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第761回 副作用?     2007年04月27日

 何らかの薬品を使用した際、本来目的とした作用以外の働きが生じてしまう事があり、それらは副作用と呼ばれます。薬品が体内で代謝される途中で生じる物質が影響したり、薬品に含まれた不純物が原因となる場合もあり、身体とさまざまな物質の働きの相乗効果がきわめて複雑である事から、副作用の予測は難しいものとされます。

 副作用については有害な事例ばかりが言及される事から、副作用自体が悪いものとして扱われるのですが、本来目的とした作用以外の働きという点では必ずしも身体に有害なものばかりではなく、中には副作用が本来の目的を離れて効能として独立する例も珍しくはありません。最近では、眠くなるという副作用を利用した睡眠改善薬なども登場しています。

 先日、日本では未承認ですが関節リュウマチの治療用に処方される「キネレット」と呼ばれる薬剤に、体内のインターロイキンー1βという物質の働きを阻害する事で思わぬ効能が生じる事が発見されていました。

 元々キネレットはインターロイキンー1受容体の拮抗薬なので、インターロイキンー1βの働きを阻害する事は当然なのですが、インターロイキンー1βはすい臓のランゲルハンス島にあるインシュリンを分泌する細胞であるβ細胞の細胞死滅を促す働きを持っていた事から、糖尿病に対し良い働きを持つ事が判ってきました。

 体内のインシュリン産生や作用が低下する2型糖尿病では、1型糖尿病と同じくβ細胞が破壊される事があり、その際の細胞の破壊にインターロイキンー1βが関わっている事は過去の研究で知られていました。キネレットを処方したグループとそうでないグループに分けて13週間にわたって臨床試験を行った結果、有意に糖尿病合併症のリスクを低減させる事が示されています。

 インターロイキンー1βは動脈硬化の合併症にも関与している事が言われているので、今後研究が進めば新たな効能の方が薬効として出てくる可能性があります。日本での承認には時間がかかる事も考えられますが、その間に循環器系の薬剤として再デビューして承認されるような流れがあるかもしれません。副作用と言っても、こちらはありがたい作用かもしれません。

 



第760回 ぬた?     2007年04月26日

 和えるというと調理方法の一つを指し、材料や調味料などを混ぜ合わせる事を言います。同じく材料を混ぜ合わせて調理する「漬ける」とは異なり、和えるは軽く混ぜ合わせた感じと、調理から食べるまでにそれほど時間をかけない事を理解する事ができます。

 どちらかと言えば液体が介在する事をイメージしてしまうように、味噌やみりん、しょうゆなどを使う場合が多い事も和えるという調理方法の特徴となっています。同じように液体を含んだ物を混ぜ合わせる調理を行う事でも、小豆餡を用いる場合は和えるではなく、「まぶす」と表現されてしまいます。

 そんな和える調理手法の中で、酢味噌和えにした物を特別に「ぬた」と言う事があります。ぬたは漢字では「饅」と表記される事もありますが、「沼田」と書かれる事もあり、語源から考えると沼田の方が適切なように思われます。

 ぬた(沼田)は、味噌と酢を混ぜ合わせた様子がどろどろした沼田に似ている事からそう呼ばれるようになっています。色合いや質感から言って味噌の方が、より沼田に似てくる事から味噌を使った場合に限定されがちですが、本来はぬるぬるした食感の和え物全般を指していました。

 酢の物が多い事から「ぬた和え」、「ぬたなます」という呼び方をする地方もある事や、酒粕を用いた「粕饅(かすぬた)」、柔らかく煮た枝豆を潰して和える「豆饅(まめぬた)」の存在は、ぬたが味噌に限定したものではない事を示しているように思われます。

 「葷酒山門に入るを許さず」と仏教で禁止された臭いの強い五葷と呼ばれる食材、ネギ、ラッキョウ、ニラ、にんにく、ノビルとの相性が良いとされるぬたは、臭いの元である硫化物の臭みを封じ込める働きを持つ成分を含んでいる事から、経験的に導き出された事とはいえ伝統的な調理の知恵に驚かされてしまいます。

 



第759回 予防嗜好品     2007年04月25日

 休日、パソコンに向かってしまうと気が付けばかなりの量を消費しているのですが、コーヒーと言うとクロロゲン酸の健康効果やカフェインのダイエット効果などで健康に役立つという意見もありますが、過ぎたるは・・・と健康に役立つかどうかについては疑問を持たれてしまいます。

 コーヒーは濃さや豆の炒り方によるカフェインの含有量、飲用する量といった付き合い方さえ考えておけば良い嗜好品となりそうなのですが、タバコだけは同じ嗜好品としても否定的な意見以外は聞かされません。百害あって一利なし、用法用量をきちんと守って正しく使っても死に至るリスクを高める唯一の商品という言い方もされますが、そうしたコーヒー、タバコに健康上のメリットがある可能性が出てきました。

 過去の研究においてもコーヒーの摂取、喫煙によるパーキンソン病予防の可能性が示唆されていましたが、今回行われたパーキンソン病患者356人とその家族317人を対象にした研究では、パーキンソン病患者は、罹患していない血縁者と比較して喫煙経験者の比率が44%低く、現在も喫煙を行っている人の場合、70%も低い値となったそうです。

 また、コーヒーに関しても、よくコーヒーを愛用している人ほどパーキンソン病になりにくく、総カフェイン摂取量とパーキンソン病の発症には明確な反比例関係が確認されています。

 今回の研究は、生活の中での嗜好品の使用状況とパーキンソン病の発症状況を傾向的に捉えたもので、喫煙やカフェインの摂取がパーキンソン病の発症リスクを低減させるメカニズムには触れていないので、嗜好品という環境因子が単体で作用しているとは考えにくいものがありますが、健康に役立たないとされた物でも、何かの役に立っているというのは面白い情報かもしれません。

 コーヒーや喫煙を好む遺伝子が作用している事や、嗜好品によってストレスをコントロールするという生活スタイルなどが良い方向に働いている事も考えられますが、怖いパーキンソン病の予防に繋がる事だけに、今後のけんきゅうの展開に期待したいと思っています。

 



第758回 ダイエット不要論?     2007年04月24日

 本当に必要かどうかは別として、ダイエットという言葉は日常的に聞かされるものの一つではないでしょうか。メタボリックシンドロームが一般的に浸透するようになってからは、よりダイエットの必要性を聞かされる機会が増えるのではないかと考えています。

 さまざまな手法が存在するダイエットを実施するたびに思い知らされるのは、身体の状態を一定に保とうとする「恒常性」という働きの強力さだと思います。ダイエットに付物とされるリバウンドは、この恒常性によるものが大きく関わっています。

 ホメオスタシスと呼ばれる事もある恒常性は、生物が持つ重要な働きの一つで、生物の内部、外部を問わず環境因子の変化に関わらず生体の状態を一定に保とうとする性質の事を指します。身体の体脂肪率を低下させようとするダイエットに対し、恒常性は何とかして体脂肪率を元の状態に保ち、回復させようと働きかけます。

 そのためこの恒常性の働きによって、ダイエットの永続的な成功を成し遂げる事が難しくなってくるのですが、実際、ダイエット成功した人の多くがリバウンドによって元の体重か、それ以上になってしまう事が最近の研究で明らかにされてきています。

 ダイエットをはじめて半年で10%程度の体重減少が見られた人のうち3人に2人は、5年後には最初に減った分以上に体重が増えている事が判ったとされ、リバウンドの影響の大きさが実感されます。体重の増減を繰り返す事は、心疾患や脳卒中のリスクを高める事が指摘されているだけに、ダイエットとリバウンドを繰り返す事は健康上思わしくないと言えます。

 極論になってしまいそうですが、今回の研究結果はダイエットをしても体重の低下を維持できず、健康上のメリットも得られないの人が多いという事を示し、体重の増減による身体への負担を考えた場合、ダイエットをしない方がよかったという事になります。体重の管理は日常を通して長期間にわたって取り組むべき課題であり、短期間に行える方法に頼るべきではない問題なのかもしれません。

 



第757回 静かに闘う拳法     2007年04月23日

 以前、拳法の格闘劇がテーマのアクション映画が流行した事があります。低予算ながら大ヒットしたカンフー映画に端を発したもので、当時は劇中で拳法が使われていれば何でも良いと言わんばかりに多くのB級映画が放映されていました。中にはB級映画好きの私でも少々戸惑う内容の物もあり、それなりに楽しめた覚えがあります。そんな中に悪役の親玉が太極拳の達人という設定の物があり、主人公の少林寺拳法と闘うにはあまりに無理がないかと疑問に思った事があります。

 健康法として知られた太極拳は、独特なゆったりとした動作が特徴で、拳法の姿を借りた健康体操という捉えられ方をされる事が多く、実用性は低いと考えられがちです。しかし、実際の太極拳は古い歴史と高い実用性、高度な技術を兼ね備えた武術であり、東洋哲学の中心的概念でもある太極思想を取り入れた護身術とされます。

 起源については謎の部分が多く、河南省の陳一族に家伝の拳法として伝えられた武術とされ、創始者に関しては明代の末から清代のはじめに活躍した武人、陳王廷が考案したと言われています。武術として継承されてきた太極拳は、「伝統拳」と呼ばれて区別され、私達が日頃、朝の公園などで行われている光景として目にする緩やかな動きは「制定拳」と呼ばれています。闘いに関しては伝統拳の範疇となるのですが、制定拳も意外な部分での闘いに役立つ事が最近の研究で明らかになってきています。

 帯状疱疹は一度ウィルスに感染して水痘ができると、水痘が完治してもウィルスが神経節の中に潜伏している状態が続くので、ストレスや心労、老齢、日光などの刺激によって免疫力が低下すると、ウィルスが神経細胞を取り囲んでいるサテライト細胞の中で再活性化して症状が再発し、神経に沿って帯状に発疹と水ぶくれが出現して疼痛を伴う厄介な感染症です。

 神経に影響を与える事から、強い痛みを伴う帯状疱疹は、高齢者の多くが感染しているとされますが、太極拳を行うだけで標準的なワクチン接種に匹敵するレベルまで免疫力が向上する事が判ってきています。59歳から86歳までの112人を対象に25週間にわたって実施された研究では、太極拳とワクチン接種を共に実施した場合、免疫力は中年の健康な成人と同程度にまで向上したそうです。

 また、今回の知見はインフルエンザや肺炎などの他の感染症にも応用が期待できるとされ、ワクチンへの反応が鈍化している高齢者へのワクチン効果の補強に繋がるものとしても注目されています。各動作を理解して憶える事や、呼吸法など難しげな側面もありますが、少しずつ毎日の生活の中に取り入れていけば、無理のない健康管理ができるかもしれません。感染症がさまざまな懸念となる時代、免疫力を高めるには古きに学べという事ではないでしょうか。

 



第756回 コラーゲン入り?     2007年04月20日

 普段は見向きもしないのですが、先日のホワイトデーにはたくさんのマシュマロが特設の売り場に陳列され、キャラクターに惹かれて思わず購入してしまいました。私的には、柔らかくふわふわとした独自の食感がどことなく食品という感じがしなくて、和菓子の「淡雪」や「鶴の子」同様に苦手な物となっているので、一袋を食べてしまうにはかなりの時間がかかるものと思われます。

 気になったのは、パッケージの袋に書かれた「コラーゲン入り」という表記で、元々マシュマロがゼラチンから作られる事を考えると、ゼラチンの主成分はコラーゲンでもあるので、わざわざ言わなくても...という感じがしてしまいます。

 最近ではマシュマロは格好良く、「ギモーブ」と呼ばれる事も増えてきています。お菓子なのでフランス語で呼ばれる事自体は、それほど抵抗ない事かもしれませんが、どことなく固そうな雰囲気を感じてしまうのは私だけでしょうか。

 マシュマロの語源は英語で、沼に咲く葵の一種である「ウスベニタチアオイ」を指す「マーシュマロウ(MarshMallow)」からきています。フランス語のギモーブもウスベニタチアオイを指しているので、植物名がそのままお菓子の名前となっている事になります。ウスベニタチアオイは効能がある事で知られ、特にアオイ科の中でも薬効が強いとされています。

 全体に粘液物質でもあるアルテインが含まれ、根の部分に多い事から根を「アルテア根」として胃の炎症を抑えたり、消化器官の保護、喉の疾患などに使われてきました。口内炎にも良いとされ、早くから根を絞った物をシロップにしたり、もっと扱いやすくするためにトローチにもされていました。

 そうした粘性物質に砂糖や卵白を加えて固めるという製法から、薬効成分のウスベニタチアオイが抜け、より扱いやすいゼラチンに置き換わった事がマシュマロの誕生と思われます。今では卵白に砂糖を加えて泡立てたメレンゲに、熱いゼラチンを加えてからの繊細な泡の扱い方など、高度に洗練されたマシュマロですが、私を含め好きという人にはあまり出会えません。欧米では軽く火で焙るという食べ方も一般化しているようなので、一度試してみるとマシュマロ観が変わるかもしれないと密かに考えています。

 



第755回 キーワードはAGF     2007年04月19日

 AGFと言うと某大手食品メーカーが思い浮かび、たまに愛用しているインスタントコーヒーを連想してしまいます。ここでのAGFはそうした企業とは関係なく、これから健康に深く関わってくるかもしれない肝臓から分泌されるタンパク質の事です。

 血管を再生させるタンパク質としてアンジオポエチンが知られていましたが、AGFは体内でアンジオポエチンと共通した塩基配列のものを探しているうちに発見され、アンジオポエチン様増殖因子としてAGFの名前が付けられています。

 AGFは血管や皮膚、軟骨などの細胞増殖を強力に促し、広く傷の治療を促進する働きがある事から再生医療の分野で注目を集めています。AGFの働きによって傷が速やかに治る事や、年齢と共に磨耗が懸念される割には回復力が著しく小さい軟骨を再生してくれるという働きは、これからの高齢化社会で必要とされる事が容易に想像する事ができます。

 AGFの働きはそれだけにとどまらず、肥満を防ぐという新たな働きも発見されています。遺伝子操作によってAGFを持たないマウスを作り出したところ、通常のマウスの体重が30g程度であるところが倍近い50gの肥満マウスに育つ事が報告され、基礎代謝が低く、体脂肪が多くなって糖尿病の症状も観察されています。

 逆に2倍のAGFを持つマウスでは、高カロリーのエサを与え続けても体重の増加が見られず、通常のマウスが24gの体重増加した内容のエサでも8gしか体重が増加していなかったと言います。また、通常のマウスに高カロリーのエサを与えて肥満させた後、AGFの分泌量を増やす治療を行ったところ、肥満や糖尿病の症状が改善された事も確認されています。

 今後、AGFを使った肥満治療の確立やダイエット薬への応用も考えられており、登場が楽しみな薬剤である事は間違いなさそうです。AGFの働きによってインシュリンへの反応も良くなるそうなので、ダイエットに限らず糖尿病の治療への応用も可能とされています。傷を早く治し、関節痛、肥満、糖尿病も治してくれるとなれば、欲しくない人は少ないのではないでしょうか。

 



第754回 ヘルシージャンク     2007年04月18日

 小麦粉に他の材料を合わせ、特徴はオリーブ油を少量加える事。しばらくこねた後、乾燥を防ぐために濡れ布巾でカバーをし、温度を一定に保ちながら発酵させてまたこね上げます。それを円形に薄く伸ばしてトマトをメインにしたソースを塗り、さまざまな具材とチーズを乗せてスパイスを振りかけ、軽くオリーブ油を回しかけたらオーブンで焼き上げます。

 焼き上がったら食べやすいように6片に切り分けて皿に盛り付けるのですが、具材の下拵えやソース作りも含めほぼ半日仕事になってしまいます。それだけ手間ひまかけてしまう料理なのですが、ピザという存在はどことなくジャンクフードとしての扱いが定着してしまっているように思えます。

 準備の大変さは別として手軽に食べれるという点では、ファーストフードとしての用件を満たしていて、そこからジャンクフードという事になってしまうのでしょうか。手軽ではあるが栄養価は期待できないというのがジャンクフードとされるので、それに異を唱えるのか健康的なピザの作り方についてレポートが出されていました。

 小麦をベースにした食品の健康効果に関する研究の結果、ピザの生地(クラスト)の作り方によっては病気を予防し、健康に繋がる抗酸化作用を増加させる事が可能という報告がされています。具材に脂肪分の多いサラミなどを多量に使うと、そうした健康効果が台無しにされてしまう可能性はありますが、大した手間ではないので実践してみる価値はあるかもしれません。

 小麦に含まれる抗酸化物質は胚芽やふすまの部分に多いので、それらが取り除かれていない「全粒粉」を使い、イースト菌による発酵を通常の発酵時間である18時間から48時間まで延ばす事で、抗酸化物質の含有量が最大で2倍にまで増やせる事が判っています。さらに生地を焼く温度を高温にし、焼き上げるまでの時間も長めにする事でも抗酸化物質を増やせる事が確認されています。

 焼き方に関しては、焼く温度を高くすると最大で82%、焼き上げるまでの時間を長くする事で最大60%まで増やせる事が確認されています。現在のところ抗酸化物質が増える詳細なメカニズムは解明されていませんが、生地を作る際、長めに発酵させて高温でじっくり焼き上げる。これで抗酸化作用の高いピザが出来上がります。手間をかける事で健康効果が増加しますが、それでもやはりジャンクフード扱いなのでしょうか...。

 



第753回 ちゃんちゃん?     2007年04月17日

 キャベツ、ピーマン、タマネギ、モヤシ、ニンジンなどの野菜を適当な大きさに切り、バターをひいた鉄板で鮭の切り身と炒めて白味噌で味付けした料理、「ちゃんちゃん焼き」はバター、鮭などの材料がいかにも北海道という郷土色を醸し出す素朴な料理でもあります。

 作り方には幾つかのバリエーションがあり、鉄板を使い白味噌を酒などで溶いた調味料で味付けし、バターで風味付けするのは共通していますが、具材をそのまま炒めて仕上げたり、上にアルミホイルを被せて蒸し焼きにするなど調理法にはいく通りかの違いがあるようです。

 シンプルで豪快、しかも手早くできるという事もあって、古くから親しまれてきた漁師料理とされるちゃんちゃん焼きは、語源という点では親しまれ方や名前のインパクトの割には正確には把握されてはいません。有力なところでは、「お父ちゃん」が作る料理だった事から「ちゃん(父)ちゃん」となったとされています。

 調理法の手軽さからちゃんちゃんと手早く作れるという語源説や、鉄板で調理する際の音由来説。アイヌ語の「混ざる」から来ているとする説。お父ちゃん説に似ていますが東北地方から出稼ぎに来た男衆、「あんちゃん」達が作ったあんちゃん達の料理説。さまざまな素材がごちゃ混ぜになる事が転じてちゃんちゃんとなったとするごちゃ混ぜ説などが知られています。

 面白いところでは、その日に水揚げされた鮭を漁師達が親方に隠れて漁師小屋の中でスコップを使って調理し、それがばれないように着ていたちゃんちゃんこで覆いをして楽しんでいたというものもあり、豪快な漁師料理のかわいい一面という感じがしてしまいます。アルミホイルで被いをして蒸し焼きにするところは、このちゃんちゃんこ説に通じるような気がしてしまい、有力説ではありませんが支持してしまいたくなるものがあります。

 



第752回 海からのリスク     2007年04月16日

 元々お肉とは縁が無い方で、食べるとしても鶏肉が多く、某大手牛丼チェーンに立ち寄る事も皆無なので、普通の食生活の人と比べると狂牛病に罹るリスクは少ない方ではと言われてしまいます。しかし、そうとも言えないものがあり、あまり安心はできないような気がしています。

 現在、さまざまは議論が続いていますが、一応、狂牛病(BSE、牛海綿状脳症)の原因はプリオンと呼ばれる特殊なタンパク質という事になっています。牛を肥育する際、食用の部位を取り除いた残りや病死して食用に適さない牛などを処理し、製造される肉骨粉に狂牛病の牛が含まれていた事が感染の拡大に繋がったと指摘されています。

 そうした感染拡大の経緯が指摘されている事から、米国でも肉骨粉は牛の飼料として使う事が禁止されていますが、莫大な原料が毎日発生する事から、その処理方法として大量に生産され、これまでのような大量消費が行われないために非常に安価に販売されています。牛への使用は禁止されていても牛以外、鶏などの飼料にする事には何ら支障はありません。

 そのため鶏の飼料として大量に使われている事は、すでに広く知られていますが、それ以外にも栄養価が高く、安価である事から魚の養殖にも使われています。米国の養殖魚と言うと、あまり縁が無いように思えてしまいますが、米国の最北、アラスカと言えば鮭という連想ができるくらい日本へ向けての出荷が行われています。

 現地では天然物が消費されていますが、規格が統一でき、脂が乗った養殖鮭のほとんどは日本へ向けて出荷される事となります。そんな鮭の養殖に重宝するのが肉骨粉であり、プリオンの性質から考えれば鮭の体内に入り込んでいる事は、絶対にありえないとは言い切れないものがあります。あくまでも現在、原因に関する諸説の一つであるプリオン原因説を中心とし、鮭という食材一つに焦点を当てた話ではありますが、牛だけに距離を置いていても避けては通れない、そんな怖さを感じさせる事ではあります。

 



第751回 性格変換酵素?     2007年04月13日

 子供の頃、A型、B型、AB型の血液は同じ血液型でしか輸血できないが、O型は他の血液型の人に輸血する事ができるとして、O型の友達に自慢された事があります。また、血液型によって基本的な性格が左右されるかのような考え方が定着しているので、細かい事を気にしているとA型という血液型を非難されてしまう事もあります。

 そのような体験からか、あまり自分のA型という血液型が好きではありません。同じような思いをされた方に朗報が舞い込んで来ました。特殊な酵素を使う事で、血液型を変化させる事ができます。といっても献血などで採取された血液での事です。

 これまでB型からO型へと転換する酵素は、すでに臨床試験の段階にまできていましたが、ロブスタ種のコーヒーの生豆から採れるという酵素は、実用化するには必要量が多過ぎる事もあって、今ひとつ実用性の面で疑問が残されていました。しかもこの酵素が使えるのはB型のみで、A型やAB型を転換させる事はできません。

 今回の発見は、2500種類の真菌や細菌を調べ、2種類の細菌からA型、B型特有の赤血球表面の「糖鎖」を除去する働きを持つ酵素の存在を見つけた事によります。血液型は赤血球の表面に鎖状になった糖類がA型のものであれば「A型}。B型の糖鎖があれば「B型}。両方あれば「AB型」と判定します。糖鎖がないものが「O型」とされ、酵素によって糖鎖を取り除く事ができれば、すべての血液型をO型にする事ができます。

 酵素の立体構造を解析し、糖鎖を取り除くメカニズムも明らかにされていますので、今後、緊急時に輸血用血液が不足した場合、A型やB型、AB型を一旦O型にした後、輸血するという事が可能になります。日本人にはA型が多い事から、A型以外の血液が不足するという話を聞かされます。A型をO型にしてB型へ輸血、これからはそんな事が日常的に行われるようになるのかもしれません。

 



第750回 鶏の雉     2007年04月12日

 鶏のきじ焼き、ささ身のきじ焼き、豆腐のきじ焼き・・・どことなく不思議なものを感じてしまいます。きじ焼きのきじとは、鳥類の雉の事で、焼き鳥の具材が雉である物のはずなのですが、何故か鶏や豆腐、魚などの素材がきじ焼きにされています。

 雉は昔話の「桃太郎」にも登場するほど古くから親しまれ、身近な存在となっていました。今ほど狩猟技術が発達していなかった頃は、雉を使った料理は大変なご馳走として室町時代の文献などにも登場してきます。

 生の状態では透明感のある赤い色をした雉の肉は、鶏肉と同じように火を通す事で白く変化します。そんな雉の肉を焼いた物に見立てて精進料理を作った際、白い色から豆腐が素材として使われる事となりました。豆腐を焼いて塩で味を付け、酒をふりかけて風味を出す事によってご馳走だった雉の肉を再現しています。

 江戸期以降、獣の肉を食べる事が禁止されてからは、このきじ焼き豆腐が一般的なきじ焼きとなってしまいます。しかし、やはり豆腐では雉の見かけに似せる事はできても、味という点では少々無理があり、少しでも雉の美味しさに近付けるためにしょうゆやみりんを使ったタレに漬けて焼くという調理法に変化していきます。

 素材も豆腐から鯖などの魚になり、さらに雉よりも手近な鶏の肉へとバリエーションが増えていき、今日見られるようにきじ焼きは本来の意味を離れ、調理法の一つとなっていきました。今日、きじ焼きと言えば甘いタレに絡めて焼き上げられた物という事で、丼物への応用も見られています。甘辛いタレに絡めて焼くので、照り焼きと区別がつけ難いのですが、何度もタレを付けて照りを出すところが違うのではと勝手に考えてしまっています。

 



第749回 八角由来     2007年04月11日

 八角ウイキョウと呼ばれる事もある八角は、文字通り八本の角を合わせたような星型が特徴的なスパイスです。中国南部が原産のシキミ科の実を乾燥させた物で、中華料理に使われる混合香辛料の五香粉の中心的な役割を担っているためか、香りをかぐとすぐに中華料理を連想してしまいます。

 香りが似ている事からウイキョウの仲間のように八角ウイキョウと呼ばれたり、星のような形をしたアニスという事でスターアニスと呼ばれる事もありますが、ウイキョウもアニスもセリ科という事を考えると他人の空似という感じもしてしまいます。

 実の方は形状から八角と呼ばれていますが、植物としての正式名称はトウシキミとなっています。中国原産なので唐のシキミという意味からきた名前というのが明白なトウシキミは、甘い香りを持つ東洋のスパイスで、豚肉や川魚の臭みを消すのに有効とされ、豚の角煮、魚の揚げ物、杏仁豆腐のシロップなどに使われています。

 数年前、そんな八角が手に入りにくくなっていると料理人の方に聞かされた事があります。製薬メーカーが買い漁っているという事で、香りが強い事から少量ずつしか使わないので品薄の影響は、それほど深刻ではないとの話だったのですが、どことなく奇妙な話として聞いていた事が思い出されます。

 八角は漢方薬の素材として使われる事もあり、胃腸の働きを活発化し、新陳代謝を高めたり風邪、特に咳止めなどに使われています。5〜8%程度の精油成分が含まれ、水蒸気を使って蒸留されて得られる「大茴香油」は、リキュールや香水などにも使われ、料理以外の分野でも幅広く活躍していると言えます。

 そんな八角が何故買い漁りと言われるほど集められ、何に使われるのかと当時は考えたものですが、八角には芳香族アミノ酸の前駆物質として「シキミ酸」が含まれています。シキミ酸は植物のホルモンと言えるアルカロイドや色素となるフラボノイド類、木質を形成するリグニンを合成する素となる物質なので、植物にとって非常に重要な物質でもあるのですが、それが人に必要とされた理由は、このシキミ酸から幾つかの過程を経て得られる薬剤にあります。

 シキミ酸の中心骨格を残しながら化学合成させる事で、インフルエンザ薬のタミフルを作る事ができます。シキミ酸は生合成の中間物質なので、植物に広く含まれていてもすぐに他の化合物に変換されてしまうため、植物全般から容易に得られるものではありません。そのシキミ酸を大量に含んでいたのが名前の元ともなったシキミの実で、香辛料として栽培されていたトウシキミに殺到したというのが品薄の原因となりました。

 シキミ酸は化学合成も可能との事ですが、製造工程が複雑なためコストがかかり、大量供給には難しいものがあるとされます。バイオテクノロジーによって大腸菌に生産させるという手法も検討されているようですが、昨今のタミフルをめぐる事故のお陰で少しはそうした事情が改善されればと思いながら、数年前に聞かされた八角の品薄の話が、今日のタミフル騒動に繋がるという事に興味深い物を感じてしまいます。

 



第748回 1.5卵生?     2007年04月10日

 双生児というより双子の方が一般的で、よく似ているから一卵性、似てないから二卵性などと勝手に考えてしまう事があります。双子は多胎児の最も多く見られる例となっていて、母体が受胎した際の受精卵の数によって、一卵性双生児、二卵性双生児という区別が行われます。

 一卵性双生児は、文字通り一つの受精卵が分裂して二人の胎児になるもので、遺伝やホルモン分泌量などの外的要因の影響を受けにくい事から、偶然の産物とされています。人種に関係なく1000組に4組の割合で誕生しているとされます。基本的に遺伝情報が同じなので、血液型や性別が同じ、顔もよく似ているとされます。

 それに対し二卵性双生児は、多排卵の卵子に別々の精子が受精し、同時に支給壁に着床する事で誕生します。遺伝情報が異なる事から、性別や血液型が異なる事もあり、姿も似てはいてもそれほどでもないという印象を得る場合もあります。一卵性双生児と比べると、兄弟が同時に生まれてきたという事に近いという事もできます。

 その他の双子のパターンとしては、排卵された卵子が受精前に分裂して二卵となり、それぞれ別々の精子と受精する一卵型二卵性双生児。卵子が二つの精子と過受精した形となり、分裂して二卵となる準一卵性双生児というものが考えられています。

 理論的にはありえる事でも実際となると報告例はなく、机上の存在といえた準一卵性双生児の存在が、先日世界で初めて報告されていました。米国で誕生したとされる双子は、ほぼ間違いなく二つの精子が同時に一つの卵子に受精して生まれたと考えられ、極めて稀な受精によって誕生し、生児出生に至った初めての例とされています。

 双子の類似性については、一卵性双生児と二卵生双生児の中間に位置するとされ、一人は完全な男児ですがもう一人は男性と女性の両方の特徴を持つ半陰陽と報告されています。残念ながら生存に関しては否定的なコメントが出されていますが、せっかく生まれた大切な命、力強く生きてほしいと思ってしまいます。

 



第747回 選択肢追加     2007年04月09日

 世界的に蔓延が懸念されるHIV(人免疫不全症候群ウィルス)に関しては、現在多剤併用という治療法が最も有効と考えられています。抗レトロウィルス薬を幾つか組み合わせる事によって、抗レトロウィルス薬への耐性の発生を抑えながら、ウィルスの増殖を抑えるという考え方です。

 抗レトロウィルス薬を単体で用いると、最初は効果が上がっても後に耐性が発生し、その都度別な薬剤に代えていってもやがて全ての薬剤に耐性ができてしまう可能性がある事から、多種類を組み合わせて耐性の発生を抑えています。

 そのため選択できる薬剤の数はできるだけ多い事が望ましく、新薬の登場が常に待たれているのですが、多大な研究費を投入してもその回収が難しいというAIDS特有の問題が、新薬開発の勢いを奪っているとも言われています。

 そんな中、新たな新薬が登場し、注目と期待を集めています。プレジスタの名前で販売されるダルナビルという薬剤で、米国とEUではすでに24週間の臨床試験を経て、既存のエイズ治療薬リトナビルとの併用が認められています。

 臨床試験では重度のHIV感染者を対象とし、抗レトロウィルス薬だけを服用するグループとダルナビル、リトナビルの組み合わせを1日に2回服用するグループに分けて行われました。48週間の経過時点でウィルスの血中濃度が1000分の1になった患者の数は、抗レトロウィルス服用グループが15%であった事に対し、新薬服用グループでは61%にも上ったと言います。

 ウィズウィルスがほとんど検出できないレベルにまで血中ウィルス数が激減した患者は、抗レトロウィルスグループでは10%、新薬グループでは半数の50%近くになっていたそうで、免疫細胞CD4の増加も新薬グループでは血液1マイクロリットルあたり平均102個増えたそうで、抗レトロウィルスグループの平均19個より遥かに良い数字となっています。

 今のところ副作用も見られていないという事で、HIV感染者の5人に1人以上が抗レトロウィルス薬に耐性を持っていると見られている中では、期待の持てる登場ではないでしょうか。新薬開発の特許という保護と人道的な面からさまざまな論議がされる中、各メーカーが開発の手を緩める懸念があるだけに新薬の登場は何より嬉しい知らせかもしれません。

 



第746回 安らぎませんか?     2007年04月06日

 自他共に認めるヘビメタ好きです。さまざまな音楽を幅広く聞くのですが、やはりお気に入りはヘビメタが多くなってしまい、激しく歪んだギターの音や重厚なリズムを聞いていると元気が出てきます。疲れませんか?という質問を受ける事もあるのですが、必要な栄養素のようなもので疲れる事など一切ありません。

 そんなどちらかと言えば変な目で見られがちなヘビメタですが、ファンに朗報とも言えるレポートが出されていました。イギリス政府によって設立されたNAGTY(学業が優 秀な生徒や、芸術や体育などの分野で他の人に比べて秀でている能力を持つ生徒に対し 、奨学金を支給するための機関)の要請で行われた調査によると、ヘビメタにはリラックス効果があるそうです。

 11〜19歳までの10代の生徒12万人を対象とした今回の研究は、ワーウィック大学心理学部のキャドワルダー博士によるもので、学業が優秀な生徒がヘビメタなどの過激な音楽を聞くと、リラックス効果が発生するとして、英国心理学会での論文発表も行われています。

 キャドワルダー博士の研究では、10代の12万人の生徒のうち、学業の成績が上位5%に入るグループとそうでないグループに分け、ヘビメタなどの過激な音楽が与える影響について調査を行っています。その結果、成績が上位5%のグループでは、ヘビメタなどの過激な音楽はリラックス効果をもたらし、そうでないグループでは、かえってイライラが増してリラックス効果が認められなかったそうです。

 私の学業成績はこの際どうでも良い事ですが、とにかくヘビメタでもリラックス効果を発生する事があるという証明がなされた事は、音楽史上極めて興味深い発見ではないかと思います。物心付いた頃からヘビメタ好き、そしてこれたからもずっとそれは変わらないはずなので、疲れませんか?と聞かれたら、リラックス効果もあるんですよと胸を張って答えるようにしたいと思っています。

 



第745回 病原性再確認     2007年04月05日

 ピロリ菌、正式にはヘリコバクターピロリ菌は、体内にいる細菌の中では特に有名な存在ではないかと思います。胃の中は胃液に含まれる塩酸の影響でかなり強い酸性となっているので、細菌が棲み付く事はできないと考えられてきた中、胃の中だけに棲息するピロリ菌の存在は驚くべきものとなりました。

 しかし、胃の中に何らかの細菌が棲息している事を示す研究は古く、最初の報告は1875年にドイツの研究者が顕微鏡を用いてらせん状の細菌を観察したというものが最初であるとされます。詳細な記録は残されていないそうで、正式なものとなると1892年にイタリアの研究者ビッツオゼーロが犬の胃の中の酸性環境で棲息する細菌についてレポートを著しています。

 その後、さまざま報告が行われる事となるのですが、コッホの病原菌に関する3原則に基く「細菌を分離、培養」ができていない事から、胃の中の細菌の存在は否定されてきました。1983年にオーストラリアのウォレンとマーシャルがイースターの休暇のために、培養検体をほったらかしにした事で、増殖の遅いピロリ菌を培養できたという有名なエピソードによって存在が証明されます。

 存在が確認された時点では病原性については疑問視されていましたが、マーシャルが自らピロリ菌を飲み込み、急性胃潰瘍を発生させた事で病原性の確認が行われました。後に同じくニュージーランドのモリスによって慢性胃潰瘍も発生させる事が確認され、ピロリ菌は病原性菌という認識が定着しています。

 ピロリ菌が胃ガンの原因になる事については、細かなメカニズムに不明な点が残されていましたが、先日、そのメカニズムの一端が解明されていました。京大大学院医学研究科の千葉、本庶両教授をはじめとするグループの研究によるとピロリ菌の刺激によって、本来は免疫細胞にしか存在しない特殊な酵素が発生し、誤作動してしまう事がガンの引き金になっているとされていました。

 ピロリ菌は胃粘膜の細胞の間に潜り込んで胃炎を引き起こし、症状が進むと一部に突然変異が起こってガン化する事は判っていたのですが、その仕組みについて研究が行われてきました。免疫細胞の中でさまざまな抗体を作るBリンパ球は、AIDと呼ばれる酵素によって突然変異を誘発し、多様な外敵に対しての抗体を作り出します。ピロリ菌の感染によって起こる炎症の中で、AIDが形作られて誤作動、ガン化する事が明らかになった事で、ピロリ菌の新たな病原性と治療に繋がる方向性が示された事になります。

 



第744回 Q10衣料?     2007年04月04日

 初めてコエンザイムQ10と出会った頃、まだコエンザイムQ10はユビキノンと呼ばれる事が多く、地球上の全ての生物に欠かすことのできない重要な物質とされ、今後重要視されてくるだろうと言われていました。ユビキノンの発見と命名は、1950年代のリバプール大学のモートン教授によるもので、生体に普遍的に存在するキノン構造を持つ物質という事に由来しています。

 1957年には、ウィスコンシン大学のクレイン教授によって牛の心臓のミトコンドリアからエネルギー生産に必要不可欠な物質が発見され、コエンザイムQ10と名付けられ、翌年、両物質が同じ物である事が確認されています。当初、ユビキノンの方が使用頻度が多かったのですが、それがコエンザイムQ10と呼ばれるようになり、今日人気の健康成分としてさまざまな利用法がされるようになってきています。

 コエンザイムQ10はミトコンドリアの機能に深く関与しているとされ、心筋機能の改善が期待されるとして日本では1974年から心筋の代謝改善薬として医薬品に登録されていましたが、欧米では医薬品登録はされず、サプリメントとして流通していました。後に2001年になって日本でも医薬品から食品へと食薬区分リストの改正が行われ、現在のように処方箋がなくても入手できるようになっています。

 生物が生きていくために必要なエネルギーはATP(アデノシン3リン酸)が担っています。栄養素として摂取した脂質や糖質などは燃料なってATPの合成に使われています。コエンザイムQ10はミトコンドリアの中でATP合成のための電子の運搬に関わっており、たくさんミトコンドリア内にあれば電子の運搬が円滑になり、ATPの合成がより活発になると考えられています。

 また、コエンザイムQ10には強力な抗酸化作用があり、身体を活性酸素から守る働きもあるとされ、エネルギー生産が活発化する事で副産物として発生する活性酸素の除去にも必要と考えられているのですが、20歳くらいをピークに年齢と共に体内減少していき、器官によってはピーク時の半分になってしまう事もあります。それを補うためにサプリメントとしてのコエンザイムQ10が必要とされます。

 コエンザイムQ10は脂溶性であり、油との親和性に富む分、ほとんど水には混ざりません。そのためサプリメントでは錠剤よりも油分を含むソフトカプセルが主体となっています。非常に不安定な物質なので光によって壊れてしまう事から、コエンザイムQ10と同じ色のオレンジに色付けされている製品が多いようです。

 本来は胆汁酸によって乳化されて吸収され、血液中へと入っていくのですが、最近の利用法としては化粧品への配合や食品への添加が増えてきています。中には衣類に配合されたという製品もあり、コエンザイムQ10の不安定さ、皮膚という優れたフィルターの存在を考えると、幾分言葉やイメージが先行しすぎた感じがしてしまいます。必要な物質だけに常に身近におくという意味では良いのかもしれませんが...。

 



第743回 微細な泡     2007年04月03日

 小さな泡というと目視できる範囲では、シャンパングラスの底から発生する静かな小さい泡が一番でしょうか。それ以上に小さい物となると、ごく稀ではありますが水の中を水流に負けて漂うように浮かび上がって来ない小さな泡を見かける事があります。このレベルだと単純に泡で片付けられるのですが、人工的に発生させたさらに小さい泡は「マイクロバブル」と呼ばれ、最近注目を集めてきています。

 マイクロバブルとは直径が10〜数10マイクロメートルの非常に小さな気泡で、普通の気泡にはない物理的、化学的特性を伴った特徴を持っています。通常の泡とは異なり浮力が小さいので上昇速度が極めて小さく、水中を漂いながら時間の経過と共にさらに収縮してより小さなマイクロナノバブルと呼ばれる状態になるという、明らかに通常の泡には見られない性質を持っています。

 電気的にマイナスに帯電しており、プラスに帯電した物に付着する事や、帯電しているために生物に対して電気刺激を与える事ができるという電気的特性があり、水道水でマイクロバブルを発生させると弱アルカリ性になる事や、血流を促進したり体表面温度を上昇させるという動物に対する生物活性を引き出すという不思議な性質も持っています。

 そうした性質を利用して波の穏やかな内海で行われる二枚貝の養殖といった閉鎖的な水域での水質浄化や、マイクロバブル発生装置を取り付けた温泉で血行促進作用が確認され、通常の温泉よりも温まりやすく、疲れがよく取れてよく眠れるなど、実用的な分野への応用が広がってきています。

 体感的な効果についてもマイクロバブル湯に入浴させたラットの血液中のホルモンの状態から、単に主観的なものではなく、実際に効果がある事が確認されてきつつあります。精密機械の洗浄や大型船舶の抵抗軽減などの有効性も言われ、さまざまな分野への応用範囲の広さも注目される一因となっています。夢が膨らみ続けるマイクロバブルですが、時間が経つと縮小するという性質通りにならないでほしいものです。

 



第742回 台所の油田開発     2007年04月02日

 最近、東京に油田がありますというラジオCMを耳にします。最初に聞いた際は東京に近い位置にある「相良油田」の事かと思ったのですが、詳しく聞いてみると家庭から出る廃油を回収し、バイオディーゼル燃料に変えるプロジェクトの事でした。

 家庭から排出される使い古しの天ぷら油は、ある一定の処理を施す事でディーゼルエンジンの燃料とする事ができます。元々ディーゼルエンジンは高い圧力に空気を圧縮し、そこへ霧状に燃料を噴射する事で燃焼させるため、専用で使われている軽油に限らず揮発性のない油を燃料とする事ができ、法律上の問題はありますが灯油や重油でも稼動します。

 家庭から出る天ぷら油は、まずろ過する事で不純物を除いて加熱し、中に含まれる水分を飛ばします。この点が廃油石けんの作り方と異なる部分で、油をアルカリ性で反応させる際、水分があると「鹸化」という反応が起こって石けんになってしまいます。天ぷらで使った後なので、水分はまるで含まれていない感じがするのですが、意外と水分は多く含まれていると言います。

 水分を除いた廃油にアルコールに水酸化ナトリウムを混ぜておいた触媒を加えると反応が起こり、グリセリンとディーゼル燃料が精製されます。比重の思いグリセリンはすぐに沈殿するので上澄みとなるディーゼル燃料を取り出し、水を加えて攪拌します。

 水を加えるのは中に含まれる塩分を抜くためで、ディーゼル燃料と水は混ざる事がなく、塩分は水に溶けるため、幾度か水を替えながら攪拌すると塩分が抜けてしまいます。水で油を洗うというこのやり方は、有塩のバターを無塩のバターにする際と同じやり方と言えます。

 こうして得られたディーゼル燃料は陸運局へ届けを出して、車検証の使用燃料欄を「軽油」から「その他の燃料」へ変更する事で普通に使用する事ができるようになります。軽油の性質を判断するセタン価が軽油よりも高めである事から、ガソリンのハイオクに近い状態にあり、軽油よりもパワーが出て黒煙の排出量も少ないというメリットも持っています。

 ディーゼル粉塵という黒煙を排出するために悪いイメージが定着しているディーゼルエンジンですが、ガソリンエンジンに比べて燃費が非常に良く、こうしたバイオ燃料が使えるというメリットを持っています。ヨーロッパでは1ガロン(3.79リットル)で100kmを走る車の開発というチャレンジが盛んに行われていますが、それを可能にできるのはディーゼルかハイブリッドのエンジンと言われています。

 日本ではディーゼルエンジンに見切りを着け、ハイブリッドエンジンの普及という方向を選択した形になっていますが、部品点数が多く、製造時に莫大な二酸化炭素を排出してしまうハイブリッドエンジンより、頑丈で長く使え、どことなくキッチンに近い感じがするディーゼルエンジンの復活と発展を願いたい気になってしまいます。

 



 

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