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第1098回 音検査     2008年09月30日

 BSE(牛海綿状脳症)の問題は、解決への糸口よりも慣れの方が先に立ってしまい、あまり騒がれなくなってきたように思えます。相変わらず研究は進められているようですが、それよりも店頭に米国産牛肉が並ぶ方が早く、食の安全性よりも経済優先という事を露骨に感じさせられてしまいます。

 そんな中、先日、新たな検査手法に関するレポートが出されていました。一定の周波数を含む音楽を牛に聞かせ、その際の脳波の動きを観察する事で狂牛病の発症を診断する事ができる可能性が出てきました。

 BSEに感染した牛と健康な牛では、音による刺激を受けた際に生じる脳波の波形の一部に違いがある事が検出され、発症した事によって脳内で音の刺激を感知する聴覚神経などに障害が起きる事が考えられています。

 これまで外見で発症を検知するには、かなり症状が進んでから足に震えがきたり、立ち上がれなくなったりという状態を確認するしかありませんでしたが、今回の検査方法が確立されれば早い段階での感染の確認が出来る事となります。

 最終的な確証を得るには、やはり脳の組織検査が必要にはなるという事ですが、事前に感染の有無に関する予測を得られる事は、食の安全性を高めるという点では非常に大切な事となります。検査の確度を高める事や検査装置、方法の簡略化が進めば牧場単位での一斉検査も可能となり、BSE対策も大きく変わってくる事と思います。食の安全確保に大きな前進となるのではないでしょうか。


 



第1097回 事故について     2008年09月29日

 最近よく耳にしていた言葉、事故米。定義としてはウルグアイラウンドの合意に基づいて輸入された米の一部で、倉庫に保管中にカビが生えたり、異臭が発生したりして食用に適さないと判断された米という事になります。

 年間2千トン程度が事故米となるとされ、工業用の糊の原料として使う他、灰にして建設資材に使用されていると言われます。その一部が食用として転用された事から、今回の大変な騒動へと波及するのですが、事故米という呼び方については当初から違和感を感じていました。

 日本は主食である米を保護するために外国産の輸入米に対し、約780%もの高い関税を設けて安い外国産米が市場に出回り、国内の稲作が過剰な競争にさらされる事がないようにしています。そのかわりに毎年一定量の輸入が義務付けられ、年間77万トンの外国産米が輸入されていますが、その中から事故米が発生している事になります。

 輸入された後、充分な条件下で保管されていたのにカビや異臭が発生したというのであれば、予期せぬ損害が生じたという事で事故という呼び名も適切とは思えるのですが、輸入の際の検査で残留農薬やカビが発見されるというのは、単に品質の問題であり不良品の類ではと思ってしまいます。

 真偽の程は確認しようがありませんが、専門家の意見の中には、輸出しても食べられる事はないのだからという事で、最初から質の劣る米が使われ、輸入する側もそれが判っていたというものもあります。

 健康に被害を及ぼす可能性があり、食用としては不適格とされた物が密かに食用に転用されていたという事は大変な問題ですが、事故米という名前を使用していたあたりから既に問題は始まっていたように思えてしまいます。


 



第1096回 食用緑虫?     2008年09月26日

 ミドリムシと言われると、どんな虫だっけと考えてしまいます。おそらく肉眼で見た人はいないと思うのですが、水田などの流れが緩やかな淡水に生息する体長30〜50ミクロンのごくありふれた原生生物です。

 全く姿を見た事がないかというとそんな事はなく、水の中を尻尾のようなべん毛を回転させて移動する姿は、理科の授業などでべん毛の説明の際によく使われています。

 べん毛を使って移動する事から、動物としての特徴を持つだけでなく、ミドリムシの名前の由来ともいえる緑色は葉緑素の色で、光合成を行なうという植物としての特徴も兼ね備えてします。そのため、唯一の植物と動物の中間の存在とも言われる事があります。

 ミドリムシは光合成を行なって二酸化炭素を固定する際、非常に多くの二酸化炭素を効率よく固定する事でも知られ、地球温暖化で二酸化炭素が問題になる中、注目を集めはじめています。

 通常、光合成による二酸化炭素の固定効率は、我々が主食としている米を作る際が0.7%、トウモロコシで1.5%とされますが、ミドリムシは30%近くもの固定効率を発揮し、炭素濃度が高いほど効率が上げられる事から、二酸化炭素を25%も含む鉄工所の排煙の中では、実に78%もの固定効率を記録すると言います。

 ミドリムシの優れた特性はそれだけでなく、水や栄養塩、二酸化炭素、太陽光さえあれば、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルなどの人が生命を維持する上で必要となるほとんどの栄養素を作り出す事ができます。

 50万キロワットの電力を作り出す火力発電所が一日に出す二酸化炭素を吸収させる場合、縦横800m、深さ1mの水槽が必要となると試算されていますが、そこで培養されたミドリムシを乾燥させて食料とした場合、カロリー換算で19万人分の食料が生産できると言います。

 環境問題と食糧危機を併せて解決してくれそうなミドリムシですが、欠点があるとすれば名前かもしれません。栄養価が高く健康に良いとされる食品が新発売されて店頭に並んだとして、手にとって裏面のラベルを見ると原材料にミドリムシ...。ちょっと食欲がなくなるかもしれません。学名「ユーグレナ」と呼ぶ事で、少しは緩和されるのではないでしょうか。


 



第1095回 死期装置     2008年09月25日

 認知症は高齢者の生活の質を大幅に低下させてしまうと考えられます。それまでに積み上げてきた思い出や習慣、家族との関わりが変化し、日常的な行いさえ維持する事が難しくなってしまう事さえあります。

 そんな認知症がなぜ起こるのかという話をしていた際、認知症はやがて訪れる死への恐怖を和らげる安全装置なのだという話を聞かされた事があります。

 また最近の研究では、認知症の存在がなくても死亡する15年ほど前から重要な知的技能の衰えが加速する事が確認され、死へと向かう事と知的機能の衰退とは何らかの関係がある事が示唆されています。

 言語能力、空間認識、知覚速度の衰退が顕著に見られるとされ、通常の老化に見られるプロセスとして生じるものとは無関係とされます。死期が近付く前に認知能力が衰退する事は過去の研究においても確認されていましたが、比較的健康な人にも衰退が訪れる事が明示され、認知能力に影響を及ぼす脳の変化が長期間にわたって生じる事が明確にされた事になります。

 具体的には知的技能の衰退は年齢や認知症とは無関係に始まり、言語能力の低下は死亡する6年以上前から急激に加速するとされ、空間認識能力は約8年前から明確な衰えが見られ、対象を正しく素早く比較する能力である知覚速度の衰えに至っては、15年も前から始まる事が判ってきています。

 今回の研究で明らかにされた事は、正常な老化プロセスと死へと向かうプロセスの違いの存在を示したものであり、加齢に伴って知的機能がどのように変化するかを考えた場合、高齢者と死期が近付いた人は同じではないという事を示し、知的機能の低下が加速する時期の存在、それがこれまで考えられてきたよりも遥かに早く始まる事を明確にした事になります。やはり死へと向かう恐怖を和らげる安全装置は存在するのでしょうか。


 



第1094回 心の所在     2008年09月24日

 ねんきんと言うと、昨今世間を非常に騒がせ、いまだに決着がつかない問題を思い出してしまいますが、今回の話題はそれとは違うねんきん・・・粘菌の方の話です。

 粘菌と言われるとSF映画やアニメの世界では、ちょっと怖い存在として描かれる事もありますが、粘菌はそれほど特殊でも珍しい存在でもありません。

 森の中や薮の落ち葉などが腐った地面に普通に見られる菌で、変形菌と呼ばれる事もあり、世界で600種ほどが発見されています。

 ありふれてはいても、何か特殊な能力が備わっているらしく、地面に多数の粘菌がバラバラに存在していても気温や湿度などが生存に適さないような危機的な状態に陥ると、それまで無関係なようにバラバラだったものが一点を目指して集まって来るという習性があります。

 一点に集まった集団は、それぞれ別個だった個体が結合をはじめ、細長いひも状の柱となって上へと伸びていきます。一定の高さになったところで頂点が球状に膨らみ、球体の中から無数の胞子を飛び散らせ、やがて胞子は新たな地面で発芽し、粘菌となって新たな生活がはじまります。

 それまでバラバラだった個体が何故統一された意思を持つかのように、同時に一点を目指すのか。結合点となる一点には、すべての粘菌が最短距離で集合すると言います。

 柱となる結合は到着順に始められますが、到着までの時間が予め計算されていたかのように、到着が速すぎてその部分が多めに結合していたり、遅れが出て柱が細くなったりという事は一切ないとも言います。

 粘菌は菌類なので、高等生物のように脳を持つ事はありません。しかし、危機的状況に際して、最善の行動を統一された意思の下で行なうには、常に情報を共有し合う優れた情報システムと意思を同じくする高度な教育が必要はずです。

 粘菌の最短距離を見つける能力や強固な柱を築くというネットワーク構築力は、基本的な部分で「心」の機能に近いのではとも言われています。脳を持たない粘菌にとって、情報学習機能と言えるそれらの働きは代謝反応系によって構成されている可能性が高いと見られています。 

 そうなると、これまで高度な脳に依存すると考えられてきた心の存在は高等生物特有の物ではなく、代謝系の反応として地球上のほとんどの生物に存在する事になります。

 身体機能や器官の構成などに目がいきがちで、生物を高等、下等と分けてしまっていますが、全ての生物に心が存在する事は古代の人々の世界観によっても語られる事があります。一見地味な存在の粘菌が、世界中の生物を代表して心の存在を証明してくれる。そんな日がやがて来るのかもしれません。


 



第1093回 毒ミルク問題     2008年09月22日

 以前、ペットフードを食べた犬や猫が腎不全を起こして急死するという事件が起こりました。原因とされた物質はメラミン。ペットフードに含まれるタンパク質の量を多く見せかけるための、いわゆる偽装の一環として混入された物でした。

 今回、またメラミンが新たな問題を引き起こしています。今回は粉ミルクを飲んだ乳児に腎臓結石が多発し、メラミンの粉ミルクへの混入が発覚。原料となる牛乳の質を偽装するためにメラミンを混入していた事が、粉ミルクへのメラミン混入へ繋がったとされています。

 牛乳への混入が明らかになると、中国産牛乳を原料として使用していた製品から相次いでメラミンが検出され、牛乳という原料の利用度の高さを考えと、これからメラミン汚染問題はさらに大きく拡大するのではと思われます。

 食品中のタンパク質の含有量を測る際、窒素の含有量を測定する事でタンパク質の量を判断する事ができます。そのため代表的なタンパク質の定量法であるケルダール法は、純粋なタンパク質以外にもメラミンをはじめとしたアンモニア性窒素に反応します。工業的にメラミンを製造する場合、ほとんど尿素を原料としている事から、メラミンが豊富に窒素を含んでいる事が判ります。

 工業的に製造されたメラミンはホルムアルデヒドと反応させる事でメチロールメラミンとなり、熱硬化性樹脂であるメラミン樹脂の原料となります。メラミン樹脂は耐熱性に優れ、耐水性、機械強度なども優れている事から、大量に生産されて私達の身の回りにはたくさん存在しています。

 そんなメラミン樹脂の健康への影響が懸念されたのはメラミンについてではなく、メラミンと反応させるホルムアルデヒドが溶け出して環境ホルモンとして作用してしまう事や、発ガン性に対するもので、メラミン自体の毒性に関するものではありませんでした。

 元々メラミン自体の毒性はそれほど高くなく、毒性の高さの指標となるLD50(半数致死量)の値は1−3g/kgとされ、毒性の強さとしてはLD50が0.5−5g/kgの食塩とほぼ同じ毒性という事ができます。

 それでは何故、あれだけの健康被害がと思ってしまいますが、実はメラミン自体の毒性というよりメラミンに含まれるメラミン合成の際の副産物であるシアヌル酸に問題があります。シアヌル酸は尿中で化学反応を起こし、メラミンシアヌレート(シアヌル酸メラミン)と呼ばれる結晶を生じ、それが排出されない事から腎臓結石を引き起こし、腎不全へと繋がる事が健康被害を発生させています。

 輸入食料に対する検査は、これまでは残留農薬を中心に行われ、常識では考えられないメラミンの混入に関する検査は行われていません。今後、乳製品に限らず牛乳由来のタンパク質を使用した製品など、多くの食品に問題が波及する事が考えられます。そろそろ食料自給率について真剣に考え直すべき時期にきているのではないでしょうか。


 



第1092回 醤油いろいろ     2008年09月19日

 先日、だし醤油に関する話題を取り上げましたが、実はだし醤油、厳密には醤油ではありません。正式な基準に照らし合わせると、だし醤油は醤油を使った加工品、ドレッシングの類に分類される事なります。

 醤油は食品の塩漬けに端を発したひしおの一種で、大豆、小麦、塩を麹菌や乳酸菌、酵母による複雑な発酵過程を経て生成され、JAS(日本農林規格)の規格によって製造方法、原料、特徴などから5つの種類に分類されています。

 濃口、淡口、たまり、再仕込み、白という5つの種類の醤油が存在しますが、この中で最も古い歴史を持つのがたまり醤油です。たまり醤油は風味や色が濃厚な醤油で、刺身用や照り焼きのタレなどに向くとされます。原料の中で大豆の比率が高く、小麦はわずかしか使われません。

 江戸時代の初期まではたまり醤油が主流となって流通していましたが、産地が近畿と讃岐に集中し、仕込みから出荷までに3年もの時間がかかってしまう事から、常に品薄の状態が続き、醤油は貴重品となっていました。

 その後、寛永年間に入ると一大消費地となっていた江戸において、仕込みから1年で出荷できる醤油として濃口醤油が考案されます。現在でも濃口醤油は、最も一般的な醤油として扱われ、醤油生産高の9割以上を占めています。

 通常、醤油というと濃口醤油の事を指し、料理で使用する際の汎用性も非常に高くなっています。原料の比率は小麦の量がたまり醤油と比べて非常に高く、大豆とほぼ同量が使われています。

 濃口醤油以外の醤油というとすぐに淡口醤油が思い浮かびますが、淡口醤油は濃口醤油から20年ほど後に現在の兵庫県龍野の円尾孫右衛門長徳によって考案されたと言われています。

 仕込みを行う際、小麦の炒りを浅くし酒を加えるという特徴があり、麹の量を少なめにして塩水の比率を高めにしている事から、濃口醤油と比べて塩分濃度が高くなっています。香りや色が薄く仕上げられる事から、素材の色や風味を生かす料理に使われています。

 再仕込み醤油は別名甘露醤油とも呼ばれ、色、風味共に濃厚になっています。淡口醤油の考案から120年ほど後の天明年間に、周防の柳井で考案されたとされ、仕込みの工程で塩水の代わりに醤油を使う事から再仕込みと呼ばれています。

 白醤油はたまり醤油の逆で、小麦が非常に多く大豆はわずかしか使われません。再仕込み醤油の考案から20年ほど後、金山時味噌の上澄み液を元に当時の三河国で考案されたと言われます。

 主原料が小麦のため、他の醤油よりも糖分が多く、一般的に加熱処理を行わない事から酵母が生きています。他の醤油に比べて日持ちが悪いとされますが、色の薄さに反して味は濃い目なので、素材の色を生かした料理には重宝する存在となっています。

 醤油は濃口だけでかなりの利用法をカバーする事ができますが、揃えてみると奥が深いものを感じる事ができて楽しませてくれます。最近では減塩醤油や卵かけご飯専用醤油などの新手の物も出回っているので、いろいろと使い比べてみるのも面白いかもしれません。


 



第1091回 ポジティブのネガティブ     2008年09月18日

 かつて使用してはならない食品添加物が定められ、リストに記載されていました。記載された食品添加物は、その食品を作る際に使用する事が禁じられ、指定された添加物が混入した食品は市場に出回る事がないようになっていました。

 それが使用できない食品添加物の指定から、使用してもよい物を指定してリスト化し、リストに記載されていない物はその食品を作る際に使用してはならないという決まり、いわゆるポジティブリスト制へと変更されました。

 従来の使用禁止添加物をリスト化したネガティブリスト制では、新しい食品添加物が開発された際、リストに記載がない事を理由に安全性が確認されていない状態でも使用されてしまう懸念がありました。ポジティブリスト制の導入によって将来的な安全も確保されたという事ができます。

 ポジティブリストを厳格に運用する事で食品の安全性を確保できるだけでなく、規格化を図る事もでき、品質や製法を一定に保つというメリットも考えられます。

 しかし、ポジティブリストを厳格に運用する事は、食の安心安全の確保という趣旨を離れ、思わぬ弊害を生む事となってしまいます。最近の事例としては、マヨネーズの件が広く知られている事と思います。

 そのマヨネーズメーカーでは、砂糖の代わりに国産のハチミツを使っていました。ハチミツを使う事で、柔らかな甘味とコクが加わり、砂糖を使うよりもヘルシーである事から、美味しい自然派マヨネーズとして一部のマヨネーズ愛好家から支持されていました。

 マヨネーズの基準には砂糖の使用は認められていますが、ハチミツの使用は認められていません。国の指導によりそのメーカーでは原材料を変更するか、マヨネーズとしての流通を諦めるかという選択を迫られます。

 原材料を変更すると、これまでのような味わいを出す事は不可能になります。しかたなくそのメーカーでは、マヨネーズの名称を「半固体状ドレッシング」に改めざるを得なくなりました。

 その後、健康食品でもあるハチミツを使う事でマヨネーズでなくなるのはおかしいとして、多くのマヨネーズ愛好家による署名活動が行われ、ハチミツの使用を認める基準改正が実現しています。

 マヨネーズは救われましたが、昔ながらの味を大切にするこだわりの醤油の場合は救われていません。昔ながらの醤油の味、それは仕込みに使われる塩が昔は精製度の低い海洋塩であった事から、多くのにがり成分が含まれ、独特の苦味を持っていたとされます。

 老舗の醤油メーカーはその苦味を大切にしてきましたが、近年、海洋汚染などもあって良質な海洋塩が手に入らなくなっていました。さまざまな塩を試してみた結果、今でも入手可能な塩ににがりを加える事で昔ながらの味を再現する事になりました。

 醤油の製造には大豆や小麦、塩といった材料は認められていますが、添加物としてのにがりは認められていません。にがりといえば健康に良い物として、わざわざ食事に加える人もいるくらいなのに、その醤油では認められていない添加物が加えられているとして、一定の品質を保証するJASマークの認証が取り消されています。

 リストの厳格な運用を行う事は、食の安全を確保する上では不可欠な事ではありますが、そのリストを作る元となったものがどのようなものであったのかを振り返る事は、良い制度を根付かせる上では大切な事なのかもしれません。


 



第1090回 割りとかえし     2008年09月17日

 料理のレシピを作成する際、できるだけ規格が統一された素材を使うようにして、その料理の再現性が確保できるようにしています。しかし、最近のレシピの多くにだし醤油なる物が出てくるようになり、ちょっと抵抗感を感じています。

 だし醤油の定義は、醤油に旨味が加えられた物という事で、昆布や鰹節の出し汁の旨味やみりんを生醤油に加えて作られて、味に深みが与えられています。

 生醤油に旨味を加えるだしの配合やみりんを加える割合などは、製造するメーカーによって違いがあり、その点では味が一定ではないという考え方もできてしまいます。また、レシピによってはめんつゆとの違いが明確ではない、めんつゆをだし醤油として使っているという例も見受けられます。

 めんつゆは生醤油に出汁やみりんを加えて作られています、と言ってしまうとだし醤油との違いが曖昧になってしまいます。実際、含まれている成分だけで見ると、めんつゆとだし醤油は同じ物にしか見えません。

 両者の違いを分けるのは、和食で使われる「割り」と麺類に使われる「かえし」という存在にあります。割りとは醤油、出汁、みりんの配合比率の事を指し、店や料理人によって微妙な違いはありますが、使われる料理ごとに基本となる割りが存在します。

 事前に割りを作っておけば料理の際に便利という事や、割り自体の味も良くなる事から、一定の割合で醤油と出汁、みりんを調合して作り置きした物が「八方地」と呼ばれます。

 八方地の八方とは、八方美人の言葉から想像できるように全てに対応できる事を示し、八方地に少し手を加えて汁物の元となる汁地や煮物に使う煮物地などが作られています。

 めんつゆはこの八方地から派生して用途をめんつゆに限定した物と見る事ができなくもなく、水やお湯、出し汁などで希釈する事でうどんやそば、そうめんなどの和の麺類を食べる事に適した調合になっている物とも言えます。

 しかし、本来、麺類を食べる際の汁物としては「かえし」が使われてきました。かえしは醤油とみりんを調合して寝かせておいた物に出し汁を加えて適度な濃さにした物で、濃い目にすれば漬けだれ、薄めにすればうどんやそばのつゆとなります。

 厳密には使われる麺の種類や格付けによってだしの種類、だしを取る素材の配合、一番、二番、追いといっただしの取り方や関東、関西といった地域的な違いなどがありますが、それらを含めて万能にしたのがめんつゆという事になります。

 少し強引ではありますが、割りの系統に入るのがだし醤油で、かえしの系統がめんつゆという区別ができると思います。最も重要な実質的な違いに関してはメーカーや地域的な違いこそありますが、だし醤油は万能調味料の一種であり、醤油を念頭に置いているだけに塩味が勝り、めんつゆは希釈してつゆとなる事を意識している事から、だし醤油よりも甘味が勝るという傾向があります。

 調味料として使われるだし醤油、めんつゆ、昆布茶の粉末。従来の調味料と比べて、どことなく使う事に抵抗感を感じてしまうのは、私が昔気質だからでしょうか...。


 



第1089回 感染肥大?     2008年09月16日

 肥満というと何処となく自己管理能力が劣るイメージを持たれてしまう事があります。そのためかつて米国では、肥っているというだけで出世できないとまで言われた事がありました。

 ウィルス感染というと偶発的な出来事のようで、充分気をつけてはいても感染症を起こしてしまう感じがします。一見関係のなさそうな肥満とウィルス感染、その両者に関連性があるとしたら、どのようなイメージで捉えられてしまうのでしょうか。

 これまでの研究で、肥った人の方が痩せた人よりも喉や目に感染症を引き起こすアデノウィルス36(Ad−36)が広く分布している事が知られていました。

 今回、新たな研究として成人の幹細胞を採取して、半数にAd−36を感染させて約一週間培養を行なうという実験が行なわれています。

 その結果、Ad−36に感染した多くの細胞は、脂肪細胞へと変化する脂肪細胞の前段階である「前脂肪細胞」へと変化し、感染していない幹細胞にはそうした変化は見られませんでした。

 また、幹細胞に投与したウィルスの量が多いほど、脂肪の成長が大きく、男女、どちらの幹細胞にも等しく同じ傾向が見られています。

 ウィルスに触れた細胞は、通常よりも速い速度で脂肪を集めて、より大きな脂肪細胞へと変化する事が明らかになっただけでなく、Ad−36の遺伝子の一部に脂肪の成長を促進する物が含まれ、それが脂肪細胞の成長に直接関与する事も明らかにされてきています。

 Ad−36が肥満を引き起こす詳細なメカニズムや、影響がどの範囲に及ぶといった事はいまだ解明されていませんが、研究が進み、全てではないにしても肥満の原因の一つが解明され、ワクチン治療などによって治療できるというのは、非常に喜ばしい事ではと思ってしまいます。


 



第1088回 ジュースで阻害     2008年09月12日

 グレープフルーツが薬剤の作用に影響を及ぼす事は広く知られています。血圧を下げる降圧剤のニソルジピンやフェロジピン、高脂血症治療薬のシンバスタチンなどは、効き目が強くなってしまったりする事から、グレープフルーツジュースで服用する事は避けなければ危険だとされます。

 さまざまな薬剤がグレープフルーツと相互作用を持つ事が報告され、薬剤を摂取する際はグレープフルーツジュースで飲用しない事や、直前や直後の食事でグレープフルーツを食べない事などが注意されていますが、そうした注意はグレープフルーツ特有のもので、同じ柑橘類であるオレンジやその他の身近な果物には必要ないと考えられてきました。

 しかし、最近の研究でオレンジやリンゴでも一部の薬剤の吸収率を低下させ、予定していた薬効や治療効果を低下させてしまう懸念がある事が明らかにされてきています。

 今回明らかにされていたのは、抗ガン剤や降圧剤、心臓疾患の予防薬や免疫抑制剤などの一部の薬剤で、果汁で服用すると水で服用した場合と比べて大幅に薬剤の吸収量が低下し、半分ほどに留まる例も確認されています。

 果汁に含まれるさまざまな物質が薬剤の吸収に影響を及ぼしている事が考えられ、薬剤を体内に取り込む輸送体の作用を妨げて吸収率を下げている事や、薬剤の代謝を行う酵素の働きを阻害し、薬剤が正常に分解される事を妨げている物質も含まれていると言います。

 やはり薬剤は説明書通りに水かぬるま湯で服用する事が大事で、一口で済ませるおではなくコップ1杯、充分な水分を摂る事。できれば冷たい水の方が胃を通過する時間が短くなるので、薬剤が素早く小腸へと行き、血液中に早く取り込まれる事になるので良いとされます。薬を服用する際、急に身体を気遣って100%のフルーツジュースでビタミン補給というのは、とにかくやめておいた方が良いようです。


 



第1087回 コシの要因     2008年09月11日

 夏場、食欲が下がりがちな際などに冷たい麺類が重宝する事があり、それを裏付けるかのように夏場の素麺や冷麦の売り場は充実しています。

 麺類の美味しさを決める要因の一つに「コシの強さ」があります。コシの強さとは、麺を噛んだ際の歯応えの事で、麺類独自の弾力を示す言葉でもあります。

 以前、コシの強さで知られた稲庭うどんをMRIなどの機器を使って分析した調査では、稲庭うどんには直径0.03mm程度の微細な気泡が多く含まれ、それが独自の反発力となってコシの強さに繋がっているという結果が報告されていました。

 また、麺のコシについては、小麦に含まれるグルテンの存在を無視する事はできません。グルテンは、小麦やライ麦などの穀類の胚乳から生成されるタンパク質の一種で、高い粘りと弾性を持っています。

 胚乳の中に貯蔵されたタンパク質の一種であるグリアジンとグルテニンに水分を与えて反応させると、グルテンが生成されて独自の粘りと弾力が出てきます。グリアジンは弾性はありませんが伸びやすく粘りがあり、グルテニンは弾性が高く粘りがありません。その二つが絡み合ってグルテンになる事で、粘りと弾性に富んだ性質が発揮されます。

 麺に粘りと弾性を与えるグルテンですが、多くなり過ぎると麺が固くなってしまうために、多く形成されないようにして適度な量に調整する必要があります。美味しい麺を打つには、水分量と捏ねる加減に経験が必要なのはそのためでもあります。

 麺のコシに関しては、ほとんどグルテンばかりが語られてしまいますが、実はもう一つ大切な要素が残されています。それは麺に含まれるデンプンの状態で、デンプンがどのような状態にあるかで麺のコシは大きく左右されてしまいます。

 デンプンにはαとβと呼ばれる状態があり、私達が食用としているのはα化したデンプンです。通常、穀類に含まれるデンプンは硬いβの状態にあり、それに水分を加えて加熱する事で柔らかいα化させて食べています。

 麺は捏ねていく段階でグルテンとデンプンが複雑な組織を作り、それが茹でられる事で中のデンプンがα化した組織が出来上がります。そのままでは麺が柔らかくなってしまうので、茹で上げた麺を冷水にさらし、温度を下げてα化したデンプンの一部をβの状態に戻してやる事で麺に適度なコシが備わる事になります。

 よく麺作りの最終工程に、冷水にさらしてぬめりを取りと書かれていますが、そのぬめり取りの間に行われているのがデンプンのβ化で、冷たい麺の方が温かい麺よりもコシが強いように感じてしまう理由も、このデンプンの状態にある事がよく解ります。


 



第1086回 腐食分光     2008年09月10日

 物に光を当てると反射光を生じます。散乱する反射光の中には元の光とは異なる波長のものが含まれ、それらは光を反射させた物質の分子などが変調させていると考えられ、そうした現象を発見者の名前に因んでラマン効果と呼んでいます。

 ラマン効果によって生じる元の光の波長と反射光の波長の差は、光を反射する物質の構造に特有の値と考えられているので、当てる光を単一の波長のものにする事で、反射光を分析すれば物質を特定する事ができます。

 ラマン分光法は、光源として単一の波長の光であるレーザー光線を使い、反射してきたラマン散乱光を分光器で分析して、検体を破壊する事なく分子の構造や状態を知る事ができる検査方法とされています。

 そんなラマン分光法の新たな利用法として、虫歯ができる前に問題が生じ始めた箇所を特定できるという検査方法が報告されています。

 現時点では、装置自体が歯科治療に適した形状ではないという事もあり、抜歯された歯での実施に留まっていますが、今後この技術が進めば歯が腐食される前に虫歯を発見する事が可能になります。

 虫歯が口内の微生物が産生した酸によって歯のエナメル質のミネラルが失われるという点に注目したもので、光ファイバーを用いて各歯に光を当て、反射された光を分析すればミネラルが失われ始めた箇所を検出する事ができるようになり、現在行われている目視による検査方法よりも的確な検査が行えます。

 問題が生じ始めた箇所を早期に特定できれば、医療用の口腔洗浄液やフッ素の塗布によって修復を行う事ができ、これまでのようにドリルを使って腐食箇所を削るという事が不要になる可能性もあります。歯科治療の恐怖の対象、ドリルの登場回数が減るというのは、何より歓迎できる事ではないでしょうか。


 



第1085回 結び、握り?     2008年09月09日

 おむすびはご飯を携帯できるようにした物で、おにぎりとも呼ばれます。どこででもすぐに食べられるという点からは、非常に歴史があるファーストフォードという見方もでき、シンプルな中にも奥が深いものがあります。

 単純に炊いたお米を握った物から、ご飯にさまざまな具材を混ぜ込んだかやくご飯を握った物。形も三角や俵型などバリエーションにに富んでいますが、このおむすびとおにぎり、どちらの呼び方を普段使っていますか?

 おむすびが最も手軽に手に入る場所、大手コンビニエンスストアの店頭では、チェーン店の系列によっておむすびとおにぎりの表記はほぼ半々に分かれていると言います。

 地域的な違いがあるとする説もあり、一般的にはおむすびは関東圏、おにぎりは関西圏とする意見もありますが、日本地図上にマッピングすると、大部分がおにぎりで関東から東海にかけてがおむすびとなるとも言われます。

 日常的で馴染み深い物である事から、両方の呼び方には厳密な違いはないような気がするのですが、語源を元に見てみると根本的な違いを見つける事ができます。

 おむすび、ご飯を手や型で成型した物なのに、なぜ「結び」という呼び方が使われているのか。それについては、非常に歴史のある書物である「古事記」に由来していると言われます。

 古事記の一節に天と地が初めて分かれた際、高天原に三人の神が生まれ、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)、高御産巣日神(たかみむすびのかみ)、神産巣日神(かみむすびのかみ)と呼ばれます。二人の神に共通する産巣日(むすび)という言葉は、転地万物を生み出す神霊を意味するとされます。

 古来より日本人には山岳信仰があり、山を神格化する傾向がありました。主食であるお米を神の形である山形に模って食べる事で、神の力を授かるようにした食べ物、それがおむすびのはじまりだと言われます。

 その意味からおむすびは三角である必要があり、三角に握られたご飯はおむすびであると言う事ができます。おにぎりはそれから随分と時代が後になってから誕生した言葉で、ご飯を握って成型する「握り飯」を語源としています。

 三角に握られたらおむすび、それ以外の形ならおにぎりという結論になるのですが、難しく考えず、馴染んだ呼び名で美味しくいただくのが一番と思ってしまいます。


 



第1084回 振動の効能     2008年09月08日

 あの手この手という感じでさまざまな種類の健康器具が開発されては、テレビショッピングなどを通じて賑々しい宣伝と共に売られています。どれもそれなりの理論的な裏付けがされていて、購入するほどではありませんが、思わず興味深く見てしまいます。

 中には昔から原理が変らない物や、以前からあった物に一工夫を加えた物などもありますが、今度はどんな事を訴求ポイントにしているのだろうかと思ったりもします。

 そんな中にあって、振動を加える事で脂肪を燃焼させる装置は、ちょっと怪しく思えて理論的な部分にも疑いの目を向けてしまっていました。

 物は分子レベルで振動させると熱を発します。分子の振動こそが熱とも言えます。電子レンジはその原理を利用したもので、強力な電磁波を使って分子を振動させ、熱を帯びた状態を作り出しています。

 しかし、振動による脂肪燃焼装置は、単純に振動を加えるだけで、脂肪細胞を分子レベルで振動させるものではありません。実際、体細胞を分子レベルで振動させ、燃焼を起こしたら危険この上ない製品となります。

 本当に効果があるのかと思っていたら、面白い研究レポートに出会いました。さまざまな細胞に変化する幹細胞に振動を与えると、脂肪細胞になるはずだった幹細胞が脂肪細胞にはならず、筋肉や骨の細胞になったと言います。

 若いマウスに断続的に弱い振動を与えたところ、幹細胞が脂肪細胞に分化するのを防ぐ事が確認されています。細かなメカニズムについては、今後の研究を待つ事となりますが、振動が骨や筋肉にストレスを与え、それを補うために脂肪細胞になるはずだった幹細胞が骨や筋肉の細胞へ流用されているのではと考えられています。

 実際に効果を発生させるために必要となる周波数や、より大きな効果を得るための振動のパターンなどは不明ですが、振動によるダイエットを疑ってしまった事が少々申し訳なく思えてきました。


 



第1083回 ヨーネの恐怖     2008年09月05日

 BSE(牛海綿状脳症)の発生と輸入禁止措置、その後米国産牛肉は輸入が解禁され、度重なる特定危険部位の混入など、安全性の確保に関する議論は決着していないと思うのですが、今では普通に米国産と表示された牛肉が買えてしまいます。

 食の安全という大切なテーマに勝ったのは、いったい何だったのだろうかと、ふと考えたりもしてしまいます。そんな米国産牛肉に対し、ちょっと気になる情報があります。

 今年の4月に米国の農務省より、米国内で飼育されている牛の約7割はヨーネ病に感染している可能性があるという報告が行なわれていました。

 ヨーネ病はヨーネ菌の感染によって引き起こされる病気で、牛や羊、ヤギなどの反芻動物に慢性的な腸炎を起こさせ、発症後数ヶ月から1年程度でやせ細って死に至るという怖い病気です。

 日本では家畜伝染病予防法によって特定伝染病に指定され、5年毎の検査が義務付けられています。感染が発見された場合は、他への拡大を防ぐ事を第一にするために感染動物の治療は行なわず、殺処分が行なわれるという事もヨーネ病の怖さを物語っているように思えます。

 そのような怖いヨーネ病ですが、米国内では日本のような殺処分の義務化が行なわれてはいないため、感染が判ってもすぐには隔離や処分を行なわず、搾乳ができるうちは放置するという状態が続いていると言います。

 2007年に行なわれた調査では、米国内の酪農場の68.1%がヨーネ菌によって汚染されている事が判ったとされ、100〜499頭の牛を保有する酪農場で75.1%、500頭以上の大規模農場では95%がヨーネ菌に汚染されていると公式に発表されています。

 ヨーネ菌の拡散は牛乳を通して親から仔へ、または糞尿によっても拡散する事から、土壌が汚染されると感染の大規模な拡大にも繋がってしまいます。

 ヨーネ病は反芻動物の病気で、感染が発生しても家畜に対する経済的な被害以外は生じないと考えられてきましたが、人獣共通の感染症の疑いが出てきています。

 クローン病は、人の消化管全般に対し炎症や潰瘍を起こす原因不明の疾患として知られ、厚生労働省指定の特定疾患の一つとされています。

 遺伝的な要因や免疫の異常が原因として考えられてきましたが、最近、クローン病の病変部である肉芽種からヨーネ菌が発見されたりヨーネ菌のDNAが確認された事から、牛乳やその他の経路から体内へ潜入したヨーネ菌がクローン病を引き起こしている可能性が示唆されています。

 ヨーネ菌は耐熱性が高く、潜伏期間も半年ほどと長くなっています。非常に厄介な病原菌であるばかりでなく、痩せて牛乳が出なくなった感染牛を挽肉などの原料に回すという怖い話も聞かれます。今後どのような展開になるのか、この問題には特に注目していきたいと考えています。


 



第1082回 胃か骨か?     2008年09月04日

 プロトンポンプ阻害剤は、胃粘膜の壁細胞にある胃酸を分泌する機構の最終段階に位置するプロトンポンプの活性を阻害する薬剤で、胃酸の分泌を抑制する事に使われる薬です。

 胃潰瘍や十二指腸潰瘍、ひどい胸焼けを伴う逆流性食道炎の治療の際に処方されますが、副作用の心配から日本ではあまり長期間にわたる使用は行われていません。

 国外では、胃潰瘍を繰り返す患者の間で日常的にプロトンポンプ阻害剤を服用される事例は多くありましたが、これまでそうした長期服用者の間で骨折リスクが高くなっているのではという懸念が出されていました。

 可能性として考えられるのは、胃酸が分泌されない事で小腸でのカルシウム吸収が影響されてしまう事や、抑制剤の作用によって骨からのミネラル損失が高まる事によって骨粗鬆症が加速されてしまうのではとされています。

 プロトンポンプ阻害剤の使用と骨折リスクに関するデータには、7年以上の服用で骨折リスクが2倍になるというものがあり、骨粗鬆症患者や高齢者に多い股関節部骨折のリスクは5年の服用で62%も増大し、7年以上の服用で4倍以上になるとも言われます。

 胃潰瘍や十二指腸潰瘍、逆流性食道炎は非常に不快な症状を伴う上に症状を繰り返す事がよく見られ、プロトンポンプ阻害剤はそれに対抗する有効な薬剤ではありますが、食事や生活習慣によって改善できる場合もあるので、服用の必要性については充分考える必要性がありそうです。


 



第1081回 第6発見?     2008年09月03日

 先日、気になる研究のレポートが報道されていました。米国ペンシルバニア州にあるモネル化学感覚センターの研究チームが、カルシウムを味わうための遺伝子の存在をマウスで確かめ、米国化学学会で発表したというものです。

 研究は遺伝的に系統が異なる40種類のマウスにカルシウムを含む溶液を飲ませたところ、ほとんどのマウスがその溶液を嫌い、飲む事を敬遠する中、一部の系統に溶液を好み、がぶ飲みする系統がある事が判りました。

 その系統のマウスの遺伝子と溶液を嫌ったマウスの遺伝子を比較したところ、カルシウムを味わうために使われる2つの遺伝子を特定する事ができたと言います。

 人の舌は甘味、塩味、酸味、苦味と旨味という5つの基本的な味を感じる事ができると考えられてきました。甘味は直接的なエネルギーとなる糖質を感じる事に必要で、塩味は神経の伝達に欠かせないナトリウムを感じる味覚です。

 酸味はエネルギーを生産するクエン酸回路を円滑に稼動させるために必要なクエン酸を検知するだけでなく、腐敗によって発生する酸を感知する事にも使われ、苦味はアルカリ性を検知する事に有効で、植物が持つ毒素を感じる上では役に立ちます。

 旨味はアミノ酸を感じるもので、体内で生産する事のできない必須アミノ酸を検知する事に役立ちます。第5の味覚である旨味は日本人によって発見され、鰹だしが素になった事は有名なエピソードでもあります。

 今回、マウスの実験によって特定された遺伝子の存在はカルシウムを検知する能力を示すもので、考えてみれば骨に目が行きがちなカルシウムですが、本来は細胞の活性化に欠かせない栄養素でもあります。

 その意味では必要な栄養素を検知する能力ではありますが、カルシウムの味と言われると苦味に酸味が少し加わったものという事で、ある意味カルシウム味としか言いようがありません。

 第5の味覚、旨味が発見された後、旨味調味料メーカーが出来上がったように、第6の味覚にもカルシウム味調味料メーカーが出来るのでしょうか。ちょっと気になってしまいます。


 



第1080回 黒点の正体     2008年09月02日

 白菜・・・文字通り緑の部分が少なく、白さが目立つ野菜です。生食する事はあまりありませんが、炒め物や煮物でも美味しく、鍋物の季節になると特に需要が増える野菜でもあります。

 そんな白菜の特徴は透明感のある真っ白で艶やかな肌ですが、よく見るとその真っ白な部分に黒いゴマのような点々が入っている事があり、白地に黒点なだけにやたらと目立って、気になってしまいます。

 白菜の黒い点々については、細かく分けるといくつかの種類があるそうですが、最も多いのは「ゴマ症」と呼ばれるもので、白菜を栽培している時に肥料を与え過ぎ、白菜が受け取る栄養のバランスが崩れ、窒素化合物を過剰に吸収した細胞が黒変したものと言われます。

 また、作付けの際に雨が多かったり、収穫が遅れたりすると黒点が入りやすくなるとも言われます。ゴマ症という呼び方から、どことなく病気のような感じがしてしまいますが、白菜にとっては特に病気という訳でもなく、食べても問題はないそうです。

 ゴマ症は見た目が悪いという事で白菜の商品価値を下げてしまう事から、できればない方が良いだけでなく、厳密に味を比べると黒い部分は白い部分よりも味が落ちるとされます。

 気になるのであれば取ってしまえば良いとも言われますが、黒点がある状態と黒点を取り除いた穴だらけの状態。どちらが美味しそうに見えるかについては、微妙なものがあるのかもしれません。


 



第1079回 卵向上     2008年09月01日

 燃焼系、栄養成分の吸収吸収抑制、代謝の向上、振動や締め付けなどの外部からの負荷。ダイエットにはさまざまな手法が存在し、出尽くしたような感じがしながら、何かと新しいものが出てきます。

 どれも理論的な裏付けと成功者の体験談が添えられていて、これならと思わせるものがありますが、人それぞれに体質やライフスタイル、過体重を引き起こしている原因などに違いがあるので、効果の出方は大きく異なってしまいます。

 ある程度万人に共通して効果が出る方法という事で、真っ先に思い浮かぶのは摂取カロリーのコントロールではないでしょうか。肥満は摂取カロリーと消費カロリーの収支のバランスが崩れた状態と考える事ができるので、それを整えるはダイエットの基本のようにも思えます。

 単純に摂取カロリーを小さくして、日常で必要になる消費カロリー以下に設定すると痩せそうな気がするのですが、短期的には体重を落とす事はできても身体の方が代謝を小さくしてそれに対応するので、より痩せにくい身体になってしまうという結果に繋がってしまいます。

 摂取するカロリーを通常よりも抑え目にして、運動量を多めにして消費カロリーを高めにする。微妙なコントロールですが、そうしたカロリー制限を行っている人にお薦めなのが卵です。

 特にお薦めなのが朝食で卵を食べる事で、同じカロリーをカロリーが低いパンであるベーグルで摂った場合よりも満足度が高く、腹持ちも良いとされます。

 また、卵に含まれる良質のタンパク質が体質の改善に繋がるとされ、カロリー制限によるダイエットの成功率は6割ほど高まるとも言われています。

 卵は調理の仕方で消化に要する時間が変わるので、腹持ちを考えた場合、硬めに茹でたゆで卵が最適でしょうか。栄養のバランスも取れるので、カロリー制限中には良い食材と言えます。

 卵を取り入れる事によるダイエット成功率の向上は、カロリー制限に限られ、他の方法では成功率の向上は見られないと言いますが、良質のタンパク源でもあるので、しっかりと摂っておきたい食材である事は間違いないと思います。


 



 

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