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第582回 夏のGABA     2006年07月31日

 GABA・・・ギャバ、γーアミノ酪酸。わずかに発芽した玄米の芽の部分に多いとされ、血圧を安定させる働きが注目された事から、一頃「発芽玄米」として販売されているのをよく見かけました。少しだけ突起の出た米粒を見た、実際に食べてみたという方も多いのではないでしょうか。

 その後、GABAには新たな効能が発見され、ストレスに対抗する力が高まるとして、多く含まれる食材、「カカオ」の含有量を強調したり、GABAそのものを記載したパッケージの製品が多数発売されています。血圧よりもストレスに対抗するためにGABAを摂取するという方も増えている事と思います。

 そんなGABAに新たな効能発見です。脳の中で神経伝達物質の一つとして働きながら、高ぶった神経を静め、運動時の体温を調節する作用があるというのです。既に1970年代にはウサギを使った実験で、体温を調節する働きは確認されていましたが、人に対する働きは知られていませんでした。

 まだ試験段階との事ですが、運動時にGABAを含んだスポーツ飲料を使用し、身体の深部体温にできるだけ近い食道温を計測したところ、GABAを含まないスポーツ飲料を使用したグループより平均で0.2度ほど低いという結果が得られています。運動時の発汗量や血圧、心拍数への影響でも、GABA配合のスポーツ飲料の方が発汗量が少なく、心拍や血圧の上昇も抑えられたという結果が得られています。血圧の上昇抑制はこれまでの研究でも指摘されていた事ですが、運動中にも抑制効果がある事は今回新たに発見されています。GABAは汗の産生量が少なくて済むように働き、その余った水分で皮膚の血流量を増やし、体温調節機能の一環として熱放散を上げるのではないかと見られています。製品化されれば、アスリートの強力な味方となる事は確実です。暑くなる季節にお薦めのGABAとなっています。



第581回 4位転落     2006年07月28日

 先日、厚生労働省からの発表で、2005年の日本人の平均寿命が男性は78.53歳、女性は85.49歳で、前年よりそれぞれ0.11歳、0.10歳短くなったとされていました。男女ともに平均寿命が前年を下回ったのは、1999年以来の6年ぶりという事で、女性は21年連続で世界一の座を確保しましたが、男性は前年の2位から4位に後退、32年ぶりにベスト3の座を明け渡した事になります。

 要因としては、インフルエンザ流行による死者数増加などが響いたとされ、昨年は春先にインフルエンザが流行し、3月の肺炎による死亡数が前年同月比43.1%増となった事や、自殺の増加傾向が平均寿命の短縮に繋がったと分析されています。男性部門のトップは香港、アイスランド、スイスとなっているそうで、3位のスイスとはわずかな差でもある事から、また上位へと上がっていく可能性はあるそうです。

 平均寿命が今後延びていく傾向に変わりはないと分析されていますので、トップへの返り咲きも難しくはないのかもしれませんが、高齢化が問題とされている状況では、手放しに喜べる事と捉えられるのか微妙な感じがしてしまいます。

 上位への返り咲きに伴い、高度医療の発達や食育の普及などで寿命が延び、長寿を喜べる社会になっていく事を願いたいと思います。少なくとも、ランクを下げる原因が自殺にある事だけは避けて欲しいと思っています。



第580回 脂肪由来     2006年07月27日

 脂肪組織というと、いかにも悪者という感じがします。その脂肪細胞からもホルモンが分泌されたりと、さまざまな働きがある事が知られるようになってきましたが、そんな脂肪組織由来のホルモン、「アディポネクチン」に注目が集まっています。大阪大学分子制御内科学教室で発見された当初は、標準的な体格の人の血液中には多く存在し、内臓脂肪が増加すると減少する未知の物質とされましたが、その後の研究でさまざま働きが解明されてきています。

 血液中を流れて全身を巡っているアディポネクチンは、血管が傷ついているところを発見すると、その部分にすばやく入り込んで修復を行います。心筋梗塞などの冠動脈疾患の患者でアディポネクチンが低いほど死亡率が高くなる傾向あると言われ、糖尿病患者でもこの数値が低く、インスリン感受性に関係している事も確認されています。

 そんなアディポネクチンに、また新たな働きが発見されてます。胃ガンに対して、抗ガン剤として作用する可能性があるという発表がされていました。健康な人と胃ガンの患者を対象に、血清中のアディポネクチンの濃度を測定した結果、健康な人に対し胃ガンの患者では35%程度も有意に低下している事が明らかになっています。さらに進行ガンの患者の場合、アディポネクチン濃度が大きく低下している傾向がある事も判っています。

 研究に当たった東京大学腫瘍外科学の北山博士は、「アディポネクチンは胃ガン細胞の細胞死であるアポトーシスを誘導し、胃ガンの成長を抑制する可能性がある。将来的には、アディポネクチンを胃がんに対する新たな抗がん剤として利用できるかもしれない」と話しています。悪者の脂肪細胞が役立つ事が明らかになってきた事で、今後見方も変わってくる可能性もあるのですが、内臓肥満が進むと分泌量も減る傾向があるので、やはりダイエットは必要とされていくと思います。



第579回 徹夜否定     2006年07月26日

 以前、脳生理学の専門家の意見として効率的に記憶する方法として、直前までよく見て、その後すぐに充分な睡眠を摂る事というものがありました。元々睡眠が不可欠な私は試験の前などでも一切徹夜はしなかったのですが、その方法が間違いではなかった事が先日、学術的に証明されていました。

 少し前に学習した事を思い出し、言葉で表現できる記憶を「陳述記憶」と呼びますが、その陳述記憶に睡眠が不可欠である事が、米国ハーバード大学医学部睡眠認知センターのエレンボーゲン博士を中心とした研究チームによって明らかにされています。言葉で表現できない記憶、「非陳述記憶」に睡眠が有効である事は、既に確認されていましたが、今回の研究では解明されていなかった陳述記憶と睡眠に関する影響を明確にしたものとなっています。

 エレンボーゲン博士らによる研究では、処方薬を使用しておらず、睡眠障害も睡眠パターンの異常もない60人を被験者として研究対象として実施されました。それぞれの条件に基いて4つにグループ分けを行い、2語1組の単語を20組暗記してもらい、12時間後にヒントを元に思い出すというテストを行っています。記憶妨害を行うグループへは、テスト直前に記憶の再生を妨げるように別の単語を20組学習してもらい、残りのグループに関しては、同様に4群に分けられ、24時間の長時間のプログラムを実施しました。

 その結果、妨害のないグループでは、睡眠を取ったグループの方が記憶力の平均がやや高く、妨害を施したグループでは睡眠を取ったグループの記憶力が有意に高かったそうです。この研究結果によってエレンボーゲン博士は、睡眠は消極的にではなく、積極的に記憶の強化に利益をもたらしていると結論付けています。「睡眠は不活性状態であるというのは古い考えで、記憶の強化をはじめ、脳は睡眠中にもさまざまな事をしている。記憶力を最大限にするためには定期的に睡眠を取ることが必要」というコメントも添えられ、睡眠の重要性が語られています。受験生の睡眠時間を元に、「4当5落」と言われたのは過去の事となっているようです。



第578回 空腹と記憶     2006年07月25日

 満腹になると頭の回転が遅くなり、眠気が強くなってきた経験は誰にでもあると思います。逆に空腹になると頭が冴えてきて、仕事や勉強の効率が良くなる・・・そんな経験はありませんか?最近、それには空腹時に分泌されるホルモンが密接に関わっている事が解明され、科学的に根拠がある事と確認されました。

 米国エール大学の研究チームによると、最近新たに発見された「グレリン」と呼ばれるホルモンが空腹になると消化管から分泌され、血液中の放出されて脳へと運ばれます。脳へと到達したグレリンは食欲を刺激し、空腹を意識させます。

 研究チームではグレリンを作れないマウスを用意し、調べてみたところグレリンを作れないマウスは、正常なマウスに比べて脳内の海馬部分にある神経細胞の結合部分が25%ほど少ない事が判ったと言います。逆に正常なマウスの脳の海馬付近にグレリンを注入してやると、神経細胞の結合部分の数が増える事も判っています。

 海馬付近の神経細胞は記憶に関わっている事で知られているので、グレリンの作用によって記憶力の向上や記憶の効率化が図れる可能性がありますが、本来の作用は摂食の促進なので、利用すると空腹を強く意識したり、食事が進んだりとダイエットには逆行する働きが生じてしまう事が考えられます。空腹と学習、難しい選択のようですが、空腹はDHAの豊富なカツオでも食べて相乗効果を狙ってみては、と思うのは少々安直でしょうか?



第577回 忙しく不健康     2006年07月24日

 共働き、独立した女性、そうした言葉が定着するにつれ、女性の長時間労働も一般的な事となってきています。働く意欲にあふれた女性が社会に進出し、活躍する事は喜ばしい事かもしれませんが、それだけではすまないという研究結果が先ほど発表されていました。

 長時間仕事をする事によって、不健康な習慣が身についてしまう傾向は、男性よりも女性の方が強く、長時間働く女性は、糖分や脂肪分の高い間食やカフェイン摂取量が増え、喫煙の習慣がある場合、喫煙量も増える傾向が大きいと研究結果は示しています。ただしデメリットばかりでなく男女ともに、長時間働く事でアルコールの摂取量は減少するといいます。

 今回の研究はイギリス、リーズ大学のオコナー博士らによるもので、ストレスが食習慣へ及ぼす影響を調べた研究結果の一部となっています。422人の被験者を対象に調査したもので、同僚や友人との口論、鍵をなくす、締め切りに遅れそうになる、重要なプレゼンテーションの予定があるなど、仕事上あるいは仕事以外の小さな出来事などのストレスの原因となる出来事が1つ以上あった人は、普段よりも間食が増え、野菜の摂取や通常の食事量が少なかったそうです。また、ストレスのある人は、脂肪分や糖分の高い間食を好むようになり、身体的ストレスよりも、精神的ストレスの方が間食に走る原因になりやすい事も判っています。

 以前からストレスによって食欲を増大させる人の事を「Emotional eater(感情的食事をする人)」とする言い方はありました。マイナスの意識を食欲に集約する事でストレスを回避していたのですが、今回の研究結果はそうした回避方法によって、より不健康な食習慣に繋がる事を示しています。しかし、回避法を取り上げる事は更なるストレスを生むので、良くないスパイラルに落ち込みそうで、なかなか複雑なものがあります。

 



第576回 骨粗鬆症予防ダイエット     2006年07月21日

 カルシウムを食事からではなく、サプリメントとして摂取するという事は、多くの場合、骨密度の維持、いわゆる骨粗鬆症の予防を目的としたものか、成長時の栄養補給、ストレスなどによるイライラを抑えるといったものがほとんどのように思われます。魚食を主なタンパク源にしていた従来の日本食と比べ、欧米化が進んだ食事ではカルシウムが不足しがちと言われるので、そんな意味からも積極的に摂っていたという方も多いのではないでしょうか。

 そんなカルシウム摂取に新たな一面が発見されていました。カルシウムを摂取する事で骨の強化が行われるだけでなく、体重の増加防止といった効果が得られるというのです。以前からカルシウムは脂肪の燃焼に役立つという説はありましたが、今回の研究はカルシウムを食事からではなく、サプリメントとして摂取した場合に焦点が当てられている点や、男性よりも女性の方が効果が大きいとしている点が注目に値します。

 米国シアトルにあるフレッド・ハッチソン癌研究センターの研究グループでは、50代半ばの男女1万人を8〜10年間追跡調査を行い、食事、サプリメントからのそれぞれのカルシウム摂取量と総摂取量を分析し、体重の増減と比較しています。その結果、食事からのカルシウム摂取のみでは、10年間に体重の変化に対する有意な影響は見られませんでしたが、サプリメントによる摂取では、特に女性に体重減少の傾向が見られたとしています。

 体重の減少を目的としてカルシウムのサプリメントを使用するには、今後、様々な臨床試験を経る必要があるとしていますが、女性は骨粗鬆症になる可能性が男性よりも高い事から、カルシウムのサプリメントを愛用する必要性がより高く、それがダイエットにも役立つのであれば、何とも良い話だと思ってしまいます。



第575回 歯磨き健康法     2006年07月20日

 持論ですが、何歳まで自分の歯と足(歩行機能)を良い状態で保てるかで、長寿になるかどうかが決まると思っています。歯は噛み締める力に直結し、食べ物を上手に咀嚼する事で消化活動を円滑にする以外にも脳の活性化に繋がり、歩行機能は行動範囲の広さに影響するので、新たな環境や刺激に遭遇する可能性を高めて認知機能を正常に保つ事に繋がる可能性が高いからです。

 先日行われた財団法人ぼけ予防協会調査委員会の研究では、歯周病による炎症で歯周組織の破壊が進んでいる人ほど、自覚症状がほとんどない脳血管障害(無症候性脳血管障害)を起こしやすい傾向がある事が明らかにされていました。無症候性脳血管障害を繰り返す事は、認知症に繋がるとされる事から、調査委員会では、歯周病の予防が認知症の予防にも繋がる可能性があるとしています。

 今回の研究は55歳以上の男女で、頭部外傷や脳卒中の既往歴がない人を対象として調査を行い、この中から過去も含め歯周病による歯周組織の破壊が確認できた人について、MRI(磁気共鳴画像化装置)で脳を撮影して病変の有無を確認しています。その結果、脳の血流が悪くなっている事を示す病変が見たかった人は、歯周組織の破壊が軽度だった人では11%だった事に対し、中度または重度の人では28%に上り、年齢や喫煙習慣の有無、血圧などの要因を考慮しても歯周組織の破壊が進んだ人ほど無症候性脳血管障害を起こしやすい傾向にある事が明らかになっています。

 今後、さらに調査範囲を拡大しながら、歯周病と脳血管障害との因果関係について詳しく調べるという事ですが、認知症との関連に関わらず、その後の人生の質(QOL)にも関わってくる事でもあるので、歯周病は予防、改善すべきものとして注意したいものです。



第574回 刺激的な香辛料     2006年07月19日

 香辛料というと、少量で美味しさを左右してしまう重要な役割を担っている存在です。多くは植物の種や果肉、葉や樹皮だったりするのですが、粉末にしてビン詰めされている事から、ラベルの印刷でしか本体の姿を見る機会はない物が多いと思います。国産の物というより輸入された物が主流で、香辛料をめぐる歴史上のエピソードを、産地を見る度に思い出してしまいます。

 そんな香辛料が、より刺激的に感じられそうな報告書が、先日、原子力委員会によってまとめられていました。原子力委員会の食品照射専門部会は、殺菌などを目的に香辛料に対して、放射線を照射する事に関する評価、検討を始めるべきだとした報告書をまとめています。国民への意見募集などの手続きを経て、正式に報告書とされるそうですが、その報告書を元に食品の安全性を担当する厚生労働省が検討の是非を判断する事になります。

 食品への放射線の照射は、殺菌、殺虫を目的としたものの他、芽の部分の細胞を破壊する事で、発芽を予防する目的でも行われています。日本では食品への放射線の利用は原則的に違法とされ、唯一ジャガイモの発芽予防に限ってのみ認められています。日本以外では香辛料への照射は、多くの国で行われています。

 報告書案では、「農薬をはじめとする化学薬剤の使用が環境への影響などから制限される方向にある為、放射線照射は有効な技術の一つである」と明記し、適正な放射線量を守れば安全であるという研究結果も蓄積されているとしています。厚生労働省では、業界団体である「日本スパイス協会」が、以前94品目に関して照射の認可を求めた際、「必然性がない」との判断から取り上げなかった経緯がありますが、今回の報告書は、「多くの国で実績がある食品については、照射を検討すべき」とした原子力政策大綱が閣議決定された事を受けて、原子力委員会の専門部会が放射線利用拡大の観点から論議を進めていたという背景があります。消費者団体などでは、「必然性や緊急性がなく、安全にも疑問がある」として強く反対しています。知らないうちに法案化され、気が付けばとならない事を願いたいと思います。



第573回 過剰使用     2006年07月18日

 生鮮食料品の売り場へ行くと、中国産の安価な野菜をたくさん見かけてしまいます。広大な農地、低い労働賃金を使って大規模に行われる農業によって、大々的な輸出がまかなわれている事が容易に想像できるのですが、データ上で見てみると中国が抱える人口は世界の22%と圧倒的に多く、それを支える農産物生産の場は世界の耕地面積の7%にすぎません。農業は二期作や二毛作など単純に面積イコール生産量とならないので、単純に比率のみで考える事はできないのですが、それでも巨大な人口を養い、他国への輸出を行うという事には無理を感じずにはいられません。

 そうした一見無理な事に思える農業生産を支えている一つの要因が、農薬の大量使用にあると言われます。中国では、年間4124万トンの化学肥料を使っているとされ、それは農地1ヘクタールに換算すると400kgに相当します。先進国では、1ヘクタールあたりの安全限界を225kgとしているので、その数値をはるかに超える使用量となります。

 化学肥料の中でも特に大量に使用される窒素肥料は、利用率としては40%程度に留まってしまうので、残りの60%近くは作物に有効に吸収される前に蒸発するか、流出して水や土壌、大気などの環境を汚染している事になると考えられます。統計的には1985年から2000年までの15年間に1億4100万トンの窒素肥料が使われたので、1年あたり900万トンが流出して汚染物質化した事になります。

 病害虫に対抗する農薬に関しても、年間120万トンと使用量が多く、過剰使用による生態系の均衡や生物多様性の破壊が懸念され、堆積し、残留した農薬によって人や家畜が危険に曝される恐れも現実化してきています。また農薬に限らず、作物の育成に使われるプラスティックフィルムも問題化してきており、大部分が非分解性である事から、土壌の水に対する流動性を妨げたり、分解性のある素材でも分解の過程で新たな有毒物質を産出してしまう事も考えられ、生産性のみを考えた農業には綻びが見えはじめています。諸外国の残留農薬に関する規定が厳しくなった事で、農薬使用に関する基準を満たせない事から陸揚げできずに返送となり、大きな経済損失を出したという事例も出てきているそうで、そろそろ転換点にきている事が伺えます。大きな環境問題に繋がらないうちに、良い方向へ向かう事を願いたいと思います。



第572回 テンペ健康法     2006年07月14日

インドネシアの伝統的な発酵食品で、原料や作り方が日本の納豆に似ている事から、インドネシアの納豆という捉え方をされる「テンペ」。そのテンペに糖尿病や動脈硬化といった生活習慣病を予防する働きがある事が、岡山大医歯薬学総合研究かの松浦助教授の研究によって明らかになってきています。

 テンペは、煮た大豆をハイビスカスの葉で包んでおくと、葉の表面に付着したクモノスカビの一種であるテンペ菌によって、自然に発酵が進んで出来上がるという、納豆によく似た製法で作られます。納豆との大きな違いは、大豆の一粒ずつがテンペ菌の菌糸で繋がれ、固まった状態で仕上がり、糸を引いたり特有の強いにおいを出すといった事がありません。大豆由来のほんのりした甘味がある食味で、スライスしたり、粗く砕いたりして調理します。

 これまでは栄養的に優れた一面、良質の植物性タンパク源となる事や、ビタミンB群、食物繊維、レシチン、サポニン、イソフラボンなどが豊富である事が知られていましたが、今回の研究ではテンペの摂取後の血液検査によって、糖尿病の程度を判定する物質の数値が減少したり、悪玉コレステロール代謝物が、通常4分の1から6分の1程度まで減少する事が判っています。しかもそうした効果は、2週間ほど継続するそうです。

 食品は発酵させる事によって、含まれている栄養素の吸収が良くなったり、それまでなかったような成分や働きが生じる事があります。大豆自体が優れた健康食であり、それを発酵させた納豆がさらに優れた健康効果を発揮してくれる事は、これまで充分に実証されている事でもあります。テンペもそうした一例となるという事でしょうか。すでに大手食品メーカーやスーパーなどでは、テンペの販売強化に乗り出す動きが見られているそうですが、納豆を知る日本人にとっては、それほど奇抜な食材とは映らないだけに、健康に良い働きを持つ食材である事が判ったテンペが、日常の食材として解け込んで行く事を期待したいと思います。



第571回 ホヤ効果?     2006年07月13日

 グロテスクな物で、およそ食品という連想がわかない食材について、「はじめて○○を食べた人は、度胸があった」という言い方があります。よく聞かされるところでは、ナマコなどがそう言われる事があるのですが、似たような感じで「ホヤ」も最初に食べた人は度胸があったように思えてしまいます。

 ホヤはその外観から海のパイナップルと呼ばれる食材で、植物の一種と誤認される事もあります。北海道から九州まで幅広く生息し、最近では養殖物が主流となっています。本来、ホヤを食べる習慣は主に東北の太平洋側、主産地である三陸を中心とした地域で、食用としている地域はそれほど広くはなかったと言います。それが築地市場をはじめ関東の市場に入荷しない日はないとまで言われるほど普及した背景には、主要産地となっている地域の方が、就職などで上京してきた事が影響していると食の分散に関する研究では言われています。

 そんなホヤに新たな健康効果が発見されていました。ホヤに含まれる脂質の一種、「プラズマローゲン」にアルツハイマー病を防ぐ効果がある可能性が高い事がしてきされています。今回の研究は、東北大学大学院農学研究科食品学の宮沢教授をはじめとする研究チームによるもので、すでに動物実験での証明を終え、錠剤などの製品化を進め、健康食品としての発売を検討しているそうです。

 アルツハイマー病は、脳の神経細胞が死ぬことが原因と考えられています。これまで、患者の脳内ではプラズマローゲンが通常より3割程度減少していることが知られていましたが、プラズマローゲン自体の働きは明らかにされていませんでした。宮沢教授による研究は、細胞の培養実験の結果として、プラズマローゲンに神経細胞の死を防ぐ効果がある事を解明し、プラズマローゲンを与える事で記憶、学習能力の低下を防ぐ事が可能という結論を得ています。プラズマローゲンは牛の脳にも含まれていますが、BSE(牛海綿状脳症)への感染の懸念がある事から、手に入りやすい食材を検討し、ホヤやカキ、ウニなどの食材に多く含まれている事を発見しました。その中でホヤは、それまでは廃棄していた内臓に多く含まれる事から、製品化への有力な候補となったそうです。食品由来の安心できる成分が怖いアルツハイマー病を防ぐのであれば、非常にありがたい事と発売の時を待ちたいと思っています。



第570回 危険通話     2006年07月12日

 罰則が設けられ、一掃されるかと思っていた運転中の携帯電話の使用ですが、街中を見回したところでは、それほど大きな変化は感じられないように思えます。ハンズフリーのイヤホンを肩にかけたままという方も見かけるので、一応気にしてる方も増えたのでしょうか。そんな運転中の携帯電話の使用ですが、飲酒運転よりも危険とするレポートが人間工学関連の雑誌、「ヒューマンファクターズ」の夏号に掲載されていました。

 今回のレポートはユタ大学心理学部のドリューズ博士を中心とした研究によるもので、40人の被験者に運転シミュレーターを使ってもらい、ペースカーの後について所定のコースを走るというかたちで行われました。被験者の一部には携帯電話を使用してもらい、別の一部は法律で飲酒運転とみなされる最低値の血中アルコール濃度である0.08%になるようにアルコールを摂取、それ以外には通常の状態で運転してもらっています。

 その結果、携帯電話を使用する事は、通常の状態で運転する事に対し、事故を起こす可能性が5.36倍も高くなり、追突事故も3回計測されています。それに対し通常の状態での運転に限らず、飲酒運転のグループでも追突事故は記録されず、携帯電話の使用の危険性が際立って高い事が伺えます。

 飲酒運転の傾向としては、ドライバーの攻撃的な面が強くなる事が考えられますが、携帯電話の使用は反応速度の鈍化に繋がると言われます。反応速度の鈍化は、前走車のブレーキや加速に対する反応が遅れ、全体の流れに影響を与える事がより事故の可能性を大きくしてしまう事も考えられ、危険性をより高いものにしてしまいます。そうした傾向はハンズフリーの機材を使用しても、それほど大きな差が見られない事から、会話への集中が原因と思われます。分析によっては視覚情報の処理能力が50%も低下するというデータもあります。君子危うきに近寄らず・・・危ないと言われる事はしないに限ります。



第569回 期待のタンパク     2006年07月11日

 世界中で最も感染者数の多い感染症の一つと言えば「虫歯」ではないでしょうか。虫歯はミュータンス菌によって本来頑丈なはずの歯のエナメル層が侵される事によって起こります。何より怖いのは、他の部位が何らかの疾患に冒されても、免疫力や自己治癒力でやがて回復していきますが、虫歯にはそれが当てはまらない事です。

 そのため現在の虫歯治療としては、ミュータンス菌によって侵された部位を削り取り、何らかの詰め物で補填するという事が中心となっています。そんな虫歯治療に新たな技術が投入されようとしています。オーストラリアのプリズベンで開催された第84回国際歯科研究学会総会において発表されたレポートによると、「デントニン」と名付けられたタンパク質によって、虫歯となった歯の構成成分の再生が促されるという事です。

 デントニンは歯の外側のエナメル質と中心部の歯髄に挟まれた象牙質という骨に似た硬い組織の再建を助けるように設計された合成タンパクで、虫歯によってエナメル層や象牙質をドリルで削る治療が行われ、そのため神経が露出して熱いものや冷たいものへの過敏症の原因となったり、歯根管治療や最終的にはインプラントが必要になる事を緩和できると言います。

 デントニンは神経が露出する恐れがあるような深い虫歯に最も効果があるとされていますが、有効性を裏付けるには、もっと多くの臨床試験が必要とされています。虫歯も怖いのですが、虫歯治療によって歯を削られ過ぎる事も怖い事の一つとなっています。それを治療できる技術ですから、一日も早い実用化を期待したいと思っています。



第568回 七夕の食     2006年07月10日

 今年の七夕は、どちらかと言うと台風情報の方が気になって、これといった特別な事は何もしないまま終わってしまいました。季節や節句、節季など毎にイベントを設け、メリハリのある一年を演出するのも健康法の一つと提唱する身としては、少々後ろめたい気もしてしまいます。せめて夜空でも眺めて、簡単な食べ物でもと思うのですが、七夕と結びつく食は意外と少ない事に気付かされてしまいます。

 「年中重宝記」や「年中行事抄」といった古い文献には、「七夕には素餅を食べる」と記載されています。この「素餅」に関しては、古代の中国で七夕の日に亡くなった子供の霊が悪霊となり、人々に熱病を流行らせたために、その子が生前好きだった「索餅」を供えて祟りを鎮めたという古事が元になっています。その後、七夕という節句に、病よけとして索餅を食べる習慣が残されたとされていますが、素餅に関しては詳しく触れられていません。文字から見る感じでは、何も入っていないプレーンな餅という感じがして、悪霊を鎮められる物だろうかと疑問が生じてしまいます。

 中国の文献には素餅の記載はよく見られます。登場回数の頻度から考えると主食に近い存在のように思えるのですが、詳しい内容についてはほとんど残されていません。「餅」と記載された食べ物が後の文献では「麺」と書かれる事を考えると、麺類の一環であったようにも思えます。実際、七夕の素餅を素麺のルーツとして捉える事は、よく聞かされる事でもあります。日本最古の漢和辞典とされる「新撰字鏡」には、素餅に対し「牟義縄(むぎなわ)」という和名を当てています。牟義(むぎ)には、麦という植物もしくは小麦粉を使った物という意味があり、縄状の麦製品という考え方ができてしまいます。

 そうした事を素直に捉えると、縄状に幾度も捻りを加えながら引き伸ばして成形される麺という事で、素麺が最もそれらしい感じがしてくるのですが、子供の霊を鎮めるという点からは、素麺では少々無理があるように思えます。時代、地域は異なるのですが、台湾、特に台中で「餅」というとパイのような焼き菓子を指します。小麦粉に砂糖、麦芽糖、ラード、蜂蜜などを加え、甘味をおさえた生地を幾重にも重ねて仕上げ、形状や中の餡、表面の処理などで「太陽餅」や老婆餅といった具合に名前が変わります。基本となる生地を焼いた物で、餡を含まない物が素餅ではないのか、そう考えると何となく納得してしまいます。



第567回 食パン1斤     2006年07月07日

 食パンというと、かなり日常的な存在ですが、その食パンを数える際、「斤」という耳慣れない単位が使われています。通常、1斤単位で売られていますが、この1斤、焼き型で見る食パン1斤は、売り場で見かける食パンの2倍、2斤にあたるように見えます。本来の「斤」を知らないだけでなく、食パンをめぐる「斤」には、実は複雑なものが隠されています。

 パンという食べ物は、天文年鑑にポルトガルから伝来したと言われています。その後、定着はしなかったのですが、文明開化が進む明治初期、主食用のパンとして山形のパンが発売され、「食パン」という名称が使われるようになっています。当時、食パンを焼くために使われた焼き型は、ほとんどがアメリカやイギリスからの輸入品で、この焼き型で作られるパンが1ポンド(約450g)のパンとされています。

 それまで使われていた重量の単位では、160匁(もんめ)を1斤としてました。ポンドという単位は、漢字で表記すると「听」が使われたので、同じく重さを示す単位である「斤」と混同された事がより扱いをややこしくしてしまいました。160匁はグラムに換算すると約600gにあたり、実際の1ポンドは120匁になってしまいます。そのため、苦心の末、舶来品に限り120匁で1斤とする変則的な数え方が登場しています。

 現在、公正競争規約により食パンの1斤は340g以上と定義されています。戦後、食パンの主な需要として、駐留兵士のサンドイッチ利用が多かった事から、8枚切りの食パンが定着し、日本人の好みの食感に合せていく中で、厚さが増し、6枚や4枚といった厚切りの食パンが流通するようになって、今日の販売スタイルが出来上がった事が影響しているように思えます。1斤という数え方は、一つの単位として使われているようで、業務用の焼き型から取り出されてすぐの物は、3斤にも関わらず1本と数えられてしまうようです。



第566回 黄砂症     2006年07月06日

 よく晴れた日なのに遠くの景色が見渡せない。どことなく霞がかかった感じで、霧や霞だと白っぽくなるのに、わずかに黄色い感じがする。春の風物詩でもある「黄砂現象」です。中国大陸で舞い上がる砂嵐が飛来したものとされていますが、この近年、砂漠化の影響を受けて黄砂の飛来量は増える傾向にあると言います。

 黄砂は、ゴビ砂漠やタクラマカン砂漠などの黄土地帯で、強風によって舞い上がった多量の砂塵が上空の偏西風によって運ばれ、飛来するものとされています。濃度が濃い場合は、景色が黄褐色になる事もあるほど多量の砂塵が降る事があり、気象庁の定義では、大陸性の土壌粒子によって視界が10km以下になる現象を黄砂現象としています。

 よく知られたところでは、大量の飛来によって洗濯物や駐車中の車が汚れたり、農産物に被害が出るなどの弊害もありますが、最近、花粉症などのように、黄砂が飛来する事で体調不良を訴える人が増えてきたと言われます。症状は漠然とした体調不良から呼吸器の不調などさまざまで、時期的に重なる事から花粉症や風邪などと混同されている事も多いと言います。

 黄砂の成分を分析すると多くは珪素で、アルミニウムやカルシウム、鉄分などが含まれています。そうしたものが降り注ぐ事で、土壌や海洋へミネラル分が供給されたり、炭酸カルシウムが多い事から酸性雨の中和などのメリットがあると言われる事もありますが、氷雪や氷河上に積もり、太陽光を反射させなくする事から温暖化を促進する事。汚染物質を吸着して運搬してしまう事などの弊害も考えられます。特に黄砂の飛来ルート上に急激な工業化が行われている事や、砂漠での核実験などの要因は、健康という面からはかなりの不安材料となります。最近、同じく黄砂の弊害が言われるようになってきた韓国では、黄砂の飛来によって体内で酸化障害が起こっているとする研究結果が出され、人体の細胞や赤血球、DNAなどに障害を与える物質を含む可能性が示唆されています。春の訪れとして暢気な気持ちで眺める事ができなくなってしまった事に、一抹の寂しさを感じてしまいます。



第565回 絶滅危惧バナナ     2006年07月05日

 先日、バナナの種が発売されているのを見つけました。種から育てるらしいのですが、日本の気候でも2週間ほどで発芽し、うまくいくと2年ほどで実が収穫できると言います。さすがに観賞用の品種なので、収穫した実は食べられないそうですが、身近なようでガーデニングなどとは程遠いバナナを育てるというのは、それなりに興味深いものがあります。

 通常、果物として購入するバナナには種がありません。バナナを切って注意深く観察しても、それらしい痕跡を見つけるだけで種その物を見つける事はありません。これはバナナが栽培種として品種改良が施され、食用に適した状態になっているためですが、その事がバナナ絶滅という悲劇に繋がりかねないとする学説が出されています。

 バナナはショウガ目バショウ科に属する多年草で、野生種は多く存在しています。しかし、現在栽培の主流となっているのは、インドにルーツを持つ「キャベンディッシュ」種がベースになっています。しかも交配させて種で増えるものではなく、挿し木によって増やしてきたので、遺伝子の多様性が著しく乏しくなっています。そのため一定の病気に対し抵抗力が劣り、ひとたび病気が蔓延すると絶滅に瀕する怖れがあります。

 そうした懸念が具現化したかのように、この数年「黒シガトカ菌」による病気が世界的に蔓延しています。病気に強い遺伝子を持った原種のバナナと交配させ、病気への対策を講じる必要があるのですが、現在、有望視されているのはコルカタ(旧カルカッタ)の植物園にある1本のみと言われています。野生種のバナナも近年の森林破壊によって数を減らしつつあるので、学説において危惧されていた10年以内に絶滅という事も、ある程度現実化しそうで怖いものがあります。



第564回 苦酒     2006年07月04日

 「苦酒」・・・苦い酒と書いて「からざけ」と言います。苦い酒というといかにも辛い状況の中で飲む酒のようで、体に悪いイメージと、一部のリキュール類のような体に良い両極端のイメージがあるのですが、こちらは体に良い酒。酔ってしまう事はないので、子供や運転中の人でも安心して愛用する事ができるもの、広く使われている調味料「酢」の事です。

 「酢」という文字は、酒を造るカメを表した象形文字「酉」と酸っぱいものへの反応として、窄(すぼ)めるが組み合わさって作られています。発酵によって酒を作った後、含まれるアルコールが酢酸菌によって酢酸発酵されると酢ができあがります。清涼感があり、食欲を増進する働きや殺菌作用がある事から、多くの料理に使われています。最初に酒の状態にする事から、ワインビネガーやモルトビネガーなどのように、世界中の代表的な酒からは酢が作られています。

 最も古い調味料は、塩と考えられるのですが、酢はそれに次ぐ古さを持つ調味料と考えられています。紀元前5000年のバビロニアの古文書にも記載が見られ、当時から愛用されていた事が伺えますが、酒を放置したままで空気中の酢酸菌によって酢になるとはいえ、完全に放置したままではうまく発酵させる事ができない事から、既に調味料としての利用を前提として管理された下で製造されていた事が判ります。

 酢の主成分は酢酸で、酢酸には揮発性がある事から、つんとくる刺激があります。醸造する過程で糖分や原料に含まれていたタンパク質が分解されてできたアミノ酸が含まれ、まろやかな味わいを作り出しています。このアミノ酸には、人体では作り出す事のできない必須アミノ酸が含まれていて、少量の酢を摂る事でダイエットや健康管理に有効とする根拠となっています。暑くなる季節に減退しがちな食欲を増進し、疲労回復に役立つ食品として注目を集める存在でもあります。



第563回 筋肉痛予防果汁     2006年07月03日

 運動をすると疲労物質の蓄積などによって、筋肉痛が残ってしまう事があります。新陳代謝の活発さによって筋肉痛が本格化する時間が違うという言い方があるので、比較的遅めに出る私は代謝が下がっているのでしょうか。筋肉痛には、二つの原因が考えられます。一つは急激な運動によって、筋肉内の酸素供給が間に合わなくなり、エネルギー源のブドウ糖が不完全燃焼を起こし、燃えカスと言える乳酸が発生し、蓄積してしまう事。もう一つは普段使わない筋肉を急に使うため、筋繊維が損傷して炎症を起こしてしまうというものです。

 損傷した筋繊維が補修される事によって、筋繊維自体の断面積が大きくなり、より大きな力が得られるようになると考えられていた事から、筋肉痛は筋力トレーニングには欠かせないとされていた時代もありましたが、最近では必ずしもそうではないと言われてきています。そうなると厄介者という感じがする筋肉痛ですが、意外な方法で痛みを軽減させる事が可能という報告がされていました。

 スポーツ系医学誌に掲載された研究報告によると、運動後にサクランボの果汁を飲む事で筋肉痛の痛みを軽減する事ができるそうです。この研究はバーモント大学の研究チームが、ボランティアを対象として実施したもので、サクランボとリンゴの果汁を混合した飲料を飲むグループと、サクランボを含まないリンゴ果汁を飲むグループに分け、360ml入りのボトルを一日に2本、3日間飲んでもらい、4日目に筋繊維に損傷が生じるような急激な運動をしてもらって、経過を観察しました。また、2週間後にはグループを交代してもらい、同様のプロセスを行っています。

 筋肉の痛みを10段階で評価し、筋力や痛みによって身体が動きにくくなる事が考えられる事から、可動域についても測定が行われ、サクランボ果汁なしの場合、22%程度の低下が見られた事に対し、サクランボ果汁入りの飲料を飲んだ場合、4%程度の低下に留まり、痛みの評価もサクランボなしが3.4点であった事に対し、サクランボありでは2.4点と低く、わずかに筋力の増加も見られたそうです。今回の研究では、サクランボがどのように作用するのかについては言及されておらず、サクランボに含まれる酸味成分であり、疲労軽減作用のあるクエン酸が作用しているのか、エネルギー源となる果糖が効果を発揮しているのか、それともサクランボ特有の成分があるのかについては不明のままです。また、研究の資金援助を行っているのがサクランボの果汁飲料を製造しているチェリーファーム社である事も、少々微妙な内容となっています。



 

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