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第1133回 脆弱容器     2008年11月20日

 最近、某大手メーカーのCMで、カップ麺を防虫剤などと一緒に保存しないようにというものを見かけます。確かにカップ麺の容器は、一見すると完全に密閉されているようですが、あくまで水の分子を通さない程度の物で、防虫剤などの芳香成分だと内部へ浸透してしまう事が考えられます。

 今回、問題の発端はカップ麺から防虫剤成分のパラジクロロベンゼンが検出されたというもので、鑑定の結果、容器や外装フィルムに人為的に開けられた穴などの損傷は見付からず、外部から異物を混入した形跡はなかったといいます。

 パラジクロロベンゼンはかなり身近な化学物質であり、理科の授業で温度によって物の状態が変化するという内容の中で、固体から気体へと変化する昇華の例として実際に昇華していく場面を見せられる実験教材ともなっています。

 最も身近な使用例としては、白色の固体から昇華すると強い臭気を発し、衣服を食い荒らす虫やカビの害を防ぐ事ができる事から、タンスに入れておく防虫剤として使用されたり、トイレやゴミ容器の消臭剤として使われています。

 防虫剤としての使用法や雰囲気が同じである事からナフタリンと混同されてしまいますが、厳密には別な化学物質となっていて、衣類用の防虫剤としてはナフタリンが代表的な存在と考えられていますが、実際はパラジクロロベンゼンの方が利用例は多くなっています。

 カップ麺は保存性が高く、常備しておくと意外な時に重宝する事も考えられます。開封するまでは完全に密閉されたイメージがある事から、収納が限られている場合は衣類の近くに保管してしまう事も充分にあり得る事です。そうなると防虫剤のパラジクロロベンゼンの存在が気になってきます。

 カップ麺の容器の多くはポリスチレンが使われています。ポリスチレンの容器はシソ油を入れて熱湯を注ぐと、溶けてしまって穴が開き、お湯が漏れ出すという脆弱性が確認されています。

 アレルギーを抑える働きが知られた事から、シソ油を料理に加えて愛用する方も多く、シソ油と成分的に近いエゴマ油にも同じトラブルが起こる可能性も報告されています。

 一見、便利で安全な物に見えるカップ麺の容器も、それほど頑丈でも完全に密閉できる物でもない事を認識して接する必要があるのかもしれません。


 


 

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