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第1692回 塩なしすぐき     2011年04月13日

 前回のすんき漬けとよく似た名前に「すぐき漬け」というものがあります。すぐき漬けは京都の伝統的な漬物で、千枚漬け、柴漬けと並ぶ京都の三大漬物の一つとなっています。

 すぐき漬けは「すぐき菜」と呼ばれる原材料を使い、塩を使わず乳酸発酵によって仕上げられるというと、すんき漬けと酷似していて、同じ物や同じ系統で発展した物という感じがするのですが、両者に関連性はなく、すんき漬けとすぐき漬けは独自に成立して発展した全くの別物といえます。

 すんき漬けに使われていた「すんき菜」は葉物野菜ですが、すぐき漬けに使われる「すぐき菜」はカブの変種で、「酸茎菜」と書かれたり「すぐきかぶら」と呼ばれたりもするのですが、地元でもあまり知られない野菜とされています。

 すぐき菜は「水茎(すいくき)」、「加茂菜(かもな)」とも呼ばれ、京都では「すぐき」といえば野菜のすぐき菜を指すだけでなく、すぐき漬けの事を指す言葉ともなっていて原材料の野菜よりも漬物の方がよく知られた存在となっています。

 すぐき菜があまり知られた存在となっていない事については、すぐき菜が極めて限られた地域でしか栽培されていないという事情があります。上加茂と呼ばれる地域の松ヶ崎の西、北山通りよりも北という狭い地域でしか栽培されず、栽培法についても長らく秘伝とされていました。

 すぐき菜の由来については謎の部分が多く、一説には400年ほど前、上加茂神社の神官が加茂川の河原に自生していた風変わりなカブを持ち帰り、境内で栽培した事がはじまりとされ、飢饉の際に付近の人々に種が分け与えられたりもしていますが、すぐき菜は土を選ぶ性質が強いだけでなく栽培に多くの手間隙も要する事から広まらず、地元でも知られない食材となっています。

 すぐき菜は8月の末頃に種が蒔かれ、11月の下旬には収穫されます。収穫後、皮を剥いて下漬けされた後に本漬けが行われ、本漬けには長さが5m近い丸太を使い、一方を固定してもう片方に重石を下げてテコの原理を利用して押さえ付ける独自の「天秤押し」が使われる事もすぐき漬けの特徴の一つとなります。

 数日間の本漬けの後、室に移されたすぐき菜は加熱されて発酵させられ、収穫から一ヶ月ほどを経てすぐき漬けは仕上げられます。すぐき菜の収穫が年明けまで続く事から、すぐき漬け作りは2月の末頃まで行われて終了し、美味しい時期は雪の頃とされています。

 すぐき漬けが始まった当初は、後に「時候熟れ(じこうなれ)」と呼ばれる収穫して本漬けをしたすぐき菜を家の軒下に置いて自然の気候で発酵させる技法が採られていました。時候熟れで仕上げられるとすぐき漬けの食べ頃は春から初夏にかけてと遅めになり、時節柄、発酵食品がありがたい時期となるのですが、京都の厳しい冬とはいえ雑菌の繁殖を制御するには難しく、今日ではほとんど見られない技法となっています。

 木曽のすんき、京のすぐき、共に通じるのは乳酸発酵由来の酸味となります。「塩梅を見る」という言葉が示すように料理において酸味は重要な要素であり、もう片方の塩を欠いてはいますが、植物由来の乳酸菌を上手に活用した知恵が別々に発展しきたという点に興味深いものを感じてしまいます。


 


 

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