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第1642回 医師風貌     2011年01月31日

 大好きな時代劇を観ていると、殿様の病を治療する医師が登場する事があります。多くの場合、髷を結わずに総髪を束ねた髪形をしているのですが、時代が江戸時代の前期や安土桃山時代の事だと、思わずそれはないだろうと思ってしまいます。

 かつて医療への従事は、漢学の知識を活かした僧侶が行っていました。医師という職業が独立して成り立つようになっても昔からの名残で医師は剃髪を行い、僧侶のような外見をしていました。

 総髪の髪を束ねる髪型を始めたのは、江戸時代の中期に活躍した名医、後藤昆山(ごとうこんざん)とされ、以降、昆山に因んだ束髪と剃髪という外観が医師の主流となっています。

 十徳という儒学者や茶人が好んで着用した上着を着用し、往診先へ薬箱を持参する姿が一般的な町医者の姿として定着していて、大きな薬箱をお供に持たせて歩く「徒歩(かち)医者」と、さらに格式が高くなると駕籠に乗る「乗物医者」が登場します。

 乗物医者は、単に裕福で駕籠に乗る金銭的余裕があるというのではなく、町奉行によって許可された「御免駕籠」を使用していて、今でいう救急車を使える存在であった事が考えられます。

 御免駕籠に随行するお供には医師の名前を染め抜いた「黒鴨仕立(くろかもじたて)」と呼ばれる腰掛けが着用され、一目でその集団が何者であるのかが判るようになっていました。

 当時、医師に関する資格は、今日のような国家資格ではなく、師に付いて医学を学んだ者や儒学などを通じて医学に触れた者、全くの独学や経験によって医療行為を学んだ者などが混在しています。

 そのため役に立たない「藪(やぶ)医者」や藪にもなれない「筍(たけのこ)医者」、藪に近付いていく「雀(すずめ)医者」。関わると死に至る「紐(ひも)医者」といった風評が生まれています。

 時代劇の中で重要な位置を占める事も多い医師という存在ですが、その姿や立ち居振る舞い、お供の様子などにも興味深いものを感じてしまうのも時代劇の楽しみ方の一つなのかもしれません。


 



第1641回 伝統微生物     2011年01月28日

 日本は微生物との共存という点では、世界的に先進的立場にあると思っています。特に発酵という部門に関しては高度に発達していると言え、食との融合によって世界に誇れる食文化を形成していると考えています。

 中でも糠漬けを作るために使われる「糠床」は、微妙な微生物のバランスを経験値を元に人為的にコントロールして、100年を超えても一定の状態を保ち続けるという点においても、発酵先進国の伝統食ならではと言えます。

 糠床にはその環境に応じたさまざまな微生物が存在している事が考えられますが、重要な意味を持つ微生物は「乳酸菌」と「産膜酵母」の2種となっています。乳酸菌は糠漬けに酸味を、産膜酵母は芳醇な香りを与えてくれるという役割を担っているのですが、それ以外にも糠床の状態を一定に保つという役目も果たしています。

 糠床は高い塩分濃度や唐辛子、粉芥子などの殺菌力のある調味料が含まれるなど、微生物にとっては非常に過酷な環境となっています。そんな環境下でも乳酸菌と産膜酵母は逞しく繁殖し、乳酸菌は乳酸を、産膜酵母はアルコールや酢酸エチルなどを生成して他の微生物の繁殖をさらに難しくしています。

 乳酸菌、産膜酵母ともに美味しい糠漬け作りには欠かせない存在ですが、増え過ぎてしまうと糠床を駄目にしてしまいます。乳酸菌が増え過ぎた糠床は酸味が強過ぎ、産膜酵母が増え過ぎると糠床の表面に白いカビのような膜が張り、有機溶剤やカビのような異臭がする事となります。

 乳酸菌と産膜酵母の棲息状況を適度に管理するために必要となるのが、毎日欠かさず行われる「かき混ぜ」の作業となっています。

 乳酸菌は酸素が苦手で、酸素と出会う事によって一時的に活動を停止します。逆に産膜酵母は活動に酸素を欠かす事ができません。毎日かき混ぜる事によって糠床を空気中の酸素に触れさせ、また、表面の空気に触れていた層を酸素の届かない糠床の底の方へと移動させる事によって、適度に乳酸菌と産膜酵母の活動が過剰にならないようにコントロールしています。

 糠床は混ぜ方が変っただけでも味が変るとされる背景には、混ぜ方で糠床が空気に触れる量や時間が変ってしまう事で乳酸菌と産膜酵母の増殖率に変化が生じ、糠漬けの味を形作っている成分の濃度が変ってしまうためと考えられます。

 そんな繊細で微妙な作業を経験を元に繰り返し、各家庭独自の味としてきたところに日本の食文化と微生物の関わりの深さを感じます。最近、糠漬けは花粉症などのアレルギーを軽減する働きがあるとして注目を集めてきています。近年、日本の台所から姿を消した物として、鰹節削りと糠床が上げられています。どちらも微生物が関わる伝統の食文化だけに、とても寂しいものを感じてしまいます。


 



第1640回 忘却予防     2011年01月27日

 アミノ酸が一定の決まった順番でいくつか繋がってできた物を「ペプチド」と呼びます。タンパク質は体内で消化され、アミノ酸の状態にまで分解されて吸収されますが、アミノ酸がいくつか繋がったペプチドの状態でも吸収が可能で、むしろまとめて吸収できる分、ペプチドの方が吸収効率が良いとされます。

 そんなペプチドの一種で、線形の鎖のような状態の物を「ポリペプチド」と呼びます。そのポリペプチドの中で注目を集めている物に、「インシュリン様成長因子(IGF)2」があります。

 IGF2はその名の「インシュリン様」が示すように、血糖値を下げる働きを持つインシュリンに似た構造を持っていますが、インシュリンが膵臓でだけ合成される事に対し、IGF2は全身のさまざまな組織で合成されています。

 構造はインシュリンに似てはいますが、血糖値を下げる働きではなく成長や組織の修復という重要な役割を担っているとされます。

 そのIGF2に新たな働きがある事が判ってきています。記憶の整理には、脳の海馬と呼ばれる部分が深く関わっています。その海馬にIDF2を投与すると、覚えた事を忘れてしまう事が少なくとも3週間ほどは続くとされ、認知症や高齢化による物忘れを軽減する事ができるのではと期待されています。

 すでにラットを使った実験では明らかな効果が確認されており、今後、応用研究が進めばIGF2を増加させたりIGF2の働きを増強させたりする手法が確立され、大切な事を忘れてしまうという悲しい事も軽減されるのかもしれません。

 昔と比べて物忘れが多くなったように思え、それも年相応と思っていたのですが、記憶力を競う世界大会の上位ランク者を見ると、意外と高齢であったりします。日常生活の過ごし方やトレーニングによっても記憶力は鍛えられるようなので、IGF2に頼る前には自分でも少しは努力しなければと思っています。


 



第1639回 生の人気     2011年01月26日

 最近、人気の商品として「生カステラ」の名前を聞かされます。ここのところ柔らかな食感の「生○○」という商品が人気となっていたので、カステラもそうなのかと思いながら、カステラというお菓子は卵を多く使い、小麦粉も使われている事からあまり生はいただけなものを感じてしまいます。

 生カステラは半熟カステラとも呼ばれ、完全に火が通っていないようなとろみを持った柔らかな食感や、真ん中が重みで大きくへこんでしまうといった外観が特徴となっています。

 通常のカステラであれば焼き上った際、真ん中にへこみが出れば失敗とみなされてしまいます。生地に含まれる気泡はカステラの柔らかな食感に影響しますが、多すぎるとへこみの元となるため、気泡の量を適度に調整する必要があります。

 そのため、カステラを焼く際は過熱しながら生地をオーブンから取り出して、表面に霧を吹きながら全体を撹拌する「泡切り」と呼ばれる作業が数回行われています。

 生カステラは泡切りが適度に行われていないため、大きくへこんでしまうのかと思うのですが、実は生地の配合が異なり、使われる卵の量がかなり多目となっています。

 焼けた表面の質感がカステラに似ている事から、生カステラと呼ばれていますが、生地の配合や作り方を見るとカステラというより「パンデロー」ではないかと思われます。

 パンデローはポルトガルの伝統的なお菓子で、カステラの原形とも言われています。16世紀の中ごろに定着したとされ、親しい人の祝事や家族のために焼かれる庶民的なお菓子でもあり、各家庭によって微妙にレシピの違いはありますが、基本的には少量の小麦粉と多量の卵、特に卵黄が多く使われ、砂糖で甘味を着けて中身にクリームのようなとろみが残るように半熟の状態に焼き上げます。

 円形の型で焼いていく過程で、一旦パンデローは大きく膨らみ、その後、中心部がへこむ事で特徴的な外観となっていきます。

 家庭の温もりを感じる優しい味と食感のパンデローですが、最近になって日本でも作られはじめたという訳ではなく、一部のケーキ店では以前から販売されていたようですが、生カステラ、半熟カステラ、凹(ぼこ)カステラといったネーミングが人気となった理由と考える事ができます。「生」ブームはまだまだ続くのかもしれません。


 



第1638回 三度の楽しみ     2011年01月25日

 我ながらお茶に関しては少々贅沢をしていると思います。いつも行きつけの茶屋で、それなりの茶葉を買ってくるのですが、茶葉を計量して袋詰めし、支払いを終えるまでの間に店員さんがお茶を入れてくれます。

 その店のお薦めの茶葉が使われているので、同じ物を買い求めてはいるのですが、いつも味の違いに驚かされてしまいます。色合いはともかく、お茶の風味、旨味が格段に良く、入れ方が悪いためにせっかくの茶葉を台無しにしてしまっているようにも思えます。

 お茶の美味しさは旨味成分の「テアニン」が大きく関わっています。茶葉から充分にテアニンをお湯に溶け出させる作業が、「お茶を入れる」という事であり、美味しいお茶を飲むために必要な事と言えます。

 テアニンは50度付近の温度からお湯に溶け出すとされます。玉露をはじめとした上等な緑茶ほどテアニン量が多いとされ、玉露が低温で入れられる理由はテアニンの溶出温度に関係しています。

 お茶というとカテキンが話題となりますが、カテキンはお茶の渋味成分で、どちらかというとお茶を美味しくなくしてしまう成分となります。

 そのカテキンが溶け出す温度が80度付近とされ、お茶のグレードが下がるとテアニンよりもカテキンが含まれる比率が高くなる傾向があります。

 そのためお茶を美味しく入れるには、良い茶葉を選ぶ事も大切ですが、お湯の温度をしっかり管理する事も大切で重要な意味を持っています。

 いろいろと調べたところでは、まず急須に沸騰したお湯を入れ、急須を温めながらお湯を冷まし、急須のお湯を湯冷ましに移して更に温度を下げます。

 湯冷ましがない場合は湯飲みに移して湯飲みを温め、急須に戻して2分ほどの時間をかけて茶葉からゆっくりとテアニンが溶け出してくるのを待ちます。

 急須や湯冷まし、湯飲みと冷えた容器を経る度に10度くらいの温度が低下する事をイメージすれば、沸騰時の温度でありお湯の最高温度である100度からの温度変化を考えやすいと思います。

 60度くらいにまで温度を下げたお湯でゆっくりとテアニンを抽出して楽しむ一煎目んい対し、二煎目は少し高めの80度ほどの温度のお湯を急須に注ぎ、短めの30秒ほど待ちます。そうする事でほど良い旨味と渋味の両方を楽しむ事ができます。

 三煎目は直接高い温度のお湯を急須に注ぎ、すぐに湯飲みにお茶を入れる事でさっぱりとした渋みを楽しむ事ができます。こうして毎回変わるお茶の味を楽しむのですが、判ってはいてもうまくいかないというのが物事の難しさなのかもしれません。


 



第1637回 一石四鳥?     2011年01月24日

 ホルモンの一種であるアディポネクチンは、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予防効果があるとして注目を集めています。さまざまな面から予防や改善法が提唱されているメタボリックシンドロームですが、ホルモン剤で予防できるのであれは、辛い食事制限や無理な運動も必要なくなります。

 そんなアディポネクチンに新たな効果がある事が判ってきています。喫煙などが原因で発症し、肺気腫や慢性気管支炎などを引き起こす慢性閉塞性肺疾患の治療にアディポネクチンが有効に作用する事が、大阪大の大学院の研究で明らかとなり、米国の医学専門誌に論文が掲載されていました。

 アディポネクチンは脂肪細胞から分泌される善玉物質で、動脈硬化や糖尿病などの予防にも役立つ可能性があるとして研究が進められています。

 慢性閉塞性肺疾患の治療に役立つ事は、今回、初めて確認されたのですが、肺血管を保護する事で効果を発揮すると推測されていました。

 アディポネクチンの働きを強化する薬剤を開発する事ができれば、現在行われている対症療法よりも高い治療効果が期待できるとされ、動脈硬化や糖尿病に限らず、社会問題となっているメタボリックシンドロームも予防する事ができるようになります。

 一石二鳥どころか一石四鳥にもなりかねないアディポネクチンに関する研究ですが、今後、確実に前進し、多くの人の役に立つものとなる事を期待しています。


 



第1636回 雪と唐辛子     2011年01月21日

 今年も唐辛子の雪ざらしがはじまったというニュースと、真っ白な雪の中に真っ赤な唐辛子が散りばめられた映像が流され、今年も寒さの本番を迎えた事を感じさせてくれます。

 唐辛子は雪にさらされた後、手間隙かけて特産品の「かんずり」に加工されます。かんずりは新潟地方で作られてきた辛味調味料で、唐辛子を数日雪にさらす事であくが抜けて柔らかくなったところをすり潰し、麹と塩、ゆずなどを加えて熟成させて作られています。

 雪にさらす事で角が取れた唐辛子の辛味とほど良い塩味、麹の甘味とゆずの香りが調和して、鍋料理をはじめとしたさまざまな料理の薬味として使われます。

 近隣の地域にも同様の調味料が存在し、唐辛子を雪にさらさずに作られる事から、辛味がかんずりよりも個性的とされます。

 また、似たような存在として地域は全く異なりますが、九州の大分にも青い唐辛子を使った「ゆずこしょう」があり、同じように薬味として使われています。

 かんずりとゆずこしょうの相違点は、雪にさらすという行程の存在や、赤い唐辛子で作られる物もありますが、ゆずこしょうのほとんどが青い唐辛子で作られる事。そしてゆずこしょうには麹を加えない事があります。

 麹を加えない事からゆずこしょうには発酵という行程が存在せず、軽く熟成させる場合もありますが、唐辛子とゆず、塩をすり鉢ですり合わせた直後から食べる事ができます。

 それに対しかんずりは唐辛子を塩漬けする事からはじまり、秋に塩漬けした唐辛子を寒さが最も厳しい大寒の頃に数日雪にさらし、麹やゆず、塩と混ぜ合わせて仕込みを行います。

 仕込を終えたかんずりはそのまま熟成に入り、初夏に「手返し」と呼ばれる撹拌作業を行い、夏の暑さを使って発酵を加速させます。その後も年に一回の手返しを行いながら3年間熟成させ、全体が均一に発酵するように管理されます。

 熟成期間を終えたかんずりは初雪が降り始める頃、最後の行程である「寒ざらし」と呼ばれる樽ごと屋外に出して冬場の寒さにさらし、味を引き締めるという仕上げが行われて完成の時を迎えます。

 長い時間をかけて発酵、熟成させるかんずりは発酵食品の先進国と言われる日本ならではの辛味調味料ではないかと思えます。発酵させて作る辛味調味料としては豆板醤がよく知られていますが、もっと広まってほしい郷土色豊かな伝統食となっています。


 



第1635回 柑橘香油     2011年01月20日

 リモネンというと柑橘類に含まれる精油成分で、油分を溶解する働きがある事から、柑橘類の皮を使って油汚れを落とすという便利な使い方の素ともなっています。

 発泡スチロールを溶かす働きがある事から、嵩高い発泡スチロールのゴミを減量するという使い方もされ、スチロール類を溶かすという事から、卵のパックなどの透明パック容器を見分ける際の便利グッズともなります。

 卵に限らずイチゴや惣菜などの食品に使われている透明パックには、多くの場合PETかPSが使われています。全てのパックにリサイクルマークが付けられていれば簡単に見分ける事もできるのですが、質感がほとんど同じであるため単純には見分ける事ができません。

 透明パックにレモンやミカンなどの柑橘類の皮を擦り付けると、擦り付けた部分が白くなる物とならない物があります。白くなった部分に触れてみると柔らかくなっていて、リモネンによって溶かされている事が判り、リモネンによって溶かされて白くなった方がPSで、白くならなかった方がPETと分別する事ができます。

 最近、リモネンにはさまざまな働きがある事が判ってきて、多くの分野への応用が期待されています。油分を溶解する事から、皮脂を溶かして洗い流す働きが注目され、毛穴に詰まった皮脂を洗い流し、育毛に役立つ成分として扱われるようにもなってきています。

 また最新の研究では自律神経の乱れをリセットする事が判ってきていて、生活のリズムがずれてしまい夜型になりがちの現代人の生活を正常化する事に役立つ事も期待されています。

 夜型の生活になると朝から体温が上らず、脂肪が燃焼しにくい状態になる事から、それを是正する事で肥る原因を減らす事や、リモネンの別な働きとして交感神経を刺激し、血流を促進して脂肪の燃焼を助ける事から、今後、リモネンはダイエットに役立つ成分として人気を集めるのではと思われます。

 柑橘類をいただく際は豪快に皮を剥き、立ち上るリモネンの香りを楽しむ事も大切と言われるようになるのかもしれません。


 



第1634回 忘却料理     2011年01月19日

 ハンバーグというと、私の中では洋食の代表格となっています。そんなハンバーグが日本の伝統料理だと言われると、かなりの違和感を感じてしまいます。

 通説では、ハンバーグの歴史はモンゴルのヨーロッパ遠征に始まるとされ、乗り潰した馬を食料とする際、筋肉質の固い馬肉を柔らかくして食べる工夫として、鞍の下に肉を置いて自分の体重と馬の歩行の振動で肉をミンチ状にするという手法が開発された事に由来します。

 それがタルタルステーキとしてロシアに継承され、ロシアから当時ヨーロッパ有数の港であったハンブルグに伝わり、労働者向けの食事として流行します。18世紀以降、アメリカに移住したドイツ系移民によって、「ハンブルグ風ステーキ」として広まり、明治の開国以降、日本へも伝えられたと考えられています。

 どのように日本へハンバーグが伝えられたかについては、はっきりとした事は判っていませんが、日本でのハンバーグ作りの歴史となると、実は縄文時代にまで遡る事が古墳の発掘によって判ってきています。

 縄文時代の幾つかの古墳から木の実や穀物などを砕いて山鳥の卵と混ぜ、焼き上げたいわゆる「縄文クッキー」の存在が確認されていましたが、縄文クッキーは穀類だけでなく、鳥や獣の肉でも作られていた事が古墳に残された炭化物の分析から明らかにされています。

 動物の肉を細かく砕き、卵と練り合わせて焼き上げる。繋ぎのパン粉やスパイスは含まれていませんが、充分、ハンバーグと呼べる物ではないかと考える事ができます。

 奈良時代以降、仏教や陰陽道の影響から獣肉を食べる習慣が急速に廃れ、縄文ハンバーグの記憶も失われてしまいます。その後、明治の開国を期に伝えられた数々の料理と共にハンバーグが伝えられ、洋食の代表格となっています。

 もし、日本で獣肉を食べる習慣が廃れず、伝統料理として縄文ハンバーグが食べられ続けていたら、ポルトガル船が長崎からレシピを持ち帰って広まり、ハンブルグ風ステーキとしてのハンバーグではなく、長崎風ステーキとしてハンバーグの事を「ナガサキ」と呼んでいたのではと考えてしまいます。


 



第1633回 お馴染み原料     2011年01月18日

 食品を選ぶ際、裏面のラベルに書かれた原材料の記載を見る習慣が付いてしまっている事を、我ながら面白く思っています。料理は本来予定された手順通りに作られれば大幅な失敗はなく、微妙な差異こそあってもそれなりの仕上がりにする事ができます。

 その微妙な差異が手料理の特徴でもあるのですが、均一性が重んじられる工業的製造においてはわずかな差異も許されない事であり、出来上がりを均一にする事から本来は使用されないさまざまな素材が使われる事となります。

 食材を長く煮込んだ際のとろみや、油脂分が繊維質を介して水分と結合したコクの素といったものを再現する際、増粘多糖類が多く使われています。増粘多糖類の「増粘」とは、文字通り粘度を増す事であり、「多糖類」とは糖質がたくさん繋がった状態を指します。

 食品添加物として使用される増粘多糖類には、海藻由来のアルギン酸、カラギーナンや植物由来のキサンタンガム、グアーガム、ペクチンなどが知られています。

 いずれも難消化性の食物繊維であり、高い安全性と毒性のなさが確認されているのですが、カラギーナンだけはガンを誘発する可能性について言及された事があります。

 カラギーナンとは、イバラノリ、キリンサイ、ギンナンソウ、スギノリやツノマタといった海藻から抽出される成分で、トコロテンのような物というとイメージしやすいのかもしれません。

 カラギーナンの発ガン性については、多糖類の大量投与による実験の際、他の多糖類では全く問題がなかった事に対し、カラギーナンだけに潰瘍ができた例が確認され、潰瘍はやがてガン化する可能性がある事から、ガンを誘発する可能性ありという言い方に繋がっているようです。

 その後の実験では潰瘍の誘発については再現されておらず、本来の科学的見地からは誘発の可能性自体が否定されるべきものなのですが、食品添加物についていたずらに危機感を煽って売り上げを伸ばそうとする書物には格好のネタとなる事から、一つの偶発的な事例は全てに共通する事実のように語られたりもしています。

 増粘多糖類は、液体をゲル状にする助けをする成分として使われているのですが、乳化材としての働きもあり、どちらかというと乳化材としての利用例が多くなってきています。

 水と油という本来は決して混ざり合わない物が混ざり合った「乳化」という状態は、私達の日常生活の中では多く求められます。ドレッシングやジャムなどの直接的な利用に限らず、パンの製造などにも使われその用途の幅広さには、製品裏面の原材料の記載を見るたびに驚かされます。

 最近では弁当を傾けてた際、汁気のある料理から汁がこぼれてしまう事を防ぐために、とろみを持たせて水分活性を下げるという目的でも使われていて、これからもいろんな用途でたくさん見かける事となる素材、それが増粘多糖類なのではと思っています。


 



第1632回 東西卵焼き     2011年01月17日

 卵焼きというと至ってシンプルな料理のように思えるのですが、それだけに奥深いものがある料理という事もできます。よく知られているところでは、関東と関西では味付けが大きく異なり、砂糖と醤油でしっかりと味を付ける関東風に対し、出汁と淡口醤油であっさりとした塩味に仕上げる関西風と、味付けの方向性が全く異なる卵焼きが存在します。

 そうした味付けの違いについてはさまざまな意見があり、関東は武家の勢力が優勢であった事から、濃厚で色合いも濃い目の味付けになった事に対し、関西は公家や商家の勢力が優勢であった事から、優雅で淡味、素材の持ち味を活かす味付けが好まれとするものや、水質の違いが影響したというものもあります。

 水質の違いについては、関東は火山灰の地質であるため、水の硬度が関西より高めになってしまいます。硬度が高めだとダシを取るのに時間が掛かり、素材への味の染み込みにも時間が多く掛かってしまいます。そのため関東では味付けが濃い目になり、関西では薄めになるという傾向が生まれたとされます。

 都市としての勢力の違いも味付けに影響したとされ、主に九州で作られていた砂糖が巨大な消費地帯に成長した江戸へと集中し、非常に高価な存在であった砂糖を惜しげもなく使うという贅沢が好まれたという事も関東の甘味には関係していると考える事ができます。

 味付けの成立ほど歴史的、社会的な影響を感じさせるものではありませんが、作り方にも違いがあり、正方形の卵焼き器を使い、手前に巻き込んでいく関東の作り方に対し、関西では縦長の卵焼き器で向こう側へ巻いていくという正反対の作り方が採用されています。

 卵は第二次世界大戦後の高度成長期を迎えるまで卵は高価な食材であり、卵焼きも高級料理であった事は容易に想像できます。砂糖もかつては貴重な調味料であり、惜しげもなく砂糖で甘味を付ける事は贅沢という以上に、それを手に入れられる社会的な力も必要であったとされます。

 入手困難な砂糖を料亭に持ち込み、惜しげもなく使ってくれるように料理人に依頼する。それを可能にする事ができた政治、経済の中心地に発展した江戸の栄華が関東の卵焼きの甘味に表れているのかもしれません。


 



第1631回 辛味油     2011年01月14日

 昨年のヒット商品というと、真っ先に「食べるラー油」が思い浮かびます。最初にその名を聞いた際は、ラー油がもともと食べ物である事から、ラー油を食べるのは当たり前ではと思ったほどです。

 食べるラー油は、文字通り直接食べる事を意図して辛味が抑えられ、固形物が多い状態に仕上げられています。本来のラー油は直接その物を食べるというより調味料の一種であり、かなり辛味が強い物となっています。

 ラー油は中華料理の中でも辛味が特徴の一つとなっている四川料理に欠かせない調味料であり、歴史のある中華料理に深く根差した存在でもある事から、かなりの歴史を持つ調味料ではないかと思ってしまうのですが、実は中華料理の歴史の中では新しい存在で16世紀以降の登場となっています。

 ラー油と似た存在にイタリア料理で使われる辛味オイル、「オリオ・サンテ」があります。オリオ・サンテは、「聖人油」、「聖なる油」と訳されるオリーブ油に唐辛子を漬け込んだ調味料で、日本ではパスタやピザなどに辛味というアクセントを加える際は「タバスコ」が使われる事が多くなっていますが、本場イタリアではオリオ・サンテが大勢を占めています。

 古代ローマからの歴史を受け継ぐイタリア料理ですが、オリオ・サンテの登場はそれほど古いものではなく、16世紀以降となっています。

 中国、イタリアにおいても唐辛子を効かせた辛味のある油の登場を16世紀まで待たなければならない理由については、唐辛子そのものが南米という新大陸原産である事に由来しています。

 コロンブスによって持ち出された新大陸由来充分の物の中で、唐辛子は圧倒的な速さで世界中に広まっています。その唐辛子の辛味成分である「カプサイシン」が脂溶性であり、油によってより良く抽出できるという性質を見抜き、調味料として取り入れるには歴史に裏打ちされた伝統と柔軟性が求められ、それが中華、イタリアンという歴史のある食文化において花開いたのではと考える事もできます。

 原産地の南米では、唐辛子は神様として扱われています。世界各地で神や清めに繋がる物として扱われる物には、強力な抗菌性があるという傾向があります。唐辛子のカプサイシンにも強力な抗菌性があり、その点では神様とされる充分な素質を備えているのですが、それ以上に料理の奥行きを圧倒的に広げたという意味においても唐辛子の辛味は神様と呼べる存在なのかもしれません。


 



第1630回 成否の鍵     2011年01月13日

 年末年始というとダイエットにとって、非常に厳しい時期である事は容易に理解できます。忘年会、新年会といったイベントもあり、まとまった休暇となる事から生活のリズムや行動形態も変化してしまいがちになります。

 それでなくても冬という季節は、夏を乗り切るための体力を確保する事や、体温を維持するために皮下脂肪を増やす傾向にある事を考えると、年末年始という時期のダイエットの難しさが伺えます。

 先日行われた調査によると、ダイエットを志す女性の7割以上が年末年始に体重が増加し、その平均は1.7kgになる事が判ってきています。

 調査は全国のダイエットを志す20〜40代の女性、618人を対象にインターネット経由で行われ、肥ってしまった理由として、「食事制限を行わなかったから」、「運動をしなかったから」、「ダイエットを意識しなかったから」といった回答を得ています。

 ダイエットに関する意識については、「自分に合ったダイエット方法に出会えれば続けられる」というものが98%近くを占め、「カロリーなど自分が食べた物の体への影響が判る事が大切」や、「エンターテイメント感覚で楽しめるなら、ダイエットは続けられる」といった意見が大勢を占めていました。

 「ダイエットが続かず、失敗した事があるか?」という質問については、ほとんどが「ある」と答え、「ダイエット方法が自分に合っていなかった」「ダイエット方法がつまらなかった」「ダイエットについて、正しい知識を知らなかった」といった理由が多くを占めています。

 ダイエットの成功理由については、「自分に合ったダイエット方法に出会えたから」とされていて、いかにうまくいくダイエット方法と出会えるかが成否を分ける形になっています。そうして見ると、どこか他力本願。それがダイエットの難しさに繋がっているようにも思えます。


 



第1629回 中食活用     2011年01月12日

 中食という言葉以上に惣菜を購入するというライフスタイルは定着しているのではないでしょうか。スーパーの売り場の中でも惣菜売り場は一つのカテゴリーとして確立されただけでなく、充実が進む売り場ともなっています。

 中食はレストランや食堂といった店舗で供される外食に対し、家で自炊したり家族が作った手料理を食べる内食との中間に位置する食事という意味からその名が付けられ、スーパーやコンビニ、仕出し店や持ち帰り弁当の専門店などで販売される弁当や惣菜を指す言葉となっています。

 中食が広まりはじめた当初、中食は自分の家でこそ食べますが料理の内容としては外食に近く、味付けの濃さや塩分の多さ、高脂肪といった面が批判的に捉えられてもいました。

 しかし、最近は多様化が進み、味や高級感にこだわった物や、使用される食材、栄養素、機能性に特徴がある健康志向なものなど、購入者のニーズに適した物も多く見る事ができます。

 相変わらず揚げ物を中心とした高脂肪な物がコストパフォーマンスに優れた雰囲気を演出してくれる事から、お得感のあるメニューの中心とはなってはいますが、多種多様な食材を摂取できるという意味では中食は優れた存在という事もできます。

 特に食材の販売単位が決められている今日、料理を一品作ると多くの食材が残されてしまい、残された食材でできる料理の事を考える必要が生じてしまいます。

 健康の維持管理の上で推奨される「一日に30品目」という多彩な食材を摂取する事を考えた場合、食材の面から考えるとかなりのロスや無理が生じそうですが、それを解決するという点では一食分を購入できる惣菜は優れた存在と言えます。

 激安弁当の流行以降、惣菜も低価格化する傾向が見られ、内容的な懸念が生じるという事も考えられはしますが、これまで健康を考えながら食材を選んできたように、弁当や惣菜といった中食も吟味する事で、より良い生活を実現するツールとなる事と思っています。

 ポイントは使われている食材に含まれる栄養素をよく理解しておく事で、素材の組み合わせや調理法なども考慮して選べば健康管理に役立てる事ができ、そうした選択ができるほど最近のメニューは充実してきています。素材や調理法を考えるという点では内食に通じるものがあり、文字通り外食と内食の中間に位置する物という感じがしてしまいます。


 



第1628回 実は回遊魚!     2011年01月11日

 子供の頃、幾度か父親の趣味の釣りに連れて行ってもらった事があります。そのうちの一回はとても変わっていて、いつもの釣竿ではなく5mm角に割かれた細長い竹の先に釣り針が取り付けられた特殊な物でした。

 釣りに行く先も変わっていて川や海ではなく、海の近くの用水路のような場所でした。用水路を形作っている石垣の隙間に餌を付けた釣竿を差し込み、中に潜む魚を釣るのですが、実際に釣られた魚を見て、うなぎを釣っていたのだという事を知りました。

 日本人にとって非常に馴染み深い魚であるうなぎは、淡水と海水が混じる汽水域に棲息していて、「うなぎの寝床」の言葉が示すような狭く、奥行きのある場所を住処としているイメージがあります。

 そのため、うなぎにはあまり広い行動範囲を持つ感じがしないのですが、そうしたイメージがうなぎの生態解明の大いなる妨げとなっていた事が最近になって判ってきました。

 回遊魚というと、赤身のマグロやカツオといった活動的な魚種を思い浮かべますが、うなぎも7000km近い距離を回遊するという回遊魚と呼ぶには充分な行動範囲を持っています。

 うなぎがイメージの中にあるような汽水域の棲息しているのは夏の終わりまでの事で、秋を迎えると日本や朝鮮半島、中国、台湾にいるうなぎは川を下り、黒潮を目指します。

 日本列島の太平洋側を北上している黒潮は、房総半島の沖あたりから東へと流れを変えるのですが、一部は伊豆半島あたりで本流とは別れて伊豆、小笠原諸島といった島々に沿って流れる南へと向かう弱い流れとなります。

 うなぎはこの南への流れを捉えて、流れに乗る事によりあまり体力を使う事なく、確実に西マリアナ海嶺南部の現在産卵場所と推定されている海域へ到達します。

 西マリアナ海嶺の南部には、熱帯の海特有の大量のスコールによって塩分濃度が低い流れが存在し、北側からの流れとは塩分濃度が異なる境目を作っています。うなぎはこの塩分濃度の違いを感じて、そこが産卵場所である事を認識していると見られています。

 レプトセファルスろ呼ばれるうなぎの稚魚がこの海域で採集される事は以前から知られていたのですが、日本、朝鮮半島、中国、台湾といった広大な地域のうなぎが集結し、産卵を行っていたという生活史が解明されてきた事で、現在、稚魚を採集して育てるという形でしか行えなかったうなぎの養殖が、産卵から育成を行うという完全型の養殖を行う事ができるようになります。

 どこか地味な印象で、汽水域という限られた水域にしか棲息しないと思われていたうなぎが、実は黒潮を泳ぎ広大な海を渡る回遊魚である事が判り、本格的な生態が解明される事も興味深いのですが、完全養殖の確立によってもう少しうなぎ料理が気軽に食べられる物になればと思ってしまいます。


 



第1627回 出汁のペプチド     2011年01月07日

 先日、行き付けのスーパーへ行くと棚の入れ替えのためという事で、見慣れないキャットフードが安売りされているのを見かけてしまいました。聞き覚えのないメーカー、ブランドですが、どことなく消費者心をくすぐる内容となっていて、思わず購入してしまいました。

 キャットフードは二極化が進んでいて、さまざまな効果効能を全面に出したり、高級素材を使ったプレミアムフードと食い付きの良さを全面に出した安価なフードに大別されます。

 今回、購入したフードには、「カツオペプチド」なる成分が含まれ、室内飼いによるさまざまなストレスに対抗する力を高めるとされます。

 ペプチドとはタンパク質が吸収される際、分解されてアミノ酸にまで分解されるのですが、そのアミノ酸への分解が完全ではなく幾つか繋がった状態の事を指し、元となったタンパク質やアミノ酸とは違った機能性を持つ事が最近注目され、特定保健用食品への認定例が増えている成分でもあります。

 以前、某大手調味料メーカーの開発担当の方と話した際、「人はしっかりと出汁を取られた食品に接した際、何故かほっとした安心感を感じる。出汁の成分の中には人を安心させる成分が含まれている可能性がある」と聞かされた事があり、その成分こそがカツオペプチドであったようです。

 すでに鰯由来のペプチドである「サーデンペプチド」は製品化され、血圧の安定に役立つサプリメントとして愛用されていたり、鶏肉には疲労回復に役立つ「イミダペプチド」が多く含まれているという宣伝文句が売り場に掲げられているのを見ると、新たなペプチドが加わり、今後さらに機能性の分析が進むのではと期待が膨らみます。

 タンパク質は生命を維持する上で欠かせない栄養素の一つであり、消化吸収の過程でアミノ酸の状態にまで分解されます。アミノ酸にもさまざまな機能性がある事が知られていますが、そのアミノ酸が幾つか繋がった状態のペプチドにも別な機能性があるとなると、食が及ぼす影響の多彩さ、奥深さには驚かされてしまいます。


 



第1626回 華やか調理器具     2011年01月06日

 最近、シリコン製の調理器具を多く見かけます。シリコンの調理器具への利用は、シリコンという素材が耐熱性や断熱性に優れ、滑りにくく酸やアルカリにも強い事からフライパンや鍋の取っ手や、セラミック製のおろし器の滑り止めなどに早くから使われていました。

 ここのところ見かける調理器具は、そうしたシリコンが脇役となった物ではなく、シリコンそのもので作れられたシリコンが主役となっている物です。

 シリコンは三次元酸化物と呼ばれる状態にする事で、ゴムのような弾性を示す特徴があります。ゴム状の柔らかさや軽さを活かし、ザルやボウルといった立体的な形状の物を折りたためるようにして収納性を上げたり、用途の幅を広げたりというメリットが発揮されています。

 素材的に着色も多彩で、カラフルな色合いを表現する事ができる事から、色合いが偏りがちなキッチンにアクセントを加えて、キッチンの楽しさを演出してくれます。

 また、シリコンは電子レンジのマイクロウェーブを容易に通す事から、加熱した際のムラが少なく、均一に熱を加える事ができるとされ、油を使わないヘルシーな蒸し料理が電子レンジを使って短時間にできる便利グッズとなっています。

 そうした優れた点を多く持つシリコンの調理器具ですが、私的には一つの理由から、どうしても手が出ない物となっていました。その理由とはシリコン製品特有の臭いで、本来は無味無臭のはずのシリコンですが、加工の際に用いられる添加剤の関係で特有の臭いがし、それが食材に移ってはたまらないと思っていました。

 カー用品の交換用のスパークプラグコードなど、シリコンが多用されている製品の売り場に近付くだけでも感じる事ができる特有の臭いは、シリコンが使われている鍋の取っ手などの臭いをかいでも弱めではありますがやはり感じる事ができます。

 温野菜などの何も加えない蒸し料理の場合、そうした臭いが付いてしまうと台無しになってしまう事も考えられます。その点について最近の調理器具に使われているシリコンに関しては、製造時に加える熱量を多くする事で臭いをほとんど失わせているといいます。

 実際に売り場でかいでみても特有の臭いはほとんど感じられず、カー用品のような売り場に近付いただけでシリコン製品の存在が感じられるという事はありません。

 敏感な人では臭いが気になるという意見もわずかに見られるようですが、臭いも気にならず便利という意見が大勢を占めているようで、シリコン製の調理器具は一つのカテゴリーとして定着していくのではと思っています。

 調理してそのまま食器としてテーブルに並べても絵になるカラフルさも楽しさの一つとなっているのですが、ナイフやフォークなどの鋭利な物に弱く、傷が付きやすいという弱点があり、樹脂である事から食品の臭いが移りやすい一面もあります。使い方に少々の注意は必要かもしれませんが、上手に付き合えば生活に彩りを加えてくれる便利グッズなのかもしれません。


 



第1625回 注連縄考     2011年01月05日

 「大根締め」「牛蒡締め」「輪飾り」というと、注連縄(しめなわ)の形状を示す名称です。両側が端にいくにつれて細くなるのが「大根締め」、片側だけが細くなるのが「牛蒡締め」、円形になっているのが「輪飾り」と呼ばれています。

 最近ではほとんど見かけなくなり、いつの頃から減り始めたのだろうと振り返ってもみるのですが、かつては正月となると前面に小さな注連縄を飾った車を多く見る事ができました。

 注連縄の由来は古事記に記された天岩戸のエピソードからきているとされ、再び天岩戸へ天照大神が入り込まないように岩戸を封印した「尻久米縄」と呼ばれる縄が元になっています。

 また、日本の神道では稲作信仰が根幹の一つとなっており、稲を刈り取って干した稲藁や麻は信仰に関わる物を構成する材料としては最良の物であったと考える事ができ、縄が神聖視されるようになる事も容易に想像できます。

 注連縄には神域である常世(とこよ)と現世(うつしよ)を隔てる結界という意味があり、神社や御神体などが縄で囲まれる事には現世と隔てる事によって、厄や禍を寄せ付けないようにしています。

 注連縄には更に五穀豊穣、天下豊楽、商売繁盛、身体壮健などの意味が加えられ、いつまでも災禍なく、平穏であるようにという願いを表すものとなっていました。

 そうした意味から正月を迎える家や車に注連縄飾りを付ける習慣が生じた事と思われますが、最近、下火になりつつある事に、成り立ちの意味を思うと大いに寂しさを感じてしまいます。


 



 

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