にんにく卵黄本舗トップへ にんにく卵黄本舗トップへ

にんにく卵黄本舗トップへ ショッピング 会員様ご案内 サポート 会社案内 個人情報保護 サイトマップ
昔ながらの にんにく卵黄    
私たちの原点    
安心保証

 
ショッピング  
お客様の声  
 

コラム検索:
過去のコラム

コラム一覧

 <月別>

2010年09月

2010年08月

2010年07月

2010年06月

2010年05月

2010年04月

2010年03月

2010年02月

2010年01月

2009年12月

2009年11月

2009年10月

2009年09月

2009年08月

2009年07月

2009年06月

2009年05月

2009年04月

2009年03月

2009年02月

2009年01月

2008年12月

2008年11月

2008年10月

2008年09月

2008年08月

2008年07月

2008年06月

2008年05月

2008年04月

2008年03月

2008年02月

2008年01月

2007年12月

2007年11月

2007年10月

2007年09月

2007年08月

2007年07月

2007年06月

2007年05月

2007年04月

2007年03月

2007年02月

2007年01月

2006年12月

2006年11月

2006年10月

2006年09月

2006年08月

2006年07月

2006年06月

2006年05月

2006年04月

2006年03月

2006年02月

2006年01月

2005年12月

2005年11月

2005年10月

2005年09月

2005年08月

2005年07月

2005年06月

2005年05月

2005年04月

2005年03月

2005年02月

2005年01月

2004年12月

2004年11月

2004年10月

2004年09月

2004年08月

2004年07月

2004年06月

2004年05月

2004年04月

2004年03月

 

« 2010年07月 | コラムトップへ | 2010年09月 »

第1556回 ジャムの意味     2010年08月31日

 昔と比べて少なくなったものといえば、塩鮭の切り身に付けられた塩の量とジャムの糖分ではないかと思います。共に味付けの中心ではありますが、同時に保存性を高める目的を持つものなので、闇雲に減らすと保存料が必要となるという弊害が生じそうで心配になってしまいます。

 塩には殺菌作用がある事から、腐敗菌やカビ、食中毒の原因となる雑菌の繁殖を防いで保存性を高めてくれる事は容易に想像できます。

 それに対し砂糖はあまり殺菌作用とは無縁のような感じがして、保存を高める事とは関係ないようにも感じられるのですが、砂糖は保水性が優れており、網目のように水分を取り込んで放さず、雑菌が繁殖するために不可欠な水分を与えなかったり、逆に雑菌の細胞から水分を奪ったりして保存性を高めてくれます。

 また、ジャムのゼリーのような質感は果実に含まれるペクチンによって作り出されていますが、ペクチンがゼリー状になるためには砂糖の存在は欠かす事ができず、砂糖によってペクチンが網目のように繋ぎ合わされる事によってジャムの特有の質感は出来上がっています。

 砂糖の使用量を減らす事は保存性を犠牲にする事に繋がるだけでなく、質感も変化させてしまう事から増粘多糖類などを使う必要性が生じてしまいます。

 ダイエットや健康志向の高まりを受けて、砂糖の使用量を少なくしてカロリーを控えるというのは考えられる流れではありますが、ジャムの本来の意味は保存食であり、旬の時期にしか収穫できない果実を無駄なく年間を通して愛用できるようにするという生活の知恵に基いた食文化でもあります。

 毎日の食から健康を考えるのは大切な事ではありますが、本来の姿や意味を必ずしも的確ではない発想から曲げてしまうのは良い事ではないと、使い残したジャムにわずかな期間で白いカビが浮いているのを見る度に思ってしまいます。


 



第1555回 キノコの保存     2010年08月30日

 以前、キノコ研究の第一人者という方がテレビに出演されていて、キノコの保存方法としては冷凍が良いという話をされていました。真に受けた知人がヤマブシタケを冷凍し、質感がかなり劣悪になった状態を見せられた事があります。

 これまでキノコの保存方法としては、乾燥や塩蔵、瓶詰め、冷凍が行われてきました。中でも乾燥保存は最も一般的となっている保存方法で、乾燥シイタケは和食の素材として広く親しまれています。

 塩蔵は保存しようとする食材の塩分濃度を高く保つ事で腐敗菌やカビの増殖を抑え、食材を長く保存するという保存方法ですが、塩分によって浸透圧が大きく変化し、食材から水分を奪ってしまう傾向があるので、塩分による浸透圧に負けない細胞構造が必要となり、しっかりとした細胞壁を持つ菌糸の集合体であるキノコは塩蔵に向いた食材とも言えます。

 瓶詰めはキノコを茹で、茹で汁ごと瓶に詰めて保存するというもので、瓶によって外気と遮断する事で保存性を高め、塩蔵のように塩抜きせずに使えるという利点を持っています。

 しかし、瓶詰めは一旦キノコを茹でる必要がある事から、キノコ自体の風味は損なわれてしまう事が多く、塩蔵が塩抜きという手間を必要とする事に対し、すぐに使えるという便利さを持ってはいますが、あまりお薦めの保存方法とはなっていないと思えてしまいます。

 冷凍保存はキノコの中の水分が凍結する事で膨張し、細胞壁を壊してしまうので、細胞壁に充分な強度がない場合は、大きく質感を損なってしまうリスクが伴います。

 そうなると、やはりお薦めは乾燥による保存で、シイタケの例に見られるように乾燥によって壊された細胞から旨味成分が出てきたり、天日の紫外線によって内容成分が変化して健康効果も高められるので、単純に保存性を高める以上の意味が生じてきます。

 食文化として成立している乾燥シイタケの場合を除き、キノコを乾燥させるという事は馴染み深い事とは言えませんが、理に適った保存方法ではあるので試してみる価値はあるのかもしれません。


 



第1554回 水分摂取     2010年08月27日

 暑い日が続くと脱水症状が気になり、水分をしっかり摂っておかなければと意識してしまいます。暑い中、汗などで水分を排出して血液中の水分量が不足すると、血液の粘度が上ってさまざまな健康上のリスクに繋がると考えられています。

 逆に日頃から水分を多めに摂っておく事で、血液の粘度を下げて脳梗塞や心筋梗塞の予防に役立つという意見も聞かれ、健康雑誌などの手軽に取り組める健康法として紹介される事もあります。

 しかし、意外と知られていない事ですが、水分の大量摂取によって脳梗塞や心筋梗塞の原因の一つと考えられているる血液の粘度を低下させるという医学的根拠はないとされていて、多くの調査によって確実にいえる事は排尿回数を増やす事だけとされます。

 そのため介護を必要とする人や認知症などによって渇きを自覚できない場合を除いて、あえて水分を必要以上に摂取する習慣を作る必要はなく、むしろ過剰に水分を摂取する事で夜間頻尿に繋がり、QOL(生活の質)を低下させてしまう事も考えられます。

 夜間のトイレは半覚醒の状態や暗がりによる転倒のリスクもあり、高齢者の場合、骨折によるQOLの大幅な低下を招く事も考えられ、脳梗塞や心筋梗塞ほどの生命に関わるリスクではありませんが、やはり日常に潜むリスクの一つとなる事となりえます。

 人によって水分代謝や体形、生活状況、汗をかく量が異なる事から、適切と思われる水分摂取量に差が生じてしまい、一概に適切とされる量を確定する事は難しくなってしまいますが、水分とは適度な良い関係を築きたいものです。体重に20〜30mlをかけた量を目安にするというのも良い方法かもしれません。


 



第1553回 闘う?     2010年08月26日

 食材に含まれる成分で、活性酸素を除去する働きだけが強調される事が多い事から、ファイトケミカルの「ファイト」は、「闘う」のファイトだと思っていました。

 ファイトケミカルは綴りの上からはフィトケミカルと発音されるのが正しいようで、通常の身体機能を維持する上では必要とはされないが、病気を予防したり、健康を維持したりする上では重要となってくる植物に含まれる化合物の事を指します。

 植物栄養素やフィトニュートリエントと呼ばれる事もあり、通常の代謝には必要のない必須栄養素とは異なる物であり、不足しても欠乏症を起こす事はありません。

 そのため不要な存在と思われる事も多いフィトケミカルですが、現代の食にはフィトケミカルが不足してしまった事が多くの疾患に繋がり、それを補っているのが健康食品であるという意見も多数存在しています。

 フィトケミカルの多くは果物や野菜に含まれる色素や辛味や苦味などの刺激成分で、トウモロコシの黄色のルテインやトマトの赤色のリコピン、ニンジンのオレンジ色のカロテン、ブルーベリーの青色のアントシアニンに代表される抗酸化物質。唐辛子のカプサイシンやニンニクのアリシン、ショウガのジンゲロールの代謝促進成分などがよく知られています。

 フィトケミカルが最も注目を集めたのは、アメリカ国立ガン研究所が行ったガン予防のためのデザイナーズフード計画で、デザイナーフードとしての価値基準にはフィトケミカルが深く関わっていました。

 その後、デザイナーズフード計画はなくなってしまいますが、フィトケミカルの効用は広く知られる事となり、その中でも抗酸化作用ばかりが注目され、「活性酸素と闘う」という点の強調から闘うファイトが思い浮かんでしまいます。フィトケミカルの認知度の向上には、食材が持つ本来の潜在能力が問われる時代になったのかもしれないと思ってしまいます。


 



第1552回 天然由来抗菌袋     2010年08月25日

 米ぬかというとぬか漬けに使う「ぬか床」や健康食として摂取する「煎りぬか」が思い浮かび、直接的な利用法はあまり思い浮かびません。そんな米ぬかに新たな利用法が見付けられていました。

 最近、エコの観点から買い物袋やゴミ袋が問題視される事がありますが、米ぬかを原材料とする事で環境に優しく抗菌作用も備えた優れたゴミ袋ができる事が判ってきています。

 新たに開発された米ぬかを使ったゴミ袋は、従来のプラスティックに加え20%ほどの米ぬかが含まれ、どことなく煎餅のような香りと少しざらっとした感触が特徴とされ、強度的には従来のゴミ袋と同程度とされています。

 米ぬかにはフェルラ酸が含まれ、フェルラ酸には優れた抗菌作用があります。米ぬかを使ったゴミ袋にもフェルラ酸の効果は活かされていて、抗菌性を備えたゴミ袋として悪臭の発生を抑えてくれる事も期待できます。

 すでに一部の自治体では不燃物用のゴミ袋として導入され、従来のゴミ袋よりも米ぬかが含まれている分、土に還りやすい性質があるとされています。

 ゴミ袋だけでなく買い物袋として使う実験も初っていて、従来のポリ袋を使用した場合よりも米ぬか入りの袋を使用した方が日持ちが良いという結果が得られています。

 米ぬかは主食の米を精米した際や、酒造りの際など米を使用する際に多量に発生します。今のところ米ぬか入りゴミ袋は割高となっていますが、需要が伸びれば製造コストが下がる事から、より身近な存在となってくる事が考えられます。環境への負荷が低いだけでなく、天然由来の抗菌性を備えたという点でも魅力的な存在となるのかもしれません。


 



第1551回 克服準備     2010年08月24日

 行楽シーズンを前に、乗り物での移動にプレッシャーを感じる子供もいるのではないでしょうか。乗り物酔いは車や電車、船などに乗って移動する事で起こるめまいや吐き気などを伴った一過性の症状を指し、「動揺病」という病名も持っています。

 乗り物酔いを起こしやすいのは5歳から20歳くらいまでとされ、それ以外の年代には起こりにくいとされています。体のバランスを制御している脳の前庭小脳と呼ばれる部分が5歳以下では未熟で充分に機能しておらず、20歳を超えると徐々に働きが衰えてくる事から乗り物酔いを起こしにくいと考える事ができます。

 乗り物酔いは自律神経や内耳にある体の傾きを感じる三半規管、目や鼻、耳といった感覚器官、足などへの刺激が関係しており、それぞれの部分から届けられる情報を整理して大脳へと送る役割を担っているのが前庭小脳で、たくさんの情報が各部から前庭小脳へ一度に送られる事によって混乱が生じた状態、それが乗り物酔いといえます。

 そのため乗り物酔いは必ずしも乗り物に乗っている事が必須という訳ではなく、チカチカと点滅する物を眺めていたり、デコボコした道を歩いたり、体を不自然に回転させたりといった感覚器官に多量の情報をまとめて送り込むような状況を作り出す事で引き起こす事ができます。

 乗り物酔いがよくバスで起こるとされますが、バスは絶えず変化する揺れによる三半規管への刺激、移り変わる景色という目への刺激、バスの中の臭いという嗅覚への刺激、路面状況による音の変化という聴覚への刺激に加え、酔ってしまうかもしれないという不安感からくる自律神経への刺激が重なって起こっている事が考えられます。

 乗り物酔いを克服したいと思った場合、平常時と違った多量の情報を制限する事で前庭小脳のパニックを抑える事が有効といえます。

 人は多くの情報を目からの視覚情報として得ているので、サングラスをかけて光の刺激を抑え、光の刺激を和らげたので酔うことはないと安心して自律神経を緊張させない事。進行方向を見て揺れをある程度予測できるようにして、体が受ける刺激を緩和する事も有効といえます。何より大切なのは、そうする事で乗り物酔いを克服できると思い込む事で、酔わないという安心感が乗り物酔いを遠ざけてくれます。旅行は好きだけど乗り物酔いが...という方は次のお出かけの際、試してみてください。


 



第1550回 綺麗なエビ?     2010年08月23日

 こういった問題が発覚する度に「食の安全を脅かす事件が...」という言い方を聞かされますが、そんな言い回しにも慣れたというより幾分飽きてきている感じがする事に驚きすら覚えてしまいます。

 日本に限らず様々な問題を経験しながら中国でも食の安全に関する意識は高まってきているとされますが、道のりの遠さを感じさせるような出来事が後を絶たないようで、中国江蘇省の南京市では、先月頃からエビを食べた市民が体調の不良を訴えて入院するケースが増えてきていると言います。

 確認されている症状の多くは全身のだるさを訴えるというもので、重症の場合、腎臓の機能が低下する事も確認されています。血液中のタンパク質が増加している事が確認されており、筋肉が溶け出していると考えられています。

 症状を訴える市民に共通する事は、レストランや家庭できちんと加熱調理されたエビを食べているという事で、細菌性の食中毒の可能性は低く、症状が出始めるまでの時間から重金属によるものでもないと判断されています。

 エビという食材について考えてみると、現地で用いられているエビを洗う専用の粉、「エビ洗い粉」に原因があるのではという可能性が示唆されてきています。

 症状が出た市民に聞き取りを行ったところ、多くの市民がエビがいつもより大きく、非常に綺麗であったという証言が得られており、販売者に確認したところ「洗い粉」の使用を認めたという事でした。

 エビの洗い粉は鮮度が落ちたエビでも綺麗に見せる事ができるとされ、成分こそ不明となっていますが、現地では多く使われているとされます。

 謎の洗い粉ですが、これがそうであるとされた薬ビンの画像には、「草酸」の文字が書かれていました。草酸とはシュウ酸の事で、植物には多く含まれ、ホウレン草のアクとしても知られています。

 植物のエグ味の素として水にさらしたり、加熱調理の際は沸騰による泡によって表面に浮き上がってきたものを除去したりもしていますが、それほど毒性を気にする事はありません。

 シュウ酸を摂取する事の弊害としては、体内でカルシウムと結合してシュウ酸カルシウムとなり、結石の素となる事が知られ、それ以外の事はあまり知られていませんが、シュウ酸には意外なほど高い毒性があり、多量に摂取すると血液中の石灰分を奪って神経の働きを阻害するとされています。

 今回確認されているような筋肉を溶かすという事については、シュウ酸の毒性によるものかは不明ですが、酸を使って何かを洗うのであれば殺菌作用が強い次亜塩素酸や、肉の発色を良くする硝酸塩などが考えられ、シュウ酸を使うという事は新たな発想のようにも思えます。

 残留したシュウ酸の弊害か、それ以外の薬剤が混ぜられていたのか、今後の調査を待つ事にはなりますが、食の安全以前の事のようにも思え、複雑な思いで経過を見守っています。


 



第1549回 クラゲとカニの競演?     2010年08月20日

 エチゼンクラゲは大型の食用クラゲの一種で、大きくなると傘の直径が2メートル、重さ150kgに達するとされ、食べられるという点では良い存在ではあるのですが、あまり大量に使用する食材ではなく、明らかに需要を上回る大量発生を毎年繰り返す事から最近では迷惑な存在として定着しつつあります。

 最大クラスの150kgまではいかなくても10匹も網にかかれば、それだけで1トンもの重さになってしまい、魚網に大きな負担をかけて破損させてしまうなどの被害に繋がっています。

 カニは人気のある食材となっていますが、固い殻に包まれていて食べた後に大量の殻が残る事となります。カニの殻にはキチン質が含まれ、健康食品の素材としても使われる事から、カニの健康効果としてキトサンの効能が加えられている事があるのですが、カニの殻まで食べる事は稀であり、食べたとしてもキチン質は特殊な処理を施してキトサンの状態にしない限り消化吸収する事はできません。

 そんな使い道が希薄なように思える二つの素材を合わせる事で、優れた素材ができあがる事が新たに発見されています。エチゼンクラゲとエチゼンガニの殻から取り出される物質に放射線の一種である電子線を当てて加工する事で、医療や美容に役立つ物質が得られる事が判ってきています。

 エチゼンクラゲのタンパク質の大半はコラーゲンで占められ、カニのキチン質は加工する事でキトサンとなり、共に化粧品や健康食品、医療の世界でも幅広く利用されています。

 今回開発された新たな素材は「ハイドロゲル」と呼ばれるコラーゲンとキトサンの特性を併せ持つゼリー状の物質で、火傷や怪我した部分に貼り付けて早期回復を促したり、肌の栄養補給や吹き出物の予防といった美容素材への応用が期待されています。

 クラゲからコラーゲンを抽出する技術はすでに確立されていましたが、今回開発された技術ではコラーゲンとキトサンを寒天状の化合物に混ぜ合わせ、電子線ビームを照射する事で効率的にハイドロゲル材を生成しています。

 電子線ビームを利用する事で加熱する事なく化学反応を促進する事ができ、滅菌も同時に行う事ができるとされています。何より行き場のない素材に高い付加価値を与えるという技術は歓迎されるものではないでしょうか?


 



第1548回 鉄人の病     2010年08月19日

 野球については全くと言っても良いほど詳しくはなく、まして米国のメジャーリーグの事となると代表的な一部のチーム名程度しか判りません。そんな私でもルー・ゲーリッグの名前は知っていて、彼の悲劇的な生涯については野球以外の場面でも聞かされる事があります。

 ルー・ゲーリッグはニューヨーク・ヤンキースの内野手で、試合を休まず出場する事から「鉄人」、「鉄の馬」という愛称でも呼ばれるほど頑丈な選手でした。当時、不滅とさえ思われた連続出場記録は2130試合に上るとされ、その記録は単に健康で体が頑丈というだけでなく選手として優れていた事も示しています。

 実際、ルー・ゲーリッグはメジャーリーグ史上に残る非常に優れた打者とされ、打率、打点をはじめ多くの記録を残しています。そんなルー・ゲーリッグの連続出場記録が停止した理由は、本人が自覚した体調不良だと言います。

 体長に異変を感じたルー・ゲーリッグは自ら欠場を申し入れ、診察を受けてALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断されています。致命的な病名の診断を受けてルー・ゲーリッグは引退を決意しますが、長年に及ぶ連続出場の負担は彼の手だけでも17箇所もの骨折が後に見付かるほどであったとされ、病ではなくても連続出場記録を更新し続ける事は難しかったのではと考えられています。

 偉大なメジャーリーガーであったルー・ゲーリッグの選手生命を奪った病気である事から、ALSは後に「ゲーリッグ病」とも呼ばれるようになっていますが、最新の研究によって彼が発症したのは別の病気であった可能性が出てきました。

 頭部に衝撃を受けやすいスポーツ選手や兵士などにALSを発症する人が多い傾向がある事から、ALSと診断されて死亡したアメリカンフットボール選手2名とボクサー1名の脊髄を分析したところ、2種類の異常なタンパク質が蓄積している事が判ってきています。

 この異常なタンパク質が神経の働きを妨げ、全身の麻痺を引き起こし、その状態からALSと診断されていた事が考えられます。ルー・ゲーリッグが活躍した時代、今のようなヘルメットはなく、連続出場を続けていた間に幾度か頭部にボールを受けて意識を失った事が幾度かあったとされます。連続出場という偉大な記録が選手生命を縮めていたという皮肉な事になってきますが、今後、研究が進めばALSとアスリートの関係が大きく変わり、治療も的確に行われる事となります。鉄人ルー・ゲーリッグから学ぶ事はまだまだ多いのかもしれません。


 



第1547回 糖類と度数     2010年08月18日

 もし漬けていたらそろそろ飲み頃になるのだろうか、ランチに添えられた少量の梅酒を眺めながら、今年もあっという間に時期を逃してしまい、梅干共々漬けずに終わってしまった事を思ってしまいます。

 梅酒はまだ青い梅を使用する事から、梅干よりは漬け始める時期が早く、最初に店頭で梅の実を見かけ始める頃が漬け時となっており、その時期に梅干用に購入してしまった梅は追熟させて完熟に近い形で使用する事となります。

 梅酒はいわゆるリキュールの一種で、「作る」とはいっても酒類を醸造する「酒造」とは違い、素材のエキス分をアルコール抽出する物である事から家庭でも簡単に作る事ができます。そのため、各家庭で作られた梅酒が健康に良い物として親しまれ、食前酒として食欲を増進したり、梅やアルコールの殺菌作用によって食あたりを改善する民間薬としても採り入れられてきました。

 一般的なレシピとしては、梅の実1kgに対し酒1.8リットルを用い、甘味は好みがある事から砂糖は200gから1kgまでと幅があります。

 甘味が敬遠される事もあるので、砂糖の使用量を控える事もありますが、全く砂糖を使わないという作り方は梅酒作りには考えにくい事で、砂糖の存在は必須といえる物ともなっていて、梅酒作りの砂糖には「氷砂糖」が用いられます。

 最近では高級志向からハチミツや黒糖、和三盆糖などが用いられる例も多く見かけますが、梅酒に氷砂糖を用いるという事には、日本人特有の生活の知恵があり、結晶質の氷砂糖がゆっくりと溶け出す事に意味があります。

 漬け始めた当初は、糖分がほとんど溶けていない事から、浸透圧の差によってアルコールが梅の実に溶け込み、その後、溶け出した糖分によって浸透圧の差が逆転し、梅の成分が酒の中へと溶け出していく事となります。

 最初から糖分が溶け込んだ酒では、梅から水分だけが溶け出す事となり、美味しい梅酒を作る事はできなくなってしまいます。そのため氷砂糖以外の比較的溶けやすい糖類を使う場合には、時間をおいて徐々に糖度を上げていくという工夫が必要となります。

 梅酒作りには多くの場合、焼酎が用いられ、中でも通常の焼酎よりもアルコール度数が高く、くせがないホワイトリカーが用いられ、そのために梅酒ではなく梅焼酎と呼ぶ地域も存在します。

 焼酎やホワイトリカー以外にもブランデーやウィスキー、ラム酒などを使う例も見られますが、アルコール度数が高い酒を使う事には重要な意味があり、日本酒やワインなどのアルコール度数が20度を下回る酒類を使った梅酒作りは違法行為となってしまう事はあまり知られていません。

 1962年に改正された酒税法によると。個人の飲用を目的としている場合に限って、穀類やブドウ、アミノ酸などの一定の原料を除いてアルコール度数が20度以上の酒類に漬け込んだ酒を作る事が認められています。

 20度を下回る酒類を用いた場合は、殺菌作用が充分ではないと判断される事から発酵する可能性があり、漬け込んでいる過程でアルコールが生成される事が考えられるので「製造行為」に当たるとされています。意外と難しげな事にも思えてくる梅酒作りですが、手軽にできる民間の健康法の一つでもあるので、来年こそはと思っています。


 



第1546回 ヒーロー誕生?     2010年08月17日

 胃の調子が悪い、胃粘膜が荒れていると感じた際、キャベツやトマトを食べるようにしています。キャベツにはビタミンUが含まれていて、胃粘膜を丈夫にし、損傷した粘膜の表皮細胞の形成を促してくれたり、ビタミンKを含む事から凝血作用によって抗潰瘍作用を発揮してくれます。

 トマトには胃粘膜の修復作用や炎症を抑える働きがあるビタミンPや抗酸化作用を持つリコピン、血圧を抑えるルチンなどが含まれ、昔から「トマト農家に胃潰瘍なし」とも言われてきました。

 そうした食材の機能性を活用する方法以外に、古くから重曹などの弱いアルカリ性の物を使って胃酸の酸度を弱め、胃粘膜の修復を促すという工夫も行われてきています。

 それでも改善されない場合は医薬品の出番となるのですが、医薬品には大きく分けて胃粘膜に対する攻撃因子を抑制する薬剤と、胃粘膜の防御因子を増強する薬剤の二つがあり、胃粘膜が荒れた原因別に薬剤の処方が決められる事となります。それぞれのタイプ別に多くの薬剤が存在するのですが、防御因子を増強する薬剤に新らしく強力な仲間が加わる可能性が出てきました。

 胃は細菌や胃酸などから粘膜を防御したり、修復をするために粘液を分泌しています。粘液の成分に変化が生じると粘膜を保護する力が発揮できなくなり、潰瘍などの出血性疾患が発生する事となります。

 胃粘膜表面の粘液を分泌している細胞では、粘液を分泌するために一定の酵素が生成されており、その酵素が正常に生成できないと粘液の成分に変化が生じ、胃粘膜の防御、修復機能は大きく損なわれる事が判ってきています。

 その酵素は「カルバイン6」。「カルバイン9」と呼ばれ、それぞれ対になって傷付いた胃粘膜の修復を行っていると考えられます。どことなくテレビの戦隊ヒーローのような名前ですが、遺伝子のわずかな個人差で作用の仕方が異なる事から、個人の体質に応じた胃疾患の診断や予防に繋げる事ができると期待されています。胃粘膜に自信がない身としては、登場を心待ちにしたいと思ってしまいます。


 



第1545回 コアな運動     2010年08月12日

 最近、コアマッスルという言葉をよく耳にします。コアマッスルとは身体の深層部の筋肉とされ、通常のエクササイズやウェイトトレーニングでは外側にある大きな筋肉だけが鍛えられ、これまで行われてきた方法では鍛える事が難しい筋肉とされています。

 コアマッスルは別な言い方では体幹筋肉とも呼ばれ、ダイエットの一環として注目される事が多くなっていますが、体幹筋肉を上手に使って鍛える事で健康にも有効に作用する事が知られてきています。

 広い意味での体幹筋肉とは、首や手足以外の胴体部分の動きに関わる筋肉の事ですが、一般的に体幹筋肉と言った場合は主に腹横筋、横隔膜、多裂筋、骨盤底筋群の4種類が上げられます。

 体幹筋肉がしっかりすると身体を支える力が増す事から、体全体の動きが安定するとされ、腰痛や膝の痛みを防いだり歩く事を楽にしたり、姿勢を良くしてダイエットに役立つというメリットを多く持っています。

 体幹筋肉の機能が整えられると内臓を包んでいる筋肉の働きが活性化される事から、内臓の働きが元気になるとされ、重力によって位置が下がって下にある臓器を圧迫していた胃をはじめとした消化器官の位置を適正化する事で、健康維持に役立つとされます。

 体幹筋肉の鍛錬には短時間で簡単にできるものもあり、効果の大きさを考えると実践しない訳にはいかないように思えてきます。椅子に座った状態で背筋を伸ばし、上半身を前にゆっくりと曲げる動作や、手を体の前で組み、胸を張った状態でへそを突き出すようにする動作は、体幹の筋肉を動かす有効な動作とされます。

 ポイントは筋肉の動きを常に意識しておく事で、あまり大きな負荷はかけずにゆっくりとした動作で行う事とされます。簡単な動きなので、何かの合間に数分ずつというのも良い習慣となるのかもしれません。


 



第1544回 肥満のメカニズム     2010年08月11日

 肥満の原因と言われると多岐に渡るように思えますが、最もシンプルなものは摂取カロリーと消費カロリーの収支が合っておらず、摂取側が大きいという事が考えられます。そのため多くのダイエットは摂取カロリーを抑えるか、消費カロリーを大きくするかという方法論を採っています。

 摂取したカロリーが大き過ぎて余剰なカロリーが生じた場合、体は余ったカロリーを蓄積するために脂肪細胞内の脂肪量を増やし、いずれカロリーの不足が生じた際に備えようとします。そうして脂肪細胞が肥った状態が初期の肥満で、体が想定していたようなカロリーの収支が不足側に回る状態を作り出すと解消する事ができると言えます。

 カロリーが過剰に供給される状態が続き、脂肪細胞内の貯蔵量が増え続けて脂肪細胞の大きさが通常の7割増し以上、170%を超える大きさになると脂肪細胞で受けきれる脂肪量を超えてしまう事から、脂肪細胞は大きさではなく数を増やすようになります。

 脂肪細胞内に蓄えられた脂肪量はカロリー不足の状態を作り出す事で減らす事ができますが、一度増えた脂肪細胞を減らす事はできないとされ、将来的に肥満になりやすい体になってしまうと考えられます。

 美味しい物を食べまくり、カロリーを摂り過ぎた結果であれば納得もできるのですが、肝臓や筋肉中のグリコーゲンを脂肪に変えたり、ブドウ糖から脂肪酸を作る酵素を活性化させるホルモンであるインシュリンの過剰摂取や、代謝機能の低下、脂肪酸を消化する酵素の活性低下、筋肉量の減少に伴った基礎代謝の低下などによっても同じような状態に陥る事が考えられ、単純にカロリーの収支を考えるだけでは解決しない難しさを感じてしまいます。それゆえに多くのダイエット方法が存在するというところでしょうか。


 



第1543回 日常とメタボ     2010年08月10日

 メタボリックシンドロームが広く認知されるようになってから、特に腹囲を気にする人が増えたせいか、以前ほど腹囲が豊かな人を見かけなくなったように思えます。自虐的な冗談として「メタボ」という言葉が使われる事もあり、お腹回りの脂肪への意識は高まってきているようにも思えます。

 お腹に付く脂肪は比較的容易に増えますが、その反面落ちにくく、一度腹囲が増えてしまうとなかなか解消できない厄介な脂肪と思われています。しかし、意外にもお腹の脂肪は代謝が盛んで、落ちやすいという意見もあります。


 体の奥深く、内臓脂肪とも呼ばれる事から、かなり頑固で落ちにくいものと思われがちですが、考えてみると内蔵を動かす筋肉の近くにあり、体の中で高めの温度に一定に保たれている事も内臓脂肪の代謝が高い状態にある事を納得させてくれます。

 理論的にはそうでも実際はという事になるのですが、内臓脂肪が落ちやすいという事には誰もが疑問を持つ事と思います。増える一方で減りはしないという意見は、誰にも共通の事ではないかと思えてしまいます。

 内臓脂肪が落ちにくい事には幾つかの理由があるとされ、その部分を解消できればお腹の脂肪を落とす事は、それほど難しくない事と考える事ができます。

 私達は日常、穀物を主食としていますが、穀物の摂り方を変える事でお腹の脂肪を減らす事ができると言います。穀物の多くは精白と呼ばれる処理が施され、果皮や種皮、胚や胚乳、胚乳の表層などが取り除かれていますが、精白処理が行われていない全粒の状態で穀物を摂るようにするとお腹の脂肪は減る傾向がある事が確認されています。

 毎日接している油の質に気を付ける事も大切で、不飽和脂肪酸を中心にトランス脂肪酸の摂取を極力控えるようにする事で脂肪の増加を抑える事ができるようになります。最近は健康を意識して油を不飽和脂肪酸を多く含むオリーブ油を中心とした物に変えるという例も多く見られますが、何度も温め直しを繰り返す事で油に含まれる脂肪酸の質が変化し、トランス化する事があるので注意が必要です。

 ストレスもお腹の脂肪に関わる重要な要素となっており、ストレスにさらされると増加するホルモンである「コルチゾール」がお腹の脂肪を増やす働きをする事が知られています。お腹の脂肪は内臓を守り、万が一の際の栄養の蓄積と考えるとストレスの下では増える事も納得がいきます。

 日頃の生活を見直して栄養や食事内容を工夫し、ストレスを溜めないようにする。お腹の脂肪に限らず健康の維持、管理には重要な事と解ってはいますが、なかなかうまく実践できないのも現代社会の難しい部分かもしれません。うまく実践できない事がかえってストレスになるというのは、最も避けなければならない状況と言えると思います。


 



第1542回 黄色と黒の身近な危険     2010年08月09日

 日本は諸外国と比べると危険な動物の存在が少なく、その点でも安全な国といえるのではと思います。遭遇してしまった事が即、命の危険に関わる生き物と出会う事は極めて稀な事と多くの日本人が認識しています。

 それでも年間20件ほどは危険動物との遭遇による死亡事故が発生しており、その20件のうちの15件は蜂による被害とされています。

 蜂の中でも特に危険視されているのがスズメバチで、同じスズメバチ科の中のアシナガバチ亜目に属するアシナガバチも攻撃性が高い蜂として知られています。

 以前、窓の下にあったアシナガバチの巣に気付かずに足が触れてしまい、結果的に蜂の巣を蹴飛ばした格好になった事があります。

 巣を攻撃されたと思ったアシナガバチは完全に怒っている感じで、それまで幾度となく姿を見た事のある見慣れたアシナガバチですが、あれほど全身で怒りを表現している姿は初めて見たので、かなり危機的状況にあった事が思い出されます。

 蜂は攻撃性の高い刺す生き物として認知されていますが、蜂の攻撃性は外敵から巣を防衛するための手段として発達したとされ、防衛本能を刺激するような何らかの攻撃が加えられない限りは攻撃を仕掛けてくる事はありません。

 そのため巣が近くにある事が判っている場合は、とにかく巣に近付かない事で、巣の近くで作業している蜂との遭遇と思わぬ刺激を与える事を避けるようにします。巣を襲う動物である熊を毛嫌いする傾向があるので、黒い服は避けた方が良いともされます。

 蜂に刺された際、最も怖ろしいのは蜂の毒に対する急激なアレルギー反応であるアナフィラキシーショックで、蜂の毒自体はそれほど致死性は高はありません。日頃から何らかのアレルギーを持ち、一定の刺激によって急激な反応を示しやすい傾向が増えた昨今、蜂の潜在的危険性は高まったようにも思えます。

 これから暑さが一段落して秋が始まる頃、営巣活動が一段落して越冬活動が開始される頃が一番気が立っていて攻撃性が高まります。都市生活を送ってはいても、身近な危険の一つとして認識していなければならない存在と言えるのかもしれません。


 



第1541回 高コラーゲン食     2010年08月06日

 博多名物のもつ鍋は、最近では人気の鍋メニューとして全国的に知られる存在となっています。メインとなる食材であるもつとは内臓の事で、特に鍋で使われる部位としては小腸が多いとされます。

 もつの特徴としてコラーゲンを多く含むとされ、そのためにもつ鍋は美容食としても人気を集め、もつ鍋を食べた次の日には肌の状態が良いという話をよく聞かされます。

 コラーゲンはタンパク質の一種で、人のタンパク質の3分の1を占め、皮膚の70%、骨の25%、血管や血液、筋肉や眼球にも多く含まれていて、さまざまな組織を形作る欠かす事のできない重要な成分となっています。

 そのためコラーゲンは食品に限らず化粧品の素材としても使われ、保湿効果を持つ素材としても広く知られています。最近では美容に限らず、健康作りにも役立つものとしてコラーゲンボールと称したゼラチンの塊を鍋物やラーメン、うどんなどにもトッピングとして提供する店も増えてきています。

 体の組織を構成するコラーゲンと言っても、体に取り入れる際はタンパク質の一種であり、アミノ酸のまで分解されて吸収されます。吸収されたアミノ酸が全てコラーゲンに合成されるかというと、必ずしもそうではない部分も大きく、ましてコラーゲンを大量摂取した次の朝、肌の表面に影響を与えるという事は考えにくいものがあります。

 コラーゲンをタンパク質として栄養的に見てみると、グリシンが多く含まれますが必須アミノ酸であるトリプトファンは全く含んでおらず、アミノ酸スコアとしては必ずしも高いものとは言えない面も持っています。

 それでは高コラーゲン食を摂ってもあまり意味がないかというとそんな事は全くなく、コラーゲンは美肌効果だけでなく骨を作る材料となって骨粗鬆症を防いで骨を丈夫にし、関節部分の軟骨の潤滑油となったり、免疫細胞を活性化して免疫を高めたり、眼精疲労を防いだりもしてくれます。

 機能性面だけに限らず、料理にコラーゲンが含まれる事で味に深みとこくが加わり、美味しさも高める事ができます。そのようにコラーゲンはたくさんのメリットを併せ持つと言う事ができ、もつに限らずゼラチン、牛筋、鶏の軟骨や皮、魚の皮、フカヒレなどさまざまな食品からしっかり摂りたいものです。


 



第1540回 比率と価値と健康     2010年08月05日

 カルシウムを多く含む食品を表現する際、よく牛乳○○本分のカルシウム含有といった記載を見かける事があります。牛乳というとカルシウムが多い食品として知られ、骨の状態を良くするために牛乳を愛飲しているという方も多い事と思われます。

 カルシウムと関連付けられた言い方をされるほど多くのカルシウムを含む牛乳ですが、その何倍も多くのカルシウムを含んでいるのであればかなり体に役立つ食品ではと思ってしまいます。

 しかし、そんな表現の仕方には意外なトリックがあり、固体の食品と液体の牛乳では含まれるカルシウムの密度に大きな違いが生じ、単純な重量による比較では何倍という重量あたりの含有率の違いとなって計測されてしまうという事が考えられます、

 密度の違いを考慮に入れず単純な重量比で言われる事自体、少々乱暴な感じがしますが、牛乳にはそれ以外の部分でもカルシウムの体内での利用をサポートする成分が多く含まれています。

 骨を作るために必要なビタミンDや骨を構成するタンパク質をはじめ、牛乳由来のタンパク質が分解される過程でできるCPP(カゼインホスホペプチド)は、カルシウムが消化器官内でリン酸と結合して吸収されにくい状態になる事を防ぎ、牛乳のカルシウムが吸収される事を助けてくれます。

 また牛乳にはBMP(ベーシックミルクプロテイン)と呼ばれる成分が含まれ、BMPは骨を作る骨芽細胞の数を増やす働きがあり、骨のコラーゲン産生能力を高めたり、骨を壊す破骨細胞の働きを調整して骨からカルシウムが失われる事を防ぎ、骨を丈夫にして良い状態を保つ事が知られています。

 単純な栄養素の含有量だけの比較では食品の価値を判断できない事を、牛乳と骨の関係は教えてくれ、食と栄養、健康の関わりの奥深さを感じさせてくれます。


 



第1539回 水と肥満     2010年08月04日

 汗をかく季節になると小まめな水分補給が大切となる事は理解できるのですが、水肥りという言葉が気になり、水分の摂り過ぎも良くないように思えてしまいます。

 水は比重の基本とされているので重量が判りやすく、1リットルの水は1kgとなっていて、1リットルの水を飲んだ直後に計ると体重は1kg増えています。

 通常であれば水を飲んだ事による体重増加は一時的なものであり、カロリーのない水は必要な量が体に使われた残りは排出されてしまい、定着して体重の増加を招くという事はないのですが、代謝機能が低下してしまっていると汗や尿という水分の排出が円滑に行われず、水分が長く体内に留まる事となってしまいます。

 水分が長く体内に留まる原因の一つとして、慢性的な運動不足などによって代謝が低下し、リンパ管の機能が低下している事が考えられます。

 リンパ管は毛細血管から染み出してきた組織液を、リンパ液として回収して静脈に戻す役割を持っています。リンパ管の働きが鈍くなってしまうと、染み出した組織液の回収が行われなくなり、細胞内に組織液が溜まってしまってむくみを生じて肥ったような状態になってしまいます。

 水による体重の増加は、厳密には脂肪細胞によるものではないので肥満とは異なるのですが、水を飲んで肥ったような状態になるほど代謝が低下しているのであれば、他の食事で肥ってしまう事も充分考えられるので、軽い運動などで代謝を上げるのが急務かもしれません。


 



第1538回 加齢と羽音     2010年08月03日

 先日、若者にしか聞こえない蚊の羽音のようなモスキートサウンドに関するニュースが話題となり、実際に周波数を段階的に変えて聞いてみるというインターネットサービスを試してみました。

 回りの雑多な音やモニターのスピーカーの性質、音声ファイルの圧縮の度合いなどさまざまな要因が影響するため、一様には言えないのかもしれませんが、年相応の部分で音が聞こえなくなった事から、とりあえず普通に老化していると思う事ができました。

 人の耳は周波数で言うと20ヘルツから2万ヘルツという波長の音を聞き分ける事ができるとされます。しかし、聴力は20歳頃をピークに低下がはじまるとされ、特に高い音から聞こえにくくなると言います。

 日頃の会話や日常生活で発生している音は250〜3000ヘルツ程度とされ、かなり甲高く聞こえる鳥のさえずりでも4000〜8000ヘルツ程度のため、聴力が落ちてきている事は日常生活の中で意識する事はほとんどないと思います。

 しかし加齢による聴力の低下は、個人差こそありますが誰にでも自然に起こる事であり、40歳を過ぎる頃から徐々に兆候が顕著となり、60歳を超えると聞き漏らしや聞き違いとなって目立ってくるようになります。

 モスキートサウンドの体験は聴力の年齢による低下を自覚し、加齢による聴力の変化をイメージするには有効な経験となったと思います。事前にそうした体験をする事で、高齢者の聴力低下を理解し予測する事ができ、身近な高齢者のQOL(生活の質)を低下させない事に役立つと考える事ができます。


 



第1537回 血圧言葉     2010年08月02日

 日本では約4000万人が高血圧だと言われ、それだけの数になると何らかの疾患ではなく加齢に伴う自然現象ではないかとさえ思えてきます。

 定期的とはいかないまでも血圧の数値はその時々に応じて改定され、その都度ガイドラインは厳しくなり、その事も新たな患者を増やしているようにも感じられます。

 身近な疾患だからという訳ではないと思うのですが、血圧と名の付く言葉はとても多いように思われます。血圧の数値を示す際に用いられる収縮期血圧(最高血圧)や拡張期血圧(最低血圧)にはじまり、腎臓の疾患が原因で血圧が高まる腎性高血圧。肺動脈の血圧が高まる肺高血圧、医師の前に行くと血圧が上昇してしまう白衣高血圧なども最近はよく聞かれるようになってきました。

 血圧を下げる目標とされる降圧目標血圧については診察室血圧と家庭血圧に分けられ、医療機関では正常でも職場や家庭などでストレスを受けた際に血圧が上昇してしまう仮面高血圧、睡眠中に血圧が上昇してしまう夜間高血圧、朝起きた際に血圧が高い早朝高血圧なども言われています。

 最近、言われるようになってきたところでは、心臓が血液を送り出した直後の大動脈の血圧を中心血圧と呼び、中心血圧を元に研究を進めると血圧には善玉血圧と悪玉血圧がある事が判ってきます。

 善玉の血圧とは駆出圧とも呼ばれるもので、心臓が血液を全身に行渡らせるために発生させる必要不可欠な血圧とされ、悪玉の血圧とは反射圧とも呼ばれる全身に向かって押し出された血圧が血管から跳ね返ってくるもので、血管が細くなっていたり、血管壁が厚く硬くなっている事によって発生する不必要な血圧を指します。

 血圧は状況に応じて常に変化し続けています。必要不可欠なものではありますが、高まり過ぎると重大なリスクともなります。細かく概念化して管理する事が大切であり、その努力の表れが血圧に関するたくさんの言葉の存在なのかもしれません。


 



 

Copyright (C) 2007 Sunproject Co.Ltd. Allrights reserved,