誤診される事もあります。小児から大人まで幅広い年齢層で症状が発生しますが、症状を断定する最低要件は、「症状が他の疾患によるものではない事」「6ヶ月以上継続している事」だけとなっています。

 慢性疲労症候群に関しては、原因が定かではないため、診断方法や予防法、治療法も確立されていない状態が続き、ウィルス原因説をはじめとする諸説が提唱されていました。そうした諸説の一つとなるのか、それとも確たる原因究明の糸口となるのか、新たな神経学的発見がレポートされていました。免疫、アレルギー学のバラニューク博士を中心とした米国、イタリアの合同研究チームによる国際研究の結果、慢性疲労症候群が神経学的疾患である合理的な説明が発見されたとしています。

 バラニューク博士らによる研究は慢性疲労症候群患者の脊髄液を検討を行うというもので、その中から健常者には見られない16種類のタンパク質が発見しました。16種類中5種類のタンパク質は検討を行った慢性疲労症候群患者全てから検出され、タンパク質の折りたたみやさまざまな神経学的症候群の発症に関与するものである事が判っています。これらのタンパク質から、これまで謎とされてきた慢性疲労症候群の原因に関する多くの情報が得られ、患者を特定する指標となる事も考えられます。怠け癖と混同され、患者の人格が否定される事する起こりえない疾患だけに、明確jな診断と速やかな治療法が見つかる事を願っています。



第433回 解禁に思う     2005年12月19日

 最近、「紙ジャケ」と呼ばれる紙製のジャケットに入れられたCDを見かけます。CD世代には目新しく映るのかもしれませんが、昔のLPレコードの雰囲気なので、LPレコードを知る世代としては目新しさより懐かしさを感じてしまいます。LP全盛の頃、今の輸入CDと同じように売場の片隅で輸入盤のLPが売られていました。幾分割安ではあるのですが装丁が雑で、いつも眺めるだけで購入意欲がまるで湧かなかった事を思い出します。国内盤はジャケットの表裏を並べて印刷し、真中の背表紙部分を折り曲げて貼り付けるので、表裏両面とも1枚の印刷面が貼られています。それに対し輸入盤は、表面の両側に裏面が半分ずつ印刷され、裏面中央で貼り合わせるので裏面の真中には継ぎ目が出来てしまいます。その継ぎ目も正確には合せてありません。

 同じように輸入物の雑誌に掲載された見開き広告を見ると、左右のページに連続した被写体の継ぎ目がずれている事も珍しくはなく、左右で色合いが微妙に違う事もよく見られていました。国民性と一言で片付けられそうですが、今回、牛肉の輸入再開に関した調査委員会のコメントの中にあった「ちゃんと処理されたものであれば安全」という発言の中に、その当時から根強く残る物作りに対する粗雑さが重なり、不安感をより大きく感じる事となってしまいました。

 BSE(牛海綿状脳症)問題で輸入が止められていた米国産牛肉の輸入が解禁され、今週明けにも第一便が届こうとしています。安全性に疑問が残り、多くの消費者が反対する中で行われた強引とも言える解禁で、「不安ならば買わなければ良い」という現状認識を疑いたくなる発言も出されています。実際に「買わない」という選択肢が消費者に与えられていれば少しは納得できますが、複雑な流通形態の中では充分な情報が得られるという確証はありません。

 複数の部位を貼り合せて作る「成形肉」や、牛脂を注射して作る「人工霜降り肉」などは、加工が国内で行われる事から、米国産の牛肉を材料としていながら国産とされたり、工業用のみとされてはいますが、牛脂の生産量の約2%は骨髄から作られる牛骨油と言われます。牛骨油が配合されている油で揚げられたポテトは、牛肉とはまるで縁の無い国産の野菜料理として扱われます。ブイヨンやビーフエキスに加工された場合、裏面ラベルの表示に原材料の原産国まで記入されているとは思えません。今回の輸入解禁は、そうしたあらゆる可能性を疑わなければならない日常の幕開けのように思えます。単純にパックに表示された原産国を見分けるだけで事が済む、そんなレベルの話ではない事に暗澹たる気持ちです。



第432回 効能?副作用?     2005年12月14日

 寒い朝、高血圧の方は注意が必要です。起床と同時に急速に血圧が上昇したり、就寝時に血圧が下がらず、起床と同時に上がり始める事があり、そこに肌寒さから全身の毛細血管が収縮し、中心部の血圧上昇に拍車がかかる事があるからです。高血圧が関連していると考えられる脳溢血や心筋梗塞、狭心症は、特に寒い朝に見られると言います。

 高血圧に関する何らかの治療を受けている方は意外と多く、医師の処方による降圧剤の投与を受けている方も日常的に見かける事ができ、高血圧に限らず生活習慣病の症状を持つ方が、食後何らかの薬剤を取り出し、飲用する姿は日常的な風景とさえ感じるほど特別なものではなくなってきています。そんな薬剤の中で、特に注意が必要なのが高血圧を緩和させる「降圧剤」ではないかと思います。血圧が上昇する要因を抑えている薬剤なので、飲み忘れや自己判断による飲用中止があると、血圧が急激に上昇し、危険な状態に繋がる可能性があるためです。

 そんな降圧剤の一種として広く使われているのがACE阻害薬です。ACE阻害薬は、正式にはアンギオテンシン変換酵素阻害薬という薬剤で、アンギオテンシンがタイプ1から2、3へと変換され、タイプ3によって血管を収縮させて血圧が上がる事を、タイプ1から2へと変換させないようにして防ぐ働きがあります。主な使用目的は血圧の上昇抑制と、腎臓内でフィルターの役割を持つ「糸球体」内の圧力を下げて、腎臓を保護するために使われています。

 ACE阻害薬の副作用の一つとして、喉の一部が過敏になり、空咳が出るという事が知られていましたが、この空咳が役に立っている事が明らかになってきました。75歳以上の高齢者の最も高い死因として肺炎が上げられます。中でも喉の感覚が鈍った事によって、異物が気管に入った事に気付かず、咳が出ないために異物の排除ができずに起こる「誤嚥性肺炎」は、かなりの数に上ると見られています。それを防ぐ事にACE阻害薬の副作用、空咳が役に立っているというのです。一度飲み始めたら長く付き合わなくてはならない薬剤だけに、他の面でも役に立てば非常にありがたいと思ってしまいました。



第431回 だまこって?     2005年12月13日

 だまこ・・・鍋物の名前です。最初に見たときは、濁点を打つ位置を間違えていて、本来は「たまご鍋」が正しいのではないか。鍋で具材を煮込んだ後、溶き卵を散らして仕上げる鍋物と勝手に思ってしまいました。しかし、間違いではなく、東北地方、特に秋田県でよく食べられている郷土料理の一つ、「だまこ鍋」というのが正しいと教えられました。土地によっては「だまこもち」と呼ぶ事もあるらしく、「もち」と言ってもしっかり鍋物という事です。

 ささがきにした牛蒡やネギ、鶏肉を使いしょうゆ味に仕上げるところや、メインとなる「だまこ」がご飯を潰して固めた物というあたりは、同じ秋田の名物「きりたんぽ」に似ているのですが、ご飯を潰した後の扱いが若干違っています。きりたんぽはご飯を潰して棒に竹輪のように棒状に仕立て、焼き目を付けるのに対し、だまこはご飯を団子状に丸め、焼き目は付けません。どちらもご飯を潰して練るあたりから、餅の一種と考えられがちですが、元が普通の米でもち米ではなく、完全に米粒を潰してしまわない事からもご飯の一環であって、餅ではないと言われています。

 口伝で伝えられた郷土料理なので、由来については諸説があるのですが、だまこもきりたんぽも似通った由来を持つという説があります。マタギと呼ばれる猟師、またはきこりが山中に入り、食べ残していたご飯を潰して鳥やキノコ、山菜といった具材と一緒に煮込んで鍋にしたという話が、その始まりではないかというのです。その際、丸めたのがだまこになり、棒に巻きつけたのがきりたんぽとなったと考えられます。作業の単純さから考えて、だまこが先で後に一工夫を加えたのがきりたんぽ、そんな考え方もできます。

 今日のように電子レンジもアルミホイルもない時代ですから、冷えて固くなったご飯をより美味しく食べるための工夫として考案された事が想像されます。そうやって考えると鍋に入れて煮込んで温めるだまこと、棒を用いて直火で温めたきりたんぽは別系統の料理ではなかったのかと思えます。当地には比内鶏という濃厚な味わいの鶏がいた事から、鶏とキノコ、山菜を使った鍋に融合され、発展しながら今日に至っているのでないか、そんな事が思い描けてしまいます。ちなみに「だまこ」とは、お手玉や団子の事と言われますが、その美味しさから食べている人が黙り込んでしまうので、「黙っこ」が元になったという説もあります。



第430回 エビ好き     2005年12月12日

 それは脊髄から髄液を抜いて、感染の有無の検査を行う際の事です。腰のあたりから軟骨に針を刺し、中の髄液を圧力を見ながら抜くのですが、より腰の骨が開き、作業がしやすいように身体を丸めた姿勢をとる必要があります。「はい、エビになって」担当医の一言で身体を丸め、腰を突き出した姿勢をとります。「それでは、いきまーす」腰の軟骨に鈍い痛みが走り、何かが押し込まれて軟骨が圧迫される感じが伝わってきます。こうした髄液の検査には、かなりの痛みが伴うと聞かされていましたので、運よく腕の良い担当に当ったのだと少なからず感謝してしまいました。

 その時の事です。先程の「エビに...」の一言が頭の中を過ります。「背ワタを抜かれる時って、こんな感じ?」エビを料理する際に日常的に行う下拵え、「背ワタとり」。丸くなったエビに楊枝を突き刺し、中の背ワタを抜きます。丸くなって腰に針を突き刺される私は、まさにこの状態ではないのだろうかと思ってしまいました。エビという食材にそれほどの引力を感じなくなった瞬間です。

 エビは独特のアミノ酸をはじめとした化学成分の組み合わせによって、特有の味を出しています。特に甘味の素となるアミノ酸グリシンは、同じ海洋性タンパクの白身魚と比べると100倍もの含有量を誇り、エビ味の特徴の一つ、口に広がる甘味を演出してくれています。さらに茹で上げると華やかな赤い色になる事や、腰が曲がっているように見え、腰が曲がる=長寿とした縁起物でもある事から、特に日本人には人気の食材となっています。

 日本人はエビ好きと言われますが、実際年間を通してかなりの量を消費しています。その総量は一人当たり年間80匹に及び、世界の水揚げされたエビの約3分の1を一国で食べている計算になります。過去20年の間に消費量は3倍に伸び、とても国内では11%しか自給できない食材とは思えないほどの勢いです。しかし、そうした強烈な勢いの陰には必ず何らかの副作用が付き物で、合理的で大量な漁獲を狙ってのトロール漁は漁業資源の枯渇に繋がり、発展途上国へと舞台を移した養殖は、思わぬ環境破壊を引き起こしてもいます。私一人がエビを食べなくても、今更何も変わらないとは思いますが、今度エビを見かけたら、少しだけエコロジーな気持ちになってみようと思っています。



第429回 感染対策     2005年12月10日

 HIV(人免疫不全症ウィルス)による感染症、AIDS(後天性免疫不全症候群)。致死性が高く、ウィルス名、症状ともに怖れと共に語られます。一旦HIVに感染すると。個人差はありますが一定の潜伏期間の後に発症、身体を守るべき免疫力が失われるという非常に厄介な状態に陥ります。そのため通常ではほとんど問題にならないような細菌感染でも、症状は快方へと向かわず致命的な事へと発展してしまいます。

 AIDSの起源に関しては諸説があり、定かではありませんが、確実に世界中に蔓延している事は確かです。HIV自体は、インフルエンザや肝炎のウィルスのような強力な感染力や頑強さは持ち合わせていないのですが、一旦体内に入ると潜伏期間中の自覚症状のなさや、免疫によって排除されないようにしてしまうという特有のシステムによって、感染者を増大させ続けています。

 そんなAIDSの蔓延の一端として、母から子へと感染が広がる母子感染が見られていました。これまで母子感染は出産時に産道を通る際、母親から新生児へと感染すると考えられ、産道の消毒などによって感染を防ぐ試みがされてきました。しかし、それでも新生児への感染は治まらず、生まれながらにHIVのキャリアとなる子供が後を絶ちません。先日、そんな母子感染を根絶する可能性に繋がる発見がなされていました。

 これまで陣痛が起こる前に帝王切開で取り出された子供にはHIVの感染が見られず、陣痛後に帝王切開された子供には感染が見られるという傾向が報告されていました。帝王切開による出産は、新生児が産道を通らないため、これまでとは別な感染経路を疑う必要があります。その結果判ってきた事が、陣痛発生時に子宮が収縮した際、胎盤を通して母親がわずかに出血し、それによって血液感染が起こっているという事です。その事を裏付けるようにへその緒から採れる臍帯血からウィルスが検出されています。今回の結果を受けて、陣痛発生前に抗レトロウィルス剤を投与して、母から子への感染を防ぐ試みが検討されています。世界的な問題だけに、有効な感染抑制なる事を願っています。



第428回 騒音弊害     2005年12月08日

 個人的な趣味ですが、うるさめの音楽が好きです。そのため日頃から大音響で聞いていると思われがちなのですが、意外と大きな音は苦手だったりします。何かの都合で一定のレベルを超えた大きな音の中に長時間いると、それが好きな音楽であっても、後々になってかなりの疲労感を感じてしまいます。そうした疲労感に限らず、騒音の中に身を置く事は身体に深刻なダメージを受けてしまう事があります。

 ドイツの保険経済研究所所長のウィリッヒ博士による心臓発作を来した患者2,000例と、それ以外の理由で外傷病棟や一般外科病棟に入院した患者2,000例のデータを比較した研究によると、道路などから発生する環境騒音にさらされていると、心臓発作のリスクが女性で3倍、男性でほぼ1.5倍となる事が判明しました。職場での騒音による同リスクの増大は男性で約1.3倍であり、女性では差は認められなかったと言います。

 騒音と心臓発作の因果関係は、騒音に対する心理的ストレスや無意識の怒りなどが増大し、アドレナリンやノルアドレナリン値が上昇し、それによって血圧やコレステロール値が上昇、心臓発作の原因となると考えられます。ストレスを受けると血液の粘度が上昇する傾向にある事も、心臓への負担をより大きくすると思われます。しかし、騒音の大きさとリスクの増大については比例関係にはなく、60デシベルを超えたあたりで一定になる傾向があり、この60デシベルが万人が音に対するストレスを感じる大きさとする事ができます。

 騒音そのものが単体でストレスを与え、リスクを増大するのか、ストレスゆえに起こる過食や不眠などの健康に対するマイナス要因がリスクを増大させるのか。いまだ解明されるべき用件は多く残されていますが、騒音の中に身を置くという事は健康的な事とは言えない事は明らかなので、やはり避けるべき事は明白です。好きな音楽も度を超えるとリスクとなる可能性が示唆された事になります。上手に付き合いたいものです。



第427回 コリンとセリン     2005年12月07日

 コリンとセリン、何となくおとぎ話の双子の主人公のような感じですが、最近注目の機能性食品の有効成分です。一般的にレシチンとコリンは同じ物と言われ、そのコリンには多くの種類が存在しますが、一言でコリンと言った場合はホスファチジルコリンを指します。乳化作用が強く、脳内の伝達物質アセチルコリンの材料にもなるとの事で、卵油として昔から摂取されてきました。

 ホスファチジルコリンは脳内の伝達物質アセチルコリンの材料になるため、摂取する事で記憶力の向上に繋がったり、痴呆の緩和に役立つ。アルツハイマー病の脳内では、アセチルコリンが極度に不足しているので、ホスファチジルコリンを与える事で症状の進行を緩和できる可能性がある。・・・etc。さまざまな事が言われていますが、ここで疑問となるのは必要なアセチルコリンを直接摂取した方が良いのでは?という事です。実はアセチルコリンは分子が大きく、脳を守るフィルター、脳関門を通る事ができないので、その前段階の小さな分子のホスファチジルコリンで摂取する必要があるという訳です。

 ホスファチジルセリンは、どちらかと言うと耳新しい成分ですが、脳組織の重要な構成要素で、神経細胞でエネルギーの出し入れや伝達物質の放出、シナプス活動の情報伝達などに深く関わっています。脳細胞内への栄養素の取り込み、老廃物の排出、細胞間のコミュニケーションや認識、神経細胞の成長調整など、重要な役割に幅広く関わっている事が明らかにされてきています。脳は一日に200gという大量の糖質を必要としますが、ホスファチジルセリンを投与する事で脳内の糖質量が上がり、4倍にもなる事が確認されているほど、脳に対し重要な成分となっています。

 そうしたホスファチジルコリン、ホスファチジルセリンはレシチンに含まれています。これまではコリン=ホスファチジルコリンのみが脳に良いとして、レシチンの健康効果の一端を担ってきましたが、これからは相乗効果による脳内での働きが注目される事となりそうです。脳細胞の比較的外部で働くコリンと、内部で働くセリン。やはりどことなくおとぎ話の世界のような感じがします。



第426回 “e”の違い     2005年12月06日

 以前、お菓子を食べながら裏面に表示されたラベルを眺めていたところ、「シリコーン」という表示を発見し、急に食欲が無くなった事があります。シリコーンは「silicone」の事で、整形手術などで用いられるシリコン「silicon」とは異なる物です。カタカナ表記で「−」一文字、英語表記でも「e」一文字のみしか違いがなく、混同したり間違ったりしてしまいそうです。

 シリコーン(silicone)は、天然に存在する硅石に複雑な化学反応を加えた物の中で、有機基が結合しているケイ素が酸素と連なってできる高分子化合物の事を指し、自然界には存在していません。それに対しシリコン(silicon)は元素の一種、ケイ素(Si)の事で、自然界に無尽蔵に存在しています。普通に目にする砂や石はケイ素が元になっていて、結晶化すると水晶になり、半導体の原料になったり整形手術に使われるのはシリコンの方となっています。

 原料としてのシリコーンは化学的に安定性が高く、高温にも低温にも強く、電気も通さず、水をはじき、製造時の型離れを良くしてくれます。また屋外においても日光の影響を受けず、溶剤にも侵されません。体内に取り込んでも生理的に不活性(影響がない)と言われているので、工業的にさまざま用途に用いられています。特に食品に関しては製造時に発生し、製造工程の円滑な流れを阻害する泡を消す事ができるので、消泡剤として添加される例が多いようです。

 食品の製造工程においては、さまざまな粘度の状態が存在します。わずかでも粘度があると素材に大きく動きがあった際、空気を取り込み泡が発生してしまいます。そうした泡の存在は、計量を不安定にしたり、仕上がりの滑らかさを台無しにしたりと、多くの弊害の元となります。そのため消泡剤の登場となるのですが、シリコーンはごく微量で効果を発揮してくれるという点で、優れた食品添加剤となっています。そうした事を理解した上でも、やはり本来の食品以外の物が含まれているというのは、あまり気分が良いものではありません。安全、安心だけでは計れない食を取り巻く難しい世界を感じてしまいます。



第425回 温度差     2005年12月05日

 夜の冷え込みが厳しくなると、意外なほど室内でも温度が下がってしまっている事があります。布団を暖かくしていても全身を覆っている訳ではありませんので、何らかの形で室内の温度に触れ、眠りが思いのほか浅くなってしまったというのは、誰しも経験のある事ではないでしょうか。人は恒常性と呼ばれるシステムによって体温を一定に保つ仕組みを備えています。それでも気温の上下や摂取した飲食物の温度によって、微妙に体温が上下し、幾つか存在すると言われる「眠くなる体温」を通過する際に、比較的簡単に眠りに落ちてしまうそうです。

 そうした眠くなる体温については個人差がある事から、一概に設定した温度がすべてうまく眠気を誘ってくれるとは限りませんが、統計上は良く眠れる寝室の温度というのはある程度知られています。冬場の場合、布団に寝て上から毛布と布団をそれぞれ一枚ずつ着て眠るのであれば、室内の温度は18℃程度で、その上下3℃くらいが適温と言われる事から下は15℃、上は21度と、結構幅が大きくなっています。

 それに対し夏場の温度は、もっと高くなり26℃くらいと言われ、上下限は2℃くらいになります。上限の28℃というのは、結構暑い感じがするのですが、その中にい続ける事を考えると、意外と心地よい温度と言われます。それ以外の季節では22℃に上下3℃の幅と言われ、19℃から25℃までが良く眠れる温度という事になります。ここで気を付けなければいけないのは、温度を測定する位置の設定です。

 特に冬場、室内でストーブを使い、これと言って空気の攪拌を行わないでいると、室内の天井付近と床上では14℃近い温度差を生じています。扇風機などを使って適度に温度差をなくしておく事や、そうした温度差の存在を意識して温度調整をしておく事が大切です。寝具によっても違いがある事を意識し、布団を用いる場合は、冷気が充満しやすい高さの中にすべてが納まってしまう事。ベッドの場合、充満する冷気の上に身体が置かれる事を考えた温度設定が大切です。このように書いてしまうと、何やら眠るまでがうるさそうですが、より良く眠るための努力は惜しまない事をお薦めします。



第424回 怠け者?     2005年12月03日

 いつも車で移動している道の途中に大型トラックの休憩場となっている場所があります。ほとんど車が通らない割には、かなり広く取られた2車線道路なので、堂々と路上駐車していても迷惑がかからないのが人気となっているようです。詳しく見ている訳ではないので常連の方もいるとは思うのですが、日替わりで積荷やトラックの仕様が変わるように見えて面白くもあります。そんな今朝、いつもとは少し雰囲気の違うタンクローリーが停められていて、積荷には「液体アルゴン」と書かれています。これから工場へと納品へと向う途中、時間を調整しているところでしょうか。

 アルゴンというと馴染みがない元素のような感じがしますが、意外と身の回りにアルゴンを使った製品が存在しています。電球のフィラメントが加熱して燃えてしまわないように電球の中に封入したり、蛍光灯や赤い色のネオン管の中、真空管にも封入されます。温かい印象から白熱灯を使う家庭も増えていますが、白熱灯の電球の中にもアルゴンが入っています。

 大気の0.933%はアルゴンが含まれていて、空気を一旦液化させた後、沸点の違いから酸素、アルゴンを分留して水素を送り込み、酸素と水素を結合させて水にする事でアルゴンを取り出して製品化しています。無色無臭、反応性が低い事からギリシア語の「怠け者」に由来した名前との事ですが、最近、新たな利用法が発見され、一部の人から注目を集めています。その一部の人とは、アレルギー性鼻炎を持つ人です。

 アルゴンをプラズマ化させて鼻粘膜に吹付け、鼻粘膜を熱的に固める事によって、アレルギーの元となる抗原の侵入を防ぐ「アルゴンプラズマ凝固法」がアレルギー性鼻炎の治療に有効として、TVや雑誌で紹介される事が増えてきました。アレルギーで腫れた鼻粘膜もアルゴンプラズマによって、組織の活性が奪われ、くしゃみ、鼻水、鼻詰りが抑えられるという事です。レーザーでも同様の治療が行えますが、レーザーが点で行うのに対し、アルゴンプラズマは面で行えるので、時間が短くて済み、負担が少ないと言います。粘膜の再生には個人差がありますが、1〜2年はかかるそうなので、1回の施療で長く煩わしい症状から解放される事となります。大活躍の「怠け者」アルゴンですが、治療を受ける側の方が、1度で2年という考え方は怠け者でしょうか?



第423回 50歩100歩?     2005年12月01日

 先日、某大手ファミリーレストランチェーンで内臓肉を繋ぎ合わせた「成型肉」を、正しい表示をしないままステーキとして販売していた事が話題となっていました。消費者の立場としては成型肉というおどろおどろしい響きの食材を、知らないうちに注文していたという気味の悪さに大きな抵抗感を感じるのですが、業界的には表示を怠った事のみが問題であり、成型肉については日常的な事として捉えられ、今回問題とされたレストランチェーンで使用されていた成型肉は、扱いこそ内臓にあたりますが、実際はハラミと呼ばれる一般的に食される部位に近い肉を用いており、高級な部類の成型肉であったと言います。

 成型肉は安価なステーキセットやサイコロステーキなど、低価格で供される牛肉を用いたメニューに広く使われていると言われています。塊りの肉から切り出した物より、赤身や脂肪の量的な兼ね合い、味や食感を考慮して成型の配合が決められるので、むしろ味が良いと評価される事もあります。当初、米国より安価に輸入できた牛肉がレストランメニューの素材として使われていましたが、BSE(牛海綿状脳症)の影響によって輸入ができなくなり、その代替品として成型肉の需要が拡大しました。

 同じく米国産輸入牛肉の代わりとして需要を伸ばしたものに「人工霜降り牛肉」があります。こちらは食用には適さない硬い赤身の牛肉に無数の針を刺し、牛脂を注入する事で軟らかい霜降り肉へと加工したものです。乳を出さなくなった老齢の乳牛や、本来は硬くて使用できなかった肉などが加工の対象となります。ベルトコンベアの上を次々と流れてくる赤身肉、かつては廃棄されていた牛肉が1分と経たないうちに軟らかいピンク色の霜降り肉へと変身します。この人工霜降り牛肉も成型肉と同様の普及を見せています。

 食用の肉牛から切り出された一般市場には流通しない部位を張り合わせた成型肉。食用には使わない牛肉に手を加えて作り出された人工霜降り牛肉。BSE検査に疑問が残る輸入牛肉。どれを選択すべきなのか難しいものがあります。豊かになったと言われる食糧事情の中、豊かなのは選択肢だけのようなそんな思いが残ってしまいます。



 

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