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第781回 老化は食から?
2007年05月30日
アンチエイジングという言葉が聞かれるようになってから随分と時間が経ったように思えます。老化防止は誰でも願う事であり、有効な手立てがあれば、すぐにでも取り組みたいと考えてしまいます。
老化に関する研究は、そうしたニーズもあって急速に発展してきています。老化のメカニズムを解明し、その進行を有効に遅らせ、または逆行させる・・・その研究成果の一つとなりえるのがAGEの発見かもしれません。
「糖化最終産物」とも呼ばれるAGEは、糖にさまざまなタンパクが結合してできた物質で、血液中の糖分がタンパク質と結合する事によってでき、体内に蓄積される事で老化現象を引き起こしていると考えられています。
体内の糖分はエネルギー源として重要な物質ですが、体内を循環しているうちにタンパク質と強固に結合して硬い黄褐色の化合物となってしまう事があります。それがAGEで、体内の各組織に蓄積される事で老化現象が起こるとされ、AGEを分解する事で組織の機能レベルでの若返りが可能と考えられています。
これまではAGEは体内でのみ合成されると考えられてきましたが、食物からも摂り込まれている事が最近の研究で判ってきました。これまで食品中のAGEは消化吸収されないため、健康に悪影響を及ぼす事はないと考えられてきましたが、食事中のAGE量に応じて血液中のAGE量が変化する事が確認された事で、食と老化との密接な関係が明らかにされています。
すでに食事によって摂取するカロリーを抑える事で長寿になる事は知られていましたが、そうした傾向には食品中のAGE含有量に関わっていた事が考えられます。塩分やコレステロールなど、食品中の成分について気を付ける事が言われてきましたが、これからはAGEが新たなキーワードとして加わる事になりそうです。
第780回 痩せ方の差異
2007年05月29日
ダイエットの難しさは身体を一定の状態に保とうとする「恒常性」によって、体脂肪率が減少するという異常事態を未然に防ごうとしてしまう事や、個々の体質によって行ったダイエット方法への効果の出方の違いにあると思います。
よくダイエットグッズには体験談が添えられていたりしますが、その通りの事が起こらないという事はダイエットを経験した人なら容易に理解できる事であり、「効果には個人差があります」という言葉は、何よりそれを象徴しているのではないでしょうか。
各個人の体質となると漠然としていて解りにくい部分があるのですが、インシュリンの分泌によってダイエット方法が左右されるという興味深い研究結果がレポートされていました。
高タンパク、低脂肪というのはダイエットの基本でもあるのですが、今回の研究ではインシュリンの分泌量が多い人はむしろ脂肪分が若干多めで、炭水化物が少なめの食事の方が体重を減らしやすいとしています。
インシュリンの分泌量によって有効な食事計画が異なるかに着目した今回の研究は、若年層(18〜35歳)の肥満73名を対象に6ヶ月の治療期間と、その後12ヶ月の追跡調査によって構成され、これまで行われてきた低脂肪食によるダイエットの成否が、単純な意欲の問題ではない事を示すものとなっています。
被験者の半数に炭水化物55%、脂肪分20%の食事を与え、残りの半数に炭水化物40%、脂肪分35%の食事を摂取してもらった結果、全体的に両群に体重の減少差は見られなかったが、研究開始時に行ったブドウ糖経口摂取による血中インシュリン濃度の測定結果を加味してみると、インシュリン値が平均を超える人の体重低下は低脂肪食の1.2kgに対し、低炭水化物食では5.8kgと大きな差が生じている事が判りました。
今回の研究結果によって、これまで専門家が漠然と感じていた事が裏付けられた事となり、低脂肪食で減量効果が見られない人は、低炭水化物食に切り替える事で効果が上がる可能性が出てきた事になります。血糖値の急激な上昇をコントロールする必要があるので、精製の度合いが高い、精白パンや甘い飲料、クッキーなどを控え、同じ炭水化物でも比較的吸収が緩やかな果物や野菜、豆類に切り替える事が良いかもしれません。インシュリンの分泌量については医師の診断が必要になりますが、低脂肪食で頑張っていても効果が上がらない方は、試してみる価値があるのかもしれません。
第779回 あぶら(2)
2007年05月28日
水素添加した油の代表的な物の一つ、「ショートニング」は植物油を主原料として作られた常温で半固形化した食用油脂で、パンやクッキーなどの焼き菓子にバターやラードの代用品として使われています。
また揚げ油として使われる事もあり、揚げ油に使用すると衣の質感がよくなり、パンや焼き菓子に使用した場合はさっくりとした焼き上がりにする事ができます。揚げ物の衣のパリっと感やパンや焼き菓子のさっくり感から、そうした感覚を表す「ショート」が語源となっています。
ショートニングより水分量が若干多く、香りや色を付けた物がマーガリンとなります。ショートニングは元々ラードの代用品として開発されましたが、マーガリンはバターの代用品とされるあたりから両者の味や香り、質感の違いに繋がっていると考える事ができます。
ショートニングやマーガリンは、水素添加を行っている過程でトランス脂肪酸を含む事となり、健康への悪影響が懸念される事となっています。トランス脂肪酸の弊害は冠状動脈心疾患や慢性的な炎症、クローン病、アトピー性皮膚炎、ガン、痴呆など、多くの疾患への関連性が指摘されてきています。
トランス脂肪酸は水素添加を行う事でのみ発生するのではなく、自然界にも存在しています。牛などの反芻動物の胃の中に棲む微生物の中には、トランス脂肪酸を作り出すものがいるので動物性油脂に中には天然のトランス脂肪酸が含まれています。
また油脂を長時間高温で加熱したり、繰返し温めたりしていると形成されている事があります。身近な例では、カレーのルウにはショートニングが使われていますが、味にこくを持たせるために長時間煮込んだり、多めに作って何度も温めなおしをしているとスプーンにこびりついて簡単には取れない脂が表面に浮いてくる事があります。
人の体温程度では柔らかくもならないという分子の結合安定性は、いかにもトランス脂肪酸という感じがしてしまいます。最近、大手のファーストフードチェーンやコーヒー店でトランス脂肪酸の含有量の少ない油脂類への切り替えが進んでいるそうですが、日本国内の店舗は対象外とする場合が多いとされ、個人レベルでの注意が要求されている感じがしてしまいます。日本人は生活習慣上、トランス脂肪酸の摂取量が少ないとは言われますが、注意しておくにこした事はないと思います。
第778回 あぶら(1)
2007年05月25日
「あぶら」を漢字で書くと「油」または「脂」と書きます。感覚的な部分では、サラダ油のように常温で液体の物が油で、バターやラードのように常温では個体の物が脂と区別します。そうした一定温度での状態の違いは、中に含まれる脂肪酸の性質によって決められています。
常温で固体化している脂には「飽和脂肪酸」が多く含まれ、分子同士の結合安定性が高い事から、融けはじめる温度、融点が高くなっています。逆に常温でも液体という油には「不飽和脂肪酸」が多く、分子同士の結合安定性が低くなっていると言えます。
そうした性質から、飽和脂肪酸が多い脂を摂ると体内で凝固する傾向があり、そのために血液の粘度を上げてどろどろにしてしまうとか、不飽和脂肪酸が多いと体内でも凝固しないので、血液をさらさらに保てるといった意見もありますが、摂った油脂が直接体内を循環する事はないので、それほど単純な仕組みにはなっていません。
常温で固体という性質はパンやお菓子などの加工食品を製造する際は必要な事でなので、安価で扱いやすい油脂である植物油を常温でも固体化している状態にしたマーガリンやショートニングが使われています。
それらは水素添加と呼ばれる化学処理が施され、不飽和脂肪酸の水素が足りない場所に水素を結合させる事で、分子の結合安定性を高い状態に保つようにしています。水素添加を行うメリットは、状態を食品の加工に向いたものにするだけでなく、本来は不安定で酸化しやすく日持ちが悪い不飽和脂肪酸を安定した物とする事ができます。
水素添加した油脂を用いた食品は、水素添加していない油脂を用いた物より変質し難く、扱いやすいと言われるのは、水素を添加した事で化学的な安定性が増した事が大きく関わっています。安価で扱いやすく、安定していて劣化し難いとなれば工業原料としては理想的とも言う事ができます。
第777回 七色?
2007年05月24日
回数が多くなってくると、いろいろな数に関する話題を取り上げる機会が増えてきます。今回はめでたい感じで7並びの777回目となりました。何か7に関する話題をと思ったので、個人的に大好きな七味唐辛子について話をさせていただきたいと思います。
七味唐辛子、略して七味と呼ばれる事もありますが、文字通り唐辛子を中心にいろいろな副材料で風味付けを行った日本独自の調味料となっています。副材料を使用する目的は、風味を良くするという事もありますが、辛味自体をほどよく抑えるという意味合いもあるとされます。
七味唐辛子という呼び名は上方風と言われ、江戸では七種唐辛子(なないろとうがらし)と呼ばれるのが普通とされていました。生産者によって内容が変化するともされますが、基本的に唐辛子以外は、芥子の実、みかんの皮の陳皮、ゴマ、山椒、麻の実、紫蘇、海苔、青海苔、ショウガ、菜種のうちのいずれかが使われています。
七味唐辛子は七味以外にも「薬研堀」と呼ばれる事があります。江戸時代に両国の薬研堀で漢方薬からヒントを得て、七味唐辛子が作られ、江戸名物になった事に由来した呼び名と言われます。その流れをくむ浅草寺の門前の「やげん堀」、京都清水寺の門前の「七味家」、長野善光寺の門前の「八幡屋磯五郎」が日本三大七味唐辛子と呼ばれています。
「二辛五香」が基本とされ、様々な配合パターンが考えられますが、大きく分けると関東、関西と信州の三つのタイプに分ける事ができます。関東タイプは唐辛子の辛味と青海苔の香りを中心にするため色合いが濃い目になり、関西タイプは山椒が辛味に加わり、香りも白ゴマを重視する事から色合いが淡いものになっています。信州タイプではショウガが加わり、紫蘇も赤紫蘇を使う事から、独自の色合いと風味になっています。
日本特有の混合調味料ですが、和食に限ったものではなく、少量でも料理を引き立ててくれる重宝するものでもあります。うどんや蕎麦には欠かせないとされますが、中華やピザ、パスタなどに使っても美味しくいただく事ができるので、私の日常には欠かせない調味料となっています。ちなみに私はやげん掘派です。
第776回 裏手には...。
2007年05月23日
先日、「はちみつ」商品に関する適正表示を推進する社団法人「全国はちみつ公正取引協議会」の定期検査によって、過去7年間でのべ120点、検査対象の約2割にあたる製品で規約に反した人工甘味料などの混入が疑われるとされていました。
いずれも「純粋はちみつ」という表示を行っていたので、明らかな虚偽表示となる可能性が大きいのですが、同協議会では、各業者に注意や警告をしただけで充分な調査は行わず、検査結果の公表も行われていません。
同協議会は景品表示法に基いて公正取引委員会の認可を受けた公的機関であり、年1回、会員業者が扱う商品から100点前後を選び出し、専門の分析機関へ依頼する事で成分の鑑定を行っています。
公正取引委員会では今回の問題を重視し、調査に乗り出したそうなので、今後さらに虚偽表示の内容や実態が明らかにされる事と思いますが、産地や賞味期限などの偽装に慣れすぎたからでしょうか、あまり大きな話題とはなっていない気がします。
今回の事でコメントを求められた養蜂業者の間でも、どこもやっている事だから、そうしないと中国産と価格的に勝負していけないからといった発言も多く、通例的に行われてきた事だったように思えて、安心感を求めて国産を購入していた事の空しさを感じてしまいます。
中学の頃、同じ学年に養蜂業者の娘さんがいて、友人と遊んでいた際、その子の家を教えられた事があったのですが、その家の裏手、崖に面して通りからは見えにくい位置にたくさんの業務用の水飴の缶が捨てられているのを見た事があり、その頃から日常的に加糖が行われていたのではと想像してしまいます。
食の安心、安全に関わる事なので、今後、表示の適正化、業界の意識改革、協議会の体質改善など、さまざまな点があらためられる事に期待したいと思います。同級生の養蜂業は、その後通販会社として急成長を遂げるのですが、裏手の事が功を奏したという言われ方だけはされない方が良いなと思ってしまいます。
第775回 値上げ健康法
2007年05月22日
先日、たまたま近くに置かれたタバコのパッケージを見る機会があったのですが、表面に後付けのような感じで貼られたシールに目がとまってしまいました。日頃縁がないせいで、いつ頃からそのようなシールが貼られるようになったのかは定かではありませんが、せっかくきれいに見えるようにデザインされていたのが台無しになったようで、ひどく無粋なものに見えてしまいました。
パッケージデザインは商品の販売戦略上、かなり重要なものだと思うのですが、それを台無しにしている以上に、そのシールに書かれたタバコを愛用する上での健康上のデメリットにも驚かされるものがあります。ここまで言われながら、なぜ愛用を続けられるのでしょうと思うのは、ニコチンに縁がないからでしょうか。
単なる嗜好の一環と捉えられがちな喫煙ですが、継続性があるのはタバコに含まれるニコチンへの依存性によるもので、禁煙を難しくしているのは、そのニコチンの禁断症状とも言えます。以前、英国で国民的な禁煙の有効な手法として、タバコの値上げに言及されていた事があります。先日、京都大学の依田教授をはじめとする研究グループによって発表された研究結果は、それを裏付けるものとなっていました。
今回の研究は喫煙者616人を対象に、起床後、いつから喫煙を開始するかでニコチンへの依存度を高、中、低に分類し、タバコの価格設定や公共の場での喫煙への罰金の有無、家族の健康リスクと喫煙への意識調査を行っています。
現状のタバコの価格の約2倍にあたる600円に値上げしても、ニコチンへの依存度が高いグループでは禁煙を試みる率は30%程度であったものが、800円になると約68%が禁煙を試みるとし、中度、低度ではそれぞれ93%、96%が禁煙を試みるとしています。
中程度以下の依存度では、健康リスクが高まる事によっても禁煙を試みる率が上がっていましたが、高依存度ではその傾向は見られず、唯一、価格という要素だけが禁煙を促進する効果に繋がっている事が明らかにされています。無粋なシールよりは値上げの方が有効というのは解り切った感じではありますが、禁煙を促進する方法がそれしかないというのはちょっと悲しい感じもしてしまいます。
第774回 プラスティックブラッド
2007年05月21日
プラスティックブラッドと言ってしまうと、どことなくSF小説やテクノポップのタイトルのようにも感じてしまいます。しかし、今回取り上げるプラスティックブラッドは、文字通りプラスティック製の血液の事です。
何らかの理由で出血してしまい、その量が一定を超えてしまうと失血性ショックを含め生命に直結する事態に発展してしまいます。それを緊急的に補うのが輸血で、輸血に対応できるように血液を確保するために献血が行われています。
しかし、献血によって得られた血液は管理が難しく、冷蔵する必要があったり長期にわたるストックができないなどの不便な点や、最近では献血された血液自体の安全性など、多くの問題を抱えていました。
先日報じられていたニュースでは、英国シェフィールド大学の研究グループが、プラスティック分子から人工の血液を作り出す事に成功したと伝えられていました。
鉄原子を中心部に持つ特殊なプラスティック分子は、人の血液中のヘモグロビンとよく似た機能を持ち、ヘモグロビンのように体内の組織に酸素を運搬する働きを持つと言います。
また、プラスティック分子である事から生体細胞とは異なり安定性が高く、冷蔵の必要なしで長期間保存できるというメリットも持っています。救急医療の現場や軍隊、ライフラインが寸断された災害復興の現場での活躍が期待でき、血液型による献血の過不足を補う事にも有効活用できるものと思われます。
今後は、生体での試験に向けた試作品の開発に着手するそうですが、そのための資金援助を求めているというニュースも報じられたいました。有用な研究だけに、円滑な資金確保と早期の研究成果を望みたいと思ってしまいました。
第773回 エタノールクリーン?(2)
2007年05月18日
ガソリンの使用量を減らすためにエタノールを添加するという事が行われるようになり、意外なところに影響が出始めています。先日、オレンジジュースの値上げが発表されていました。エタノールの原料となるトウモロコシを作るために、オレンジの作付けを減らした結果、オレンジが不足して高騰した影響だという事です。
また、トウモロコシがエタノール原料となる事で、これまでの用途のトウモロコシが回らなくなり、飼料の高騰による卵をはじめとした畜産品やコーンシロップ、コーングルテンといった工業原料の不足による加工食品や工業製品の値上げという事も最近増えてきています。
エタノールの燃料化への懸念はそれだけではなく、私の中で一番大きなものとなっているのは、エタノール燃焼の際排出される酸性の強い物資、アセトアルデヒドにあります。
エタノールを燃料として走行する事が一般化すれば、アセトアルデヒドの大気中の濃度を上げる事となり、酸性雨の発生を現在よりもより深刻にしてしまうのではないか、そうした漠然とした考えがエタノールの燃料化の話が出た時点で浮かび上がってきていました。
最近、米国のスタンフォード大学で行われた試算では、エタノール85%とガソリン15%を混合したE85と呼ばれる燃料を広範囲で使用した場合、2020年時点での大気の状態をシミュレーションするとガソリンを使用した際に発生するベンゼンやブタジエンは減少しますが、代わりにアセトアルデヒド、ホルムアルデヒドが増加し、その結果として発ガン率はガソリンの使用時とほとんど変わらないという数値が出されていました。
更にE85を使用する事で排出されるオゾン量が増える事から、光化学スモッグが発生する可能性が上がるため、ガソリン使用時の4%、都市部では9%近くも排気ガスによる死亡率が増加すると考えられています。良い面だけが強調されているエタノール燃料ですが、そうしたマイナス面も持ち合わせている事を記憶の片隅にでも置いておいて、現在のライフスタイル自体を考え直さなければならない時期にきているのかもしれません。
第772回 エタノールクリーン?(1)
2007年05月17日
最近、原油の値段が上がったとかで、ガソリンの小売価格もそれに合せてしっかりと値上がりしてきています。バスや電車といった大量輸送機関のインフラ整備が充分ではなく、どこに行くにも車が必要という見方によってはアメリカナイズされた生活を送る身としては、生活に直結した困った問題でもあります。
今後、原油価格が上昇を続けたり、高いままで推移する事を考えて代替燃料としてエタノールが注目を集めています。エタノールはコスト的な面もさる事ながら植物性の原料から発酵して作り出す事ができるので、原料となる植物の生育に二酸化炭素を使う事から、大気中の二酸化炭素削減にも繋がるのではというメリットを持っています。
エタノールを使うメリットはそれ以外にも、従来のスタンドなどの設備がそのまま流用できる事や、現在使用中の車を若干の加工を施すだけで使えるという経済的な面もあります。
ガソリンの使用だけを前提とした車の燃料系は、エタノールによってパッキンやホース類などの製品が侵されるという懸念がありますが、エンジン全体や車自体を交換するよりは、遥かに安価に対応する事でき、設備の廃棄に伴う産業廃棄物や廃車の増加という問題の発生を最小限に抑える事もできます。
エタノールは燃焼する事でガソリンのようなベンゼンやブタジエンといった発ガン性のある物質を排出しないので、その意味でもクリーンな代替燃料となりえるのではないか。しかも植物由来で発酵という自然の力を使って作り出される環境に優しい燃料となりうる。さまざまな情報から聞こえてくるのは、そうしたクリーンなイメージだけが先行しているように思えてしまいます。
第771回 カットしましょう。
2007年05月16日
日本ではそれほどでもないのですが、オゾンホールが深刻な問題となっているオーストラリアでは、小学生でも日焼け止めに合せてサングラスの着用が推奨されています。
最近の調査では、目が浴びてしまう有害な紫外線の量は、真昼よりもまだ朝方と思われている午前9時頃と午後2時から3時にかけてがピークとされ、特に多い午前9時頃では真昼の約2倍にも達するとされていました。
紫外線を長年目に受け続けると手術でしか治せない「翼状片」と呼ばれる白目が角膜(黒目)の上に三角に伸び、被さるようになる眼病になり、乱視や視力低下のリスクも増えると言われます。
そのため目を保護するためにサングラスの着用が必要となるのですが、選び方を間違うとかえって状況を悪化させてしまう事もあります。デザインなどを最優先にした際、紫外線をカットする機能の低い物を選んでしまうと、サングラスによって視界の明るさが下がる事から瞳孔が開き、通常よりも多くの紫外線を取り込んでしまう事になってしまいます。
また、目とレンズの隙間から入り込む光りや、レンズで反射して目に入る光も無視できないものがあります。この場合もレンズの色によって瞳孔が開いている事から、通常よりも多くの紫外線を取り込む可能性があり、特にレンズによる反射の場合、レンズのカーブによっては光を集めて瞳孔へと送り込む事にもなってしまいます。
お洒落の一環としてしか見られないサングラスですが、紫外線対策としてきちんとした機能、顔に合せた形状など、この夏はこだわってみてはいかがでしょうか。
第770回 赤斑瘡?
2007年05月15日
平安時代以降、さまざまな文献に「赤斑瘡(あかもがさ)」という疫病が繰返し登場します。高熱を発し、咳や目の充血が見られ、3、4日で一旦熱は下がりますが、半日ほどでまた熱が上がり始め、40度近い高熱と共に全身に赤い発疹が見られるという症状は、今日の「はしか」ではないかと見られています。
はしかは麻疹ウィルスに空気感染によって感染する事によって起こる感染症で、日本では一生に一度はかかると言われるほど広く知られたウィルス性疾患となっています。
多くの人が罹患する広く知られた疾患という事で、あまり重病化する印象はありませんが、50年ほど前までは毎年数千人規模の死者を出し、今でも毎年数十人もの死者が出ている怖ろしい感染症で、成長に伴う通過儀礼のように考えていると危険なものがあります。
はしかの怖ろしさは、はしかのウィルスが体内の免疫系の中心となるリンパ球を使って増殖するという特徴にあります。ウィルスの増殖にリンパ球が使われるため、一時的な免疫不全の状態に陥り、肺炎や脳炎といった二次的な感染症を起こす事があり、それがはしかの死亡率を高めています。また、神経系統に後遺症を残す場合もあり、油断できない感染症とも言えます。
そんなはしかが首都圏を中心に大流行の兆しを見せていると言います。特に今回の流行はこれまで感染の中心だった小児ではなく、15歳以上の学生に感染が広がっている事が特徴となっていて、幼児期の発生率が低下した事で、免疫を持たずに成長した成人層が増えている事が原因と考えられます。予防法はワクチンしかないとされ、未接種で感染の経験も無い人は急ぎ接種するか、はっきりしない場合は血液検査で免疫の有無を調べてもらうと良いと言います。実は感染もワクチン接種もない私、そろそろ注意した方が良いのでしょうか...。
第769回 人道的支払拒否
2007年05月14日
今月初めブラジルのルラ大統領が米国の大手製薬メーカー、メルク社の製剤「ストク」について「強制特許実施権」の発動を決定しました。ストクは一般名をエファビレンツと言い、エイズの治療薬として有効とされています。
強制特許実施権は、WTO(世界貿易機関)が開発途上国向けに特例措置として設けたもので、エイズ撲滅のために特許権者の許可無く治療薬の製造販売を認める内容になっています。
一旦、強制特許実施権が発動されると、エイズ治療薬に関しての特許使用料の支払いが免除される事から、メルク社の許可無くストクのコピー薬の製造販売を行う事ができるようになり、ストクをジェネリック医薬製剤のように安価な価格設定にする事が可能となります。
新薬は開発にかかる莫大なコストや、新たな新薬を開発するための投資、企業の利益などが含まれて価格が決定されています。強制特許実施権の発動は、そうした投資分の回収を危うくし、製薬メーカーの利益確保を難しくしてしまいます。
そのため実際に発動するよりも製薬メーカーに対して、価格や供給面での交渉を有利に進めるためのカードとして使われる事がほとんどで、実際の発動は異例中の異例とされます。
それまでメルク社ではブラジル政府との交渉の上で、ブラジル国内向けのストクの価格を定価の30%割り引いた価格で提供してきましたが、更なる値引きを求めるブラジル政府に対し、これ以上の値引きには応じられないとしたメルク社との間の価格交渉が難航していました。
ブラジル政府が今回の強制特許実施権発動に踏み切った背景には、1997年以降、国内のエイズ患者向けに無償で治療薬を提供し、高額な治療薬がブラジル政府の財政を圧迫し続けてきた事があります。今回の発動は、人道的側面を評価するか、企業の新薬開発へのモチベーションを守るのか、非常に難しい問題をはらんだ事ではないでしょうか。
第768回 残り物に福?
2007年05月11日
遺伝子に傷を付け、ガン細胞発生のきっかけを作り、免疫細胞の正常な働きを狂わせ、アレルギーや自己免疫疾患の原因となる。身体を錆びさせ、老化の原因となる・・・活性酸素の弊害はそうした事に留まらず、さまざまな疾患の原因となるとして、健康を阻害する悪役として広く知られてきています。
活性酸素は酸素の一種ではあるのですが、酸化力が大きく、細胞や遺伝子を酸化させてしまう事で、さまざまな弊害を生んでしまいます。しかし、まったく必要がなく、弊害ばかりを生んでしまうだけの存在かというと、そうではなく、体内では重要な役割を担ってもいます。
免疫細胞が外部からの侵入者を攻撃する際、活性酸素は重要な武器となっています。そのため体内の活性酸素を完全に除去してしまうと、免疫力が充分に発揮できない事になってしまいます。そんな活性酸素の中、特に悪者視されているのがヒドロキシラジカルと呼ばれる物で、酸化力が非常に強くなっています。
ヒドロキシラジカルに対して、水素を吸引する事で有効に体内の量を減少させ、細胞死を抑制させる事が可能という研究結果が出されていました。培養細胞内で人工的に活性酸素を発生させ、水素を加えるという方法で変化を調べた結果、ヒドロキシラジカルの量が減少し、細胞死は抑制されましたが、酸化力の弱いその他の活性酸素の量は減少せず、水素がヒドロキシラジカルだけを狙い撃ちにして除去している事が判ったと言います。
血栓などによって脳への血流が滞る脳梗塞状態で、水素を吸引する事で活性酸素が影響すると考えられる脳障害を有効に防止する事も確認され、さまざまな濃度の水素を使って観察を行ったところ、濃度2%の水素では現在国内で使われている治療薬以上の効果が確認されたそうです。最近、家庭用の酸素発生器なども普及しつつありますが、水を電気分解した際、残されるのが水素です。残り物に福というには、あまりにも大きな効果かもしれません。
第767回 プリン体の季節
2007年05月10日
ほとんど縁はないのですが、暖かくなってくると「ビールが美味しい季節になってきました」というフレーズに納得させられるものを感じてしまいます。実際、ビールの消費量と日中の平均気温の間には、明確な比例関係があると言われ、暖かさが日増しに強くなるこれからの季節、消費量も日増しに大きくなってきているのではないでしょうか。
そんなこれからの季節の人気者ビールですが、プリン体を大幅に減らしたというビールが登場して以来、通風には悪影響があるというイメージが定着してきています。実際、同じアルコール類の中でも、最もプリン体含有量が少ない焼酎と比べると、一般的な銘柄のビールで200倍くらいの含有量の違いがあり、いかにプリン体を多く含む飲料であるかが判ります。
焼酎とビールのプリン体含有量の違いは、単純に100gあたりの量が基準となるので、実際の飲用量の違いを考慮するとその差はもっと大きなものとなる事が考えられます。そのためビールは非常に不健康な飲料のような感じがしてしまうのですが、実はビールといっしょに食べる食品の方にプリン体が多く含まれている事には意外と気付かないものです。
ビール500mlを飲む際、脂肪分が少なくてヘルシーとされる鶏のささみを100g食べたとします。ビールで摂取するプリン体は35mg程度ですが、ささみに含まれるプリン体量は154mgにもなってしまい、ビールのプリン体をカットする事がそれほど意味のある事とは思えなくなってしまいます。
単純なプリン体量だけを見れば、ヘルシーとされている食品でも意外と含まれているという事に驚かされてしまいます。可食部100gあたりの含有量は椎茸で379mg、納豆で114mg、かつお節では493mgとなり、粗食のイメージがあるニボシでは746mgも含まれています。
そうした数値だけを見ているとビールなどほとんど健康に影響を与えないような印象を持ってしまいがちですが、実はそうでもない部分もあります。食品から吸収されるプリン体は全体のごく一部で、吸収効率を考えると体内で生み出されているプリン体量3分の1程度にしかなりません。この体内生産量に対しアルコールは悪影響を与えてしまう事が知られています。
アルコールが体内で分解される際、プリン体で問題とされる通風の原因物質、尿酸の生産量を増やし、排泄を妨害する作用があり、アルコールの摂取は二重に通風に悪影響を与える働きをしてしまいます。その意味からはビールよりもはるかにプリン体含有量が少ない焼酎の方が、アルコール度数が高い分、通風には悪影響を及ぼす事も考えられ、単純に含有量の比較だけでは判断できないものを感じてしまいます。やはり上手に付き合えという事でしょうか。
第766回 緑茶の効能
2007年05月09日
最近、コーヒーやお茶をはじめとした嗜好品の効能が、改めて評価される例をよく見かけます。嗜好品は特有の成分を含み、それらのクセが特徴となって嗜好品として成り立っているので、独自の効能を持っている事は充分に考えられます。
広く普及しているお茶、特に緑茶には茶カテキンが知られるようにってからは、多くの効能が言われるようになってきています。そんな緑茶の新たな健康効果として、緑茶を愛用する事で脳梗塞の脂肪リスクを大きく減らせる事が判ってきています。
東北大学の栗山准教授をはじめとした研究チームによる40〜79歳までの男女4万5000人を追跡調査した研究で、1日に飲む緑茶の量で4グループに分けたところ、1日に5杯以上飲むというグループで有意に脳梗塞のリスクが低下しているという分析が出されています。
脳や心臓などの循環器系の病気による死亡リスクは、緑茶を多く飲む人ほど低く、5杯以上飲む男性は1杯以下の男性より22%、女性で31%も低下し、脳血管障害の発生率も男性で35%、女性で42%も低く抑えられています。特に傾向として脳梗塞のリスクが顕著に低かったと言います。
今回の研究ではガンの死亡リスクに関しては、明確な関連性が見出せなかったそうで、緑茶を発酵させた紅茶やウーロン茶では、同様の効果は確認できなかったとしています。
お茶はもともと薬として扱われていた事を考えると、その効能が裏付けられたようで、当然という感じもしないでもないですが、研究に当った栗山准教授の「予想以上の差があり、驚く結果」というコメントからも、今回の研究は緑茶に新たな付加価値を与えてくれたのではないでしょうか。
第765回 研ぎましょう。
2007年05月08日
主食であるお米離れが懸念される中、少しでも消費量を上げようとさまざまな付加価値を伴ったお米が登場しています。お米の購入が地域に根差した米穀店からスーパーへと変わっていった事も、そうした購買意欲を刺激する商品の開発という流れに拍車をかけているのかもしれません。
食糧庁が行ったモニター調査では、付加価値の付いたお米を購入した事があると答えた人は、全体の46%に上り、使っている、たまに使っていると答えた人が36%となり、普及率の高さを伺う事ができます。
付加価値の付いたお米の内訳としては、洗わずに済む無洗米が最も多く43%。減農薬栽培米が37%、有機栽培米が29%、無農薬栽培米は14%となり、発芽玄米の14%と同じ数字になっています。
選考基準は、栽培方法、品質などで安心感が持てるからというものが半数の50%を占め、健康維持に効果がありそうだからの32%、美味しいからの33%を上回っています。環境に優しいから31%、手軽で便利だから27%を見ると、無洗米が最も選ばれていた事には反する感じがしてしまいます。
今後の購入希望に関しては無農薬栽培米が21%と最も選ばれ、有機栽培米19%、無洗米19%と続いています。購入経験と購入希望との違いは、入手経路の困難さや価格が割高である事が関係していると思われます。
無洗米という言葉が定着するようになってから、特にお米を洗うという表現が一般化したように感じられてしまいますが、お米は少量の水で手早く、米粒をこすり合わせるようにして「研ぐ」必要があります。美味しいお米を食べてもらうには、洗うではなく研ぐ事をお薦めしたいのですが、お米を炊くという事を面倒と答えた人の90%が、面倒と感じる理由を「お米を研ぐ」という部分にあると答えているので、お米離れを防ぐには研がない方がよいのかと、ちょっと寂しいものを感じてしまいます。
第764回 マゴットセラピー?
2007年05月07日
超個人的な事ですが、ライフワークの一つに最高の甘酒饅頭を探すというものがあります。今のところお気に入りの店が一軒見つかり、その店を超える甘酒饅頭を探しているのですが、なかなかそう簡単には見つからないようです。
お気に入りのその店へはそれなりに距離があるので、気軽に買いに行くとい感じではないのですが、たまに食べたくなると車で1時間以上もかけて通ってしまいます。その店で気になる事が一つ。店に入るとすぐに目に付く位置に歌手の村田秀雄さんのサインと、テーブルに山のように積まれた甘酒饅頭に手を伸ばす村田さんの写真が貼ってあります。晩年の村田さんの糖尿病の事を考えると、甘酒饅頭程度ではほとんど影響はない事は解りきっていても購入意欲に僅かな翳りを感じてしまいます。
糖尿病の怖ろしさは、糖尿病に由来したさまざまな合併症にあると言っても過言ではありません。中でも末梢部が壊死する「難治性潰瘍」は、症状が進むと切断という治療法しかなくなる怖ろしいもので、村田さんという有名人の身の上に起こったという事でも、極めて稀な例ではない事が感じられます。
その難治性潰瘍の新たな治療法として、「マゴットセラピー」が注目されています。マゴットと言うとどことなくかわいらしい感じがするのですが、マゴットとはハエの幼虫の事で、一言でいってしまえば「ウジ虫」の事を指し、ウジ虫を潰瘍を起こした部分の治療に当らせる事で、9割の患者が足を切断せずに済むという高い治療効果が認められていると言います。
治療法は至って簡単なもので、壊死を起こした部分にウジ虫を置き、ガーゼで覆いをします。後は週に2回ほどガーゼを交換するだけで、2、3週間もすれば効果が現れるそうです。ウジ虫が傷口の腐敗した部分だけを食べて正常な部分は食べないので、傷口がきれいになり、唾液に含まれる成分が微生物を殺し、酵素が傷の治りを早めてくれます。
実際に治療を受けた患者の例として、足を切断するしかないとされていたものが、1週間ほどで潰瘍が半分の大きさになり、痛みも軽減。3ヵ月後には完治して退院できたと言います。さらに切断を免れた事で歩行ができる事から、軽い運動ができるようになり、その後の血糖値のコントロールも良好に行えるようになったという相乗効果も生まれてきています。
治療に使われるマゴットはヒロズキンバエの幼虫が最適とされ、当初はオーストラリアから輸入されていた事から完治するまでには30万円ほどの費用がかかるとされていましたが、担当医が自前で育成したところ12〜18万円程度で済むようになったと言います。切断手術には保険が適応される事から1ヶ月の入院で自己負担は8万円程度とされ、費用的にマゴットセラピーはまだまだ高額と言えますが、その後の生活の質を考えた場合、差額の負担感は随分と変わってくるのではないでしょうか。
第763回 一般名処方
2007年05月02日
新薬の開発には莫大な時間と資金を必要とします。当然それらは薬剤の価格に反映され、一定の期間を特許によって保護されている間に資金の回収と利益の確保が行われます。当然の事ながらその間、他の製薬メーカーでは有効成分や効果を発揮するメカニズムを充分に理解はしていても、同じ薬剤を製造販売する事ができなくなっています。
特許によって保護されていた期間が過ぎると、他のメーカーでも同じ内容の薬剤を真似て作る事ができるようになり、開発費などを回収する必要がない分、同じ内容の薬剤であっても安価に販売する事ができ、それらはジェネリック医薬品として広く認識されてきています。
ジェネリック(Generic)とは一般名という事を指し、薬品の成分名の事を意味しています。医薬品には成分名と商品名が存在し、身近な例として最近話題の「タミフル」も実は商品名で、成分名としては「リン酸オルタナビル」となります。
新薬の価格は、製薬会社の新薬開発能力を育てるという意味から、国が薬価を高めに設定しているので巨額の開発費をかけても充分に利益が確保できるようになっています。そのお陰でさまざまな新薬が次々と開発されてきたのですが、同時に薬剤の価格の高騰に繋がり、医療費の圧迫という自体にもなってきています。
ジェネリック医薬品の普及は医療費の低コスト化に貢献するだけでなく、実際に治療に用いる患者の経済的負担も緩和してくれるという良い点を持っています。これから高度経済成長期に開発された多くの薬剤の特許が切れる時期に差しかかってくるので、ジェネリック医薬品に出会う機会も増えてくる事も予想されます。CDなどでは、過去の名盤とされるアルバムを安価なシリーズにして販売する例も多く見られます。ジェネリック医薬品もそうした流れになっていくのではと考えてしまいます。
第762回 健康炊飯
2007年05月01日
GABA・・・γーアミノ酪酸、最近ではストレスに対抗する物質として、豊富に含んでいるチョコレートが人気を集めていました。GABAを最初に知ったのは、血圧を下げる物質として紹介され、発芽玄米に多く含まれるとされていました。
血圧を安定させたり動脈硬化を防ぐ働きを持つとされたGABAですが、実際、高血圧のネズミにGABAを含むエサを与え、驚くほどに血圧が下がったとする報告も行われ、健康効果の高さが証明されています。
また、GABAは体内では脳の中に多く存在し、脳内の血行を良くしたり、神経伝達を活発にする働きも知られるようになり、それらの働きがストレスに対抗するのに有効と考えられるようにもなってきています。
そうしたさまざまな働きが知られてきてるGABAですが、含まれているチョコレートや発芽玄米が通常の食品としては割高な価格設定がされているので、一見貴重な成分のように思えてしまいますが、発生させるのはそれほど難しい事ではなく胚芽米や玄米をしばらく水に漬けておけば発生させる事ができます。
水に漬けておく時間が長いほど多く発生するので、最低でも3時間、できれば一晩が理想で、米に含まれる酵素の働きによって発生する事を考えると、古米よりも新米の方がより多くの酵素が活性化していて、より効率的に発生させられると言えます。
GABAの働きを考える上では、ビタミンB群との相乗効果も見逃せないものがあるので、白米よりもより多くのビタミンB群を含む新米の玄米や胚芽米を一晩ゆっくり水に漬けて炊き上げるのがより健康的な炊飯方法と言えるのかもしれません。
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