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第1475回 情報認知     2010年04月30日

 糖分というと近年はダイエットや糖尿病に悪影響を与えるという事で、あまり良い印象は持たれないように思います。お菓子類でも糖分を少なくしたすっきりとした甘さや、代替甘味料を使ったカロリーがほとんどない物が好まれています。

 本来、糖分は直接的なエネルギー源となるブドウ糖に分解して利用される事から、身体が求める味覚であり、摂取してもカロリーとならない甘味料や安価にできる糖分は古くから研究されていました。

 人工の甘味料の一つであるサッカリンは摂取してもカロリーとならず、安価な甘味料として1878年にコールタールの研究中に偶然発見されています。

 発見後、すぐに商用化され、第一次世界大戦によって砂糖が不足した事もあって急速に普及し、さまざまな食品に利用されるようになり、特に1960年代から1970年代にかけてはダイエット甘味料としての付加価値も加わって、利用例が多岐にわたっていました。

 1960年代に行われた動物実験で、雄のラットだけに膀胱ガンの発生が見られ、サッカリンには弱い発ガン性があると考えられるようになると、サッカリンは危険な添加物というイメージが定着し、ほとんど使われなくなっています。

 その後、他の動物では発ガン性が見られない事や、膀胱ガンを起こした雄のラットは膀胱結石を起こしやすい環境下で育てられ、サッカリンの弊害というよりも膀胱結石による物理的刺激によって膀胱ガンが引き起こされていた可能性が高い事が考えられると、サッカリンが発ガン物質である事が疑問視されるようになり、サッカリンの安全性に関する再試験が行われる事となります。

 発ガン性が懸念されたのがラットだけであったため、人への影響を調べるために霊長類である猿に対して24年間にという膨大な時間、サッカリンを投与し続けた結果、サッカリンが原因と見られる異常が発見されなかった事から、安全であるという判断がなされ、現在ではアメリカや中国では大量に使用されています。

 日本では発ガン性が疑われたという事もあって安全性を確保する意味からか、各食品に対する使用量の制限が食品衛生法によって定められ、使用量と使用している事を明示する事が義務化されています。

 サッカリンに対する印象はといわれると、人工的に作り出された甘味料で食品添加物であり、身体に何かしらの悪影響を与える物と答えてしまいます。食に限った事ではありませんが、発ガン性の疑いというセンセーショナル話題は大きく報道され、いつの間にか発ガン物質として確定的に言われるようになり、疑いが晴れた時はほとんど報道されないという事が行われます。関心も低い事から安全宣言の認知は広まらないままで、食に関する情報の取り扱いの難しさを感じてしまう事となります。


 



第1474回 ごぼうの子     2010年04月28日

 牛蒡子(ごぼうし)は食材としてお馴染みのごぼうの果実で、食用としてはほとんど使われている話を聞きませんが、漢方の素材としては古くから使われています。

 中医学の薬性理論では「温寒」の性質では「寒」に分類され、患者の熱を抑える働きを持つとされ、炎症を抑えたり鎮静作用があるとされています。

 生薬が体のどの部位に作用するかという「帰経」においては、牛蒡子は肺と胃に作用すると考えられ、効能に影響するとされる薬としての味、「薬味」については「辛」とされ、肺に作用して発汗作用があるとして解熱、解毒、痰や咳を抑える働きを持つ生薬として扱われてきました。

 そんな牛蒡子の新たな効能として、すい臓ガンの増殖を抑える働きがある事が最近の研究で判ってきています。すい臓ガンは自覚症状が少なく、早期発見が非常に困難な上に進行が早く、発見した際は既にかなり進行しているという事も多く見られる事から、予後の悪さや死亡率の高さなどから「ガンの王様」という言い方をされる事もあります。

 今回発見された牛蒡子の効能は、すい臓ガンのガン細胞の中でも抗ガン剤が効きにくいタイプのガン細胞に効果があるとして期待が高まっています。

 ガン細胞の中でも酸素や栄養分が少ないすい臓のような環境に増殖するタイプは、抗ガン剤の効きが悪く、再発も起こりやすい事が知られています。酸素や栄養分が少ない環境で培養したガン細胞に、牛蒡子に含まれるアルクチゲニンと呼ばれる物質を加えると、抗ガン剤が効きにくいはずのガン細胞が激減する事が発見されています。

 今後、すい臓ガンの患者に効果があるのかが検証され、効き目が発生するメカニズムの解明、適切な摂取量、副作用の研究が進めば治療薬として登場する事となります。昔から使われてきた生薬だけに、安心して使える治療薬となるのでは、そんな期待を持ってしまいます。


 



第1473回 ハム考(2)     2010年04月27日

 ハムという食品にとって亜硝酸塩の添加が欠かせない事は、色合いや風味、食感や安全性という多くの面から理解できます。それだけ重要な存在であるのならば、亜硝酸塩が添加されていなかった時代はどうだったのかと考えてしまいます。

 昔から伝統的に行われてきた作り方によって得られるハムは、現代のような美味しそうな赤みではなく白っぽい色で風味が弱く、バサバサとした食感で保存が長期になるとボツリヌス菌による食中毒の怖れを抱きながら食べなければならない食品だったのでしょうか。

 当然そんな事はなく、昔ながらの方法で作られるハムは風味豊かで、赤みを帯びた美味しそうな色と適度な弾力、長期保存に耐える保存性を持ち合わせていました。

 亜硝酸塩を加えていないのに何故と思ってしまうのですが、理由は亜硝酸塩を加えていたのではなく、亜硝酸塩を発生させて色合いや風味、食感や保存性を作り出していたと言う事ができます。

 古代から行われてきたハムやソーセージ作りでは、まず肉を塩漬けにします。塩漬けにする事は味付けという意味もありますが、それ以上に他の雑菌の繁殖を抑える目的があると考えられ、亜硝酸還元菌の働きを円滑にするという意図が伺えます。

 塩漬けの後、低温下で熟成させる事によって肉の中や味や香りを付けるハーブなどに含まれる硝石が亜硝酸還元菌の働きによって亜硝酸の還元され、肉に美味しそうな色と独特な風味、弾力のある食感と保存性を持たせてくれます。

 経験的に得られたハムやソーセージに関する製法ですが、自然の働きに由来する部分も大きく、亜硝酸還元菌が充分に機能する前に雑菌が繁殖するリスクも考えられます。

 そのため亜硝酸還元菌の働きの代わりに人工的に亜硝酸塩を添加するというのが現代の工業的ハム作りとなっており、亜硝酸塩の添加方法や添加量は明確な規定として定められています。

 ハムに加えられる発色剤という添加剤で、それが加えられるとどの製品も同じような味になり、体内で分解されてタンパク質と反応すると発ガン物質となると言われるとかなりの危険物が含まれているように思えてきますが、一般的な野菜でも数千ppm単位でも硝石が含まれ、日常的に唾液の分解作用によって亜硝酸へと変化している事や、食肉製品に含まれる亜硝酸は使用基準によって70ppm以下に定められている事を考えると、危険な添加物が含まれた製品という評価を少し変えなければと思ってしまいます。


 



第1472回 ハム考(1)     2010年04月26日

 ハムには発色剤として亜硝酸塩が含まれています。強い発ガン性を持つ物質ニトロソアミンは、動物性のタンパク質が分解してできるジメチルアミンと亜硝酸が反応する事によって作られる事から、ハムに亜硝酸塩が含まれる事で健康への不安を抱く声もあります。

 それだけ不安視される亜硝酸塩ですが、何故ハムに含まれているかというと、肉に美味しそうな赤みを持たせるという役割があり、最も優れた発足剤とも言われています。

 美味しそうな色を諦めれば亜硝酸塩を添加する事を止められるかというと、亜硝酸塩は肉のこしを作り、結着を良くするという働きがあります。ハム特有の弾力のある食感や薄く切っても破れる事なく、さまざまな用途に使える利便性は亜硝酸塩の働きによって作り出されていて、亜硝酸塩の働きなしでは煮豚のようにバサバサとした物になってしまいます。

 色合いと食感を問わないのであれば亜硝酸塩抜きでも良いのかというと、亜硝酸塩はハム特有の風味を出しており、亜硝酸塩抜きではハムらしい美味しさに欠けた物となってしまいます。添加物が加えられたハムは全部同じ味がするという神経質な意見もありますが、亜硝酸塩によって作られる独自の風味がないハムやソーセージはただの塩漬けの豚肉だという本場ドイツのマイスターさえいると言います。

 美味しくなさそうな色で、バサバサしていて風味も欠ける。それだけでも充分困った状態ではありますが、亜硝酸塩を添加しないとさらに困った事が生じます。色や食感、風味以外に亜硝酸塩がハムという食品に与えてくれているもの、それは安全性です。

 ハム作りにはボツリヌス菌の危険性が付きまといます。ボツリヌス菌は、日本では辛子レンコンで有名になりましたが、ハムやソーセージの本場、ヨーロッパではボツリヌス菌による食中毒をソーセージ中毒という言い方をするほど、自家製のソーセージや骨付きのハムなどを中心に死亡者の発生が見られています。

 ボツリヌス菌は青酸カリの数10万倍という強力な毒性を持ち、自然界最強の毒素といわれるベロ毒素を産生する怖ろしい細菌ですが、そのボツリヌス菌の増殖を抑えるのに亜硝酸塩は有効な成分とされています。

 一般細菌の増殖も抑え、加熱殺菌の効果を高めるとされ、脂肪分の酸化を抑える働きもある事から、亜硝酸塩がハムという食の安全性に貢献している事は否定できない事と思えます。

 単体で見ると発ガン性のある物質に変化する可能性のある亜硝酸塩ですが、厳しい基準値が定められ、安全に配慮された使用法とその働きを考えると、単純に否定できないものを感じてしまいます。


 



第1471回 人気の鶏ハム     2010年04月23日

 少し前の事ですが、インターネット上で「鶏ハム」なる物のレシピが人気になっていました。インターネットという性質上、多くの人を経由して情報が伝えられる事から、幾つかのバリエーションが存在するようですが、基本的には鶏の胸肉を使い、身の回りにある材料だけで作る事ができます。

 本格的な作り方をすると鶏肉に味を付けて寝かせる期間を入れ、完成に約5日ほどかかるのですが、それでも大掛かりな機材は必要なく、炊飯器があれば作る事ができるという手軽さと手作りの美味しさが人気に繋がっているようです。

 基本的な作り方としては鶏の胸肉一枚に対し、塩小さじ1強、砂糖小さじ1、黒コショウとナツメグ少々、ニンニクとショウガ1片、ローリエ1枚を用意して、鶏肉に砂糖をすり込み、しばらく馴染ませます。

 同じように塩もすり込み、黒コショウとナツメグをふりかけ、薄切りにしたニンニクとショウガ、適当に手で割ったローリエを貼り付け、ビニールの袋に入れて空気を抜いて密閉し、冷蔵庫で4日間寝かせます。

 流水で表面を軽く洗い、ボウルに入れて途中で2回ほど水を換えながら4時間ほど塩抜きをします。塩加減は個人差があるので、鶏肉の端を少し切り取り、電子レンジで加熱するなどして味を見て判断します。

 洗って糊を落とした新しいサラシを広げ、炊飯器に良い長さで全体的に同じくらいの太さになるように鶏肉を重ね、サラシで包んでタコ糸できつく全体を縛っていきます。

 糸がの巻きが緩いと出来上がりがばらけてしまうので、しっかりと巻き、炊飯器に入れて鶏肉が浸るくらいの水を張り、炊飯器のスイッチを入れます。

 炊飯器の機体によって差があるそうですが、通常はゆっくりと温度が上がり約20分で必要な70度に達する事から、20分で炊飯器のスイッチを切って保温にして1時間40分ほど保温しておきます。

 時間がきたら保温のスイッチを切り、取り出して氷水入れて冷やします。その際、全体を押してみて、ぶよぶよした部分がないかチャックします。もしぶよぶよした部分があれば火が通ってない可能性があるので再度加熱します。

 冷めたら冷蔵庫に入れて一晩寝かせ、食べやすい厚さに切り分けたら出来上がりです。厳密にはハムとは呼べない作り方なのですが、家庭で楽しみながら作る事ができるので試してみるのも一興かもしれません。


 



第1470回 黒い砂糖の話(2)     2010年04月22日

 気候や歴史的背景もあり、サトウキビは沖縄の基幹作物となっています。サトウキビから作られる砂糖は製造工程の違いから含蜜糖と分蜜糖に分けられ、黒糖は含蜜糖に分類されて沖縄の特産品にもなっています。

 サトウキビの搾り汁から得られる糖を黒糖、黒砂糖と呼びますが、歴史的経緯やさまざまな文献から同じ物を指す言葉とされます。

 黒糖、黒砂糖共に明確に定義が存在し、サトウキビの搾り汁を煮沸、濃縮、冷却した製法による物と昭和60年の景品表示法によって定められ、この規定は公正取引委員会の承認を受けています。

 近年、海外から安価な含蜜糖が輸入され、国産の黒糖のシェアを圧迫しています。国内で生産される再製糖や海外産の再製糖をが加わり、黒糖を巡る市場の形成は複雑になっていまい、黒糖、輸入含蜜糖、国産再製糖、輸入再製糖といった4つの価格帯が存在する事となります。

 そうした状況に対し、黒糖の大部分がお菓子やパンなどの加工原料用として消費されるという実情があり、色合いや風味が近ければ安価な原料を使ってしまうという事は充分考えられ、その際、黒糖や黒砂糖と原材料や商品名に表示されると消費者としては、黒糖を食べているつもりで輸入含蜜糖を食べているという事も充分に起こりえます。

 日常的に黒糖が安価な再製糖や含蜜糖に置き換えられる事が行われるようになると、黒糖の販売環境が悪化し、生産量の現象から黒糖の価格はさらに高騰しかねない事も考えられます。

 すでにその流れは始まっていて、1964年の原料糖の輸入自由化以降、政府の保護政策として国内産糖の買い入れが行われるようになると、黒糖の生産が買い入れ対象である原料糖に置き換わった事もあり、黒糖の生産量は激減しています。

 健康志向や食へのこだわりが高まる中、黒糖の需要は拡大傾向にありますが、黒糖が不足するという状況が生じています。黒糖を使った製品が身の回りに溢れる中、どれだけの製品が本物なのかと考えてしまいます。明確なガイドラインがほしいと思えてきます。


 



第1469回 黒い砂糖の話(1)     2010年04月21日

 以前、このコラムでも取り上げた事がありましたが、塩を販売する際の表示の厳格化が本格的に施行されます。天然や自然、ミネラルなどに関する表現が制限され、消費者の誤解が生じにくいように表記されるようになるのですが、塩が適切に表記されるようになる事に対し、実は砂糖にも同じような問題がある事はあまり意識されていません。

 黒糖というとサトウキビを搾って煮詰め、冷却した砂糖の事を指しますが、粗糖(ザラメ)に糖蜜を加えて製造した、いわゆる再製糖が「黒糖」や「黒砂糖」と表示して売られている例があります。

 そうした事態についてサトウキビの主要な産地である沖縄県の黒砂糖工業会をはじめとした黒砂糖業界が、表示制度による区分を国に求めた事に対して消費者庁は、再製糖は単に黒糖と表示する事はできないとした上で、「加工黒糖」と表示する事は可能という見解を出しています。

 それに対し黒砂糖工業会やJA沖縄中央会では、「加工」の前置きがあったとしても「黒糖」の文字があれば、消費者が再製糖を黒糖製品と認識する可能性が高いとして、表示制度の見直し要請を続ける考えを表明し、全く黒糖を使用していなくても「黒糖」と表示できるのは紛らわしいと、消費者庁の見解を受け入れられないとしています。

 黒糖はサトウキビの搾り汁から作られる事から、生産量の9割を沖縄産の物が占めていますが、再製糖は全国の各地で作られています。製造コストも黒糖の3分の1から半分で再製糖を作る事ができるとされ、安価で見た目もよく似ている事から黒糖の代替品として広く普及し、すでに生産量は黒糖の2倍に達しているとされます。

 再製糖である事を理解した上で価格などの比較から選ぶのなら納得がいくのですが、加工黒糖という事で精製された黒糖と思い込む可能性がある事を考えると、何か別な名前を用意してほしいと思ってしまいます。黒色糖や黒化糖でも悪くないと思うのですが。


 



第1468回 B級?ご当地?     2010年04月20日

 健康という観点からは多少疑問が生じる事は否めないものがありますが、B級グルメというカテゴリーは食の楽しさという点からは大いに評価できるものがあり、実際にかなりの人気を誇るカテゴリーとなっています。

 B級グルメは贅沢ではなく、安価で日常的に食べられる庶民的な飲食物と規定されていますが、その評価については相対的な部分が大きいとされ、B級グルメと呼ばれる事に抵抗を感じる家庭料理なども含まれている事があります。

 日本各地に地域色豊かなB級グルメがあり、その点では郷土料理のような印象を持ってしまう事もあるのですが、地域の特産物とは関連性が薄い事が多く、歴史も浅い物が多い事から郷土料理とは一線を画す物となっています。

 地域の特産品との関連性が必須ではなく、時代を重ねた歴史的、伝統的な部分も必要とはされない事から、ご当地グルメとして町おこしに使われるB級グルメも少なくありません。

 ご当地グルメとB級グルメは、ほぼ同じ意味として使われる事があるのですが、厳密にはご当地グルメは伝統にこだわらずに開発され、または発祥して定着した料理の総称とされる事から、B級グルメとは色合いの異なる物である事が判ります。

 また、ご当地グルメの中には観光資源の一環として創り出された物が含まれ、地元の人には全く親しまれていない料理も含まれている事があり、地域に定着して親しまれている事が前提となるB級グルメとは大きく異なる部分となっています。

 B級グルメに関する人気や盛り上がりは、2006年以降、毎年開かれているB級グルメの日本一を決める祭典、{B−1グランプリ」を見ると判るのですが、正式な名称が「ご当地B級グルメの祭典 B−1グランプリ」となっている事もB級グルメとご当地グルメの境を曖昧にしているのかもしれないと思ってしまいます。

 過去4回の大会中、3回が焼きそばによってグランプリが獲得されています。日本中で広く親しまれながら贅沢ではなく、庶民的であり、各地に作り方や調味料、具剤などのバリエーションも多く存在する事から、ご当地B級グルメと呼ぶに相応しい存在といえると変に納得するものがあります。


 



第1467回 増産の予感     2010年04月19日

 エタノールというと消毒というイメージが強く、あまり燃料という感じはしなかったのですが、近年のバイオエタノールの開発が進んでいるという実情から、徐々に燃料としても認識されてきています。

 バイオエタノールは主に植物由来の原料を発酵させて造られる事から、植物の育成時に二酸化炭素が使われているという事で、燃焼しても二酸化炭素の排出はゼロと産出され、地球温暖化を促進しない燃料として評価されています。

 しかし、従来から行われてきた発酵によるエタノール製造では、原料となる素材が小麦やトウモロコシといった食料と競合する物であった事から、バイオエタノールの普及には食料の確保という問題が絡み、新たな技術の開発が求められていました。

 最近、新たに開発された新種のサトウキビは、これまでのサトウキビと比べて耕地面積当たりのバイオエタノールの生産が5倍以上も見込めるとされ、近日中に品種登録を行い、実証実験に入るとされています。

 今回開発された「砂糖・エタノール複合製造プロセス」と呼ばれる技術では、新品種のサトウキビの育成スピードが従来の品種の2倍。発酵条件の工夫によって大規模製造時のバイオエタノールの歩留まりも2倍に達すると言います。

 2倍の成長速度、生産効率を持つだけでなく、実際に行われた実験では5倍以上のバイオエタノールが得られ、それだけの急速な成長とバイオエタノールが得られる事から、二酸化炭素の吸収効果は従来のサトウキビを使用した場合と比べ57倍に達すると試算されています。

 新品種の特徴として「茎」の部分が従来の品種の1.5倍、「蜜」が1.3倍も得られるとされます。茎はバイオエタノールの原料となり、蜜は砂糖の原料になる事から、新品種を使ってバイオエタノールの増産が進んだとしても食料との競合は起こらず、むしろ砂糖の増産が可能となります。

 二酸化炭素を排出しないエコ技術として電気自動車の開発が進んでいますが、電気の生産を原子力発電に求めているという現状があります。新しい品種のサトウキビにはぜひとも頑張ってほしいと思ってしまいます。


 



第1466回 電池に思う(2)     2010年04月16日

 身の回りに溢れる乾電池ほど手近な物ではありませんが、一次電池としてのボタン型電池や二次電池のバッテリーなどの普及も目覚しいものがあります。

 ボタン型電池は古くから使われてはいましたが、機器の小型化に合わせて利用例が増え、最近では多種多様な種類が売られているのを見掛けるようになってきています。

 一昔前だとボタン型電池の定番は水銀電池とされていました。正極に酸化水銀、負極に亜鉛が用いられる水銀電池は、非常に優れた電池としての特性を持ち、放電が終了するまでほとんど電圧が変わらない最も優れた電池とされます。

 最近、さまざまな場所でボタン型電池の回収ボックスを見掛けますが、水銀電池が安易に捨てられて環境中に水銀が野放図に広まる事を防ぐ目的がある事が考えられます。

 水銀電池に代わって使われるようになったのが酸化銀電池で、正極に酸化水銀の代わりに酸化銀を使う事で環境への懸念を少なくしています。

 酸化銀電池は水銀電池ほどではありませんが、放電時の電圧特性に優れ、放電の最後まで電圧の降下が少ないとされます。ボタン型で小さいのでそれほど意識されませんが、エネルギー密度が高い事からアルカリ電池の2倍の容量を持つとされます。

 一次電池以上に進歩が著しいのが二次電池で、かつては鉛蓄電池が主流であったところにさまざまな電子が登場してきています。

 鉛蓄電池は両極に鉛を使い、安価な鉛を使うという事から世界で最も作られている二次電池となっていますが、どうしてもサイズが大きくなり、重量も大きくなる事から最近の小型軽量化には不向きな印象があります。

 小さくて軽いバッテリーとして二次電池の存在を身近にしてくれたのがリチウムイオン二次電池で、正極にリチウムイオン金属酸化物、負極にグラファイトなどの炭素材が用いられています。

 リチウムイオン二次電池はエネルギー密度が高く、継ぎ足し充電による弊害とされるメモリー効果が少ない事から、ノートパソコンなどの電源に使われ、自己放電も少ない事から電池としては優れた特性を備えていると言えます。

 多くの優れた点を持つリチウムイオン二次電池ですが、常用領域と危険領域の幅が狭く、膨張して使えなくなったバッテリーを見た経験がある人も多い事と思います。

 リチウムイオン二次電池の欠点を補うように出てきたのがニッケル水素充電池で、正極に水酸化ニッケル、負極に水素吸蔵合金が用いられています。

 代表的な二次電池であったニッカド電池よりもエネルギー密度が高く、カドミウムを含まないという環境負荷の低さもあり、急速に利用例が増えてきています。

 特に注目されてきているのがハイブリッド車のバッテリーで、主要な電源として車のバッテリーの主流であった鉛蓄電池に代わる物として使われています。

 これからの環境の事を考えると寿命が長い一次電池や繰り返し安定して使える二次電池は欠かせない物であり、更に良い物が登場する事を期待したい分野でもあります。モバイルという言葉が一般化した現在、需要が価格を引き下げる事によって広く普及する事を願いたいと思っています。


 



第1465回 電池に思う(1)     2010年04月15日

 気が付くと身の回りにたくさんの種類の電池がある事に驚いてしまいます。かつては安価なマンガン電池が主流となっていて、長時間、安定して使う事ができますが高級なイメージが定着しているアルカリ電池、充電ができるニッカド電池くらいだったように思えるのですが、ノートパソコンや携帯電話をはじめ、多種多様な電池が存在しています。

 私の中で電池とは電気が閉じ込められた小さな箱という印象なのですが、正確には主として化学反応によって発生するエネルギーを直接、直流電力に変換する電力機器とされます。電子が池のように蓄えられている事から、「電池」の名前で呼ばれていますが、必ずしも蓄えているものが電気ではなくても電池と呼ばれる事もあるといいます。

 普段、電池として接している物は化学電池と呼ばれる物で、購入して使用を開始し、一定期間使用した後、交換する放電するだけの電池は一次電池。放電し終わったら充電して再利用できる物は二次電池と呼ばれています。

 一次電池のうち正極に二酸化マンガン、負極に亜鉛を用いた物がマンガン電池で容量は小さいのですが、生産コストが安く、しばらく休ませると出力を回復するという性質を持つ事から、要求される電圧が低く間欠的に利用される事に向いているとされます。

 最近、価格が大幅に下がった事から主流となっているアルカリ電池も一次電池の一種で、正式にはアルカリ・マンガン電池と呼ばれ、正極に二酸化マンガンと黒鉛、負極に亜鉛と水酸化カリウムが使用されています。マンガン電池に比べてエネルギー密度が高い事から、連続的に大きな電力を供給する事に向いています。

 アルカリ電池はマンガン電池の高級版という感じがして、全てにおいてマンガン電池の代わりにアルカリ電池を使う事が良いように思えるのですが、アルカリ電池とマンガン電池にはそれぞれ向き不向きがあります。

 時計やリモコンなどのように要求される電力は微弱でも、使用が長期間にわたる機器では使用していない間も放電しているアルカリ電池は不向きでマンガン電池の方が適しています。また非常時の備えといった懐中電灯などに使用するにも、長期保存に適したマンガン電池が良いと言えます。

 アルカリ電池の技術を応用して開発されたのがニッケル系電池で、正極にオキシ水酸化ニッケル、負極に亜鉛を用いて作られています。寿命は長いのですが価格が高価で、用途も一般的にはデジタルカメラに限られた事からあまり一般化はしていません。

 アルカリ電池に代わる物として40年ぶりに投入された新商品として登場したのがオキシライド電池で、正極にはオキシ水酸化ニッケル、二酸化マンガン、黒鉛を用い、負極には亜鉛を使っています。アルカリ電池の1.5倍の寿命を持つとされ、アルカリ電池が苦手としていたデジタルカメラでの使用でも2.2倍の寿命を誇るとされますが、用途が異なる時計やリモコンなどではアルカリ電池よりも寿命が短くなるとされ、高価な事を考えると注意が必要です。

 単純そうな乾電池だけでも選択の幅があり、複雑なものを感じますが、二次電池などを加えると更に世界が広がりそうで電池の奥深さを感じてしまいます。


 



第1464回 色と酔い     2010年04月14日

 お酒と一言でいってもさまざまな種類があります。糖質をアルコール発酵させて作る物から、それを蒸留した物。蒸留酒に漬け込んで造られる物と、世界中の地域に根差した地域性豊かなお酒が多数存在しています。

 お酒は楽しく飲んでいるうちは良いのですが、つい量が過ぎてしまうと悪酔いや二日酔いなどが気になってしまいます。以前聞かされたところでは、糖度が高いお酒ほど悪酔いしやすい傾向にあり、あまり飲料というイメージはありませんが、糖度の高さからみりんで酔うとかなり悪酔いするとの事でした。

 先日、発表されていた研究の結果によると、糖度以外にもお酒の色の濃さも酔い方に関係しているらしく、色の濃いお酒の方が二日酔いしやすい傾向にあると言います。

 お酒の色にはコンジナーと呼ばれるアセトンやフーゼル油、タンニンなどのお酒を造る際の副産物となる成分が含まれ、コンジナーは辛い二日酔いをもたらす毒物となる事が判ってきています。

 色の濃いお酒の代表と言えるバーボンと色がほとんどないお酒の代表のウォッカでは、含まれているコンジナーの量に37倍ほどの違いがあり、酩酊状態までバーボンとウォッカを飲んだグループを分けて観察すると、明らかにバーボンを飲んだグループの方が辛い二日酔いを訴えるという結果が得られています。

 二日酔いの障害のほとんどはアルコールが直接の原因となっていますが、苦痛を増加させる因子としてコンジナーの存在が上げられると言います。

 コンジナーの量は多いとされるバーボンは、本来無味無臭の状態を風味や色付けするために内側を焦がした樽に詰めて熟成させています。美味しくする工夫が、飲み過ぎた後の二日酔いの辛さを増しているようで、少々皮肉な感じもします。

 日本のお酒は色がない物が多く、白い色のお酒はあまり濾過していない事に由来しています。元々日本人はアルコールを分解する酵素が少ない人が多く、二日酔いしやすい民族だと言われる事から、お酒を作る事に適した米という穀物と共に生きてきて、無意識のうちに風味付けによるコンジナーの弊害を避けてきていたのかと考えてしまいます。


 



第1463回 脂肪酸選び     2010年04月13日

 油脂は体内に摂り込まれると分解され、脂肪酸の状態になって利用されています。脂肪酸には健康の維持に欠かす事のできない働きがあり、その働きはビタミンにも似たものがあります。油脂は特有の性状によって、脂肪酸の比率が特に顕著なものを高機能性油脂と呼んでいます。

 最近、健康に良いとして評価が高い脂肪酸がオレイン酸で、善玉とされるHDLコレステロールの血中量を維持しながら悪玉のLDLコレステロールや中性脂肪を低下させる働きがあり、動脈硬化を予防し、脳梗塞、心筋梗塞を引き起こす危険性を低下させるとされます。

 オレイン酸は一般的に動植物油に含まれるとされますが、特に多く含まれる油脂としてひまわり油、サフラワー油、オリーブ油が知られていて、生活を通して利用量を増やす事が推奨されています。

 リノール酸は身体に欠かす事のできない脂肪酸で、必須脂肪酸の一つとされていますが、分解されていく過程でアレルギーなどの症状を悪化させるアラキドン酸になる事から、健康に対してマイナスの評価をする意見もあります。

 アラキドン酸については生理活性作用が再評価されてきているので、健康に関する評価が見直される動きがあり、今後は接し方が変わってくる事とは思えますが、オレイン酸ほど積極的に摂取しようという意見は聞かれなくなっています。

 リノール酸のオレイン酸との大きな違いは、全てのコレステロールや中性脂肪を下げる働きで、HDL、LDL、中性脂肪を下げる働きがあり、その低下作用はオレイン酸よりも短いとされます。

 リノール酸を多く含む油脂としてはサフラワー油、ひまわり油、グレープシード油が上げられ、サフラワー油、ひまわり油がオレイン酸を高い比率で含んでいるはずなのに、リノール酸も多いという事に少々疑問を持ってしまいます。

 実はサフラワー油、ひまわり油には、それぞれ2つのタイプがあり、高オレイン酸タイプと高リノール酸タイプが存在しています。かつてリノール酸が身体に欠かせない脂肪酸として注目された際、リノール酸を多く含むサフラワー油、ひまわり油も注目されましたが、その後、リノール酸の過剰摂取が過酸化脂質の問題を起こすとして摂り過ぎが問題視された事から、サフラワー(紅花)、ひまわり共に品種改良が行われ、オレイン酸を多く含むタイプが栽培されるようになっています。

 油脂は日常的に接する物なので、単一の品種に偏らないようにして、含まれる脂肪酸を意識しながら複数の品種を上手に使い分けると良いのかもしれません。ビタミンほど不足を意識されませんが、不足が思わぬ体調不良の原因となっている事があるので充分注意したいものです。


 



第1462回 卵印刷     2010年04月12日

 以前、印刷技術の発達に伴い、卵の殻に安全な印刷を施すという技術が紹介されていました。今後は透明なパックの中に並んだ卵が広告媒体となるのではという予測もあったのですが、幸い私が見ている範囲においては定着しなかったようで、少しだけ安心するものがあります。

 広告費の還元という形で卵の販売価格が安くなるとしても、自然の物に不自然な装飾を施した感じがする広告卵はどこか抵抗を感じてしまいそうで、店頭に並んでいても選ばない商品となりそうな気がします。

 卵へ印刷するという技術自体はすでに利用されていて、卵に直接賞味期限を印刷したものを見掛ける事があり、卵の賞味期限を個別に管理するには便利なものと思えます。

 多くの場合、卵の賞味期限に関しては表示部分の近くに、賞味期限は生で食べられる期間で、賞味期限を過ぎた卵は充分に加熱してなるべく早く食べるといった内容の記載が添えられていて、賞味期限を過ぎても食べる事が可能と判ります。

 食品が食べられなくなる理由として腐敗菌の増殖があります。卵の白身には菌の細胞膜を溶かして増殖を抑えるリゾチウムが含まれていて、腐敗菌を増殖させない性質があるので、卵の賞味期限は非常に長いという意見もあります。

 現在の卵の賞味期限は、卵のサルモネラ菌による食中毒防止という点から、サルモネラ菌の増殖が起こらない期間を基準に、生で食べられる期間として設定されています。

 算定方法は保存の温度によって期間が異なる事が加味される必要があるとされ、理論的な保存温度による生食できる日数と過去5年間の平均気温などを元に算出されるという科学的根拠に基いたものとなっています。

 世界的に見て日本の卵の賞味期限の設定期間は短いとされ、諸外国ではもっと長期間が設定されていたり、賞味期限の表示自体も存在しない国もあります。食の安全に敏感な国民性の表れかもしれません。

 できるだけ温度変化が少ない冷涼な場所に生の状態で保存し、期限内に食べ切るか充分に加熱して食べる。神経質になり過ぎず、それでいて気を使う。卵との付き合い方は人付き合いにも通じるものを感じてしまいます。


 



第1461回 霰の変化     2010年04月09日

 今ではそう珍しいものでもない素材別の料理のレシピ本ですが、歴史的に見ると江戸時代の後期、天明年間(1781〜1789)になって初めて刊行されています。最初の素材別のレシピ本で取り上げられた食材が豆腐で、庶民の間に広く親しまれた食材になっていた事が伺えます。

 最初の豆腐に関するレシピ本は「豆腐百珍」で、天明2年(1782年)に刊行され、大ベストセラーとなった事が記されています。

 豆腐百珍の成功を受けて翌年の天明3年(1783年)には「豆腐百珍続編」が刊行され、続いて天明8年(1788年)には「豆華集」が刊行されている事からも、豆腐の人気と豆腐料理への関心の高さが判ります。

 当時、すでに現在のような豆腐の作り方が確立されており、豆腐は四角い物と認知されていましたが、その四角い豆腐を丸く仕上げるというユニークなものが「豆腐百珍」に記されています。

 「霰(あられ)とうふ」と名付けられた豆腐料理は、豆腐に重しをしてよく水を切り、小さめのさいの目に切って竹製のザルに乗せます。ザルを回すように揺り動かすとやがてさいの目の豆腐は、竹のザルに擦られて角が取れ、丸みを帯びてきます。ある程度丸くなってきたところで、油でさっと揚げ、好みの調味料でいただくと記されています。

 明和8年(1771年)に刊行された「卓袱会席趣向帳」にも、秋の吸物の部に「霰とうふ」の記載があり、精進料理で食べられる食材の中で、重要なタンパク源となっていた豆腐をアレンジする料理の一つとして親しまれていた事が判ります。

 その後、享和元年(1801年)に記された「料理早指南」にも「あられ豆腐」の記載があり、「すまし吸物の部」に登場するあられ豆腐はザルに入れて豆腐の角を取っただけの物で、油で揚げずに吸物の種として扱われています。

 油で揚げない作り方の存在は、霰とうふという料理が豆腐の形状を丸く変化させる事に重点を置いていると思えてくるのですが、宝暦14年(1764年)に刊行された「料理珍味集」の第二巻には、「霰豆腐」という丸くない豆腐料理が登場します。

 「料理珍味集」による霰豆腐は豆腐を大きめのさいの目に切り、粗く砕いた葛を塗して油で揚げて仕上げます。粗く砕かれた葛の粉が豆腐の表面を覆って揚げられ、霰のように仕上げられる事から付けられた名前だと言えますが、もともとの霰とうふとは趣が異なる物となっています。

 長い歴史を持ち、広く親しまれてきた食材だけに同じ名前で異なる料理や、違う名前で同じ料理が存在する事は充分ありえる事ですが、複数の霰とうふの存在は豆腐という食材がシンプルでさまざまな料理に適していて、多くの人に愛されてきた事を示しているようにも思えます。


 



第1460回 似て非なるもの     2010年04月08日

 パンに塗るバターの代替品で植物性脂肪から作られる物といえばマーガリンの事だと判ります。マーガリンは高価なバターの代替品として開発され、パンに塗るだけでなくパンやケーキ作り、クッキーやアイスクリーム、チョコレートなど、多くの食品の原料として使われています。

 マーガリンの製造は精製した油脂に発酵乳、食塩、ビタミン類などを添加して乳化させ、練り合わせて加工されています。製造工程において水素を分子に付加する事で原料となる油脂が常温で液体である性質を持っていても、常温では固体というバターと同じ性質を持つようになります。

 マーガリンに似た物としてショートニングがあります。ショートニングは植物性油脂を原料として、常温でも半固体の状態になるように加工され、主にパンやクッキーなどの焼き菓子の製造に用いられています。

 どちらも植物性の油脂を原料として水素を添加する事で、常温で半固体という性質を持つように加工されて作られているために一見、同じ物のような印象を受ける事がありますが、両者には明確な違いが存在しています。

 マーガリンは油脂に乳製品、水、乳化剤、香料を加え、急速に冷やしながら練り合わせて製造します。油分の違いからマーガリンとファットスプレッドと呼ばれる種別が存在し、ソフトタイプと呼ばれる柔らかめの物はパンに塗るという用途に使われ、ハードなタイプは料理やケーキ、パンなどの製造に使われています。

 それに対しショートニングはマーガリンと同じように油脂を使ってはいますが、水分や香料などを含まず、より純粋な油脂の状態となっています。主な用途としてはクッキーなどの製菓用やパンの製造に使われ、サクっとした軽い食感を出す事に使われています。

 価格的には安価でも、香料の不在による風味の不足や、常温での塗りにくさを考えると、ショートニングではマーガリンの代役は務められないようにも思えます。似て非なるものという言葉が最適な両者、上手に使い分けたいものです。


 



第1459回 燃料食料     2010年04月07日

 「油を売る」という言葉があります。世間話などの雑談をして時間を過ごすという意味ですが、あまり良い意味では使われないように思います。語源となった事については文字通り油の行商が油を売る様子にあるとされ、かつて油売りが容器から油を小分けして売り歩いていた頃の名残りとも言われます。

 当時の油は粘度が高く、柄杓ですくって計り売りをする際、なかなか全部が買い手が持参した容器に移せないので、油が注がれてしまうまで世間話をしながら間をもたせたというエピソードが元になっています。

 そうして人々の手に渡っていた油ですが、用途としては室内の照明に使われるのが主な使い方となっていて、料理にはあまり使われていなかった事が当時の文献から判ります。

 徳川家康が油で揚げた料理を食べた話が残されているので、油を料理に使うという概念は存在していた事は伺えるのですが、料理の専門書としては最古とされる寛永20年(1643年)に出版された「料理物語」には、油で揚げる料理や少量の油を使った炒め物に関する記載は一切なく、かろうじて「煎る」という調理方法が出てくるに留まっています。

 しかし、その煎るという調理方法についても必ずしも油を使って調理するというものではなく、「桜煎(さくらいり)」のようにタコを出汁でさっと煮た物や、「酢煎(すいり)」のように魚の煮物に酢を加えた物などがあり、今日の「煎る」とはずいぶんと違い、油も使っていなかった事には少々驚いてしまいます。

 「料理物語」から約半世紀後の元禄9年(1696年)に書かれた「本朝食鑑」には、当時使われていた食材の事が一つずつ細かく解説され、その中に油として「ごま油」の存在が登場してきます。

 ごま油の用途としては食用の他に灯り用の燃料や、雨具の撥水性を確保するために塗布する事、整髪料として用いるなどが記されていますが、非常に高価で手に入りにくい物とされています。

 それ以外の油となると萱(かや)の油や胡桃の油が登場しますが、いずれも高価で入手が困難とされ、比較的安価な油としては鯨や鰯の油の存在が書かれていますが、用途は灯り用となっています。

 江戸時代の後期に入ると油の利用例が多く見られるようになってきます。庶民の所得が向上し、生活が豊かになってきた事、油の製造技術が向上して食用に適した油が生産されえるようになった事、製造量の増加や流通の確保が進んで入手が比較的容易になった事などが考えられ、油が食用としての位置付けを確保する事となります。

 今日、油というと食用というイメージが定着し、燃やすという発想はほとんどないと思います。最近ではトランス脂肪酸など油の内容と健康の関わりにも注目が集められています。油と人との関わりについて、近年の急速な変化には驚かされるものがあります。


 



第1458回 油抜きヘルシー?     2010年04月06日

 相変わらず油を使わないヘルシーな調理器具という物を見かけます。ほとんどは表面にフッ素樹脂加工を施した物で加熱調理をする際、油をひかなくても焦げ付く事がないので油を必要とせず、その事がヘルシーだとして宣伝されています。

 調理の際に使われる油には、鍋やフライパンなどの表面温度を高くして、食材の水分を一気に蒸発させて短時間で調理を完了させたり、食材の表面を多孔質にして食感や風味を良くする。耐熱性のある膜を食材の表面に作って焦げ付きを防いだり、料理に香りや色合いを加える。調理器具との間に入って剥がれやすくしたり、強い香りや刺激をマスキングしてマイルドに仕上げるといった働きを持っています。

 それだけのメリットを持ちながらダイエット志向が強い昨今では、調理の際の油でさえもカロリーを高くしてしまう物として嫌われてしまうのかと複雑なものを感じてしまいます。

 また、最近の食の傾向について、脂は足りていながら油が足りないと言われる事があります。油脂は摂取された後、分解されて脂肪酸の状態になって体内で利用されています。脂肪酸はさまざまな種類があり、それぞれがビタミンのように別個の役割を持っているのですが、ビタミンほどにはその役割が解明されておらず、健康維持に欠かせない物でありながら、その役割や過不足が生じた際の影響については認識が薄いと言わざるをえません。

 そのため脂肪酸の種類によっては過不足の差が顕著になってきていると言います。近頃、意識されてきているところでは飽和脂肪酸の摂取量を減らす事と、不飽和脂肪酸の摂取量を増やす事が言われていますが、調理の際、油を使わないようにして油の使用量を減らすと不飽和脂肪酸の比率が減り、肉などの食材に含まれる脂の量は変わらないので、脂の比率が増えて飽和脂肪酸が多く摂取される事となってしまい、ヘルシーと言えるのかと疑問が生じる事となります。

 最近、原因がはっきりしない体調不良を訴える人が多いとされ、その背景には脂肪酸の不足がある事が言われるようになってきました。食を通して健康を考える際、大切なのはバランスであって、単純なカロリーのみでの評価やそのプラスマイナスで考えるのは、少々無理があるのではとも言えます。食に関してもバランス感覚が重要と思えてきます。


 



第1457回 後味     2010年04月05日

 既に2年余りが経過して、どことなく記憶も薄れかけていた中国産の「毒入り餃子事件」は当初、食の安全を脅かす事件として受け取ったのですが、事件の詳細が明らかになるにつれて残留農薬や工場の生産ラインの問題ではなく、意図的に行われた人為的な嫌がらせのように様相が変わってきたのが思い出されます。

 事件は千葉と兵庫の両県で3家族、合計10人が中毒症状を訴えて9人が入院した事で表面化し、日中両国で捜査の協力体制が敷かれましたが、日中双方で原因物質として特定された殺虫剤のメタミドホスの混入が自国内で行われたものではないと否定的態度を採り、捜査は難航し、中国側の捜査が一旦中断された事で迷宮入りも予想されていました。

 その後、製造者である中国の「天洋」が回収した餃子を食べ、中国側で中毒者が発生した事から、中国側でメタミドホスの混入が行われた可能性が濃厚となり、生産ラインの関係者を中心とした捜査が再開され、徹底した追求が進められる事となっていました。

 途中、犯人を特定したという噂はありましたが、あくまでも噂に過ぎず、関係者を拘束して聞き取りを行いながら、捜査は難航を続けていたとされています。

 また、捜査を実質的に指揮してきた公安省刑事偵察局副長が他の要職に栄転となった事から、難航した中での指揮官の移動は事件解決へ向けた意欲の後退という判断にも繋がり、事件解決の難しさをより強く印象付けるものとなっていました。

 そんな事件も先日、ついに容疑者逮捕で解決する事となったという報道が行われていました。唐突な解決に何故今ごろという気もするのですが、それには一部に上海万博を控え、食の安全が懸念されている事が盛り上がりに水を注す可能性がある事から、事件の解決によって食の安全確保に対する姿勢をアピールするという狙いがあるという意見もあります。

 普通だとあまりそうした意見は参考程度にしか受け取らないのですが、今回、下水道から証拠品となった注射器が発見され、内部からメタミドホスが発見されたそうですが、メタミドホスほどの分解しやすい物質が時間が経過した状態で発見されるというのも少々怪しく感じてしまいます。

 初期の段階で注射器が発見されていたのであれば、中に残留したメタミドホスの発見も納得いくのですが、そうなると中国での混入の否定発言に疑問が生じ、中国側で中毒の発生し、混入が認められた際に発見されたのであれば、何故それまで重要な物的証拠を発見できなかったのか、容疑者の特定後であればメタミドホスが分解せずに残されている事に疑問が生じます。食に関わる事だけに、後味の悪い思いはしたくないものです。


 



第1456回 油使い     2010年04月02日

 以前、廃油を原料として洗剤を作っているメーカーの人と話をしていた際、地元の大手惣菜チェーンで揚げ物のメニューが多い事から、廃油もかなりの量に上ると考え、廃油の処理をさせてもらえないかという提案をしにいった事を聞かされた事があります。

 廃油の処理にはそれなりの経費が支出されているはずなので、その廃油を引き取ればそうした経費の負担を軽減でき、安定的な原料の確保もできるようになります。双方にメリットが多い提案と思ったらしいのですが、返ってきた返答は揚げ物の油は炒め物に使う油と共用していて、炒め物で使い切ってしまうので廃油は一切でないというものだったそうです。その話を聞いてから、それまであまり縁がなかったその惣菜チェーンがさらに縁遠くなってしまいました。

 食用の油は穀物を搾って作られていて、揚げ物に使うだけでも結構な量の穀物が使われているので、できれば無駄なく使いたいものです。毎日継続的に油を使っていればそれなりに使い方の工夫もできるのですが、家庭のレベルでは油を上手に管理するのもそれなりに気を使うものがあります。

 揚げ物に使う油の質を低下させてしまう要因としては、温度、食材から出る成分による汚れ、空気中の酸素などが考えられます。それらに充分気を付けていると、使い終わりまでより良い状態を保つ事が考えられます。

 揚げ物は料理の中でも特に高い温度を使う調理方法であり、油にかける負担も大きくなってしまいます。目安は上限を美味しく揚げる事ができる180度を超えないようにするというもので、高すぎる熱を加えない事で油の酸化を抑えます。

 最近の油は精製度が高く、純粋なので加熱した事によって煙が立つ事はありません。油を火にかけて煙が立つようでは温度を高め過ぎていて、油は急速に酸化しているので決して180度を超えないようにしなければなりません。

 調理の際に食材から出る成分による汚れも油を傷めてしまいます。汚れが油に悪影響を及ぼす理由は、汚れから酸化が始まり、油全体に酸化が広がってしまうからです。揚げ物が終わったらすぐに油を濾す事で、油の中に残された汚れを取り除き、酸化の広がりを防ぐ事ができます。

 空気中の酸素も油を酸化させてしまう原因となります。油を使わないで保管していても、徐々に空気中の酸素によって酸化されていくため、自然と油は劣化してしまいます。紫外線も油の自然酸化を助長するので、使わないからといっても保管の状況には注意が必要です。

 食材によっては油の状態を良くする物があり、代表的なところではジャガイモ揚げると豊富に含まれるビタミンCによって酸化した油が還元され、状態を改善する事が知られています。

 油の扱いに充分に気を付ける事や減った分を新しい油を継ぎ足す事によって、油が使用できる期間や回数を増やす事はできますが、やはり劣化は確実に積み重なっていくので無限に使用できるという事はなく、いずれ廃油としなければならなくなってしまいます。判断基準は使用頻度にもよりますが、10回程度か温度が上がった際、油本来の粘度がなくなった時が換え時とされ、後は肥料や石鹸、場合によっては燃料などに加工すると無駄なく使えるのかもしれません。


 



第1455回 何故猫?     2010年04月01日

 自他共に認める猫舌で、とにかく熱い物が苦手です。知り合いに揚げたての天ぷらを出してくれる店に連れて行かれた際など、味わうどころか涙を堪えるだけでも大変という状況になってしまい、口の中が火傷で酷い状態になってしまった事があり、それ以降、熱い物は極力食べないようにしています。

 猫舌の人は食べ方に問題があり、温度に対して敏感な口の入り口付近を熱い食べ物に触れさせてしまう事が猫舌の原因という意見を聞いた事がありますが、実際はそんな事はなく、口の中のどの部分であろうと熱い物は熱いとしか言えません。

 そんな猫舌、猫に温度が高い食べ物を与えると、熱いままでは食べ物として認識しない事から、ネーミングとしては適切だと思えるのですが、動物は人間のように食材を加熱して調理するという事がないので、全般的に熱い物が苦手とされています。

 それなのに何故、猫だけがことさら熱い物が苦手なように言われるのか。身近な動物であれば事足りるので、犬でも充分な感じがするのですが、犬や猿、鶏などが熱い食べ物を避ける話は聞かれません。

 人の近くにいた生物となると限られてくるのですが、その中で鶏は明らかに食べ物が違うので除外されます。猿は山中で見掛ける事はあっても、あまり人と暮すという事はありません。

 そうした消去法で犬と猫が残されるように思えてきます。少し時代を戻して江戸時代の事を考えると、ペットという存在はまだあまり一般的ではなく、今日でこそ最も多く人と生活している動物である犬ですが、当時はほとんど飼われていなかった事が判ります。

 現代のような室内飼いという事もほとんどなく、エサも残り物があてがわれていたと考えられます。それに対し猫はネズミを捕まえて貯蔵している穀物や家財を守るという役割があり、家の中で人のそばにいた事が伺えます。

 近くにいて面倒を見る事が多く、自分が食べている食事を分けて与える事もあったので、猫が熱い食べ物を苦手とする場面が目撃され、冷めた残り物を与えられていたので犬は熱い食べ物を苦手とする事に気付かなかった。それがだけ猫が熱い食べ物を苦手とするという言い方に繋がったと考えられます。

 猫は嗅覚が鋭く、においで対象の温度を感じる事ができると言います。そのため猫舌のように熱い食べ物に驚くという事はないのですが、猫好きの身としては「犬舌の人」と言われるよりも「猫舌の人」で良かったと思っています。


 



 

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