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第1683回 高いボール?(1)     2011年03月31日

 「ハイボール」といえば、ウィスキーを炭酸で割った一般的に広まっている飲み方の一つとなっています。つい先日もテレビCMに使われた事から、飲料水の売り場で炭酸が品薄になるという事があったので、人気のある飲み方という事が伺えます。

 ウィスキーと同じように焼酎を炭酸で割った物は「酎ハイ」と呼ばれ、「酎」は焼酎の事を指し、「ハイ」は炭酸で割るハイボールを語源としている事は容易に想像する事ができます。

 ウィスキーを炭酸で割った物が「ウィスキー・ソーダ」や「ソーダ割り」などではなく、ハイボールというあまり飲料とは思えない名称で呼ばれるようになった事については諸説があり、そのどれもがもっともらしい説得力を持っています。

 最も有力とされているのは「信号説」で、かつてアメリカで使われていたボールの位置によって列車の進行状況を表示した信号が元になるとされていて、その信号の存在を中心に幾つかの説が枝分かれしています。

 ボール式の信号機は「ボール信号機」とも呼ばれ、19世紀初めの開拓時代にあったアメリカ南部で使われていました。その名の通りボールが長い棒の先に付けられていて、ボールが上った状態にあれば「進行」、ボールが下がっていれば「停止」を意味していました。

 当時、セントルイスの駅に名物の信号係がいて、その駅員の好物がウィスキーのソーダ割りだったとされます。彼は「出発進行」と号令をかける代わりに、信号が「進行」の状態を示している事を意味する「ハイ・ボール(ボールは上っている)」という言葉を好んで使い、酒場で大好きなウィスキーのソーダ割りを注文する際も、「これから飲みはじめる」「まだまだ飲み続ける」という意味で、信号が先へ進む事を許可している「ハイ・ボール」という言葉を使い、それがウィスキーのソーダ割りを示すようになったとされます。

 また別の説では、当時、まだ列車の通過自体が疎らだった事もあり、退屈しのぎに駅員はウィスキーをちびちびと飲みながら列車の到着を待ったとされます。

 ある程度の到着時間を予想しながら望遠鏡を使って遠くの信号を眺め、やがてその信号のボールが上ると、「ハイ・ボール(ボールが高い位置になった)」と仲間同士で声をかけ、それまでストレートで飲んでいたウィスキーにソーダを注いで飲みやすくして一気に飲み干して仕事に戻ったため、ウィスキーをソーダで割るスタイルにその名が付いたともいわれます。

 同じボール信号機由来でも鉄道とは関係ない説もあり、開拓時代に各地で盛んに行われた工事に従事する労働者への球形の合図にボール信号機が使われ、休憩中にウィスキーのソーダ割りが飲まれていた事から、休憩時間を示す信号機の状態、「ハイ・ボール」が休憩時間の象徴でもある飲み物に付けられたともされます。

 ボール由来ではあっても信号機ではなく、ゴルフボールとするものもあり、イギリスに端を発するとする説もあります。イギリスのゴルフ場のクラブハウスでオリジナルレシピとしてウィスキーをソーダで割った物を出していたところ人気となり、飲み物の名前を客から尋ねられたバーテンダーがたまたま打ち損じの球がクラブハウスへ飛び込んできたため、「ハイ・ボール」と叫んでしまった事が由来となったという、あまり説得力のない説もあります。

 それ以外にも野球で、高めのストレートは打者が打ちやすい事から、飲みやすさを示して高めの球を示す「ハイ・ボール」となったとする説や、小さなボールに見える炭酸の泡が上っていく様子を示したとする説、気分がハイになる事が由来とする説、ボールではなくボウルが元であり、炭酸の泡が弾けて回りに滴が飛び散らないように背の高い容器(ボウル)に入れた事が由来とする説など多種多様な由来が存在しています。

 今ではハイボールというとウィスキーのソーダ割りを指しますが、古いカクテルのレシピを記した書物には、必ずしもウィスキーと炭酸だけではなく、ミディアムサイズのグラスに角氷を1個入れ、好みの蒸留酒やリキュールを注いでソーダやジンジャーエール、トニックウォーターなどの炭酸飲料で割った飲み物を指す言葉として記されています。

 ウィスキーをソーダで割ると「ハイボール」、ジンジャーエールで割れば「ウィスキードライ」、トニックウォーターで割れば「ウィスキートニック」と今では明確に名前が分けられ、分けられているからこそ由来も探りやすくなっていると感じられるのですが、ジンジャーエール割りやトニックウォーター割りの存在はどこかボール信号機の説得力を薄れさせるように思えてしまいます。


 



第1682回 古代の複雑化

 原始人というと全身毛むくじゃらで体が大きくて顔の割には頭の部分の高さが低く、目の上の部分の盛り上がりが高くて下顎の前面が前の方に大きく傾斜しているという姿が思い浮かび、それはネアンデルタール人の姿である事が判ります。

 ネアンデルタール人は1856年に偶然、ドイツのデュセルドルフに近いネアンデルタール渓谷の石灰岩の洞窟から発見された化石の人骨で、20万年から4万年前の中期旧石器時代にヨーロッパから中近東、中央アジアに分布した地方型の旧人類とされています。

 発見された当初、遺骨の特徴は病変、もしくは老人性の変形という意見もあった事から、以後40年も遺骨は放置される事となり、20世紀の初頭に病変や老人性の変形ではなく原始人としての特徴と結論付けられるまではネアンデルタール人の存在は認識されない状態となっていました。

 その後、ネアンデルタール人の化石はヨーロッパや中近東の各地から300体以上が発見され、ネアンデルタール人の存在は確固としたものとなっていますが、ネアンデルタール人が現代の人と共通の祖先から50万年前以降に枝分かれし、別々の進化の道を歩んだ事はあまり知られていません。

 ネアンデルタール人よりも現代人(ホモ・サピエンス)に近い存在としてクロマニヨン人が知られ、ネアンデルタール人からクロマニヨン人を経てホモ・サピエンスへと進化したと考えられがちですが、それぞれは別な進化の系統となり、共存する時期があった事が知られてきています。

 クロアチアで出土した3体のネアンデルタール人の化石を使い、その細胞からDNAを取り出してゲノムの解析を行ったところ、ホモ・サピエンスとネアンデルタール人との異種交配が示唆され、両者の交流を示す石器の存在もそれを裏付けるものとなっています。

 人類の進化というとネアンデルタール人からもう少し現代人に近い姿のクロマニヨン人が生まれ、クロマニヨン人から現代人であるホモ・サピエンスが生まれたようにイメージしてしまいますが、実際はネアンデルタール人はホモ・サピエンスとは別々に進化し、一定の期間共存していた事となり、ずいぶんと古代世界のイメージが違って思えてきます。

 ホモ・サピエンスの祖先は15万〜20万年前にアフリカで誕生し、世界中へと広がっていったと考えられていますが、その際、すでに絶滅した多種との混血は起こらなかったという考えが主流となっていました。

 ゲノムの解析によると現代人の遺伝子の少なくとも1〜4%はネアンデルタール人に由来するものが含まれると考えられ、数値的には少なそうですがヒトの進化や古代の世界観の複雑化を感じさせてくれます。


 



第1681回 死海の死     2011年03月29日

 死海というと塩分濃度が高い湖として知られ、塩分濃度の高さゆえに浮かびやすいという事を表現して、新聞や本を湖に浮かびながら読んでいる画像が連想されます。

 リゾート地としても知られる死海はアラビア半島の北西部にあり、西側はイスラエル、東側はヨルダンと接していて、死海に水を供給しているのはヨルダン川だけ、地域の年間降水量は50mm〜100mmと極端に少なく、冬でも20度を下まわる事はなく、夏場は39度にも達する気温のせいもあって水の蒸発が供給を上回る状態が常となっています。

 そのため死海の塩分濃度は30%近くと生物の棲息には適さない状態となり、一部の高好塩菌や緑藻類などのわずかな生物が存在するだけで、魚などは存在しない事から死海の名の由来となっています。

 そんな死海が死の危機に瀕していると言われ、急速な湖面の低下が進行していて、このままでは干上がってしまう可能性も示唆されています。

 湖面の低下が言われるようになったのは20世紀の中頃からの事で、主な要因としては灌漑農業によって唯一の水源であるヨルダン川の水を大量に汲み上げてしまった事と推定され、紅海から180kmにも及ぶ水路を建設して水を引き、死海の水を確保するというプロジェクトも検討され、死海と紅海の高低差を利用した発電も考えられています。

 発電によって得られたエネルギーによって死海の水を淡水化し、周辺地域の飲料水の確保に役立てる事も考慮されていて、死海を生かす事によって死海を生活用水とする案も検討され、死海が生かされる機会となっているようにも思えます。

 名前こそ死海ですが、決して死して過去の物となってしまわない事を願いたいと願っています。


 



第1680回 再現技術     2011年03月28日

 クローンと言われると、世界初のクローンとなった羊のドリーや大好きなアニメに出てくる最強の戦士の遺伝子を使ったクローン兵が思い浮かんでしまいます。

 SF小説などの中で出てくるクローンは、全く元の個体と同じ存在として登場しますが、ドリーの老化の速さやクローン兵の経験や知識の違いによる個性の存在、実際に誕生したクローン牛の柄の違いなどを思うと、同じ遺伝子を用いても完全コピーは難しいのではと感じてしまいます。

 クローン技術によって得られるメリットの一つとして、肉質が良い牛のクローンを作り、付加価値の高い牛肉を安定的に生産するというものがあります。

 現在は肉質の良い牛を「種牛」とする事で、良質な牛肉を得られる系統が保たれていますが、クローン技術を活用すれば試食した後でも同じ肉質を産出する牛を得られるという事にもなり、ステーキを食べた後、その美味しさを評価して残された肉から元の牛を再現する事が可能となります。

 その場合、単純に同じ遺伝子を持つ牛を産出するだけなので、それほど高度な技術が要求される訳でもなく、現在の技術でも対応できる事が考えられ、柄の違いや時代背景の違いによる性格や能力の違いが問題にならない事がポイントだと思えます。

 同じく柄などの完全一致は問題とはならないのですが、遺骨などの古い物からDNAを取り出してクローンを作成する事は難しいとされます。先日、日本の研究者がロシアの研究所に保管されていたマンモスの骨から得られたDNAを元に、5年以内にマンモスを復活させる計画を進めている事が発表されていました。

 マンモスの骨から正常なDNAを取り出してマンモスのクローン胚を作成し、雌の象を代理母としてマンモスを誕生させるという計画との事ですが、実際にクローンマンモスが誕生すれば、遺伝的な特徴や生態を知る事ができ、マンモスが絶滅した理由も探る事ができるとされます。

 復活したマンモスは私達に多くの事を教えてくれるのかもしれませんが、氷河期を生きたマンモスが温暖化の時代に何を思うのか、ふとそんな事を考えてしまいます。


 



第1679回 湯と油     2011年03月25日

 料理は一手間をかけるか惜しむかで、出来上がりが大きく変わった物となってしまう事が多々あります。考えてみれば無駄に思えるものや重複しているものにも、細かく見てみると重要な意味があったりします。

 事前に食材をお湯や油で処理をする「湯通し」や「油通し」もその一つかもしれません。「湯通し」は文字通り食材をお湯に通す事で、沸騰したお湯を食材にかけたり、鍋で沸騰したお湯に食材を入れてすぐに取り出したりして行います。

 煮物や鍋物の下拵えの一環として行われるので、その後、煮込まれる事を考えると作業が重複しているようで一見無駄にも思え、お湯を別に沸かす事やザルを用意する事も余分な手間とも考えられます。

 油通しは更に面倒で、温めた油に食材をさっとくぐらせて下処理を行う事から、そのまま揚げ物にしてしまった方が楽に思えたり、その後、油で炒める事を考えるとやはり無駄な工程のようにも思えてきます。

 しかし、湯通しと油通しには大きな意味があり、湯通しは沸騰したお湯を使いますが食材に火を通す事が目的ではなく、食材の表面に付着した油分や汚れを洗い流す事や、食材固有の臭味を落とす、表面のタンパク質を硬化させて旨味を逃がさないようにするなどの意味があり、調理の結果に大きく関わってくる事が判ります。

 油通しは中華料理でよく使われる手法であり、揚げ物の油と比べると揚げ物には若干不適ともいえる低温の油が使われ、食材の発色を良くし、表面に油による艶を加えてくれます。

 水の沸点よりも高い温度にさらす事で食材に含まれる水分を蒸発させて味を濃厚にし、味付けが染み込みやすくもなります。湯通しと同じく油通しも食材の表面のタンパク質を硬化させて、旨味が逃げ出さないようにするという利点も持っています。表面を高い温度にさらす割には内部までは火を通さないので、食材を柔らかく仕上げる事もできます。

 湯通しや油通しは、科学的にも納得のいく内容ではあるのですが、積み重ねられてきた調理の経験によって導き出された手法であり、決して無駄ではないだけでなく、やはり一手間を大切する事で料理をより美味しく仕上げる事ができると思わせてくれるものとなっています。


 



第1678回 甘味調味料?     2011年03月24日

 和食の味付けというと、しっかりと取った出汁に酒、しょうゆ、みりんが基本となり、更に甘味が必要な場合は砂糖を足して甘さを増します。

 甘さを加える調味料としては砂糖とみりんが存在し、直接的な甘さには砂糖が使われます。アルコールや発酵による旨味を含む調味料としては酒が存在していて、そうしてみるとみりんはどことなく中途半端な存在のように思えてきて、極端な話、砂糖と酒を合わせて使えば、みりんは使わなくても良いのではとも思えます。

 みりんを料理に加えると料理に甘味が加わり、煮物などに表面の艶である「照り」を出したり、強過ぎる酸味や苦味を和らげて食べやすい味にしたりという役割を担ったりします。同じ役割は砂糖でも代行する事ができるため、みりんの存在価値自体が危うく感じられたりもします。

 みりんにしかできないみりん本来の役割というと、あまり意識されない事ですが、肉や魚などの食材が持つ臭味を消し、仕上がった際のそれぞれの食材が持つ風味を良くするというものがあります。

 みりんは米麹と蒸したもち米を混ぜて焼酎を加え、数ヶ月寝かせて作られます。寝かせて熟成している間に麹菌の働きによって作り出されるアミノ酸をはじめとしたさまざまな成分が食材の臭味を消してくれ、料理が仕上がった際の風味を増す助けもしてくれるとされ、酒や砂糖にはできない働きの一つとなっています。

 また、糖分やアミノ酸が加熱される事で独自の風味や旨味が生まれ、食材に美味しい美味しさを加える事ができ、みりんの役割は甘味を加える事ではなく、料理を美味しく仕上げるための旨味調味料のようなものと思えてきます。

 食材の臭味を消して風味や旨味を増し、食材を柔らかく艶やかに仕上げる。甘味はそのためのおまけのようなものと理解すると、みりん本来の役割が判ってくるように思え、基本となっている調味料としての偉大さを感じてしまいます。昔ながらの作り方で製造されたみりんであれば、疲労時に直接少量を飲用する事で滋養強壮が図れるともされ、それも他の調味料にはない独自の働きといえ、みりんの重要性を再認識してしまいます。


 



第1677回 握って固めず     2011年03月23日

 大好きな時代劇の中で、主人公の配下の同心が料理に関する講釈を行う場面があり、その中で「おにぎり」の奥深さについて語る場面があります。その場面で語られているようにおにぎりとは、炊き上がったご飯がメインとなったシンプルでそれだけに置くが深い料理だと思っています。

 美味しいおにぎりの要件について考えてみると、しっかりと形が作られていてふわっと握られている。食べる際、パラっと米が崩れるという幾つかの相反する事が要求されている事が判ります。

 米は炊く事により独自の粘りが生まれ、それによっておにぎりは米同士がくっつき合って形を作る事ができます。炊き上がったご飯を茶碗によそう際も言われる事ですが、米と米の間に空気を充分に含ませる事によってふんわりとした食感が得られる事から、おにぎりにも同じ事が要求される事は理解できます。

 しかし、握るという事はご飯に一定の圧力を加えて、中に含まれる空気を押し出し、米同士が接する面を増やして結合をより強力にする事から、単純に握る事だけでは美味しいおにぎりとはならない事が伺え、食べる際、パラっと崩れる事も米の粘りや握る事による結合は、崩れにくさをより強くしてしまいます。

 おにぎりをしっかりと形作りながら、ふんわりと仕上げるには、米同士をくっつき合わせながらその間により多くの空気を含ませる必要がある事から、米を面ではなく点で結合させる必要があります。

 食べる際にパラっと崩れるようにするには米の炊き方に工夫が必要で、いつもより水分量を少なくして炊き上げる事が重要であり、炊き上がったら米の表面に残った水分を飛ばしておく事も必要となります。

 いつもより10%ほど水分を少なくして炊き上げたご飯を手早く切るようにかき混ぜ、表面を半乾きの状態にしておいておにぎりを作るのですが、そのまま手に取って握るのではなく、一旦、茶碗に取って茶碗を揺すり、丸く形作っておくと米の間に空気を含ませる事ができます。

 両手を軽く濡らし、塩をまんべんなくまぶして茶碗で丸くしたご飯の形を整えておにぎりの形にします。あくまでも形を整えるだけで、不要な圧力を加えないようにする事でふんわりとした美味しいおにぎりができあがります。

 最近ではおにぎりを握った事がないという人も増える反面、コンビニやスーパーで売られているおにぎりは使う米や炊き方、固める圧力や食べる際の温度などが詳細に研究され、徐々におにぎりは家庭のものではなくなってきている印象もあります。

 シンプルなだけに奥が深く、どこか家庭の温かさを感じるおにぎり。手軽に購入できて専用フィルムの包材から取り出すと、海苔がパリッとしていて食べやすい物も悪くはないのですが、できれば本来の姿を残しておいてほしいものです。


 



第1676回 便利と安心     2011年03月22日

 福島第1原発の事故を受けて、世界的に原発推進の動きにブレーキがかかったといわれ、専門家による分析では、今後、原発産業は20年の氷河期を迎える怖れがあるとされます。

 地球温暖化に繋がる二酸化炭素を全く排出しないとして、電気自動車や大量輸送機関でもある電車がエコな乗り物とされていた背景に潜む巨大なリスクを目の当たりにした今回の事故以降、新たな原発の建設計画の停止や安全対策の更なる強化による原子力のコスト増が予想され、再生可能エネルギーの需要が増加する事が考えられます。

 一時期、盛り上がりを見せながら下火となってあまりその名を聞かなくなったバイオディーゼル燃料や、石油に対して二酸化炭素の排出量が少ない天然ガス、日本の近海に多いとされる燃える氷、メタンハイドレートなどに注目が集まるのかと、今後の動きを注目しながら、バイオ燃料の需要拡大を利用した穀物相場の高騰が再び起こらない事を願っています。

 かつて旧ソ連のチェルノブイリ原発事故が起こった際、世界中の多くの国で原発計画の見直しがはかられ、原発産業は一気に氷河期を迎えてしまいました。

 それから20年の時を経て、地球温暖化の抑制という理由から原発産業は一気に活性化し、世界各地で原子炉の建設計画が進められていた中でも今回の事故となります。

 チェルノブイリ原発事故の怖ろしさや、その後の現地の悲惨な状況は、多くの映像や資料で今も語られています。今後、今回の事故の影響がさまざまな面で言われるようになってくる事が考えられます。

 20年で忘れ去られたかのような巨大事故の恐怖。今回の事故によって得られる新たな教訓。それらが今後、どのように活かされていくのか注意深く見守りながら、便利で快適な生活と安心できる生活、どちらを優先すべきなのか、そういった自分達の身の回りの事から考えていかなければと思っています。


 



第1675回 時間ダイエット     2011年03月18日

 脂肪を悪者のように言える事が何と贅沢な事かと、歴史を振り返ると思ってしまうのですが、できれば減らしたいと思うのに油断すると増えてしまうあたりは、やはり悪者なのかと考えてしまいます。

 脂肪は栄養の蓄積なので、本来は悪い物ではないのですが、過剰になるとさまざまな弊害を生じる困った物でもあり、昨今の栄養事情の中で健康を考える上ではダイエットは不可欠なものなのかもしれません。

 脂肪が増えて困る点の一つは、過剰となった脂肪細胞は一種の炎症状態にあり、活性酸素の大量発生に繋がってしまいます。大量発生した活性酸素は体に酸化ストレスを与えるだけでなく、脂肪自体の代謝も低下させ、悪循環に陥ってしまいます。

 また、代謝の低下はエネルギーの生産、利用の低下にも繋がり、脂肪の増加に併せて疲れやすい体質となってしまいます。

 内臓に脂肪が付く、特に肝臓の脂肪が増えて「脂肪肝」の状態になると、肝臓の機能が落ちて肝臓が担っている重要な役割であるタンパク質を消化する過程で発生するアンモニアの代謝機能が低下してしまい、血中アンモニアの増加に繋がり、加齢臭などの悪化を招いてしまいます。

 脂肪が舌や喉の周辺に蓄積すると、呼吸の際の空気の通り道が狭められ、いびきという睡眠を阻害する要因の一つとなるだけでなく、寝ている間に呼吸が停止する「睡眠時無呼吸症候群」の原因ともなってしまいます。

 最近の研究で1日の摂取カロリーや運動量が変わらなくても、食事の時間を変更する事で肥り方が変わる事が判ってきていて、「時間栄養学」という概念もできてきています。

 注目されているのは体内の組織に存在するタンパク質の一種である「BMAL1」と呼ばれる物で、摂取したエネルギーを脂肪細胞に送り込む働きをする事が知られていますが、時間帯によって体内のBMAL1量が変動する事が判っており、うまくコントロールできれば食事と肥満の関係が大きく変化する事となります。

 現在、実験データレベルで判っている事では、BMAL1は昼の2時頃にはほぼゼロになり、夜になるほど増えるとされ、夜中の2時に最大量となります。

 夕食時といえる夜の7時と比べても午前2時の値は4倍にも相当し、夜中に食事を行う事が肥満へと直結するとされる理由が説明できます。

 BMAL1の量は最大値の午前2時から6時にかけて急速に減少し、昼の2時にかけて緩やかに減少、昼の2時から夜の6時にかけて緩やかに増加した後、午前2時にかけて急速に増加します。

 そのため、少し遅めの昼食をしっかりとした内容にし、早めの夕食を軽くして夕食以降は食べない。そんなライフスタイルの実施が新たなダイエット法となるのかもしれません。


 



第1674回 静かな絶滅     2011年03月17日

 生き付けのスーパーの地元農家専用の売り場にホウレン草がたくさん並べられていました。新鮮な上にかなりお買い得な価格設定なので、購入して何かホウレン草の料理でもと考えながら眺めていると、葉の形に丸みを帯びた物と切り込みの多い物があり、同じご近所さんの農家でも西洋系と東洋系があるのかと思ってしまいます。

 日本では比較的早い時代から葉が丸い西洋系と葉に切り込みが多い東洋系の両方が栽培されてきたのですが、そうした意図的な栽培による棲み分けが明確に行われていると良いのですが、気付かないうちに入り込んできた外来種の問題は徐々に深刻さを増してきているとされます。

 外来種であるセイヨウタンポポが渡来して以来、あっという間にタンポポの勢力図が塗り替えられ、普通に見かけるタンポポと思っていても在来種ではなく外来種であったり、外来種との交配種となっていたりして、純粋な在来種が姿を消していくという静かな絶滅が進行しているという現象はタンポポに限らず多くの動植物で見られています。

 先日、吉野川河口域の干潟でナルトサワギクの繁殖が広がっているとして、大規模な駆除が行われていました。ナルトサワギクはその名前から、どこか日本古来の植物のような感じがしますが、1976年に鳴門市で初めて渡来が確認された事からその名が付けられたマダガスカル島原産の植物で、繁殖力の強さから特定外来生物にも指定されています。

 ナルトサワギクは生息域が同じハマヒルガオやコウボウシバといった在来種の植物の植生を脅かし、絶滅へと追いやってしまう事も懸念される事から、2009年以降、一般の市民も参加する形で駆除が行われてきました。

 そうした目に見える対策が採りやすい外来種への対応は比較的容易に思えますが、やはり目立たない在来種の保護は困難を極めると思わざるを得ません。

 グローバル化が言われるようになってから久しく、社会の変化とは縁遠い小さな動植物にも影響が及んでいる事をどのように捉えるべきかと考えつつ、タンポポの花を見かけたら花を包んでいる緑色の部分、「外総包片(がいそうほうへん)」を確認し、その部分が反り返っていなかったら、まだ大丈夫と少しだけ安心したいと思っています。


 



第1673回 時計調べ     2011年03月16日

 いつも決まった時間にお腹が空き、決まった時間に眠くなり、目が覚めます。社会的な生活を営む人に限らず、生物には体内に時間を司る体内時計が存在します。

 最近では体内時計を考慮して投薬を行う事で薬の効果を増したり、副作用や毒性を減らす事ができる事が指摘され、また体内時計の狂いがさまざまな疾患の原因となる可能性がある事から、体内時計に注目が集まってきています。

 体内時計の発見は1729年、フランスの科学者ドルトゥス・ドゥメランによって初めて論文化され、オジギソウの葉が外界からの刺激がない状態でも24時間周期で一定のパターンっで動き続ける事が報告されています。

 体内時計という機能は進化の中で最も古い細胞に起源を持つとされ、昼間の有害な紫外線の中でDNAの複製を行うリスクを回避するために獲得したと考えられ、生命を維持、継続する上で重要な機能であった事が伺えます。

 体内時計は完全な24時間周期ではなく、一日となる24時間に対して微妙な過不足が存在する事から、日常的な補正が必要とされ、朝の陽射しや夜の闇といった外的な刺激によって適切な周期が保たれるようになっています。

 現代社会では、灯りの発達によって夜が闇に閉ざされなくなったり、不規則な生活リズムの定着、ストレスなどの補正を阻害する要因が増えてきた事もあり、体内時計の乱れが問題視されてきています。

 高血圧や睡眠障害、精神疾患、心臓病などの発症にも体内時計の乱れが関わっているとされる事から、体内時計が健康に及ぼす影響の大きさを伺う事ができます。

 体内時計は遺伝子の中の時間遺伝子が司っている事が知られ、時間遺伝子によって作られる時計タンパク質によってコントロールされます。

 遺伝子からタンパク質が作られる際、中間物質としてRNAが関わってきますが、最近の研究で時間遺伝子が時計タンパク質を作る際に使われるRNAの時間による変化を調べる事によって、個人の体内時計を簡単に測定する方法が判ってきています。

 これまで体内時計の測定については口内粘膜や抹消血を使って、非常に煩雑な方法で行われてきた上、精度も低かった事から、今回、頭髪の根元に付着した細胞を使うという簡単で精度が高い手法が開発された事から、体内時計の乱れを詳しく知る事ができるようになり、多くの治療に応用できる事が考えられます。

 生活習慣病や不眠症の予防、効果的な抗ガン剤の投与、薬剤や放射線治療の副作用の軽減など、すぐに応用が考えられる範囲に限らず、これまで原因がはっきりしなかった体調不良などの原因究明や治療法の確立にも繋がるのではと期待が膨らみます。健康診断の検査項目に「髪の毛を数本抜いてみる」という項目が加わる日が来るのかもしれないと想像しています。


 



第1672回 ヨウ素摂取     2011年03月15日

 ヨウ素というと小学生の頃、理科の実験でデンプンの検出に使ったヨウ素液を思い出します。ヨウ素はヨードとも呼ばれ、ヨードというと卵や消毒薬を連想してしまいます。

 ヨウ素には殺菌力がある事から消毒薬として広く用いられ、傷口の消毒に用いられるヨードチンキはヨウ素をアルコールに溶かした物であり、うがい薬に使われるルゴール液はヨウ素をグリセリンに溶かした物、ポビドンヨードはヨウ素とポリビニルピロリドンの錯化化合物となっています。

 消毒薬として以上にヨウ素は体内で甲状腺ホルモンを合成するために必要な栄養素であり、必須元素の一つとなっています。体内に吸収されたヨウ素は血液を介して甲状腺に集まり、蓄積されるという特徴を持っています。

 ヨウ素を多く含む食材が少ないヨーロッパやアジアなどの大陸の中央部では、日常使用する食塩にヨウ素を添加する事を義務化して甲状腺異常を防ぐ例が見られ、ヨウ素の必要性が伺えますが、日本では海藻類が海水中に含まれるヨウ素を濃縮して蓄え、その海藻を食す機会が多い事から、日本人はヨウ素を多く摂っている国民とされます。

 先日の大地震による原子力発電所の事故では核分裂生成物の放出が懸念され、ヨウ素の摂取が話題になってきています。核分裂生成物として放射性のヨウ素が大量に放出される事から、事前に放射性ではないヨウ素を大量に摂取して甲状腺を飽和状態にしておき、内部被爆から身を守るという事ですが、消毒薬の飲用には大変な危険が伴う事が考えられます。

 核攻撃などが行われ、深刻な放射能汚染が発生した場合は都道府県知事や対策本部長によって安定ヨウ素剤の服用指示が出されるとされます。安定ヨウ素剤の成分的なものを見るとポビドンヨードなどと近い物となっていますが、やはり飲用を前提とした物と消毒を意図した物とでは違いがある事が考えられます。危険から身を守る事は大切ですが、先走った情報でかえって危険に身をさらす事だけは避けたい事だと思われ、改めてヨウ素について考えてしまいます。


 



第1671回 白いは幸運?     2011年03月14日

 元々色白という事もあり、色が白いという事をよく言われるのですが、その都度、「これでも日焼けしてるんですよ」と言って、普段、日光に触れない首から下の部分をめくって見せて驚かれたりもしています。

 自然界で白いというと、「アルビノ」の存在を思い出します。アルビノはメラニン色素の生合成に係わる遺伝子の情報が先天的に欠乏していて色素を作り出せない、もしくは何らかの理由によって後天的に色素を作り出せなくなる事によって白い色をしている生物の事を指します。

 先天的にメラニン色素を作り出す事が欠損している場合、先天性白皮症、先天性色素欠損症、白子症と呼ばれ、後天的に色素を作り出す機能が欠損してしまった場合は、白化個体、もしくは白子と呼ぶように分類されているのですが、ほとんどの場合、アルビノは白子と呼ばれています。

 アルビノは広く動物全般に見られ、劣性遺伝や突然変異によって一定の確率で誕生しています。自然界でアルビノが誕生した場合、早い段階で人に発見されると、白という色が持つイメージから「神の使い」などと呼ばれて珍重され、保護されるのですが、本来は目立ってしまう事から外敵に発見されやすいだけでなく、皮膚に色素を持たないので紫外線による皮膚ガンなどの皮膚疾患を起こしやすい、多くの場合、網膜の光を感知する色素も形成されない事から視覚的な疾患を持つとされ、生存には大きなマイナス要因となってしまいます。

 先日、そんなアルビノの一種として白いナマコが発見され、話題となっていました。最盛期を迎えたナマコ漁の最中に黒や赤、青といった通常のナマコに混じって網にかかったという事で、同じ金田湾沖では1月にも白いナマコが見つかっており、今シーズンのナマコ漁の水揚高が昨シーズンよりも多い事から、白いナマコが幸運を運んできたと喜ばれていました。

 白いナマコは県の水産技術センターへ持ち込まれ、敷地内の展示用水槽で飼育されて一般に公開されているそうですが、第一印象としてはどうしても「不味そう」と思ってしまいます。白いナマコについては年間、数件の報告例があるそうなので、一定の確率で誕生している事が伺えるのですが、やはり白い色から縁起の良さを感させてくれます。

 私のお気に入りの場所の一つに白いカラスが現れる場所があります。白いカラスは全てが白い訳ではなく、羽毛のみが白いのか、嘴は黒い色をしています。そのため一定の色素は形成できるのか視覚障害は起こしていないらしく、普通のカラスとして生活しているようで他のカラスも違和感なく接しているようです。

 カラスは非常に長寿で人よりも長生きとされるので、白いカラスも白いというマイナス要因に負けずに長生きしてくれる事を願いながら、やはり白い生き物を見てしまうと「神の使い」と思ってしまう自分に何処か俗っぽいものを感じてしまいます。


 



第1670回 冬の食中毒     2011年03月11日

 インフルエンザの大流行が懸念されて以降、さまざまな場所で消毒用のアルコールを見かけます。ポンプタイプの容器を押すと一回分のゲル状のアルコールが出てきて手軽に除菌する事ができ、細菌やウィルスによる感染症を予防する事に役立っています。

 消毒用のアルコールに限らず多くの除菌グッズの普及や衛生的な日常生活によって、昔ほどには細菌の存在を意識する事はなくなっているのですが、それでも年間2千人近くの食中毒患者を出しているのがサルモネラ菌です。

 サルモネラ菌は代表的な食中毒菌として知られていますが、腸内細菌の一種でもあり、人や動物の消化管内にも生息している身近な存在となっています。

 体内に細菌などが侵入すると免疫系統の作用によって排除され、免疫においてマクロファージは重要な役割を担っています。サルモネラ菌はそのマクロファージの内部に入り込み、増殖するという特徴があり、感染したマクロファージを介してリンパ管から血液中へ入り込み、菌血症を起こすと命に関わる事態にもなってしまいます。

 昔は食中毒は暖かい夏場に多いとされていましたが、最近ではエアコンなどの暖房による温度管理が行き届いていることもあり、季節に関係なく起こるとされていて、気温が低い事から油断して購入した生鮮食料品を冷蔵庫へ入れる時間が遅れがちになる冬場にも注意が必要と考えられます。

 人や動物の消化管内に常在しているという事で、感染から逃れられない感じがするのですが、重要なのは「増やさない」事で、少量のサルモネラ菌では症状が発生する事はなく、発症には100万個以上の数が必要とされているため、食品の管理をしっかりと行っていれば発症リスクを低く保つ事が可能です。

 温かい料理は65℃以上、冷たい料理は10℃以下。調理前の食材や調理後の料理は室温に長く放置しない。冬場も食中毒のリスクが低くならない事を意識しながら、食品管理の基本に忠実にありたいと思っています。


 



第1669回 旬の終わり     2011年03月10日

 気候が暖かくなり、水の冷たさも和らいでくる頃、レンコンは旬の時期を終えてしまいます。レンコンは湿地で育つ事から、レンコン畑は畑というよりも池という感じで、冬の寒さが厳しい最中に腰まで水に浸かって収穫が行われ、その寒々とした様子が地元のニュースなどで報道されたりもします。

 そんなレンコンはビタミンCが多く、100gも食べればレモン3個分相当するビタミンCが摂取でき、一日分を賄える事から、冬に流行するインフルエンザや乾燥した気候による肌荒れなどを予防する食として注目を集めています。

 また、食物繊維が非常に多い事から、腸内に排出されたコレステロールが再吸収される事を防いで、血中コレステロール値の低下を促したり、腸の蠕動運動を活性化させるという健康効果も知られていますが、最近、大腸ほどには注目されていなかった小腸への効果についても期待が集まってきています。

 大腸の働きや腸内細菌については健康への関連から意識される事が多いのですが、小腸については大腸ほどには注目される事は少ないように思えます。しかし、小腸の働きも健康の維持管理には重要な位置を占めていて、社会的な問題にもなってきたメタボリックシンドロームの予防にも深く関わっている事が知られてきています。

 小腸の働きが低下すると消化途中の食物の滞留時間が長くなり、それだけ多くの栄養素が吸収される事となります。小腸の働きが活性化されただけで、食事量を30%近くも減らした場合と同等のダイエット効果が得られる事もあるとされ、その働きの重要性を伺う事ができます。

 レンコンの豊富な食物繊維はそんな小腸の働きを活性かさせる事が期待され、ダイエットや健康管理という意味からも冬場だけの食材とするにはもったいないものが感じられます。

 特にレンコンは腸内細菌の状態を整え、IgE(免疫グロブリンE)と呼ばれるアレルギー症状の原因となる物質の増加を抑える働きが高い事が確認されているので、花粉症が増えはじめるこれからの季節に必要な食材と思えるのですが、そろそろ旬を終えてしまうという事は大自然の意地悪という感じもしてしまいます。その前にたくさん食べて、腸内細菌の状態を整えておけという事でしょうか。


 



第1668回 生活習慣病?      2011年03月09日

 ほとんど生活習慣病という意識がありませんが、「痔」もれっきとした生活習慣病の一つとなっていて、日常生活の心がけによって予防や改善が可能な病となっています。

 痔の最大の原因は便秘や下痢といった排便の異常とされ、その時点で生活習慣が深く関わっている事から、食習慣や食事内容、水分の摂取などによっても発症や進行を防ぐ事ができると考える事ができます。

 ペットボトル入りのお茶やミネラルウォーターが普及して以降、日常生活の中で水分が不足するという事はあまり考えられなくなったのですが、朝食を食べない事や食事の内容的に繊維質が不足するといったマイナス面は多く存在しています。

 ストレスや不規則な生活といった現代社会の特徴的な部分もマイナスに働くだけでなく、最近、急速に発達を遂げてきた生活を便利に彩る物の中にも、新たな懸念として言われるようになってきている物があります。

 携帯電話、特にメールやウェブにアクセスする機能は、手軽にさまざまな情報を入手したり、身近な人とコミュニケーションを取る事に優れています。

 そうした携帯電話の機能を生活の中のわずかな空き時間を使って利用する事は日常的に見られ、トイレでメールやサイトの閲覧、オンラインゲームの利用なども普通に行われるようになってきていて、以前は本や新聞の持込がトイレの時間を長引かせる要因とされていましたが、新たなトイレの長期化要因となってきています。

 トイレの時間が長くなると、どうしてもその間に肛門に負担がかかり、うっ血してしまう事から痔を発症しやすくなってしまい、さらに洗浄機能付きの便座の普及も高い水圧を肛門の粘膜に加える事となり、炎症を引き起こす原因となってしまいます。

 健康の維持、管理の目的から軽い運動が推奨されていますが、場合によってはそれがマイナスに働く事も考えられます。ゴルフは多くの愛好者を持つスポーツとなっていますが、ボールを打つ瞬間に腹筋が瞬時に収縮し、内臓に圧力をかけてしまい、その圧力は肛門に負担をかけてしまいます。また、サイクリングや乗馬は肛門を圧迫してしまうといえます。

 他の生活習慣病ほどには意識されず、危機感も持たれない痔ですが、患者数は増加の傾向にある事からも他の生活習慣病同様、身近に存在して罹患の機会を狙っている怖い存在として認識しておく必要があるのかもしれません。


 



第1667回 温熱兵器?     2011年03月08日

 「ハイパーサーミア」、どこかSF映画に出てくる兵器のような名前ですが、空想科学が現実化した遠い未来のハイテク兵器などではなく、現在でも実際に使われている兵器と呼べる装置です。その装置を使って戦う相手はエイリアンやアンドロイドなどではなく悪性新生物、いわゆるガンです。

 ガン細胞は死ぬ事を知らず、無限に分裂を繰り返しながらさまざまな臓器に転移する怖ろしい存在ですが、意外にも熱に弱く、44度程度の温度で死滅させる事ができます。

 そこに目を付け、高周波を使う事で体の表面から深部にある患部を温め、ガン細胞を死滅させる事を目的として開発されたのが温熱療法とも呼ばれるハイパーサーミアです。

 最近では、直接ガン細胞を温めて死滅させるという治療効果に併せ、42度以下の低い温度でもガン周辺の正常な細胞が活性化されて免疫力が高まり、ガン細胞を排除する働きが強化される事や、ガン細胞への薬剤の取り込み量が増大する事、放射線の効果も増強される事などが知られるようになってきています。

 ハイパーサーミアの最大の利点は抗ガン剤の量を減らしても通常の療法と同程度の効果を確保できる事で、抗ガン剤の副作用というリスクを大幅に減らしながら効果的な治療が行えるとされ、抗ガン剤とハイパーサーミアを併用した場合、ガンの消失、縮小を示す奏功率は薬剤単独での治療の倍以上に上る事が確認され、有効性が評価されています。

 現在のところ治療に使用できないのは、同じく熱に弱い脳と眼球のみで、その他の全ての部位の治療に利用できるとされていて、副作用もほとんどない事から、もっと普及しても良いのではと思うのですが、ハイパーサーミアを受ける事ができる施設は全国に70ヶ所と少なく、現場の医師にもハイパーサーミアという治療法への理解が浸透していない事。保険点数が決まっている事から医療機関にとって経営的なメリットが少ないという背景もあります。

 温めて治療効果を上げるという事は、温泉などでの湯治というかたちで古くから行われてきたものにも通じます。高周波を使って体の奥深くの患部付近のみを狙って温めるというのはハイテクかもしれませんが、どこか古来の知恵に由来しているようにも思えて、もう少し一般化してくれればと思ってしまいます。


 



第1666回 シンプルな卵料理     2011年03月07日

 「TKG」といわれて。不覚にも流行の音楽グループの事かと思ってしまいました。最近、定着してきた料理の呼び名という事で、最もシンプルな卵料理というか、卵の食べ方の一つでもある「卵かけご飯」の事をそう呼ぶのだそうです。

 卵かけご飯は生の卵をご飯にかけて混ぜ合わせ、しょうゆなどで味付けをして食べる日本特有の卵とご飯の食べ方で、日本各地で自然発生的に食べられてきた事から、「卵ご飯」や「ぼっかけご飯」、「卵飯」など多くの呼び名が存在しますが、全国的なブームを受けて「卵かけご飯」の呼び名が定着してきています。

 最近では味付けに専用のしょうゆも販売され、一つのメニューとして確立されてきているように思えますが、至ってシンプルな内容でありながら作り方に幾つかのバリエーションが存在し、シンプルであるが故の奥深さを感じさせられます。

 代表的な作り方としては、卵を小鉢などの容器に割り入れて解し、しょうゆで味を付けた後に茶碗に盛ったご飯の中央を窪ませてそこへ流し入れ、全体をよく混ぜ合わせて仕上げられます。

 同じ内容でも小鉢を使わず、ご飯の窪みに直接卵を割り入れ、しょうゆをかけて混ぜ合わせるものや、茶碗に卵を割り入れてしょうゆで味を付けた後にご飯をよそって混ぜ合わせるもの、茶碗に盛ったご飯にしょうゆで味を付けた後、卵をかけて混ぜ合わせるものなど複数の作り方があり、白身と黄身を全て使うものや黄身のみを使うものと、卵を割った時点から複数の作り方に枝分かれしている事が伺えます。

 また、卵をかけるご飯の温度にも違いがあり、炊きたての熱いご飯を使うと卵を混ぜ合わせた際、卵がご飯の熱で半熟状になって甘味が増して味が濃厚になる反面、卵に粘りが生じてしまう事から、味や食感によってもこだわりの温度が複数存在している事が考えられます。

 味付けにしてもオーソドックスなしょうゆに限らず、こだわりの卵の味を最大限に堪能するために塩を用いる例や、しょうゆよりも旨味成分が多い麺つゆ、ポン酢しょうゆ、味噌、マヨネーズなど多岐に渡っているとされ、新たな展開として興味をそそられるものがあります。

 卵とご飯、しょうゆというシンプルな取り合わせから、日本人と卵かけご飯との関わりはかなり古いように思えますが、卵かけご飯が一般的に食べられるようになったのは明治時代以降とされ、洋食並みに新しい料理であるようにも思えてきます。

 一般庶民が気軽に卵を食べられるようになったのは高度成長期以降の事とされ、卵かけご飯は経済発展の証のようにも思えます。栄養的に優れた卵を使い、食べやすく仕上げられる卵かけご飯、この機会に改めてこだわってみたいと思っています。


 



第1665回 2型克服への道     2011年03月04日

 血糖値の有効なコントロールができなくなる生活習慣病、糖尿病には血糖値を下げるためのホルモンであるインシュリンを分泌できなくなる1型と呼ばれるものと、インシュリンが正常に作用しない2型と呼ばれるものがある事は広く知られています。

 2型糖尿病の原因の一つに肥満が上げられていますが、最近の研究で肥満によって血管の内皮細胞のインシュリンへの作用性が低下し、筋肉内の毛細血管が充分に拡張しなくなるために筋肉の末端までインシュリンが到達しなくなり、筋肉での糖の取り込みに障害が起きている事が肥満と2型糖尿病の関わりとして判ってきています。

 肥満によって引き起こされるインシュリンへの反応の低下、いわゆるインシュリン抵抗性は最初に筋肉に現れる事は知られていましたが、詳細なメカニズムは知られておらず、血液中のインシュリンが毛細血管の内皮細胞を通って筋肉へと移行する事も知られてはいませんでした。

 先日行われた研究では、血管内皮細胞でインシュリンの作用を伝達する「インシュリン受容体基質」に着目し、インシュリン受容体基質の働きが欠損すると、食後にインシュリンが分泌されても血管を拡張する酵素が活性化されず、正常な状態の半分ほどしかインシュリンが筋肉には届けられないために糖の取り込みに障害が生じる事が突き止められています。

 そのため現在、慢性閉塞性動脈硬化症などの治療に用いられている血管を拡張させる酵素を増やす作用のある薬剤を投与すると、筋肉への糖の取り込みが改善される事も判ってきています。

 また、慢性的に高脂肪食を摂り続け、血液中のインシュリン濃度が高い状態を続ける事でインシュリン受容体基質が半分程度に減少する事も確認され、インシュリン受容体基質の働きが欠損した場合と同じように血管の拡張と糖の筋肉への取り込みが行われず、血管拡張酵素の生成を促す薬剤の投与で改善されるという結果も得られています。

 今回の研究で、これまで2型の糖尿病について行われてきたインシュリン抵抗性を改善するための薬剤を用いた治療が、充分な結果を得られなかった理由が明らかにされた事になり、糖尿病の治療に新たな道が開かれた事になります。

 筋肉は血液中の糖の最大の消費臓器とされる事から、糖と筋肉の関わりを改善する今回の研究結果は、糖尿病の治療に画期的な変化をもたらすのではないかと期待が膨らんでしまいます。


 



第1664回 社会的減塩     2011年03月03日

 塩分との関係については諸説がありますが、日本人の約4千万人が高血圧といわれ、主要な調味料のしょうゆや味噌なども塩分をベースとしている事を考えると、やはり塩分の摂取量について気になってしまいます。

 以前から外食の味付けは塩分が多いと懸念されてきていて、最近では外食の機会は減ったとされますが、その分、持ち帰り弁当や惣菜などの「中食」が増えたとされる事から、家庭の味付けではない物が相変わらず食べられているようで、塩分の摂取についてはやはり気になります。

 厚生労働省が行った「国民健康・栄養調査」によると、平成21年の日本人1人当りの塩分摂取量は1日10.7gとされ、高血圧の管理のためとして推奨されている1日6gのほぼ倍近い量を摂取している事になります。

 そのため減塩された食事を意識してしまうのですが、減塩食は味気ない食事の代名詞のように言われる事もあり、美味しい食事を食べたいと思うと健康には良くないものとなってしまいそうにも思えます。

 美味しさはそのままで塩分を減らす方法の一つとして、「出汁をしっかりととる」というものがあります。出汁を濃い目にして旨味成分を増やす事で、塩分量が少なくても味が薄いと感じる事なく美味しくいただく事ができます。

 もう一つの方法としてはスパイスを上手に使う事。薄味の食事でもスパイスを上手に活用する事で、美味しさを演出する事ができます。スパイスは刺激物でもあるので使い過ぎには注意が必要ですが、減塩に有効なアイテムである事は意識しておくと便利な物となります。

 そのようにしてなるべく負担なく実践される減塩生活ですが、成功の難しさはあくまでも個人の努力にかかっていて、他の食事から隔離された状態でしか行えない事による部分が大きいと考える事ができます。

 高血圧を意識して減塩生活を実践する際、最初に言われる事が「外食を控え・・・」となっていて、外部からもたらされる物は悪い物とされ、自ら用意する以外には減塩食は食べられないように言われます。

 外食の味付けが明らかに塩分が多く、日本人塩分摂取量を増やす元凶となり、高血圧の患者を増やしているのであれば、食品関連の業界全体から減塩に取り組む事が重要なように思えます。

 食品業界全体が主体的に減塩に取り組み、結果的に国民的な減塩に成功した英国の例を見ると、減塩をはじめとした健康への取り組みの必要性を社会全体が意識する事も大切ですが、健康の確保は個人の責任とせずに業界全体を巻き込んだ意識の高まりが求められるのかもしれません。


 



第1663回 笑う門には     2011年03月02日

 昔から「笑う門には福来る」といわれ、笑うという事は良い事をもたらすとされてきました。良い事があったので笑い、笑った事で良い事が訪れるという幸せなスパイラルにはまると、笑いの効果は絶大なものになるのかもしれません。

 近年、知られてきた事として、笑う事によってもたらされる良い事の一つとして免疫力が高められるという事があり、笑いによって思わぬ治療効果が上った例は数多く報告されています。

 時としてその治療や予防に関する効果は薬剤以上に有効とされ、病は気からという事も含めて、病気にならない、病気を速やかに治すという意味においても笑う事の重要さを伺う事ができます。

 しかし、実際の医療現場はというと、厳格な雰囲気と緊張が入り混じり、とても笑える感じではない事が思い出されます。そんな状況を打開するために2005年に、「癒しの環境研究会」において「笑い療法士」の制度が発足されています。

 笑い療法士は、闇雲に笑いをとって患者の免疫力を高めるというのではなく、まず、自分自身が1日に5回は笑い、5回感動するように努め、接する相手に「安心、安全」「一緒にいると楽しい人」と感じてもらえる事からはじめ、自然な笑いや生きる力を引き出す療法を行うとされます。

 ジョークやユーモアを交えて単純に笑わせるというだけでも大変な事なのですが、個々の患者とその時々の話とタイミングに合わせて言葉や行動を選び、自然な笑いを引き出すには広い知識や巧みな話術、高いユーモアのセンスも問われます。

 今年、その笑い療法士に認定されたのは72名で、これで総勢520名になったとされます。医師、看護師から介護職員、一般市民、難病患者など、多種多様な多くの応募者から研究会が書類選考を行い、研修によって笑いの本質や効果、話し方などを学んで、評価された人がはじめて笑い療法士に認定されます。

 笑いの効果を最大限に引き出す事や、笑いを自然に演出するといった笑えない大変さ、そうした相反する難解なものを感じてしまいます。患者の側も人任せにはせず、自然と笑える事、感動できる事を日々探していく姿勢が大切なのかもしれません。


 



第1662回 努力は勝る     2011年03月01日

 物静かな印象を与えるせいか、スポーツは苦手と思われる事がありますが、実はそれほど苦手という事もなく、それなりにそつなくこなす方でもあります。聞くところでは、子供の頃、かなり活発で、乳母車から落ちる事もよくあったそうで、その頃に培われた運動神経のお陰かなとも思っています。

 以前、聞かされた説では乳児期の早い段階で運動神経は形成されるとの事で、その時期におとなしく過ごしてしまうと将来的にあまりスポーツ向きではなくなるとされていました。

 実際、子供の頃、「運動神経が優れた人」として何のスポーツをさせても上手にこなす人がクラスに一人はいて、先天的な才能として評価されてきました。

 解剖学的な運動神経とは、脳から体内の筋肉へ動きの指令を伝えるために用いられる神経の事で、普段使われている運動神経という言葉とは少々異なる物である事が伺えます。

 細かく見ていると「スポーツが得意」、「運動神経が優れている」という状態は、一回の脳からの指令で、無駄なくより多くの筋肉を正確に制御できる事を指していると思えてきます。

 以前、自動車レースの最高峰であるF1の偉大なチャンピオン、ミハエル・シューマッハーの身体能力について測定された事があり、神経の反射速度は平均的なものでありながら、多くの事を平行して行う事に優れているという分析結果が得られていた事がありました。

 一般的に5〜8歳の頃に著しく神経系統が発達し、9〜12歳までに完成期を迎えるとされます。その間にいろんな事を経験してスポーツに必要な走る、跳ぶ、投げる、捕るといった基本的な運動能力が確立されるといわれ、神経系統の発育が終了した後では間に合わないようにも思えます。

 しかし、本当に必要とされる能力は神経の伝達速度よりも、必要とされる運動イメージについてさまざまな筋肉を的確に制御して動かすという能力である事から、成長期に神経系統の発達が充分に行われていなくても、その後の筋肉を上手に動かす協調性を鍛える事で「運動神経が優れた人」となれる事が判ります。

 適度な運動をする事は健康の維持、管理に有効な事は広く知られていますが、運動神経にも同じ事がいえ、適度な運動に通常とは少し違った内容を取り入れる事。ジョギングでは小刻みな早いステップを行ってみたり、後ろ向きの走りを採り入れたりといった事で、筋肉の動きを制御する機能の向上を意識した動きを追加するようにすれば、より多くのスポーツに応用が利く事が考えられます。幼少期の事を思い出して諦めてしまうのではなく努力する事、それが大切である事が判ります。


 



 

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