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第1112回 経路考察     2008年10月21日

 タンパク質、漢字で書くと蛋白質となり、蛋とは卵を指す文字となっていて、蛋白とは文字通り卵の白身を指しています。

 卵の白身がほとんどタンパク質の塊のような物である事が由来となっていますが、蛋はあまり日常的に使われる漢字でもないので、蛋白質は卵白質と言い換えようと栄養学者の川島四郎によって提唱された事もあります。

 それくらい関わりが深いタンパク質と卵ですが、輸入された乾燥卵からタンパク質の含有量を偽装する物質、メラミンの混入が検出されていました。

 メラミンは窒素含有量が高い事から、混入させる事で成分検査の際、タンパク質の含有量を高く評価させる事ができます。そのため水増しなどによってタンパク質の比率が下がった素材に混入させ、水増しの有無を隠蔽する事に使われています。

 しかし、今回は乾燥卵なので、水で薄めるという事はできません。何の目的でと思ってしまうのですが、今回の混入は飼料に含まれていたものが卵へと入り込んだと考えられています。

 卵に含まれる成分は母鶏のエサの影響を受けます。ヨードやDHAをエサに含ませ強化した物や、色素が多いエサを使い色合いを良くした卵は、店頭で多く見かける事ができます。

 飼料に含まれるタンパク質量を多く見せかけるために混入されたメラミンは、母鶏の体内ではほとんど分解される事がないため、そのまま卵へと入り込んだ事が考えられます。

 多くは排出されてしまうので、直接混入された場合と比べて含有量はかなり少なくなっていますが、やはり食の安全を考える上では見過せない問題です。

 乾燥卵は運搬や保管が簡単で、日持ちも良く、安価という工業的に優れた面を多く持っています。そのためさまざまな加工食品に幅広く使われているだけに、今後、この問題は拡大してしまいそうにも思えます。食の安全というテーマの難しさが更に高められたように思えてしまいます。


 


 

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