にんにく卵黄本舗トップへ にんにく卵黄本舗トップへ

にんにく卵黄本舗トップへ ショッピング 会員様ご案内 サポート 会社案内 個人情報保護 サイトマップ
昔ながらの にんにく卵黄    
私たちの原点    
安心保証

 
ショッピング  
お客様の声  
 

コラム検索:
過去のコラム

コラム一覧

 <月別>

2009年09月

2009年08月

2009年07月

2009年06月

2009年05月

2009年04月

2009年03月

2009年02月

2009年01月

2008年12月

2008年11月

2008年10月

2008年09月

2008年08月

2008年07月

2008年06月

2008年05月

2008年04月

2008年03月

2008年02月

2008年01月

2007年12月

2007年11月

2007年10月

2007年09月

2007年08月

2007年07月

2007年06月

2007年05月

2007年04月

2007年03月

2007年02月

2007年01月

2006年12月

2006年11月

2006年10月

2006年09月

2006年08月

2006年07月

2006年06月

2006年05月

2006年04月

2006年03月

2006年02月

2006年01月

2005年12月

2005年11月

2005年10月

2005年09月

2005年08月

2005年07月

2005年06月

2005年05月

2005年04月

2005年03月

2005年02月

2005年01月

2004年12月

2004年11月

2004年10月

2004年09月

2004年08月

2004年07月

2004年06月

2004年05月

2004年04月

2004年03月

 

« 2009年07月 | コラムトップへ | 2009年09月 »

第1317回 砂の城の応用     2009年08月31日

 サンドキャッスルワーム、直訳すると砂城虫でしょうか。おそらく何か別な和名が与えられている事とは思いますが、つい最近まで存在すら知らなかった体長2cmほどの小さな海の生き物の名前です。

 サンドキャッスルワームは、その名前の通り砂や貝殻を自らが分泌した糊を使って固める事で、岩礁に巣を作って生活しています。そんなサンドキャッスルワームが注目されるようになったのは、分泌する糊を複製する事で医療用接着剤が開発された事によります。

 現在、事故などによって粉砕された骨を修復する場合、釘やピン、ネジなどの接合具によって骨を支えるやり方が行われています。しかし、骨の粉砕が細か過ぎると、そうした接合具で繋ぎ合せる事が困難となり、治療を行う事ができなくなってしまう事があります。

 細かく粉砕された骨を繋ぎ合せる際、接着剤を用いる事で接合具を用いなくても済む事が考えられ、そのための接着剤としてサンドキャッスルワームが分泌する糊が理想と考えられていました。

 接着剤は体内で使用する事から水溶性で、水に濡れた環境下でも濡れた物同士を接着する事ができ、固まる前に水に混ざって溶けない事が必要とされていました。

 サンドキャッスルワームは海中でも接着できる糊を分泌している事から、それを再現する形で接着剤の開発が行われ、新しく開発された合成接着剤は一般的に使用されている瞬間接着剤と同程度の接着力を発揮し、手本としたサンドキャッスルワームの糊の2倍の強度が確保できていると言います。

 すでに培養された細胞を使った毒性試験にはパスしていると言われ、将来的には骨折部分に抗生物質などの薬剤を送達するという応用も期待できると考えられています。生体適合という問題は残されていますが、骨折の治療における患者の負担が今後軽減される事が予想され、導入が期待される技術ではないかと思います。自然界の生き物に学ぶ事は、まだまだ膨大に残されているのかもしれません。


 



第1316回 涙防止     2009年08月28日

 そろそろ包丁を研いでおかなければと思いながら、そういう時に限ってタマネギを切る必要に迫られてしまいます。切れない包丁でタマネギを切ると、切り終えるまでにより多くの涙を流す事となります。

 タマネギの細胞内には辛味成分でもある硫化アリルが含まれています。タマネギの細胞が傷付くと細胞内に含まれていた硫化アリルが細胞外の空気にさらされ、揮発性が高い硫化アリルが回りの空気中に発散してしまう事で、目に刺激を与えて涙が止まらない状態にしてくれます。

 そうさせないためにはできるだけ鋭利な刃先でタマネギの細胞を潰さないように切り、切断面の表面積を小さくして揮発する量を少なくする必要があります。そのために包丁を良く研いでおく事が重要なポイントとなります。

 それ以外のポイントとしては、タマネギを冷やしておくというものがあります。揮発性が高い硫化アリルですが、揮発力は温度に比例するので、タマネギを冷やしておく事で揮発する量を少なくする事が可能です。

 良く冷やしたタマネギを温まらないように手早く、しかも押さえ付けないように包丁を引くように大きく動かして切ります。イメージとしては、刃の手元から刃先までを全て使い切る感じでしょうか。そうする事できれいな切り口を得る事ができ、切断面の表面積を小さくする事ができます。

 それでも涙が気になるのであれば、最後の手段が残されています。タマネギの硫化アリルによる刺激は、目の表面の粘膜に生じているように感じられますが、鼻から吸引されて鼻の粘膜で生じた刺激が大きく関係しています。涙を流す事は、目から溢れた涙が鼻腔へと流れ込み、鼻粘膜を保護する意味があるのかもしれません。

 鼻にティッシュなどを丸めた物を詰め込んで、タマネギの刺激的な臭いを嗅がないようにする事でかなりの涙を抑えられると言いますが、あまりにも格好の良くない姿になる事は必定で、いまだに試した事はありません。どうしても涙が気になるという方のみお試しください。


 



第1315回 黒い麦     2009年08月27日

 ライ麦はその名の通り麦の一種で、ライ麦を使って作られるパンが黒パンと呼ばれる事やクロムギという別名がある事から、黒い色をしているイメージがあります。絵本や小説の中で黒パンを見かける事はありますが、実際に販売されている場面を見かける事は少ないので、ライ麦自体はあまり馴染みのない食材と言えるかもしれません。

 痩せた土壌や寒冷な気候といった植物としては劣悪な環境にも強く、古くから栽培されてきたと言われ、原産地は文明発祥の地、メソポタミア辺りとされます。もともとは雑草であった物が小麦に似た形に進化する事で擬態化して除草を免れ、環境の変化で小麦が枯れた際にライ麦だけが残って、穀物として利用されるようになったと考えられています。

 今でも冷涼な気候に強いという特性は活かされ、北欧やドイツ、東ヨーロッパなどでは主要な穀物とされています。ドイツでは400種類近いパンが作られてきたと言われますが、北へ行くほどパンの色が黒くなるとされ、小麦に対するライ麦の比率が多くなっていく事が判ります。

 ライ麦の主要な用途はウィスキーやウォッカの原料にされるだけでなく、主食として粉に挽いてパンを焼きます。ライ麦を使ったパンは、ライ麦の黒っぽい色から黒パンと呼ばれ、小麦を使ったパンよりも密度が高い事からずっしりとした質感があり、水分の抜けが少ない事から日持ちが良い事が特徴となっています。

 黒パンのずっしり感については、ライ麦にグルテンが少ない事が影響していて、小麦のパンではグルテンがその粘りによって発酵によって発生した二酸化炭素を封じ込めてふっくらとさせるのに対し、グルテンが少ないライ麦パンでは粘りが足りない事から二酸化炭素をすぐに放出してしまい、膨らまなくなってしまう事によります。

 そのため通常のパンのようなイースト菌のみによる発酵ではなく、何種類もの微生物が共存した伝統的なパン種であるサワー種と呼ばれる特殊な発酵種を使った工程を用いて黒パンは作られています。

 サワー種はライ麦や小麦の粉に水を混ぜ、常温で放置する事によって含まれていたデンプンが水に触れ、ライ麦や小麦に含まれていた酵素の働きによって加水分解されて麦芽糖をはじめとした糖類に変化し、その糖類を空気中に存在していた乳酸菌がグルコースなどに分解。さらにそのグルコースを栄養として酵母が成長します。

 そうした乳酸菌と酵母の共生を維持するために、新鮮な穀物の粉と水を補給してやる事で酵素がデンプンから麦芽糖、乳酸菌が麦芽糖からグルコース、酵母がグルコースを使って発酵させてパンの生地をふっくらとさせるという安定的な状態が続けられます。

 そうした複雑な行程を経るために、ライ麦パンの発酵には数日から1週間以上を要する事もあり、各種の糖分やアミノ酸、乳酸、酢酸、エタノールといった独特の風味の素が含まれる事となります。

 サワー種を使う事で生地が酸性になる事から、デンプンがゲル化してグルテンの変わりに二酸化炭素を取り込んで膨らむという独自のメカニズムを用いている事から、独特な食感が生まれ、特異な食感、酸味のある味わい、製造にも時間と手間がかかるという特徴に繋がります。

 過酷な北の大地でもたくましく育つライ麦を、より美味しく食べるための工夫を積み重ねて作られてきたライ麦パンですが、その特徴ゆえにあまり普及していない事には気の毒なものを感じてしまいます。


 



第1314回 出す入れる     2009年08月26日

 朝、起きるとパソコンの電源を入れ、自分のためにコーヒーを用意します。その際、ふと思うのですが、コーヒーを準備する事は「コーヒーをいれる」と表現されます。コーヒー豆から美味しさを抽出する事を思うと、コーヒーを出すの方が正確なのではと考えてしまいます。

 コーヒーを抽出する際、多くの場合はドリッパーやコーヒーメーカーが使われ、少量のお湯を粉に挽いた豆を通過させて抽出します。エキス分を抽出するという意味からは有効だと思われる煮沸するという事はほとんど行われない事から、煮出すという事ではない事が判ります。

 エキス分を取り出すために沸騰するお湯に入れて、成分を煮出すという事でなければ「煎」を用いた「煎れる」ではない事が判ります。「煎れる」であればコーヒーを煮出すだけでなく、抽出したコーヒーを煮詰めて濃縮する意味合いも出てきて、非常に不味いコーヒーの作り方のように思えます。

 沸騰したお湯を使って、容器に入れた茶葉などから旨味を取り出すには「淹れる」という表記が当てられ、コーヒーにもこの淹れるが使われている例を多く見かけます。ドリッパーやコーヒーメーカーだと、この表現に近いものを感じてしまいます。

 しかし、コーヒーが準備できた事、いれ終わった事を伝える際、「コーヒーがはいりました」という表現を使います。煎れる、淹れるでは「はいる」という読み方はできないので、いれるには「入れる」を使う事が正しいように思えてきます。

 コーヒーを準備する方法を考えてみると、焙煎したコーヒー豆を粉に挽くところまではそれほど差はありませんが、その後、煮沸するパーコレーターやサイフォン、お湯を通過させるドリッパーやコーヒーメーカー、容器に入れて濾すプレスなどもあり、一通りには表現できない事が判ってきます。

 余分な苦味や渋味を出さないマイルドな味わいにするために、抽出効率が良いお湯を使わない「水出し」コーヒーもあり、はじめてコーヒーを出すという表現が使われたように思えます。さまざまな方法で抽出されたコーヒーがサーバーに入った状態をできあがりと考える事から、入れるを使っておくのが適切なように考えてしまいます。


 



第1313回 ロシア風?     2009年08月25日

 お菓子を作るための道具を一通り揃えた際、勢いで買ってしまって使わないでしまいこんでいる物の一つに「クグロフ型」があります。クグロフ型は文字通りクグロフというお菓子を焼くための器具で、ねじれた王冠のような形状に、火の通りをよくするための円筒形の穴が中心部に開けてあります。

 クグロフは言葉の響きからロシアの物のような感じがするのですが、フランスのアルザス地方に古くから伝えられたイーストを使ったお菓子となっています。

 ドイツ語で球形を意味するクーゲルと僧侶がかぶる帽子のホフを合わせた造語が語源とする説と、リボーヴィレという町にいた陶工クゲルの名前が元になったという説もあって、正式な語源は定かではありませんが、少なくともロシア語ではなさそうです。

 日本ではクグロフというとお菓子の事のみを指しますが、アルザス地方やオーストリアではクグロフ型を使って焼き上げたパンなどもクグロフと呼ばれています。あの形状そのものがクグロフと呼ぶべきものなのかもしれません。

 お菓子のクグロフ自体、イーストを使って発酵させる事から、まるでパンのような質感の生地ですが、パンとの大きな違いはレーズンやバター、ドライフルーツ、大量の砂糖が加えられ、表面に粉砂糖をふりかけるなどして重厚で華やかに仕上げられています。

 今ではアルザス地方の伝統菓子と言われますが、オーストリアからハプスブルグ家の王妃マリーアントワネットがフランス王家に嫁いだ際に持ち込まれた物と言われ、その後、急速にフランス中に広まった事から、クグロフが人々に好まれた物であったかが伺えます。

 収納する時は、中心部の筒状の穴が非常に邪魔になるのですが、由緒正しき由来を思うと、今度、パンでも焼いてオーストリア風の朝食でもと思ってしまいます。


 



第1312回 睡眠変異     2009年08月24日

 今年の夏は梅雨が長引いたせいもあって、それほど酷暑という言い方を聞かない気がしますが、それでも熱帯夜の寝苦しさに悩まされている人も多いのではないでしょうか。

 人によって睡眠時間の長短はかなり差があり、8時間は眠らないと体調を崩す人もいれば、5時間程度で大丈夫という人もいて、一概に正しい睡眠時間の設定は難しいように思えます。

 最近、新しい研究で短い睡眠でも大丈夫という人の存在は、遺伝子変異によって説明できるという見解が得られていました。睡眠時間の長短は遺伝子レベルの事にまで関わっているようです。

 ほとんどの人は睡眠時間を8時間程度に設定していますが、約5%程度の人は6時間以下の睡眠でも健康や日常生活の営みに悪影響を及ぼす事なく過ごせると言います。

 一日に6時間以下の睡眠しか摂らない母親と娘のDNAを調べ、同じ家で生活する他の家族と比較したところ、母親と娘にだけ共通する遺伝子変異が確認され、それ以外の家族からはそうした変異が見られなかったと言います。

 同じような変異はマウスにおいても確認されており、変異した遺伝子を持つマウスは一様に睡眠時間が短く、睡眠不足になっても回復が早いという傾向も確認されています。

 それらの事から遺伝子変異が睡眠に何らかの影響を与えている事が考えられ、詳細なメカニズムが解明されれば、睡眠時間を減らしたり睡眠不足を解消する薬剤の開発といった事も可能になると考えられます。

 睡眠時間は寿命にも関わっている事が判ってきています。単純に遺伝子による要因のみではなく、さまざまな要素が深く関わっている事も考えられるので、単純に解明できない事とは思いますが、関心の高い分野だけに今後の展開を注目したいと思っています。


 



第1311回 旨味に思う(2)     2009年08月21日

 旨味に関する興味深い実験があります。コップに水を入れ、少量の味噌を溶かします。味をみて、また少量の味噌を加えという作業と繰り返して、薄い味から徐々に味噌の味を濃くしていきます。

 薄くて美味しくないと感じられていた味噌の味は、ある時点から急に濃くて辛い味と感じられるようになり、味噌で味を調整していく過程でいかにちょうど良いと感じられる味の範囲が狭く、その味噌の量を調整する事が難しいかが判ります。

 その実験の途中、まだ味噌の量が充分ではなく、薄いと思われている時点で旨味調味料を少量加えてみると、急にそれまでの薄いとしか思えなかった味がほど良い味噌加減に感じられてきます。

 また、市販の化学調味料が多く含まれた麺つゆと、自分でかつお節やシイタケ、昆布などを使って作った麺つゆを使って、氷を入れた冷水に浸した素麺などを食べ比べると、素麺に付着した水分のせいで麺つゆがすぐに薄まってしまうのですが、味が薄くなってしまったために麺つゆを注ぎ足す頻度が市販の麺つゆに対して、自作の麺つゆの方が頻繁である事に気付きます。

 いずれも旨味成分によって他の味覚が引き立たされる事によるもので、薄いとしか思えなかった味噌の味が充分に感じられたり、麺つゆが薄められても味を発揮してくれる背景には旨味の働きが大きく関わっていて、日頃、直接的に感じる事の少ない旨味も重要な味覚である事が判ります。

 旨味成分の中でもグルタミン酸の存在大きく、さまざまな旨味成分中、最も低い濃度でも働く、逆から言うと最も低い濃度でも感じる事ができるという事は、身体がグルタミン酸の存在を重要視している事の表れとも言えまあす。

 私達がグルタミン酸に出会う瞬間はいつかというと、それは誕生の直後、生まれて最初に口にする食糧である母乳にグルタミン酸は豊富に含まれています。母乳には、これから生きていく上で必要となる食べ物を識別するための味覚を教えるという役割があり、人生のはじまりの時から教え込まれた味覚となれば、旨味調味料に魅力を感じてしまう事にも納得させられてしまいます。


 



第1310回 旨味に思う(1)     2009年08月20日

 化学調味料というと、化学的に合成された人工物で身体に悪い物という感じがして、できるだけ含まれていない食品を選ぼうと考えてしまいます。対照的な物として、天然由来の発酵調味料と言われると、天然由来なだけに安心できるように思えてきます。

 最も代表的な化学調味料というと、グルタミン酸の白い結晶質の粉末が思い浮かんできます。本来、グルタミン酸はアミノ酸の一種で、昆布やトマトの旨味成分として知られています。

 グルタミン酸は主にサトウキビを搾って、砂糖を取った後に残される糖蜜を使って作られています。糖蜜にグルタミン酸を生成する細菌の一種であるグルタミン酸生成菌を繁殖させて製造されているのですが、原材料はサトウキビという天然由来の物で、その天然物を使って微生物による発酵によって作り出されているという意味では、天然由来の発酵調味料と言う事ができます。

 化学調味料以外の旨味成分というと、タンパク質分解物やエキス類が上げられます。タンパク質分解物は、タンパク質を旨味成分となるアミノ酸の状態まで分解したもので、製造方法としては酵素か塩酸によって分解が行われています。

 酵素による分解は工業的に大規模に行うにはコスト的な問題もあり、一般的には塩酸を用いたタンパク質分解が主流となっています。タンパク質分解物と言われると化学調味料よりも天然の物という感じがしますが、化学調味料よりも科学的な工程を用いて製造されている事になります。

 それに対しエキス類は旨味成分を含む原材料から、旨味の部分を抽出して利用する物であるため、化学調味料とは異なる存在のように思えてしまいますが、より効率よく旨味を抽出した物となると。原材料から旨味の素となるグルタミン酸の純粋な結晶を得た物という事になっていってしまいます。

 調味料としての使い勝手となると、使用量を決定しやすい結晶質の粉末となりますが、糖質を微生物によって発酵した物、塩酸でタンパク質を分解した物、昆布などから純粋な旨味成分を抽出した物、どれが化学的に作られた物かとなると、どれも大差ないように思えてきます。


 



第1309回 麺と油     2009年08月19日

 素麺というと日本の代表的な麺の一つです。乾麺として流通する事がほとんどなので、年間を通して入手する事ができますが、乾麺を茹で上げた後、冷水でしめてそのまま冷たい麺としていただく事が多い事から、夏の麺というイメージが強いのではないでしょうか。

 夏にいただく事が多い素麺ですが、生産は冬が中心となり、昔は春の声を聞く頃にはその年の分の生産が終了しているという状態だったといいます。

 原材料はいたってシンプルで、小麦粉に水と食塩を加えてよく練り込み、引き延ばしながら細長い麺としての形状に仕上げていきます。引き延ばす際によりをかけながら延ばしていく事から独特の食感が生まれるとされ、麺同士がくっついてしまわないように表面に塗られる綿実油やごま油なども素麺の風味を作り出す大切な要素となっています。

 素麺の美味しさを決める上で、この表面に塗られる油の存在は重要な意味を持っていると考えられます。油が加わる事で風味が増すという意見や、油の香りが強いと美味しさを損なう事から、時間をかけて油分が抜けると食味が増して美味しくなる、油分がなくなる事でサラサラとした口当たりになるとして長期保存された素麺を珍重する傾向や、逆に油分が酸化して風味を損なう事から、できたての方が良いという意見があるなど油に端を発した素麺の評価に関する事は多く見られます。

 油の存在は素麺の特徴の一つという事もでき、同じような原材料、作り方の冷麦と分けるためのポイントの一つともなっていました。現在はJAS規格(日本農林規格)の「乾麺類品質表示基準」では、麺の太さのみが素麺、冷麦、うどんを分けるポイントとなっていて、油の存在については言及されていません。

 素麺製造時の油の有無、油の種類については、各産地によって違いがあります。名産地とされる土地の状況や油自体が持つ風味や性質など、製麺時に表面に塗布される微量の油分ではありますが、いろいろと考えてみると奥深いものがあるのかもしれません。それを踏まえた上で素麺選びを楽しんでみるというのも、暑い季節の楽しみの一つとなると言えると思えてしまいます。


 



第1308回 乳製品と寿命     2009年08月18日

 牛乳に関しては完全栄養食と言われる反面、さまざまな批判的な意見もあります。特に子牛の急速な発育を見ていると、牛乳には成長を促進する物質が含まれ、成長と共に乳にだけ含まれる糖質である乳糖を分解できなくなる事は、一定の成長後は乳を飲まないようにする工夫だと言う意見には納得させられるものがあります。

 そうした賛否両論の存在もあり、私の中ではいまだに結論が出ていない牛乳に対する評価ですが、65年にもわたる長期の研究の結果、興味深い報告が行われていました。乳児期に乳製品を多く摂取した人は脳卒中が少なく、寿命が長い傾向がある事が明らかになってきています。

 イングランドとスコットランドの1343もの家族について、1937〜1939年の食事と健康に関する調査を元に成人後の健康状態を1948〜2005年まで追跡調査したところ、1930年代に乳製品やカルシウムを多く摂取していた子供には、後の脳卒中による死亡リスクが明らかに低く、他の成人後のあらゆる原因による死亡率が低いという結論が得られています。

 今回の研究に関しては、収集されたデータの背景として経済的に豊かな家庭の子供の方が乳製品を多く摂取する傾向があった事から、経済的な要因が影響している事や乳製品を多く摂取していたグループは、他のグループと比べ果物や野菜を多く摂取する傾向が強かった事から、乳製品以外の要因が影響しているという指摘も出されているため、今後、さらに詳細な調査が必要とは思われます。

 成人後の乳製品の過剰摂取は心疾患のリスクを高める可能性があるとする研究もあるので、乳製品と健康、乳製品を積極的に摂取する年齢などさまざまな要素を踏まえた上で、乳製品との関わり方について結論がほしいと思ってしまいます。


 



第1307回 日照認知     2009年08月17日

 梅雨の長雨が続き、日照不足から野菜の高騰が言われています。日照が不足するとそれだけ紫外線を浴びてしまう量が減り、皮膚ガンや活性酸素の発生という健康面ではマイナス要因ばかりではないように思えますが、意外な部分で健康に影響する事が判ってきています。

 これまで多くの研究で天候によって人の気分に影響が出るという事が示され、日照が少なくなるほど気分が落ち込む傾向がある事が言われていました。先日行われた研究ではさらに内容的な前進が見られ、日照の不足が鬱病患者の記憶力低下や認知障害に関連している事が示されています。

 鬱病患者と鬱病ではない人を対象に、日照と認知障害レベルの間に何らかの相関関係があるかについて調査を行ったところ、2週間の研究期間中、日光にさらされる時間が多かった鬱病患者は、日光を浴びる時間が少なかった鬱病患者に対して認知機能が優れているという結果が得られています。しかし、鬱病ではない人にはそうした相関関係は認められず、鬱病に関わる何らかの生理的な部分が認知機能に影響を及ぼしている事が考えられます。

 日照によって左右される要因として、メラトニンやセロトニンといったホルモンの存在が考えられます。どちらも鬱病への関与やアルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害といった精神障害や認知障害に関係した疾患との関連が判ってきている事を思うと、今回の研究結果を説明できるように思えます。

 今回の結果に対する別な意見としては、鬱病になる事で注意力が低下し、物事を覚える力も低下します。セロトニン量の増加によって一時的に注意力が向上すると、注意力も向上し、記憶力が改善されたり、頭の働きが良くなるという簡単な概念であるというものもあります。

 日照によって増える物といえばビタミンDの存在もあります。意外と思いもよらない物質によって記憶力や認知機能の向上がはかられていたとしたら...。どのような結論を迎えるのか、気になる研究結果でもあると言えてしまいます。


 



第1306回 フェロモンキノコ(2)     2009年08月11日

 小説の中の事なので真偽の程は定かではありませんが、とあるパーティーでアインシュタインと出遭ったキュリー夫人は原子核分裂に関する話をします。話を聞いたアインシュタインは「それは不可能です」と答え、すでにかなりの部分の研究を終えていたキュリー夫人は、「いいえ、可能な事なのです」とアインシュタインに告げます。

 それに対しアインシュタインは「不可能でなくてはならないのです」と言って微笑みを浮かべます。原子力は人が扱うにはあまりにも巨大すぎる力であり、後のさまざまな悲劇を予見していたかのような会話ですが、確かにこの世の中には可能ではあっても不可能とされていた方が良い事がたくさんあるように思えます。トリュフの人工栽培技術もその一つでしょうか。

 一般的にトリュフの人工栽培は不可能であり、自然界に自生している物を苦労して採取するしか入手法がないとして知られていますが、実はそうした伝説を否定するかのように19世紀の初頭には栽培に成功した事を示す記録が残されています。

 経験的にトリュフはオークの木の下、特に根に沿って発見される事が知られていました。トリュフが宿主となる樹木に寄生し、共生する事で生活している事が考えられ、実際にトリュフが採れたオークの木の下から集めたドングリを植える事でトリュフの発生が確認され、トリュフとオークの関係が証明されます。

 その後、1847年には7ヘクタールにわたってトリュフの発生が確認されたオークのドングリを植える事で大量のトリュフが収穫され、1855年のパリ万国博覧会では栽培者であるオーギュスト・ルソーに賞が与えられています。

 栽培の成功に時を合せたかのようにトリュフの栽培に適した乾燥した暑い気候と石灰岩の大地を持つ南フランスでは、侵入害虫によるぶどう園の壊滅、伝染病によるカイコの壊滅が相次ぎ、トリュフ栽培へと急速な転作が進められ、19世紀の末には最盛期を迎えています。

 20世紀に入ると工業化によって多くの人口が都市部へ移動し、第一次世界大戦の勃発も重なる事で多くの働き手が失われた事から、トリュフ畑は放棄されてしまいます。トリュフ栽培の関するノウハウの多くはこの時に失われたとされ、その後、第二次世界大戦を迎えるという激動の中、19世紀に植えられたトリュフは約30年という生活環を終えてしまい、かつてのトリュフ園はトリュフが採れないただのオーク林と化してしまいました。

 現在でもトリュフの人工栽培は行われていて、フランスで生産されるトリュフの8割は人工的に育てられた物だとされます。しかし、19世紀末ほどの生産量が回復しない事や相変わらず人工栽培は不可能と考えられている背景には、トリュフの価格が下がってしまう事を懸念したトリュフ農家の量産化に反対する意見があると言います。

 19世紀に量産化が確立される直前のサヴァランの言葉、「トリュフの大きな価値の一つは高価である事であって、もっと安ければこうまで高くは評価されないだろう」にはトリュフの人口栽培が不可能であった方が良い事が伺えます。

 世界的に生活水準が上がった事や、日本などのようにかつてはトリュフに見向きもしなかった国でもトリュフの需要が生まれた事もあり、現在の50倍の生産量があってもトリュフは値崩れを起こさないだろうという意見もあります。

 ピ−ター・メイルの小説、「南仏のトリュフをめぐる大冒険」では、トリュフの栽培方法を記した書類が入ったカバンを主人公とマフィアが奪い合うという冒険が繰り広げられますが、市場の成長を思うとトリュフの栽培はそれほど大層な事でもない事が明かされても良い時期にきているのかもしれません。人工栽培に関する伝説が生き残る事と、食材として普通に接するようになる事。どちらが楽しくなるのかと、少し考えさせられてしまいます。


 



第1305回 フェロモンキノコ(1)     2009年08月10日

 諸説があり、意見が分かれる事もありますが、一般的に世界三大珍味といえばフォアグラ、キャビア、トリュフを指します。日頃から馴染みのない食材は積極的に試すようにしていますが、実はそれら三つの食材のどれも縁がなく、食べた経験がありません。

 理由の大きな部分は私が庶民という部分にあるのかもしれませんが、強いて上げれば人工的に脂肪肝という不健康な状態にさせられるアヒルに同情した事や魚卵が苦手な事がフォアグラとキャビアには言え、トリュフに関しては食材売り場で見かけた事がないという事があります。

 それだけ流通量が少なく、貴重なキノコという事でヨーロッパでは「黒いダイア」、「台所のダイア」と呼ばれる事にも納得させられてしまいます。特に珍重されているのがフランス産の黒トリュフとイタリア産の白トリュフですが、ヨーロッパの他の地域でも野生のトリュフは採られていて、遠く離れたオーストラリアでもトリュフは採られています。

 トリュフ採りと言うと豚を使って地中に埋もれているトリュフを探す場面を思い浮かべますが、オーストラリアやイタリアでは犬を使って探しています。

 犬と言うと嗅覚が鋭く、主人に忠実な動物というイメージがあるので、地中のトリュフをいち早く見つけて主人に知らせ、その場で主人がトリュフを掘り出す作業をおとなしく見詰めている感じがしますが、実際はトリュフの香りは犬のフェロモンに似た成分が含まれる事から、その香りを嗅いでしまった犬は興奮状態にあり、トリュフを取り上げた主人に対し奪還を試みようと襲い掛かってくるといいます。

 興奮状態にある犬を押さえ込み、興奮状態から醒まさないと次のトリュフ探しはおろか、自らの身も危ない事から、その場で格闘が繰り広げられる事となり、激しい格闘を物語るようにトリュフハンターの腕には、犬の牙による無数の傷が残されていると言います。

 トリュフのフェロモン効果は犬に限らず、豚にも見られる事で、豚の方が体力や顎の力が大きい事から、トリュフを巡る争いはより熾烈なものになるとされます。特に豚は効率よく草を食べられるように顎の力が強いだけでなく、前歯が薄くできている事もあって、格闘中に指を失う事も珍しくはなく、トリュフ狩りの本場では指が揃ってない人を見かけるとトリュフハンターと思われてしまうそうです。

 それだけ大変な思いをして採られるトリュフですが、フランスのトリュフハンターに言わせると、美味しいのはイタリア産の白トリュフの方らしく、リスクの大きさが必ずしも見返りに見合うものではない事を思わされてしまいます。

 これまで最も高価なトリュフとなったのは2007年に見つけられたイタリアのトスカーナ地方の白トリュフで、過去50年間で見つけられたトリュフとしては最大と言われる重さ1.5kgには3600万円の値段が付けられています。やはり庶民の食材ではないように思えてしまいます。


 



第1304回 ウロコに思う     2009年08月07日

 子供の頃、キャビアの産地イランでキャビアを採るためにチョウザメを捕まえ、卵だけを採って本体のチョウザメを捨てている事から、チョウザメを食料として利用するように、チョウザメにもわずかだがウロコがあるという事が正式に発表されたというニュースを聞いて奇異に感じた事があります。

 イスラム教ではウロコの無い魚は食べてはいけない事になっていたので、ウロコの存在を認める事で食べられるようにするという配慮からですが、ウロコがない魚と言われると何となく特殊な存在のように思えてしまいます。

 ほとんどの魚にはウロコがあり、成長と共にウロコも大きくなっていきます。ウロコを見るとその魚の年齢を判断する事ができるとも言われ、ウロコの存在は魚とは切り離せない物のようにも思えます。

 ウロコが無い魚として私達の身近なところでは、タチウオが代表的なウロコを持たない魚で、銀色に輝く滑らかな体表には確かにウロコらしき物を見付ける事ができません。

 同じようにウナギやドジョウも滑らかでウロコを持たないように見えますが、ウナギやドジョウはウロコを持たないのではなく、皮の下に埋もれる形でほとんど存在感のないウロコを持っています。

 サンマは食べる際にはウロコを意識した事がありませんが、魚屋でサンマが入れられた発泡スチロールの箱にはウロコが付着しているのを見掛ける事があり、ウロコが剥がれやすく、水揚げの段階でほとんどのウロコが剥がれてしまっている事が判ります。同じようにウロコを失う魚としては、サバの存在を上げる事もできます。

 ウロコは硬く食べられない物というイメージがありますが、主成分が歯の成分でもあるハイドロキシアパタイトであると聞かされると、硬さにも納得してしまうものがあります。進化の度合いが進むほど、ウロコは柔らかく軽い物へと変化すると言われ、硬く重い甲冑で身を守るより、軽くてしなやかな動きと体表のぬめりで逃れる方が効率的という結論が見えるようにも思えます。料理の際は邪魔者のウロコにも深い世界を感じてしまいます。


 



第1303回 天然由来?     2009年08月06日

 トランス脂肪酸というと、最近では非常に健康に悪い物という認識が定着しています。血中コレステロール値の上昇や心臓病の罹患率の増加、アレルギー症状の悪化といったさまざまな健康を維持する上での不具合に繋がる事が指摘されている事から、先進国を中心に食品から排除しようという動きには賛成できまるのですが、自然界には存在しない狂った油脂などという過剰な表現には疑問が生じてしまいます。

 トランス脂肪酸はその名の通りトランス型と呼ばれる構造を持った脂肪酸で、不飽和脂肪酸の一種に分類されます。植物や魚油などから得られる天然の油脂に含まれる不飽和脂肪酸は、ほとんどすべての二重結合部分が折れ曲がった構造を持つシス型と呼ばれる構造を持っています。

 不飽和脂肪酸は常温では液体の状態の物が多く、加工用途が限られる事から、より商品価値の高い飽和脂肪酸へと水素を添加する事で構造を変化させます。その際、飽和脂肪酸へと変化しなかった一部の不飽和脂肪酸が、折れ曲がったシス型結合から直線的なトランス型結合へと構造変化を起こし、トランス脂肪酸となってしまいます。

 水素添加によって得られる飽和脂肪酸を含む油脂は硬化油と呼ばれ、代表的なところではマーガリンやショートニングなどが知られています。水素添加による硬化油製造時に多く発生する事から、トランス脂肪酸は人為的によってのみ作り出される物という誤解が生じていますが、天然にも生成されて存在しています。

 反芻を行う牛や羊などの動物の対内には多くの微生物が共生しています。それらの微生物の活動によってトランス脂肪酸は作られ、消化器官から吸収される事から反芻動物の脂肪分や乳などにもトランス脂肪酸は含まれています。全体的な比率としては、反芻動物由来の脂質の2〜5%を占めるとされ、人為的に作り出さなければ存在しない特殊な脂肪酸ではない事が判ります。

 自然に存在するトランス脂肪酸としては、以前、ダイエットに役立つとして話題になった「共役リノール酸」があります。共役リノール酸はトランス型の二重結合を持つトランス脂肪酸ですが、体内ではトランス脂肪酸としての働きを持たない事からFDA(米国食品医薬品局)ではトランス脂肪酸の規制から除外しています。

 天然にも存在し、すべてが健康を害するものではないとなると、どことなく理解しにくい感じもします。日本人は食生活の関係でトランス脂肪酸の摂取量が少ないと言われる事がありますが、国民食と言われるカレーのルーに硬化油が多く使われる事を思うと、手放しに安心できない気もしてしまいます。


 



第1302回 電子の懸念     2009年08月05日

 最近見掛けた商品の中で、比較的好感度を持っていた商品の一つに「電子タバコ」があります。電子タバコはe−シガレットとも呼ばれ、ニコチンを霧状にして吸引させる機器として販売されています。さまざまな場所で喫煙が禁止される中、喫煙者向けに煙を出さないタバコとして開発されています。

 喫煙はタバコに含まれるニコチンへの依存症でもあるので、喫煙者にはニコチンの供給という欲求が生じるのですが、単純にニコチンを添加したパッチなどによる供給だけでなく、習慣化した喫煙という行為も必要とされると言います。

 そうした要求を満たす物として電子タバコは開発され、非喫煙者の側から見ても煙を生じない事から、電子タバコによる喫煙が近くで行われてもそれほど意識する必要がなく、吸殻や灰が生じる事もないのでなかなかの優れ物ではないかと思えます。

 そんな電子タバコからFDA(米国食品医薬品局)の調査によって、発ガン物質をはじめとした複数の毒性物質が含まれている事が示されていました。

 市販されている電子タバコの複数の標本から発ガン性物質であるニトロソアミンが検出され、中にはジエチレングリコールが検出された標本もあったと言います。ジエチレングリコールは自動車のラジエターに使われる不凍液の成分で、製造元の品質管理のずさんさを示しているともされます。

 今回の結果を受けてFDAでは電子タバコの出荷時の検査を行い、これまでに50件の出荷停止を実施しています。出荷停止に関しては越権行為であるとして、電子タバコの販売元から提訴されていますが、電子タバコのカートリッジにチョコレートやミントなどのフレーバーを添加した商品も販売されていて、それらが未成年がニコチンにさらされる機会を増やすという意見もあり、今後の電子タバコの扱いについては不透明な部分が出てきています。品質管理と販売管理、それほど難しい課題でもないように思えるのですが...。


 



第1301回 Aも危険     2009年08月04日

 日頃から日光を避けるようにはしていますが、それでもしっかりと浴びてしまっているという状態で、生活紫外線を避ける事の難しさを感じてしまいます。子供の頃、夏にしっかりと日光を浴びて日焼けしておくと、冬になって風邪をひかないなどと教えられ、率先して日焼けしようとした事があるのですが、赤くなるだけで日焼けらしい色にはならなかった事が思い出されます。

 きれいに日焼けをしようと思う場合、外に出て日光を浴びるよりも日焼けサロンへ行って、専用の機材を用いて日焼けした方が良いように思えます。日焼け用にUVAのみを照射してくれる事から、安全で確実に日焼けができるように思えるからです。

 紫外線は波長の違いによってA、B、Cに分けられ、それぞれ紫外線を示すUVと合わせてUVA、UVB、UVCと呼ばれています。

 この中でUVCは波長が非常に短く、物質による吸収性が著しい事から大気を通過する事ができず、地表に到達する事はないとされ、地表に降り注ぐ紫外線のほとんど(95〜99%)はUVAで、UVAよりも波長が短いUVBもわずかしか地表に到達できていません。

 これまでUVBだけに発ガン性があると考えられ、UVAは安全と見られ、日焼けサロンで使われる日焼けマシンも危険性はないと判断されていました。しかし、UVAにも発ガン性がある事が指摘されるようになってきています。

 UVAの発ガン性が明らかになってくるに連れて、日焼けマシンも危険視されるようになってきています。先日行われたWHO(世界保健機構)の国際ガン研究機関、IARCの発表によると、日焼けマシンの使用は発ガン性を高めるとして発ガンリスク分類中、最も高いグループ1に引き上げていました。

 30歳未満で日焼けマシンを使った事のある人は使った事のない人に比べ、75%も発ガンリスクが高い事が日焼けマシンとメラノーマ(皮膚ガン)の関係を調べた19もの論文から明らかになったとされ、皮膚とは違いますが眼球中の色素細胞にできるガンのリスクも高かったとされます。

 発ガンリスクのグループ1には、悪名高いアスベストが含まれ、危険度の高さが伺えます。同じくグループ1に太陽光も含まれていて、そこまで危険度が高いのだろうかと疑問に思ってしまいますが、世界中で年間に6万人程が日光が原因で死亡しているとされ、そのほとんどは皮膚ガンがよるのもとされています。昔と違い、日焼けは命がけという事でしょうか。


 



第1300回 高圧と降圧     2009年08月03日

 もし何らかの商売をしているとして、ある日、突然に自分の会社の製品を必要とする潜在顧客が3200万人も増えるとしたら...。これまでの顧客の1800万人と合せて5000万人にも市場が膨らむとしたら、半端ではない嬉しさがあるのではと思ってしまいます。

 かつて高血圧は収縮期血圧(最高血圧)が160mmHg、拡張期血圧(最低血圧)が95mmHg以上と定義され、2000年に新たなガイドラインとして最高140mmHG、最低85mmHgに投薬治療を開始する定義が引き下げられています。

 投薬治療を開始する指標は2004年にさらに引き下げられ、最高が130mmHg、最低が85mmHg未満とされています。この引き下げによって1950年代の初頭には脳内出血による死亡が95%を占めていたものが、2005年には26%にまで低減させる事に成功しています。

 しかし、その裏で1950年代初頭には3%程度だった脳梗塞による死亡率が2005年には63%にまで増加を見せていて、脳梗塞が血圧の低下によって生じる事を思うと、行われた施策の正しさを再検証する必要性を感じてしまいます。

 人は年齢に伴って血圧が上昇するという避けられない定めを持っています。個人によって差がある事ではありますが、加齢によって血管の弾力が失われたり内径が小さくなると、血液を体の隅々まで行き渡らせるには必然的に高い圧力が必要になるからです。

 健康な人でも35〜40歳くらいから直線的に血圧が上がり始め、60〜65歳で最高血圧165mmHgくらいのピークを迎え、その後、一定化するとされ、中高年では160mmHgまでは正常範囲という意見もあります。高血圧と降圧治療、そろそろ利害抜きで検証する必要があるのではないでしょうか。


 



 

Copyright (C) 2007 Sunproject Co.Ltd. Allrights reserved,